2019年度春季関東大学男子1部リーグ・7日目

15分一本勝負ぐらい。→どうやらしばらく帳票が掲載されないようなのでスタメン追記


@駅前が何もない更地だったころからお世話になっているキッコーマンアリーナ


時が経つのは早いようで遅いようで。

日本大3-0慶應義塾


慶應:23小出 9降 21富澤 5宮川 12清水 1吉田 L7永田/17加藤


日大:19谷越 2高 36下田 35関根 7貝原 32高橋 L5新山


全敗同士の対戦。このカードがストレートになるのか,と。慶應本日は宮川くん。


日大は先週に続いて松村が不在。松村のところは貝原。あとは先々週と同じかな。なんとなく形になってきたかも。上位相手と(勝てはしなかったが)接戦を繰り広げていたと考えると後半の勝ち星に期待したいところ。

早稲田3-0中央大


早稲田:4村本 2武藤 8宮浦 18大塚 7村山 10中村 L1堀江


中央大:2富田 10梅本 17山岸 15鍬田 4水野 11中野 L13土岐/18柴*1


おもにこちらを見ていたのだが,早稲田つええええ。中大は水野スタメン復帰の模様。


中大がどうこうじゃなくて,ほんと,早稲田強い。去年からメンバー大幅にかわったのに,今年もつええな。大塚のバックアタック楽しい。


宮浦鍬田の鎮西マッチアップとか,武藤兄弟の同一フレーム(弟がラインジャッジ)とか,細かいところでによによしながら観ていた。しかし鍬田はあまり目立たず,けしてできない子じゃないけどもっとできる子なはず。とか思いながら。


中濱くんのボール触れない悲哀など。(点差がついたところで交代で入ってコートに立つがボールを触る前にセットが終わってしまうやつ)

駒澤大3-1東京学芸


学芸:18森本 11吉田 23荒木田 16小松 19小野 17村岡 L28荒井


駒澤:9森田 12山田 28江藤 1谷平 5尾形 3齋藤 L11山根


駒2勝目わーい。学芸は,コートの半分ぐらいが2年生で下級生中心。と考えるとこの春すぐに結果を求めるのは難しいか。吉田の腹番号に下線が錯視されるが,とはいえ彼にもっとチームを引張れというのも酷な気がして(専修の東はすでに主将ですが)。


駒澤は,曽田くんが選手登録じゃなくてスタッフ登録でベンチに。

順天堂2-3専修大


順天堂:15小野 20松下 13タナカ 19岡本 24亀山 2中村 L22高橋


専修:19藤中 1柏田 14久保下 9東 3谷 10久保 L20大林


第1セット開始早々これはめんどくさい試合になりそうだと思ったら,予想通り,長い試合になった。各セットお互い抜きつ抜かれつそのたびにタイムアウト,といちいち長い。ラリーも長い。第3セットはワンサイドで専修が取ったが,第4セットは順大が持ちこたえた。最後は9-15。アタッカーの決定力で専修が一枚上手だった,かな。岡本悪くなかったけどな。OP対決という意味では差はついてないんだろうけど。


先日数値を計算していて,「へえ」と思っていたのだが,専修はMBの打数割合がけっこう高い。意識して観ていると,スパイクもブロックも,良い仕事をしている。柏田と谷,ふたりとも。

筑波大3-1明治大


筑波:14坂下 11高橋 13吉田 8小澤 32エバデダン 20阿部 L12山口


明治:13上林 2鎌田 23安井 9池田 1小松 15三輪 L21鳴尾/14瀧田


そらまあ明治ちゃんに勝ってほしい気持ちはあったけど難しいよね。第1セット20-25で明治が取ったけど,筑波の起動に時間がかかっているだけだった。吉田の決定率どんだけだったんだろう(帳票上がらなくなった)。打てば決まるし,ブロックもあんまりつけてない。筑波,真ん中あんまり使わない(坂下と小澤のXがたまにあるくらいか)ほうと思うんだけど。知らんけど。

日体大0-3東海大


日体大:6道井 1仲本 28川口 11高橋 13西村 29鬼木 L16市川/12小川


東海大:4山崎 28佐藤 12春藤 30樋内 18安部 31山本 L9外崎/15井上


スタメン不動のイメージの強い東海大,今日はOP春藤で,山崎の対角は樋内。ふたりとも良かったねえ。樋内くんは,鶴田とか島田とかそういう系統のサイドなんだろうか。がっしりしてる雰囲気が。そして春藤の細いからだから繰り出されるえげつないスパイク。


新井が出てないのが気になりはしたものの,ベンチ入りはしていたから,酷いなんちゃらとかではないと思われる。思いたい。


日体大は試合中に西村が足をくじいて負傷退場。下がってケアしたところでぴょんぴょんしてみてトレーナさんに「×」を出されていた。大事ないとよいのだが。かわって入った17番さんはがんばっていたけど,西村のキャプテンシー(え?)

*1:フローターサーブのレセプションが柴,ほかは土岐というすみわけだった

写真で振り返る4/20明治-慶應

のつもりが実態は「帳票を振り返る」になってしまった。嘘を書いていないか確認しようと帳票を見て、数値が印象と違っていて数値に引っ張られて訂正する。結果、パッションと勢いが削がれる。


その帳票(PDF


ストレートマッチ。25-19 25-19 25-17。


明治はこの試合とても良かった。池田が伸び伸び打っているように見えた。それだけでぜんぜん違う。池田のアタック決定率は66.7%(14/21)と、過去5試合で最も高い*1。対する慶應は、たぶん悪かったのだと思う。第1セットはマルキも出ていなかった。マルキ自身は出たセットの成績は悪くなく、アタック決定率も高い(7/11で63.6%)のだが、本調子ではないのだろう。


お互い、そういう日もある。慶應の武器であるサーブが走っていなかったのも気になった。しかし、何より、帰宅後に撮りすぎた写真を観て、慶應のブロック揃ってなかったんだなーこれじゃ勝てないわなー。と感じた。


もちろん、たまたまそういう場面がいくつか写真に収まっていただけで、全部がそうではない。明治のブロックが超良かったとも言わない。何度か見られた明治のサービスエース(=慶應ぽろり)も、なんだかな、だったので、勝負の文がブロックにあるとも言えない。とは言え、たまたまシャッターを切った中で、とくに第3セット、慶應のブロックが明治に対して2枚ついている場面が少ない。アタッカー3枚に対して1枚ずつのマンツーマンだったり、センターにコミット2枚ついていたり。明治の安井の決定率は25%(4/16)とMB期待値に比して低すぎる数値なので、他チームと比べて打数が多い対MBのクイックという点では効果があったのだろうが、クイックをケアしすぎてサイドアタッカーがフリーパス。そりゃ伸び伸び打てる。上林のライトへのトスも悪くなかった(レフトは見えなかった)。


慶應の6試合通算のセットあたりブロック得点は8位なので、この日がたまたまだったのだろう。個人成績の上位に名前がないが筑波も慶應以上に個人成績の上位にいない(樋口のいた昨季までと比べるとオフェンスディフェンスとも物足りなく感じるのが正直なところ)し、ことブロックをキルの本数で論ずるのも適当ではない。しかしこの試合に限って言えば、このブロックではディグも上がるまいと思った。


以下写真。多いよ。


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第1セットの池田の(たぶん)バックアタックブロックアウト


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実際パイプの本数はさほど多くないのだが、6人ぎゅぎゅっと収まってるのが良い。


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第2セット。セッター(ストレート側)も高いから揃ったら悪くないんだ……


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アタッカーと2枚のブロッカーの助走のシンクロ。斜めから見るときに1枚は撮りたいやつ。


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富澤の打点が高い。素敵。


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バックアタック。これもブロッカーは小松一枚。


本筋から外れてきた。富澤がけっこういいと思って見てた。帳票観るとそんなでもなくてちょっと不思議。


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正面向いてプッシュと見せかけてのトス。面白かったけどトスとスパイクがへなちょこで後ろのおじさまたちが苦笑していたのは内緒。


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第3セット。1対1


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鎌田のサーブも良かった。ワイパーの神園の笑顔がたいへんかわいい。


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このへんが本題のお写真。打ったのは前衛レフト


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1枚ですわね。


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身体捻ってのストレート。
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第3セット18点目、この日の鎌田のバックアタック1/1の場面。レフト寄りから突然現れてめちゃめちゃかっこよかった。


上林は無茶ぶりはするし、調子の波なのかなんなのかサイドへのトスが不安定なときは多々あるけれど、けしてぶん投げるタイプではない(と思っている)。ときどき面白いしフェイクもスパイクもするけれど、根っこにあるのは「俺様」ではない、と思っている。贔屓目か。贔屓目だな。でもいいの。

*1:これを書いている6試合終了時点でも最高値。

2019年度春季関東大学男子1部リーグ・5日目

@駒澤大学玉川キャンパス体育館(Bコート)


今週は会場確保が難しかったようで、1コートずつの2会場にわかれた。そのかわり観戦無料。Aコートは順天堂大学さくらキャンパス。酒々井と二子玉くらい行きやすさに差があると迷う余地がなくていい。


入れ替え戦でお馴染みの二子玉、駒澤が2部にいたころはリーグ戦の主会場だったけれど、数年前に1部に上がって以降の1部リーグ戦は記憶にない。バス必須で本数も多くないので不便だけど、うちからは行きやすいほう。鎌田で降りれば道中コンビニも2軒ある。体育館も明るくて好き。入れ替え戦時と同様にフロアのコートサイドに観客席が作られていた。応援もフロアの角で、セットごとに移動。


案の定バスが少し遅れ、開始時刻ぎりぎりに到着したら既に4-0だったのには参ったが。


そのまま第1セットはぼーっと見ていたが、そのあとは、せっかくの1コートなので腰を据えてじっくり。2コート同時進行だとどっちつかずになりがちなのでその点は良かった。(とはいえ、やはり大前提として会場分散は寂しいでござるよ。1週くらいならいいかなって話よ)。

明治大3-0慶應義塾


明治が好調でさらっとストレート。別記事に。
cana.hatenablog.jp

筑波大0-3専修大


2部から昇格(復帰)しここまで全敗最下位の専修大が筑波大をストレートで下して初勝利。


コートに近い=臨場感=選手の声がよく聞こえる。一方で起きていることを把握しづらい。というのは言い訳だけれど、どうしてこの結果になったのかはリアルタイムで観ていながらまったく分からなかった。


専修はほんとによく拾ってボールが繫がっていた。前週不在だったリベロ大林が復活し、東、久保(OP)、藤中のサイド。久保はまあまあ久保だったけど、東がすごい。拾って拾って開いて助走して打って。3年生キャプテン、頼もしかった。


一方の筑波大は淡々とずるずると負けていった。第1セットも第2セットも第3セットも、中盤15点頃まではリードしているのに追いつかれ、逆転されてセットを落とす。監督は全く動かなかった。第2セットの柏田が8本続けてサーブを打ったときも。14-9が14-17ってどないやねん。秋山さんはきっとそういう方針なんだろうから、あれは、コートなりベンチなりの選手や学生スタッフが、タイム取るなりするべきだったんじゃないかねえ。流れのスポーツとか手垢のついた安易な表現だけど、人のやることだからさ。


逆に第3セット終盤、専修先行のサイドアウトから筑波に1ブレイクされて逆転された瞬間にタイムを取ったのは印象的だった。初勝利を目前に勝ち急いじゃう気持ちと、やべぇ逆転されるかもって不安、どちらもにひと呼吸を置くために。結局そのタイムアウト直後にも切れずに21-19まで点差が開いたものの、23-21から藤中サーブのローテーションで4連続ブレイクしてストレート決着。ブロックワンタッチと切り返しからの東・久保のスパイクという理想的な展開。


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サイドの打ち合い


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サーブ(逆光)


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初勝利の喜びかたがほんとうにほんとうに嬉しそう

中央大3-2駒澤大


中央大学フルセットボーイズ。つって今季はそうでもないが。


駒澤は初戦の対明治フルセット勝ち以降は勝ちがなく、いつかも見たぞこのパターン。フルセットまで持ち込んだなら勝ちたいところなんだけど、勝ちきれない。


駒澤は前週までとコートの顔ぶれが少し変わり、齋藤がオポ、レフト対角が谷平森田。去年の秋あたりに近いのかな。森田がサーブでめためた狙われる予想通りの展開になったが、全体的にはこのメンツがいちばんマシなのかね……齋藤はよく打っていた。♪さいとうさんさんさんを何度も聞いた。(突然「おぽさいとう」もやっていた)。


中大は2面進行だと疎かになっちゃうチーム筆頭なので(中大に含むところはないが、やたら中大側の客席が混んでる時期があったのでなんとなく見ないのが癖になった)、ちゃんと観られて良かった。今日の富田は良い富田。かっこいいよねえ。


第4セット終盤平井に変わって水野。開幕からベンチアウトで初ベンチ入り。風の噂で軽い故障と聞いていた。出なくてすむ展開なら出なかったのだろうが、リーグ前半での2敗は避けたいだろう。水野すごいなって思った。プレーももちろんなんだけど、4年生力っていうのかなあ。コートの中で声を出して雰囲気を盛り上げて。


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駒澤のスパイカー陣にはどことなくホーム体育館の伸びやかさがあった


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中野のフォーム美しい。


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富田はガッツポーズもたいへんかっこいいんだけどフォーカスが間に合わない

下書きのお焚き上げ:2018全日本インカレを終えて

インカレと天皇杯ファイナルの間に、スマートフォンのメモに書いていたもの。これをもとにパソコンで仕上げてアップしようと考えていたものの、なかなか心の余裕がなく、数晩経つころにはあまりのエモさに恥ずかしくなって、そのまま寝かせていた。
新しい年度になり新しいチームになった。いつまでも捨てられずに置いておいても仕方ないので、書きかけだけれど公開しておく。
主に3位決定戦の明治大対東海大をうけて書いた。他にも(優勝した早稲田や準優勝の平大や、それ以外にも)書きたいことはあったなかで、手を付けていたのがこの3つ、と考えると、去年の自分は明治大のことをけっこう好きだったんだねえ……。
以下、文中の時間はすべて2018年12月時点。

こまつせんぱい

以前も書いたことがあるかもしれない、あると思う。去年国体東北ブロック予選を観に行ったときに秋田代表で出ていたのがプレーの初見だったと記憶している。それまで顔と名前をうっすら把握している程度だった。
高校時代も知らないから、リベロだと思いこんでいた。打つんだ、という驚きが、インプレッションのほぼすべてだった。それも、けっこう、打つ。躍動する姿に目を奪われた。
その年の秋リーグは覚えていないが、おそらくセカンドリベロに戻っていたと思う。そして今年の春の開幕、そこに紫紺のユニフォームの13番がいた。
いろいろなメンバーが出た春リーグを経て、リーグ後半ないし東日本インカレで今のスタメンに固定した。サイドの一画にその姿があった。179センチメートルのウィングスパイカー
明治大と東海大の対戦はいつもすこしもぞもぞする。その時々によるがたいてい東海大に勝ってほしいと思っているのに明治大にキャッキャしながらはしゃいで見て、明治大が勝って自分で自分に気まずい思いをすることが少なくない。少なくともこの一二年。ということは明治大は東海大に相性が良いのだと思う。その理由はなんとなくわかる。
今年の秋リーグは初日に対戦し、フルセットで東海大が勝った。前期6位と7位の対戦だったが、明治は勝てた試合を落とした、という印象を受けた。細かい得点経過は忘れた。過去の記録を確認したところ、春リーグは新井無双でやはり東海大が勝っていた。印象や記憶なんてやっぱりアテにならない。
話が逸れた。秋リーグの明治大は対東海大のほかにもう一つ星を落とすも前半2敗で折り返し、後半も混戦の中で勝ち星を拾って最終日に4位に滑り込み、インカレの第4シードに入った。
強いチームという感じがしないのに結果を出す。いろいろもやもやすることはある。4年生が小川一人しかベンチに入っていないとか、AとBの温度差とか。
でも、残念ながら、強かった。
そこで小松である。かえろとかさげろとか思ったことは不思議と一度もなかったが、小松前衛しんどいな、と感じることはちょこちょこあった。

かんばやし

アタッカーがセッターを育てる
という言葉がある。
わたしはあまりセッターを意識して見ないのだが、意識して見るといらいらするからかもしれない。低すぎるネットに近すぎる遠すぎるアンテナまで伸びていない長過ぎる。
自分はプレイヤーではないので何が打ちやすいのかわからないし、どんぴしゃならどんぴしゃで止められることもある。3枚揃ったオープンとかコミットで飛ばれたクイックとかね。セッターのせいじゃないけど。
難しそうなトスだなと思っても、決まれば良い。
セッターがアタッカーの器用さを育てる話になってしまった。そうじゃない。
3位決定戦の上林は良かった。準決勝がそんなに酷かったわけではないが、3位決定戦になって余計な力が抜けるたのかもしれない。ボールに余裕というか優しさが感じられた。小松がおもしろいように決まっていたのも相手のブロック力(しょんぼり)や本人の脳震盪効果(あかん)もあったと思うが、トスも良かった、たぶん。
これはことあるごとに言ったり書いたりしているが、春リーグのまだはじめのほうで、上林と三輪が移動中にセットのボールの高さについてあーだこーだ話していた。1年生のアタッカーに希望を聞いている上林はちっとも俺様じゃないし、全くこれっぽっちも萎縮していない風の三輪も面白いと思った。
その時は微妙に噛み合ってなくて苦笑混じりに耳をふさいだけれど、それから数か月経った今はどうなんだろう。試合中の上林は三輪に無茶振りするし、どんな無茶振りでもそれなりに応えて得点にする(少なくとも失点にはしない)器用さが三輪にある。
だけど無茶振りは絶対の信頼だろうしその信頼に応えるのは、アタック技術を磨くだけでもなかろう。
あと2年。もっと要求していい。

センターエース

上林が三輪を信頼している(であろう)流れで思い出した。
東海大こそ、今でこそ新井を獲得し新井中心に組みたてているが、久しく絶対的なエースらしいエースのいないチームだった。と言うといろんな方面に失礼か、でもそうだった。その間、93生の栗山と95生の小野寺、二人のミドルブロッカーの役割は大きかった。センターエースとまで言うと盛り過ぎになるが。
この先しばらくは新井を中心に組み立てていくのだろうしそれで良い。あれは才能で強力な武器だ。新井までどう持っていくか、どう新井をいかすか。そこがポイントになるだろう。それだけじゃだめだけど。
なんでもかんでも新井じゃつまらないし幅が狭まりマークもされる。新井のスパイクコースに入って、上がらないまでも触りはする。それが続き、じわじわと追い込まれて最後は続けて上げられたのが、準決勝の第4セットだった。3連続新井で、3本目が上がる頃、ここで佐藤で切れたらいいのにと思った。平大のミドルは高いし、コミットでシャットされる危険はあった。ゆえに一番確実な選択が、新井のレフト。ネットにかかってい軌道がかわり、サイドラインを割った。
3位決定戦でも、上がらないまでもの場面があったし、上がったこともあったかな。第1セット、先に24点に乗せてから5度のセットポイントをかわされ、最後に落としたのもS1レセプションローテの新井レフトからのスパイクを拾われて、松田に決められた。
得点王は本人の決定率の良さのなせる技で名誉だが、なんでもすべて一人で打つわけにもいかぬ。決定率を上げるのも全体での仕事だべ。
単純に、自分が中央突破が好きなだけかもしれない。
安倍の打数が増えていたのは心強かった。一方で、3位決定戦の最後に佐藤が外れたのは、寂しかった。所詮と言ってはならぬし、黒鷲旗出場権もかかっていると思われる3位決定戦、3位になりたい、だったのか他に理由があったのか。永露と佐藤のホットラインが好きだった。その左手から繰り出される高いスパイクが頼もしかった。だから最後はコートにいてほしいと思ってしまう。最後に交代で入り2点取った明治の飯田が「報われた」と明スポに語ったように。
来年はセッターが変わるのでそこもまた楽しみである。

2019年度春季関東大学男子1リーグ・3日目

東海大学湘南キャンパス総合体育館


久しぶりの湘南校舎。近道商店街の最後の心臓破りの階段にエスカレータが設置されたのが平成29年。前回行ったときがちょうどエスカレータの工事中だった気がする。エスカレータが完成してから行ったことがあったかなかったか。きっとない。


角のローソンも場所が1ブロック移転していたし,キャンパスから道路を挟んだ北向かいにあった,賃貸不動産屋やらが入っていた古い商業施設(と,大きなTSUTAYAもあったか)がぜんぶ更地になって,草もそれなりに茂っていた。だからほんとにしばらくぶり。


ゆったり広々とした構内は,新緑と立て看の季節。桜も残っていて,並木の若葉が芽吹いていて,陸上のトラックが青色になってて,目に鮮やかで気持ち良い土曜日の昼。これまたずいぶん久しぶりの午後2時開始。

日体大3-0駒澤大


前週学芸にフルセット負けした日体大。この日は良かった。それに駒澤が良くなかった,かも。東海大の体育館は広いので両コートを追うのが難しい。真ん中あたりに座るとどっちも遠くてどっちつかずになる。片方に寄って座るともう片方はほとんど見えない。わたしは割り切れなくてどっちつかず。


道井のツーアタックがよく決まってたなあ,と遠目に。そこに翻弄されちゃう駒澤は,言われて見れば,あんまり,ねばねばよく拾うチームではないかもしれない。サーブでも崩されていた。この春の仲本のサーブが良いんですわ。繋ぎがあんまり良くなくてスパイクで返せない場面が多いのも気になる。初日こそフルセットで取ったものの,ちょいと厳しい感じ。


第2セットの途中ぐらいからOPで出ていた19番の萩原。2年生。活きが良くてかわいかった。岡山東商。東商と知るとかわいさup。

東海大3-0専修大


ストレート。専修大は第2セットから30番の1年生*1がスターター。久保,東,1年生。藤中はどうしたと思ったら、リベロで出ていた。1セットまるまる気づいてなかったわたしの節穴。


第1セットは東海大が大差(25-12)で取ったが,中村を入れた第2セットは競った。このセットをデュースの末に落としたのが,痛かった。リードしたセットを取り切れない専修大


第3セットも,終盤専修アドバンテージのサイドアウトの展開のなか,久保のスパイクアウト東海大が前に出て,久保のスパイク拾われて,で試合終了。


むぅ。


東海大新井。スパイクも当然ながらブロック得点も目立った。目下ブロックキング独走中の佐藤を避けた結果新井が止めてる,というのもあるのかしら。隣同士ではないけれど。


龍くんが龍くんに見える,と,界隈で言われる。山本龍と龍一誠。もちろん面白がって言っているわけだけど,確かに,ほんのり似ている。背格好も背番号も顔立ちも違うけれど,ふてぶてしそうなところが。


前にも書いたかもしれないが,ビハインドでもスパイクがなかなか通らなくても,顔や態度に出ない。焦っているように見えない。今日も途中で伊藤が何度か連続で止められたり拾われたりして,徐々に点差が開いていった場面があったが,追いつける点差を見極めてそこまは決まらなくても試す,みたいな幅を持った組み立てをしているように見える。タイムアウトあけに一本新井でさくっとサイドアウトを取ったり。

早稲田3-0東京学芸


第3セットの点差が大量で,早稲田が20点のったところでまだ一桁だったか二桁にのったところだったか。そんな感じだったので,早稲田はわちゃわちゃしながら選手総取っ替えしてBチーム発動。去年もよく見たパターン。


早稲田がわたわたしていたのもあってそこからぐんぐん点差が縮まっていったのだが,かといってひっくり返せる点差でもなく。


学芸は途中でOPを小松にかえて森本。星城出身。セッターとOPで森本被り。森本姓,業界にいないわけではないけれど同一チームで被るのは珍しい。

筑波大3-2日本大


日大,水島をスタメンから外す。サイドは関根高橋下田。OPが関根。今季もフロントオーダー。関東1部唯一かな。


攻撃に振った布陣と見えたが,日大はみんなよく拾う。新山がレセプション時に高橋のカバーに入って何度かぶつかりそうになっていたのは少々気になったが,決定力不足に手を打った策は正解だったか,筑波から2セット先取。でも勝てない。3試合連続のフルセット負け。


今季の筑波は坂下でもっている。先週はメンバーが変わってる割にそうは見えないと感じたが,今日はセッターがかわったことや樋口がいなくなったことが,苦戦に繋がっているように見えた。とくに前半の小澤は調子が上がってこず。トスも合わず。第1セットは大差のビハインドになり,20点を過ぎたあたりで,垂水が出た。後衛のみで前衛に上がる前にセットが終わってしまったのは残念。トス上がらなかった。たぶん。


日大の松村はほんとにブロックがうまい。マンツーマンっぽいときには,単純なひとり時間差は全く通用しない。ゆえに,日大はサーブで崩してセンターラインが仕留める形に持ってこれると強い。


高くんもブロック強い。それだけ揃っていて,なのに,以下ループ。


試合後半に限って言えば,日大のセッター(三木)もふわふわしちゃったかなー。

中央大3-0慶應義塾


Aコートは3試合すべてストレート。開幕戦が惨状オブ惨状だった中央大もそのあと2試合はストレート勝ち。てことはあの2人がいないのは開幕前にあまり想定していなかったってことなのかな。遠目ながら,どたばた感もなくなって,チームとして戦えていたようす。


慶應は,当たり外れがでかいようで,なんとも。

明治大3-1順天堂


明治が勝った。このカードは順大の分が良い印象が強い。それこそ,東海大の体育館で順大ストレート勝ち,とか,なかったっけ。記憶違いか。でも,ここ数年は明治の勝率が良いらしい。意外。


MBは三輪と安井。明スポ記事によると前週の三輪不在は体調不良だった模様。ただ,コートに戻ってきたとはいえ,去年の無双ぶりを思えば物足りなかった。練習もまだじゅうぶんにできてないのかなーという雰囲気ではあった。


去年の三輪以上に安井がセンターエース。チーム内の打数得点1位。バックアタックも(拾われたが)1本打った。


ことあるごとに上林のトスに野次を飛ばしているのだけれど,今日は良かった。前週はレフトへのトスが安定しなくて,それゆえのセンター過剰にも見えるけれど,今日はサイドもちゃんと伸びてて良かった。ほんとに。途中ぐらぐらしかかったけれど持ちこたえた。


それに,ブロックがめちゃめちゃ冴えていた。キルブロック6本。1人で止めたのも何回か。第1セットの中盤で2連続で松下を止めた。ここまで気持ち良くブロックが決まると,トス以外天才の称号が頭をよぎる。盛り上がるし。


順大は,亀山が1年生とは思えないし,岡本も良かったんだけど。前週よりはMBも存在感あったけど。うむ。松下→鳥原ってなって,しばらく鳥原ばかりみていた。かわいい。

*1:帳票によると中村太陽from大塚高校

2019年度春季関東大学男子1リーグ・2日目

45分一本勝負(=日付変わるまで)に挑戦。


日体大青葉台


桜満開のキャンパス。今まで春に何度も開催しているはずだけれど,開幕週だったことは少ないのかな。こんなに見事な桜をここで見たのは,初めてかもしれないと思った。きっと忘れているだけだろうけれど。きのう協議会(記録会?)をしていた陸上競技場では,小学生か中学生ぐらいの子どもたちが,集団でなにかのトレーニングのためのアップをしていた。駅から体育館に向かう途中の公園は花見客で賑わう。うららかな春の日曜日。


わたしは光の射さない体育館の中へ。

A1東海大3-0順天堂


前日フル勝ちの東海大とスト勝ちの順天堂。


第2セット31-29の接戦を,東海大が制したのが大きかったか。


東海大は,昨日追い込まれたように,なかなかスパイクが通らない局面もあった。


順天堂のディフェンスも冴え,高橋が伊藤やら新井やらのクロスのコースに正確に入ってディグを上げ続ける場面も見られた。しかし,順天堂は,そのあとのトランジションアタックを決めきれず,攻守を得点に結びつけられなかった印象。


とくに被ブロックが多かった。佐藤が3セットでブロック得点7本。身体の正面にこなかったときに手を伸ばして,片手で止める・押し込む,ワンタッチを取る。


東海大のバレーは,オーソドックスというか要は古風で,戦術的な面白みにはやや欠ける。ブロック7本は立派だが,個人技。ただ,出会い頭の偶然の産物ではなく,アタッカー(なのかトスなのか)を良く見てブロックしているのはすごく感じられた。


そして,去年までと同様,新井を攻撃の核としたチーム作りである点は変わらないが,その新井が,実にのびのびと楽しそうにプレーしているのが印象的である。


山本龍がうまい。落ち着いている。ビハインドでも動揺を見せないし安易な選択をしない。そして何より,ボールの出し方が叮嚀。その分読まれやすくはなるのでアタッカーの技量が問われるトスなんだけど,まあ,山崎も新井も,気持ち良いスパイクでねぇ。良かったねえ。


今日は最後の最後で,伊藤にかえて島田を出した。これが東海大唯一の選手交代。リリーフサーバーとしてではあったが,その後のディグも意識していたかしら,とは少し。


対する順天堂は1年生の亀山が,こちらも堂々としたプレー。ムードも良い。全国大会では無名の高校のようだが(強豪犇めきすぎる大阪だからそりゃもう仕方ない),良い選手取ったねと,順大ファンとしみじみと。

B1日体大2-3東京学芸


後手に回った日体大が,選手交代等で手を尽くすも,形成逆転には至らず。第3セットのデュースを取ったことでセットカウント2-1とリードはしたが,第4セット以降は完全に学芸が流れを持っていった。


学芸が熱い。そうだこういうむちゃくちゃなチームだった。去年の春あんなにおどおどきょどきょどしていた森本が,ほそっこい外見は変わらないけれど前面に闘志を出している。小松と小野がはしゃぐはしゃぐ。コートにずらっと並ぶ,16から19。小松村岡森本小野。内訳は3年2人2年2人。このへんがえらく元気。


とにかく無茶。コート内はつねにバタバタしていて,わちゃわちゃしていて,約束事とか狙い通りのプレーとか,そんなの全然できてなさそうなのに,誰かが拾いにいってばったばただけどとにかくボールを上げて,返して,良いところにかえったら力一杯ぶったたく。スパイク決まれば大喜び。むちゃくちゃ。でもすごく盛り上がっていてすごく楽しそうだった。


あれに飲まれないのは難しい。道井→河東とか,鬼木→西(膝のテーピングがあまりに痛々しくて強行出場感満載だったら,第5セットはでなかった)とか,がんばってはみたけれど。


選手交代も逆に学芸のほうが奏功していて,わたしが大好きな荒木田が,運動量は無闇に多いが結局無駄にエネルギーを消費している感じがすごく,つまり全力囮ジャンプに誰も釣られないし森本も釣られない。しかもCに入るので,しばしば他のいろんな選手の視界とコースを塞ぐ。(Cってどっかのローテがどうも難しいっぽい。というのを,武藤を見ていても感じた。どこのローテだったかわからん)。ありゃあ厳しいのうと思っていたら東にかえて,これが良かった気がする。よくわかんないけど。それから,レシーバーで入る濱中(かな,たしかきょねんリベロだった)もコートの中の冷静担当クールダウン担当で良い感じだった。

A2早稲田3-1慶應義塾


早慶戦


初日暫定単独首位だった早稲田,2日目にしてセットを落とす。でも,相手が相手だからなあ,なんて。


乗ったときの慶應ってすごいよね。というのと,あと,やっぱり高い。早稲田もずいぶん高くなった(セッターが185)が,さらに高い。そして,入れば凄いビッグサーバー揃い。


試合後,堀江と村本が同時にコートにいるのはそりゃあ贅沢なんだけど,あの2人よくぶつかりそうになっているよね,という話になる。考える前に身体が動いちゃうんだろうよ。でもぶつかって怪我でもしたら大変なので,なにがしかの対策をぜひ。

B2筑波大3-0駒澤大


というわけで2日目を終えて筑波が唯一失セット0の単独首位。小澤の髪が伸びててちょっとふわふわでとてもかわいい。


(あと8分。無理)

A3中央大3-0専修大


前日どん底試合だった中大,今日はスタメンを変えてきた。セッター山岸。P2に鍬田をスタメン起用。


ただ,この試合はほとんど見ていない。2コート同時進行の試合が久しぶりなので見方がわからなくなり,まして新年度の初めの方なので見所を絞れず結局どちらのコートも上滑った感じになった。


専修ちゃんがよくわからない。

B3明治大3-2日本大


Aコートが終わった第4セットから本腰を入れて観た。


春2日(+前哨戦1日)を見ていて,力をつけたと感じているのが日大。サーブもスパイクもすごくパワフルになった。前日サービスエース量産した水島だけじゃなく,関根も下田もパワフル。とくに関根は,今日すごく良かった。高さに力強さが加わった。


それだけに,連敗スタートとなったのは,残念,じゃ済まない。勝てたはず,という言い方は良くないのだけれど,こういう試合を取れるようにならんとね,という実に月並みな感想をもってしまう。自分は明治贔屓なので明治の2連敗濃厚な流れからの逆転勝ちは嬉しいのだけれど,日大視点では,なんとも釈然としなかった。


だって,明治の奇策,奇策だよ? 語彙がどっか行った。せっかく吹っ飛ばせるだけのサーブとスパイクを装備したんだから,もうちょっと,自信もってていねいにやろうよ。要所じゃないところ,大事じゃなさそうなところに出る雑さが,最後に響いちゃうんだよ。結果論でしかないけれども。風呂スレかよ,おまいら。


セットカウント1-1で迎えた第3セット,何がどうだったか覚えてないけど,「明治のサーブがさっぱり入らない」とか書き殴っている。そして,結果23-25で日大が取ったわけだけれど,たしか途中はもっとずっと点差が開いて日大が勢いに乗っていたのに,終盤で追い上げられて気づけば23-25の最少点差まで詰められていて,いやだな,という感じを受けたんだった。そして日大が勝つなら3-1,フルになるとスタミナ切れ起こしそう,と話をしていた通りの展開になった。


ところが第4セットは日大の入りが良く,下田のノータッチエースが決まって明治のミスが出て3-6になったあたりで,こりゃ決まったかな,と思ったわけですよ。その一方で,まだ序盤だから明治,今ならまだぎりぎりなんとかできる,ここが肝心,とも。


そこで明治が奇策,あるいは奇襲に出た。サイドアウト取って(下田がトランジションのライン踏んだ),小松がサーブに下がるところで,小松にかえて島を入れた。


小松を下げるのはわかる。かえるならほかにいない。スパイク決まらないし3枚でレセプション入るときに狙われてカットも崩れていた(小松に限らずみんな崩れていたけど),ブロックフォローだとかでかえがたい面もあるにしてもあんまりで。でも,そこに島くん入れるんだ,と驚いた。だって,小松と全く指向が違う。


日立明の立教戦は島がOPで,そらあ躍動感があってムードが良くて,すごく良い選手だなー,出場機会がピンサなのはもったいないなーって思ってた,けど,そう来るか。


そのあとの明治のローテごとのフォーメーションはじつに複雑だった。これを想定して準備しているならすごいチームだと思う。いったい誰が考えるんだろう。頭が柔らかくないと,そしてある種の無謀さがないと,公式戦でできないと思うの。池田と島が並んでいて,2人ともOP的な役割を担う。


レセプションはほぼ2枚。水島と下田と,関根もかな,のジャンプスパイクサーブ打つ陣に対して,島と池田のどっちかが入って3枚。それ自体はよくあるやつ。たぶん中大も筑波もそう。ただし,島と池田は入ってるうちに入らないぐらいの鎌田鳴尾2枚メインシフト。視界良好。


わけがわからなくなったのは,前衛で,安井が前衛のときに安井がサイドになってた。っぽい。ブロックスイッチもしていたし,レセプションやトランジションで安井がサイド(左も右もあった)。4セット目の序盤から第5セットの最後まで,結局どのローテーションで誰がどうなってどこに跳んでどこにスパイクに入ってくるのかぜんぜんわからなかった。やってる人たちは,わかってやってるんだろうからすごい。学芸のむちゃくちゃさとは違うむちゃくちゃさだった。


帳票を見ると,安井の打数が33でチームトップ。前衛でしか出場していないのに。本日さっっっっっっぱり決まらない,どころか,トスもほとんど上がらなかったような気がした池田が時点でそれでも31。2セット弱出場の島が18(ぐらい? あとで確認しよう)。多い。


島と安井はほんとによかった。すごくがんばっていた。島くんの伸びやかな,びゅんって後ろから突っ込んでくる高速bick(なの?)は楽しくて,困ったときの池田ちゃん→決まらない(アチャー)が困ったときの→島くん→決まる!! ってなって,すごい面白かった。意味が分からなかった。みんな頭いいんだなあって思った。よくわかんないけど。


まとまらないけど,45分どころか80分経ったので強制終了。


そうだ,一つだけ。そういう変則奇襲をかけて,攻撃に全振りしてきた明治に対して,試合の前半にあれだけスパイクサーブでぶん殴りまくっていた日大が,コントロールサーブに変えちゃった意図がわからなかった。文句を言うわけじゃないけど(つまり,文句を言いたい)。コントロールサーブを打ってAパス上げてMBを使わせてブロックで仕留める。っていう意図ならわかる。それがとても決まっていたから。日大は松村も高もブロックがすごく良いし,明治はセンター偏重がすぎる。とくに今日は池田とあっていなかったし小松も決まらないので,昨日はさほどでもなかった松田の打数も多かった。へんにサーブで崩してどこから打たれるかわからない二段トスになるよりかはMBに打たせてMBに張った方が確実,と考えたのだろうか。


そうだとしても,今日ちょいちょい不安定だったレセプションで,緩急織り交ぜるならまだしもコントロールサーブだけになっちゃった。鎌田は短いオーバーパス,むしろ得意だし。3枚入ってるところで池田なり島なりぶっ飛ばしてしまえばそれで1点入るのに。入らないにしても,スパイクサーブの可能性を見せて足を止めるだけでも効果はあるのに。素人考え。

2019年度春季関東大学男子1リーグ・1日目

日体大


20分一本勝負。いつものやつ(=Excelひな形)の仕込みもしていないし,家に帰りつくよりもさきに公式の帳票や有志のまとめが出る今となっては,スタメンとか交代メンバーとかをちまちま書くことに意味が。数年後の自分のためにはなるけど。


それがネックで書かないでいるのも,エモーションの出所がなくなるので,20分一本勝負。(のあと移動中に追記したら逆にドライブ感がなくなった。難しい)

A1中央大0-3順天堂


中大は,都築と水野がベンチアウト。怪我かなあ。都築は代表選考にも入ってますが。とはいえ,タレント揃いなのでまあまあ見たことのある顔ぶれ。


順大は,1年生はサイドの亀山。セッターは小野が戻ってきた。背番号概ね9番詰まり。岡本が19番。ややこしくなるやつ。


昨季6位7位の対戦ながら一方的な展開。牧山ご乱心発動。上記2人を欠くのはもちろん痛いし,今日の富田は良くない富田のほうだったが,それやこれ以前の問題として,チーム全体がボールが手に着いてない,足が地についてない,声が出ていない,という頭を抱えてしまう有様だった。


順大は関本が抜けているのだが,悪くなさそうなリーグ立ち上がり。

B1筑波大3-0東京学芸


筑波,樋口と酒井ぬけ。セッターは阿部,樋口のところのMBは1年のエバデダン・ラリー(松本国際)。


阿部は去年までもちょいちょい出ていた。というのもあって,チームの仕上がりは良さそう。背番号ステイ(1から7があいている)のも観客に優しい。


対する学芸は,OP小松,サイドが吉田と小野。MBは村岡と荒木田。リベロは大塚高の1年生(パンフにはサイドと書いてある)。がんばってはいたが,新チーム感が満ちており,現時点では地力も完成度も筑波が一枚上手,といったところか。

A2東海大3-2日本大


第1セットをあっさりとった東海大,ストレートで勝つチームじゃないよね,とおもったらあにはからんや。3-1でもなくフルセット。


日大は,1年生sが9番詰まって,番号大きい&人が多いゆえたいそうややこしいやつ。先般の日立明定期戦でも良さそうに感じていたが,その通り。粘り強いレシーブが身上。新山を中心にほんとによくひろう。セッターは1年生の三木。


圧巻だったのは第4セット終盤の水島のサーブ。それまでほぼとんとんで進み東海大リードでブレイクした20-18だったかな。日大がタイムアウトを取った。タイムアウトあけ,サイドアウトを取ってサーバー水島。そこから,サービスエース3本を含む4?5?ブレイクで一気に24点までもっていった。


水島は第5セットにもたしか1本ノータッチだったかのエースがあったと思う。


その局面の東海大,一瞬でもレシーバーを入れても良かったんじゃないかとも結果論では言えるのだが,コースを突いてコートの端に決まるサーブだったので打った水島が凄い。


昨秋新山と並んでサーブレシーブ成功率1位2位を取った水島,ライトポジションでスパイク本数もさほどではなく「守りの人」のイメージが強いのだが,こんなにすごいサーバーだったっけ,この冬どんだけ練習したねん,と舌を巻いた。


東海大は,セッターが山本龍(from洛南)。MBに佐藤(from東北)。リベロが外崎と井上(1年生の末弟ではなく真ん中のほう)とスイッチリベロになっていた。伊藤樹がコートに立っているのは喜ばしいが,伊藤か島田か問題は(自分にとって)悩ましい。


東海大一度も(ピンサもワンブロも)選手交代をしなかった。フルセットで。

B2日体大3-1慶應義塾


慶應はユニフォームに名前入り。素敵だ。サプライヤーアンダーアーマーにかわっていた。デザインは踏襲だが,微妙にちがっていて,その微妙な違い(胸のラインが少し低いのか腹番号が大きいのか)が微妙にバランスが悪い。リベロがちっちゃく見える。そして例によって上着ぶかぶか。ネームが入っているのはめちゃめちゃ素敵(降の「JAN」とか)だがその代わりなのかなんなのか、背番号がランダムになった。去年と変わった選手もいれば変わってない選手もいて、冨澤は21に。筑波の番号が変わってないことも考えると、毎年作り直す想定(契約?)になってないてことなのかね。それともたまたまかしら。


日体大はMB対角まるっと1年生。このあたりは、毎年恒例,春らしい日体大。インカレまでにチームを作ってくるんだろう。


代表候補のリストが出るたびに大きいセッターいないの?育てないの?とかなんとか耳に(目に)入ってくるが,この試合を見てから言ってねって思います。

A3明治大2-3駒澤大


6試合で唯一昨季上位が敗れた,と。明治は,5日前の日曜(日立明3大定期戦)にいた三輪が会場内にさえ見かけなかった。来られもしないほどでっかい怪我じゃなければいいのだが。MBは松田と安井(fromいちあま)対角。ほかはかわらず。


じゃなかった,リベロ。鳴尾。途中瀧田とスイッチ。


駒澤もセッター1年生。あとはまあぼちぼち。ずっとスイッチリベロしてた宮崎山根が山根オンリーになった。


おもしろかったといえばおもしろかったんだけれど,いやあ……うーん……双方決め手に欠ける譲り合いの結果の接戦。

B3早稲田3-0専修大


おかえり専修。1年で1部復帰。


第3セット,久保からOPを藤中にかえて,なのに久保下が久保みたいな使い方をしようとして「ソウジャナイ」みたいな話をしていたり。


早稲田は,藤中の抜けたところに村本が入った。いやあ。良い意味でのため息しか出なかった。ほんとにほんとにほんとに。


まさかサーブ打ってスパイク打ってとは思いもよらぬ思い込みが邪魔をして,アップが始まってしばらくしてもまだ「あのサイドの4番,なんか見たことある顔なんだけど誰だっけ」って首を傾げていたくらい。


役割はほんとにほぼ藤中的な感じで,村本はパスメインで,打つ方は大塚(from洛南)メイン。宮浦もいる。早稲田は去年のスタメン4年生が3人抜けて人はかわったけれどチームと約束ごとは変わっていない。顔ぶれの変化は小さくないほうのチームのはずなのに,受ける印象は堅実だった。


なにより,去年の全日本インカレのベストリベロ賞。堀江が手術で長期離脱の中,大学四冠のプレッシャーのかかる中でのベストリベロ。それを労い讃える堀江のコメントもどこかで読んだ。それだけでも涙腺崩壊十分案件なのに,今その堀江と並んでコートに立っている。どういうこと。


安定したレセプション,そしてワンタッチのボールをベンチをこえて追いかけて,ちゃんとコートに戻す守備範囲の広さ。それが二人同時にいるってずるくないですか。そこに,良い意味でフレッシュさのない,馴染みまくっている大塚。いやはや。


そんなこんなで,専修も思ったほどボコられなかったし,早稲田が強く見えたのも順位が下から当たっていくからというのもあるだろうし,どっちかわかんないけどこの先いろいろありましょう。

推しは6歳

2月の歌舞伎座の大きな目的の一つが,亀三郎だった。早生まれなので6歳になったばかり,この春から小学1年生,だと思う。良く分かっていない。自分が「勝手に推している歌舞伎役者」のひとりである。「推しは6歳男子」と言うとなにやらふとどきな感じがするが,要はただの贔屓役者である。


一昨年5月の歌舞伎座團菊祭,坂東家の一家襲名の際に当時4歳で亀三郎を名乗り初舞台。その前にも本名で舞台に上がったことがあるが,いわゆる「お目見え」ではなく,モグリ(?)出演だったので,自分が見たのは初舞台のときが初めてだと思う。


自分の歌舞伎見物のスタンスは「気が向いたときに,無理せず」なので,これまでの亀三郎出演公演を網羅しているわけではない。働く幼稚園児なので出演数そのものも多くないが,その中でも観ていない公演のほうが多い。小学校に上がって義務教育になると出演機会がさらに減る(そして高学年になり,中学校ぐらいになるともっと)懸念もあるが,無理はしない。


とにかくかわいい。初舞台当時「4歳男児最強」の思いをさらに強くしたのは亀三郎だった。それから1年半で,身長も伸びて,顔つきも大人びて,しっかりしてきた。とはいえ,まだまだ「とにかくかわいい」真っ盛り。この先幼児が少年になり青年になる過程でどう育っていくかはわからないけれど,それも含めて文字通り役者の成長を見る楽しみである。


2月の「六代君」の役では舞台の上にいる時間が長かった。台詞や動きは多くないが,とにかく長時間座っている。去年見たなんだっけ(寺子屋の菅秀才だっけちがうっけ)も,やっぱり,重い着物と重い鬘で舞台の上で長々じっと大人しく座っていなければならないお役だった。ぼんぼんの子役というのはそういう役が多いのだと思う。


六代君は,きちんと背筋を伸ばしてじっと座っていた。ただ,時折視線があちらを向いたりこちらを向いたりする。それが,六代君としての目配りなのか,中の人の素の反応なのかはわからなかった。気にしているから,ではあるだろうが,六代君の一挙手一投足ならぬ一視線一視線が,気になる。改めて気づいたのは,その場に居る大人たちの,存在感の殺し方のすごさ,だった。


舞台の上にはいるけれど今は別の人にスポットがあたっている。そういうとき,大人たちは置物のようにぴくりとも動かず,視線も動かさず,存在感を消し去っている。六代ちゃんは六代ちゃんとして,場のゆくえが気になる場面だろうから,ある意味では反応が薄い大人のほうが不自然でもあり,そのへんはどういうお約束なのかはわからんかったのだが。


以前から何度か書いているが,今の5歳前後には,同世代の御曹司が集中している。


折しも,こんどの5月の歌舞伎座團菊祭で,菊之助の長男が尾上丑之助を名乗って初舞台を踏むことが発表されていた,らしい。情報についていけていない。


先頃,海老蔵の息子の初舞台も発表されていたような気がする。そして親が團十郎襲名だったか。なにしろ,情報についていけていない。


2月歌舞伎座は2世辰之助の追善興行である。三十三回忌とのことで,今の松緑が12歳のときに亡くなった2世を,当然わたしは知らない。現松緑辰之助を名乗り,海老蔵新之助)・菊之助と「平成の三之助」と呼ばれていたのも,わたしが歌舞伎を見るようになる少し前のことである。


彼らがちょうど自分と同世代。時は流れてさらにその息子たちの成長を楽しむ時代がやってくる。今から二十五年ぐらい経って,彼らが三十代に差し掛からんとするきらきらの花形役者に成長するころ,本棚の隅から色あせた舞台写真を引っ張り出して,大人になったねえとしみじみするのが楽しみなのだ。


亀三郎の父親の彦三郎には,勝手にいろいろな縁を感じている。今井寿プロデュースの御朱印帳を入手したので御朱印集めを始める,といったあたりからも縁を汲み取っていただきたい。


だから彦三郎推しだし彦亀兄弟推しだし,亀三郎推しになるのもしかたない。


何が言いたいかというと,1月25日放送の弥生の花浅草祭を見逃し録画もしそこねたということである。

2018/19 V.LEAGUE Div1@大田区総合体育館

10月(?)の金曜開幕ナイター以来のV1観戦だった。


「V1のチームの試合」は天皇杯で見たが,今季ほんとうにリーグ戦からは遠のいている。新生V.LEAGUEなのに。


実際今日(2/19)TLで見かけたアカウントを追っていると,どうやら今季の観客数,全体的に昨季よりも少ない傾向にある,みたい。詳しくは見ていないが,自分の肌感覚でも,少なくとも激増していないだろうことはうかがえる。


自分自身がV1から足が遠のいている,のみならず,公式サイトでの試合結果チェックやらニュースやら各種情報,DAZNやテレビでの観戦などからも少し距離ができてしまっている,その理由はいくつかあるが,まるめていえば,単純にタイミングの問題。


ということで,タイミングが合ったこの週末は,開幕以来のV1観戦となった。開幕カードだったサントリーJTが揃っているので,観戦数が偏る偏る。

FC東京3-1JTサンダーズ


良い意味で意外。こんなに楽しいFC東京FC東京楽しい。こんなに良いFC東京,初めて見たかも。それは言い過ぎだ5位になったシーズンもあるぞ。


対するJTは,うーん。いまいち。JTの弱点というか欠点というかを突かれた形だったのかな。シーズン通して見ているわけじゃないので何か言えるアレじゃないのだが,深津のトスもあまりあっていなかったが,まずトムのスパイクにブロックとディグで対応し,リービンはサーブで崩されスパイクもいまいち。トムが使えないので打ち手にも打開策にも欠ける,そんな感じ。


わたしの今季イチオシ選手であるところのリューリービンかわいいが,明らかに足を引っ張りまくっていて,誕生日だったのを知ったのは試合後帰宅してから。しょんぼり。


武智がリービンに交代して入ってまずレセプションから立て直して,という感じで良くなってはいったのだが,FC東京がそれ以上に良くて,試合をひっくり返すには及ばなかった。


東京は,サーブで攻めるサーブで攻める。手塚4エースだったか。そして,橘がほんとに良い仕事。


小森がかわいい。(語彙はない)


柳町が合流していた。お名前のローマ字表記の文字数が多いので,ジャージの背中がぎゅうぎゅう。かわいい(語彙がない)。谷口もいた。迫田の姿は見えず。

サントリー3-1ジェイテクト


自分がV1にライドンできないでいる間にレギュラーラウンドはざくざく進み,2月も半ばともなれば佳境も佳境,残り2試合とか3試合とか言っている。10チームで3回戦総当たりをしているはずなのに,もうそんな時期である。そして,目下,F6争いが熾烈を極めている,そういう状況らしい。


パナソニックは早々に1位通過を決めていて,サントリーJTが2位3位。ちょっと前に小耳に挟んだところでは,4位−6位を4チームで争う混沌仕様のようだ。


つまり昨季までと大差な……(言っちゃ駄目)


ジェイテクトが0pt負けとなったことで,手負いの東レのF6進出が決定。また,この日堺が勝って6位と7位が入れ替わったのかな。残りの対戦カードもろもろ,まだまだ予断は許さないが,少々厳しい状況に追い込まれている様子。


サントリーも良くはなかったが。言うてもムセルスキー,な感じで。ただ,MBが小野星谷で,なるほどねー,と。小野のサーブが楽しい。


それ以上にジェイテクトが,しんどい。途中で福山下げて秦さん入れて,たしかにリーチは長い。が。ふむ。


これもまた小耳に挟んでいた,西田の2年目のジンクスを目の当たりにしてしまった。表情が険しい。彼に無闇に若手らしさ10代らしさを求めるのはナンセンスだが,溌剌とか爽やかとかじゃなくて,去年は,もっと良い意味で,ぎらぎらしていた。追い込まれて眉間に皺が寄ってる今の西田もセクシーだけど,あんまり楽しくなさそうで,眉間の皺を乗り越えてさらに大きな選手になってほしいと勝手に願ってしまうのはどうしたものか。


藤中と小林が合流していた。小林はベンチアウト,藤中はリベロユニでベンチ入り。リベロユニ……藤中兄弟対決オンコートはまたもお預け。遠からず実現するだろうが早く見てみたい。なんせ,見たことがない。

二月大歌舞伎昼の部「義経千本桜 すし屋」「暗闇の丑松」「団子売」

歌舞伎座


本文ほぼなし。


二世尾上辰之助追善興行。

すし屋


いがみの権太:松緑,弥助実は三位中将維盛:菊之助,娘お里:梅枝,若葉の内侍:新悟,六代君:亀三郎


義経千本桜はあまりみる機会がなく,すし屋は初めて。


田舎のヤンキ,もとい,ワルで,地域社会でちょっと鼻つまみ者厄介者の権太が,親のピンチに更生と親孝行をしようとしてすれ違って悲劇,という筋か。(めちゃめちゃてきとう。)


首実検があったり,自分の家族やらを差し出したりしたりするあたりに,寺子屋っぽい感じもありつつ。


札付きのワル,という感じにはならんのが愛嬌か。その分,後半が切ない。


六代君がかわいい。前半でまだ舞台写真が売られていなかった(筋書きにも写真が入っていない)のが残念である。

暗闇の丑松


丑末:菊五郎 潮止当四郎:團蔵 お米:時蔵 祐次:松也 熊吉:萬太郎 三吉:片岡亀蔵 四郎兵衛:左團次


長谷川伸。いわゆる「新歌舞伎」というジャンルだそうだ。イヤホンガイドで事前に解説されていなかったらきっとものすごく驚いた。下座音楽がない。舞台もいつもの汎用セットではない。この舞台美術は素敵だった。


そして暗い。舞台も暗いし話も暗い。すれ違いと誤解が生む,後味の悪い,救われない話というかなんというか……


歌舞伎か。いや,歌舞伎なんだけど。なぜか,昨年3月に見た「滝の白糸」を思い出していた。壱太郎のお米が見てみたい,と,なんとなく。


板橋の妓楼や大詰めの湯屋釜前の場は,江戸風俗がしのばれて,興味深い。とくに湯屋の番頭(三助)の橘太郎丈がてきぱききびきび働いていて,お湯屋の様子がリアル。


四郎兵衛の家の男女蔵,彦三郎,亀蔵の美声トークもうひひひひ。


イヤホンガイドといえば,幕間に,松緑のインタビュー。昭和58年の現松緑(当時左近8歳)初舞台のときの,松緑辰之助,左近3人のインタビューが放送されて,8歳左近がそらもうかわいかったし,祖父と父が松緑をかわいがっていたのがにじみ出ていて,その後5年ぐらいで2人とも亡くなってしまうなんて,松緑そうとう苦労したろうよ……。

団子売


孝太郎 芝翫


10分ちょっとの短い舞踊。明るく晴れやかで,ちょっとえっち(下品)で,楽しく打ち出し。お芝居ふたつが暗い目後味悪い目なので,口直し。この10分がとてもありがたい。


芝翫(いまだについ「はっしー」と言ってしまう)はもちろん,孝太郎さんがほんっとにかわいい。高貴な人の役でもこういう町人っぽい役でもそれぞれ素敵で,好き。