Vチャレンジリーグ川崎大会@橘高等学校体育館


2日目。今日は,本を読んでいて気づきませんでしたが,どうやら同じ車両だったようです。


本日のVリーグ男子は,プレミア・チャレンジとも各所でかなり熱い試合が展開されていた模様。およ,と思う結果もいくつか。だから面白いし,諦めたらそこで終わりですよと安西先生も仰っているわけですね。

大同特殊鋼レッドスター0(18-25,26-28,23-25)3東京ヴェルディ


大同は1巡目の結果から今季調子が良さそうだったので,今週の連敗は痛い。逆にヴェルディはどのぐらいのチームなのかいつも良く分からないのだけれど,ストレートの決着には些か驚いた。8勝5敗で並び,セット率の関係で大同が4位をキープ。


D:小林,田中,倉田,土屋,川波,辰巳,L平井


→V:高橋,横村,竹田,濱口,中島,溝口,L浅岡


ヴェルディは昨日活躍の横村がスタメン(らしい。気づいてなかった)。


試合開始からヴェルディが4点連取。


第1セットの得点経過は↓こんな感じだった(twitpic直リン……したら環境によっては見られないっぽいのでフォトライフ直リン)。




大同倉田・辰巳の攻撃を切り返して,中島・横村で奪うパターンで4得点。その後はヴェルディのブロック祭りで一気に14-2。しかしそこから今度は大同が大反撃。中島のスパイクアウト,土屋のサービスエース,中島&濱口のスパイクを上げて最後は小林,溝口のクイック(?)が決まらず切り返して辰巳,中島のレフトを小林(?)がブロック,濱口のライトクロスがアウト。ヴェルディがタイムを取るまでに5点差まで詰めた。


双方連続得点を繰り返し,双方キルブロックがたくさん出た。小林・田中・倉田の前衛で4連続ブロックもあった(大同12→15)。


しかし如何せんヴェルディの序盤の大量リードが効いた。大同の追い上げも叶わず,終盤にもヴェルディは中島(?)や竹田のブロックで突き放し,辰巳が止められておしまい。


第2セットは一進一退。ヴェルディ,あんまりセットが合ってない場面も見られつつも先にセットポイントを迎える。すぐに大同がひっくり返して先に25点に乗せるも,中島にサーブが回り,小林のスパイクアウトとレセプションのダイレクトボールを横村が押し込んで28-26で第2セットもヴェルディ。デュースにもつれたセットを取ったことは大きかった。もしかしてもしかしての機運。


第3セットは大同のペース。このセットは両チームサーブミスが多かったが,大同は辰巳のサービスエースが出たり倉田がネット際に強かったり川波の左腕がうなりを上げたり土屋が中島を止めたりして,17-9と最大8点のリードを広げた。


ところがなぜかここからヴェルディが急によくなり,大同のスパイクを落とさなくなる。溝口,中島の活躍などでじわじわ追い上げてV18-21Dとしてサーブ権を取ると,竹田に代えてピンサ塩原。


倉田のバックアタックを拾って中島がレフトから決めて19点,塩原がコートの隅っこにノータッチエースを決めて20点,もいっちょ今度はエンドラインぎりぎりど真ん中に2つめのノータッチエースで21点。この場面で3点差を追いついてしまった。ヴェルディサポはやんややんやの大喝采。次のサーブはネットに引っかけるも,ベンチに下がる塩原にも拍手。それから中島がほぼフリーで決めて22-22,辰巳のレフトストレートが決まって22-23,溝口の1人時間差(?)で23-23,辰巳のライトからのクロス気味を第3セット途中から交代出場していた飯塚がドンピシャのコースで1枚で止めて24-23。もう1本辰巳に上がって,これはヴェルディの前衛が3枚揃って,25-23。まさかの,というのは失礼だけれど,第3セット前半を見る限りでは,ストレートとは思わなかった。粘り強いヴェルディだった。


スパイクアウトや被ブロックも目立ちながらも,アタック決定率57.5%,内バックアタック61.5%の中島俊介が本日のヒーローインタビュー。あの跳躍力は心に刻まれた。

ジェイテクトSTINGS2(16-25,25-17,25-15,21-25,10-15)3富士通カワサキレッドスピリッツ


久しぶりにフルセットゲームを見た。天皇杯以来ね。


試合前の公式練習を見ながら,しみじみと,ジェイテクトはいい男が揃ってるなあと感心していた(にたにたしていた)。両手をまっすぐに伸ばしてセンパイにボールを渡す清野のにこにこ笑顔にきゅんきゅんしてたりした。


前夜にtwitter界隈でイケメンクロストークが展開されていたところでもあり。


富士通川崎最強伝説。ホームでめっぽう強いのだそうだ。今日も今日とて,狭い市立高校の体育館は,気づけば富士通を応援する立ち見客でぎっしり。試合に勝ったあとで帰り際に勝敗表を見て初めて相手がこれまで無敗の首位チームだったと知る,知り合いや職場関係者風の応援の方々も多数いた様子。先入観なしにただ試合を見にただ富士通を応援しに来た彼らは,ワンプレーワンプレーにどよめき,1点入るごとに歓声を上げていた。


一方のジェイテクトも,遠征にも拘わらず結構な人数が応援席を中心に詰めかけ,数に負けじと熱心な声援を飛ばす。外は薄曇りの寒い1日だったが,体育館は熱かった。


J:石田,金丸,若山,松原,松崎,高橋,L興梠


→F:平澤,中川,勝田,三芳,北沢,岩井,L藤森


両チーム前日とはスタートローテーションを変えてきた。ジェイテクトは半周回して石田始まりのS6(こっちの方が多い印象。昨日がちょっと珍しく感じた),富士通は一つ回して平澤始まりのS5。


第1セットはあっさり富士通。いつの間にこんなサーブ&ブロックのチームに。地元チームのセット先取に盛り上がる場内。しかし,第2・第3セットはジェイテクトが強さを見せる。サーブで富士通のレセプションを乱し,繋ぎも良くて,すっとんでいった人が体勢を崩しながらもボールはきっちり返す。たのしい。


やっぱりジェイテクト強いな,という気持ちが胸中に去来する。ちなみにわたしにとってこのカードはどっちにも肩入れするがゆえにどっちにも肩入れできないたいへんおいしくもたいへん困ったカードなので,つとめて記録に専念するしかなく,ボールペンから手が離せませんでしたのよ。


第4セットに入り,あとのない富士通は声援に後押しされて底力なのかあらぬ力なのかとにかく力を発揮する。2ndTTOのあとで引き離しにかかり,終盤のジェイテクトの怒濤の追い上げからなんとか逃げ切って25-21。場内ボルテージが上がる上がる。


セット間の休憩を挟んで第5セットの始まりだったと思うのだけれど,両チーム,まるでかけっこのスタートの合図を待っているかのような今にも駆け出しそうな勢いでサイドラインの端につんのめり,今か今かと審判の方を見ている。笛の音と共にコート中央にダッシュ,円陣,かけ声。


なんという気合いの入り方。でも楽しそう。とっても楽しそう。富士通の「明るく,楽しく,そして強く」のスローガンそのものの光景。ジェイテクトの面々も,追い込まれた悲愴感ではなく,ただ前向きに。


非科学的な言い方をするのであれば,これはもうフルセットに持ち込めた時点で,地元の利のある富士通が有利だったし,優勢に試合を運べたんだと思う。序盤に松原のサーブがネットにかかり,7点目で回ってきた高橋のサーブが(今日は悪くなかったのに)1本で切られた辺りで,ジェイテクトは大量に連続得点する機運みたいなものを逃してしまった。


今日の富士通はS5のサービスローテーション(平澤とも言う)が恐ろしく強かったのだが,高橋のサーブのあとに回ってきたそこで,勝負をかけた。このセットではとくに富士通のレシーブがかなりの確率でスパイクコースに入っていて,若山シフトでもあるのではないかと思うぐらい,ディグが上がっていた。返す刀の勝田や中川がまた切れ味が良かった。


ヒーローインタビューは勝田と岩井。大声援に感謝しつつ,この大きな一勝を大切にして,チャレンジマッチ出場を目標にとのこと。


ところで,富士通は自サーブで始まる1・3・5セットはS5(平澤のサーブから),レセプションで始まる2・4セットはS4(一個回って最初のサーブは勝田)と,微妙にずらしている。セットごとに結果が二分しているわけではないので直接どうということはないのかもしれないが,サーブの有無に拘わらずローテーションを固定するか,最初のサーブが同じ人になるように1個ずらすパターンが多い中で,ちょっと気になった。


うまく言えないけれど面白い試合だった。いい試合だった。試合終了後は気が抜けてしばらくぼーっとしていた。勝った富士通が大喜びで客と選手とがごたまぜになっているのは勿論,負けたジェイテクトにも,いつも見てるらしきおばさま方が「気をつけて帰ってね,今日は負けちゃったけど次頑張ってね」と明るく声を掛けていく。今日のキッズエスコートの小学生女児たちはなかなかに活発かつ積極的で,コートの角でクールダウンするジェイテクトの面々に対し,もらったプレゼントへのサインをお願いしていた。快く応じる選手達。ほらやっぱりいい男揃いじゃんね。