終わりと始まりの漸移帯で

Vリーグ2014/15シーズンが開幕した。


11/8に男子チャレンジの開幕戦を観に坂戸に行った。昨季の最終戦を観て,チャレンジマッチを観て,今季の開幕戦。自分の中で「Vチャレンジリーグ」がリーグとしてシーズンを跨ぎ,輪になって繋がった感覚を得た開幕戦だった。


翌日11/9には,慶應義塾日吉キャンパスに全早慶明定期戦を観に行った。今年は男子の全日本インカレは大阪なので,現役の4年生にとっては関東での大学最後の試合となったが,そんなことは思いもかけず,気楽にOBの参加を楽しんだり,某チームの戦いぶりを見て来たる全日本インカレに暗澹たる気持ちになったりしていた。


翌週末にVプレミアも開幕。小牧に全チーム集合した開幕週はお留守番で,墨田区体育館にて春高バレーの東京都代表決定戦の様子をちらっと覗いてきた。


プレミア開幕週の様子も,時間があるときにはニコ生*1で経過を追ってみたが,出先のスマホでは見づらいし,高校バレーを観たり惰眠を貪ったりライブに行ったりとあれこれしていたので,じっくり観るには至っていない。


それで,現地で観戦していた人たちの感想や写真を拝見して,それが自分とは関係ない遠い世界のできごとになったと感じた。


どのチームも,スタメンが変わっていたりユニフォームが変わっていたりして,なじまない。そのチームを象徴するような自分が知っている選手がいなくなったように感じる。中心となってコートに立っている面々はけして知らない選手でもないのに(もちろん知らない選手も少なくないが),大学時代に観ていた場と地続きに思えない。


チームの色が,顔が,いつの間にか自分の知らないものに変わっていた。それは昨季と今季の境目で突然起きたことではなく,気づかぬうちに少しずつ変化していて,気づいていなかっただけだ。シーズンの立ち上がりにふと見渡すと,そこにあるのは自分が知っているチームではなく,自分が知っているリーグでもない。自分が今まで観てきたものとはまるで違う何かに見えて,存在を遠く感じた。


寂しかった。チームやリーグが変わっていたことではなくて,取り残されている自分の気持ちが。


クラスタなん? と問われたことが頭の隅に常にある。


プレミアに対する自身の見方やスタンスは,さほど変わっていないはずだけどな。変わっていないから取り残されているのかな。


チームやメンバーの変わりぶりでいえば,チャレンジだって大きく変わったチームは少なくない。だから,本当のところその寂しさは,自分がその場にいなかったがゆえに感じる疎外感に過ぎないのだろう。


だから,今月末に大田区の東京大会を実際に観れば,もう少し近くに感じられると期待してる。日を追う毎に,大田への期待が高まってもいる。高ぶっている理由は,長くなるのでおいといて。


大学はシーズンの終わりを迎えようとしている。Vリーグは始まったばかりだ。高校もまた,春高(選手権)で年度の締めくくりとなるが,こちらはシーズンを通して追っているわけではなく春高の全国大会だけ年始のスポットイベントとして観ているので,都予選が「始まり」に近い。


自分は全日本インカレ(と天皇杯)が終わってからでないとVリーグに意識を切り替えられず,そのせいでVリーグに出遅れるのは毎度のことだ。今季は開幕が早い分,切り替えられない期間が長い。そのわりにレギュラーラウンドは3回戦総当たりに減ったので,ぼんやりしたまま終わりそうな気もする。


冬が来ると,思いだす。2010年東京体育館の金曜日,2011年の木曜夕方,暗い夜道を冷たい雨に濡れながら白い息を吐いて向かった多摩区のスポーツセンター(試合は観られなかった),決勝戦の後タイミングを失って胴上げをしそびれたとどろきアリーナの,優勝チームキャプテンの破顔。2012年・13年の墨田のサブコート。2012年の東京武道館の灰色っぽい床の色,2013年の大田区サブアリーナ。試合だけじゃなくて,2012年の八王子のジョナサンだとか2013年の川崎あたりの居酒屋だとか,そういうことも。


全日本インカレは,自分にとって,わずか数年で12月の風物詩になり,大切な歳末の行事になっていた。


今年大阪で迎えるB方式の全日本インカレがどのようなものになるか,わからない。関東開催のA方式に比べると気持ちも遠い。こうして,終わりらしい終わりを実感しないまま年末を迎えそうに思う。


少しずつ。ユニフォームを着替えるようにきっぱりとした区切りはなく,少しずつ。


秋から冬へと,季節も変わろうとしている。

*1:今シーズン全試合放送と実に剛毅である。つまりVリーグ機構が剛毅なのか?