温泉旅館に行ってきたよ+善光寺


ときどき,温泉旅館に行きたくなる。温泉(お風呂)そのものにはそれほど欲求はないけれど,畳の部屋でのんびりごろごろして,気楽なゆかた姿で豪華なごはんをだらだら食べるのが好きだ。それに,コースっぽい和食を食べたいとき,町中で探すのはわりと骨が折れる。気が張るというか値が張るというか。いっそ小旅行に出かけてしまえば,一石二鳥。


今年はどうするかね,という話をしたのが二週間ほど前。都心のお高いホテルでゴージャスな気分を味わうプランと迷ったが,長野辺りの温泉でしっぽりということになり,交通アクセスを考慮して,上田市近郊の別所温泉になった。別名,沢屋のジャム買い付けの旅。


それから,E7系グランクラス乗車旅。2年前だったかに須坂に行くときに何も知らずに(ほかが満席でやむにやまれず)乗ったグランクラスがたいそうリッチでびっくりしたので(そのぶんお値段もめちゃめちゃリッチですが),ぜひ夫に乗ってみてほしかった。というか,おデートで乗りたかった。2人掛け席でも席間に衝立があるので,おデート向きの席ではないけれど。


週末に台風が近づく見込みで天気予報は良くなかったけれど,実際にはたまに小雨が降る程度で,暑くもなく寒くもなく大雨に降られることも暴風に煽られることもなく,快適だった。


「あさま」で上田まで行き,上田電鉄別所線,約30分で終点の別所温泉駅。そこから車(温泉旅館が合同で送迎バスを出しているらしい)でちょこっと行けば温泉旅館街。お世話になった「かしわや」さんの本館は,ちかごろはやり(たぶん)の畳敷きの廊下で,玄関を上がった後は素足でぺたぺた。斜面沿いの古い建物は階段が多くて入り組んでいて,てくてく歩いた突き当たりに露天風呂つき客室。うひょー。奮発しました(夫が)。


良いお湯で良い宿だった……。


家のお風呂より(当たり前だけど)広い檜の浴槽で,掛け流し。ほんのり硫黄の香りがする。弱アルカリ性かな,ぬるぬるはしないけれど柔らかくて,熱すぎず,ぬるすぎずの良い湯加減。裏山(裏庭?)に面して開放感があって,青い紅葉が目に心地良い。結局(横着を極めて)大浴場には行かず,部屋の風呂にちゃぷちゃぷ浸かっていた。


ごはんは別部屋で食べる方式で,使わなくなった客室っぽい風情の(わからんけど)個室。


高級路線にシフト(一本化?)したんだろうかねとか,効率化(仲居さんが部屋付きじゃないとか部屋食じゃないとか)とか,そういう無責任な話を肴に,すてきなうつわに盛られた季節感のあふれるおゆうはんを食べた。


朝ご飯もがっつり豪華で,いつも思うのだけれど,食べきれないぐらいの分量よね。チェックアウト12時なのでゆっくり食べて,コーヒー飲んで,部屋でまたお風呂に入る。


予想していたよりも天気が良かったので,長野に出て,善光寺。有名オブ有名なお寺だけれど,行ったことはたぶんなかった。駅前からバスがばんばん出ていて(150円だし)行きやすい感じ。お詣りをして,戒壇巡りをして,参道をぷらぷら。


駅にある沢屋直営店(軽井沢町外でゆいいつの直営店だそう)でジャムの品定めをし,かがやきのグランクラスに乗って帰る。せっかくのグランクラスなのに,いや,だから,というべきか,広々快適なリクライニングシートで快適な睡眠に沈みつつ,目が覚めたら東京駅。上野の記憶も無い。


帰宅して体重計に乗ってとんでもない数値に青ざめるまでが遠足です。豪遊しすぎた。