2020年度秋季関東大学男子代替大会・3日目

当日朝9時時点で日程変更が発表され、Aコート第1試合の早稲田対中央大が延期、第2試合の明治大対青山学院は予定通り。B・Cコートは予定通り*1
わたしは午前中に所用ありて外出、なぜか帰宅は16時前になったので、試合は、日曜日にFreshLIVEのアーカイブでBCコート分を視聴した。
なお、日曜の男子1部の試合は全て延期(男子2部や女子1部は予定通り開催)。何があったか考えても仕方ない。
ところで、FreshLIVEが11月末をもってサービス停止とのことで、インカレへの不安が募る。

A明治大0-3青山学院(19-25 20-25 23-25)

配信はなし。前週中央大にフルセット負けだった明治大、青学にストレート負け。
明大スポーツが記事をあげている。
秋季関東大学1部リーグ戦 代替大会 青学大戦後インタビュー | 明大スポーツ新聞部
前週からスタメン変更。安井がOHに戻ってる模様、で、工藤と対角。MBは望月と溝井の1年生対角。
1番2番のコメントを読むに、準備不足だろうし、目先の結果を求めてもいないのだろう。いろんな意味で。

B東海大3−0筑波大(25-21 25-15 25-22)

筑波大:11阿部 1坂下 13西川 21柳田 9垂水 14エバデダン L7伊藤
東海大:20樋内 9安部 30飯田 1新井 18佐藤駿 21山本 L35高木
筑波大、先週の対日体大戦とずいぶん違うじゃないのよどうしたのよ。
筑波大、たまにこういう試合しますよね。いつぞや(去年の春だったか)ニコタマで専修にストレート負けした試合とか。「あれ? ん? なんかちぐはぐだぞ?」のまま、ざざーっと試合進んじゃうの。第2セット後半だけ柳田にかえて、18砂川(埼玉栄)。きょねんの春高埼玉栄楽しいねって言ってたときにごりごり打ってた選手、だと、思う。第3セットではもとに戻していたけどがんばってた。
一方の東海大は筑波のちぐはぐにも助けられて安定した試合運び。新井が好調。リリーフサーバーで出場して、マッチポイントでサービスエース取った1年の27佐藤隆哉(東北高)も気になる。

B日体大3−0東京学芸(25-14 25-19 25-22)

日体大:1西村 22鬼木 6高橋良 29高橋藍 21川口 19藤巻 L9市川
東京学芸:25森(10森本) 13荒木田 3吉田 22長谷川 4村岡(24上村) 12小野 L1濱田
西村すためん。前週スターターから外れていたのは、教育実習あけだったのも影響していたか*2。そういう時期であった。
学芸は、第2セットスタートから出ていた上村がブロックで活躍。
とはいえ、準備不足感が否めず、日体大相手にはかなりしんどい試合運びだった。

B順天堂3-0専修大(26-24 28-26 25-22)

専修大:7久保下 9中村 24バーナード 25中川原 1東(28山崎) 20増田 L12藤中
順天堂:22森居 20染野 5タナカ 9岡本 15金澤 13岡野 L12高橋
順大、駿台多いよ! 小野くんベンチ入りしてなかったっぽくて、ショーンが白いテープでキャプテンマークをつけていた。というか、今年の4年生、下級生のころからベンチ入りしていたり試合に出ていたりの選手が多いわりに。
第1セット第2セットとも、終盤にさしかかったところでは専修がまあまあリードしていたが、そこから順大が追いつき、デュースの末順大。第3セットも序盤は専修がリードしたが、順大が早々に追いついた。
専修は、まあ、なんというか、専修なので。このオーダーだとしゃあない部分はあると思うのだけどレセプションの不安定さでばたばたしたり、特定のローテーションを切れずに何連続失点もしたりで一気にひっくり返される。もったいないなあとは思うのだけれども。
逆に順大は、この1試合みただけではなにがどうともいえないけれど、去年からいた組が安定していて、1年sも悪くなさそう。惜しむらくは、配信予定が、この試合のみ、らしく。なんでこんなに差が出るのか。
この試合に限ったことではないのだけれど、アーカイブは1.25倍速や1.5倍速で観ている。早回しで観ると、処理できる情報が絞られるためか、かえって、ブロックがわかりやすい。遅れた、とか、揃ってるな、とか、MBの左右移動早いな、とか。

*1:と言うものの、ダウンロードしていた日程とは異なっていた。しかたないことだが変更が多い。

*2:高橋兄弟インタビュー記事による。そんなわけがあるか。チームのブログ http://nittai-vb.sakura.ne.jp/six/7/2179.html 。それはそれで、サンクロレラの兄弟対談かわいい。 https://sport-sunchlorella.com/journal/vol23/vol23-2/

三食有、昼寝無

新型コロナウィルス感染症の拡大によって、わたしの生活にもさまざまな変化がおきている。幸い現時点で自分や自分のごく身近な範囲で感染症にかかったり経済的に著しい困難に直面したりという例はないが、全体としてみれば、「禍」の言どおり、間違いなく不自由で不便な生活になっている。
とりわけ、余暇の過ごし方は大きな打撃を受けている。
バレーボール観戦で言えば、2月半ばのV2が直近最後の現地観戦。2月末のV1ファイナルは無観客開催となった。それにあわせて上京する友人に連れて行ってもらう予定だった宝塚歌劇は上京がとりやめになったので一人で観に行った。宝塚もほどなく(それこそ、わたしが観た日を以て)残りの全公演が中止になった。
歌舞伎見物は、1月の国立劇場かしら。
ライブは、去年のBUCK-TICK*1 DIQ。初夏に予定されていたライブハウスコンサートはすべて延期。先月アルバムがリリースされ、こちらはライブコンサートではなく、フィルムコンサートツアーをしている。フィルムコンサートでも、ホールに出かけて大画面で映像を見て大きな音で音楽を聴くこと自体のありがたみをひしひしと感じた。
プロ野球は今季まだ一度も観に行っていない。悩んだものの、ファンクラブには、入るだけ入った。通常であればそろそろレギュラーシーズン終了の10月。今日初めて、チケットを取った。
国外旅行は、2月下旬のホーチミンはほんとうにぎりぎりのタイミングだった。6月ごろだったか一縷の望みをかけて9月連休の旅行を予定したが、当然キャンセルになった。
国内旅行は、3月の初旬に、安曇野で気球に乗り&白馬でスキーをした。「どうする?」という確認の声は上がったが、密(「三密」というキャッチフレーズが生まれるより前)とはほど遠い大自然レジャーで、まだ世相も深刻ではなかった。行けてよかったね、と、その後、ことあるごとに言っている。
県をまたぐ移動も4月の頭から7月の半ばまでしなかった。県またぎどころか、4月の半ばには9日間連続で靴をはかない(つまり家から一歩も出ない)時期もあった。7月のおでかけはやむをえぬ事情によるもので、プライヴェートな楽しみ目的ではいまだ都外に出ていない。
年末年始に「次はGWに」と祖母と話したが、GWはもちろん、盆の帰省も控えた。
複数の友人との会食は3月半ば、3連休の前。サシでのごはんは3月末。先月それ以来の対面でお茶をした。

旅に行けない、ライブイベントに行けない、複数人でわいわいご飯を食べたりお酒を飲んだりできない、日常生活ひとつひとつに気が張る。ストレスは大きい。
ただし、ストレス発散の手段が悉く封じられていることには心底閉口しているものの、何もせず家で過ごす休日そのものは性に合っているので、苦ではない。元来出不精で非活動的なのに、休日でも朝から夜まで家をあけている日が多いここ数年のほうが異常だった。
それに、この状況ゆえに日常生活が充実している側面も、実はある。
それはひとえに、夫との同居生活によって、つまり、夫によって、成り立っている。
4月半ば以降、月による差はあるが、おおむね半月から二十日程度、夫と一緒に生活している。今のところ、今年度中は(後期も対面じゃなくなったので)こんな感じかねー、という見立て。
4月のあの時期の県をまたぐ移動、当時は公にするのはいささか憚られたが、なにぶんわたしのメンタルが限界だった。夫はウィルス感染の危険に対して厳格なほうで、万一移動中に拾いでもしたらと慎重な姿勢を崩さなかったが、ここにはとうてい書けないことを言いつのり、メンタルの危機を泣いて訴えた。それにわたしの対感染症意識は緩いので、放っておくと、感染面でもヤバかったんじゃないかと、今でも思っている。
移動費は政府からの定額給付金が充てられている見当。規則正しい生活、整った三食(しばしばおやつつき)、全家事からの全解放、夫持参のNintendo Switchの FitBoxing とリングフィットアドベンチャーでの毎日の運動。在宅勤務環境改善のための投資*2、それから、話し相手。
料理教室に通っていて良かった、と、夫は言った。去年料理教室に通おうと思うと言われたときは、なんでまた、と思ったが、まさか毎日手料理を食べる日が来るとはね。
結婚する前も、してからも、いざ同居となっても恙なく同居できるものかと不安だったが、やってみたら案外できた。ただし、今はこちらにいるときの夫は完全在宅勤務で通勤も出張もないという特異な状況。そして、これを来年度も続けるとは考えにくいので、たとえわたしが自宅で孤独につぶれそうになりながら在宅勤務をすることになっても、泣いても、来年度は再び別居生活に戻るだろうことを考えると、とても淋しい。

*1:今日は衝撃が走っている。

*2:ディスプレイとか

2020年度秋季関東大学男子代替大会・2日目

午前中の所用がのびて、さらにのんぶり昼ごはんを食べていたら3時になってた。

A日体大1−3筑波大(22-25 20-25 25-19 21-25)

たいへん楽しそうなカード。あとで見る(かもしれない)た。
筑波大:11阿部 1坂下 13西川 21柳田 9垂水 14エバデダン L7伊藤
日体大:19藤巻 29高橋藍 22鬼木(21川口) 6高橋良 5藤原 26武藤 L9市川
非常に面白かった、です。大学バレーの面白さが詰まっている。
筑波大は相変わらず筑波大。去年に続き、ラリーが後衛のときはラリーがリベロと交代、西川は後衛でも残っていて、柳田がリベロと交代するのが基本。高校バレーではよく見る交代パターン。
とはいえ、柳田もふつうにレセプションに入っている。垂水が外れたり西川が外れたり、柳田が外れたり、まちまち。レセプション陣形(セッターの移動)に無理がない点はメリットだろうけれど、いつも思うのだけれど、よく混乱しないよね。
ぱっと見の印象としては試合全体でのチームのAパス返球率は低そう。レセプションアタックもトランジションアタックも、アタッカーの後方からトスが上がることも少なくない。そこをがんばるよりは、誰でも拾って誰でもトスを上げて、悪球打ちでも得点できるスキル指向の印象。さすがチーム坂下。エバデダンの打数もすごく多く(むしろ西川が少なめ)、打数の偏りは少なそう。
日体大も、最初の2セットは分散傾向だったか。MB(!)の武藤も本職サイドらしい器用さ。そして、期待の高橋藍は試合開始早々から目を引く。サーブは連続でミスってましたがそれはそれ。安定したレセプション、攻撃の抽斗の多さ、セカンドタッチになるボール下への移動の早さやコントロールも良い。バランスが良い。(ちょっと福澤っぽいと感じたのは、おそらく京都だから。洛南じゃなくて東山だけど)。
日体大が取った第3セットは、立ち上がりに筑波にミスが続いたこともあり、日体大のペースになってそのまま。西村を入れて高橋藍をポジション5にうつして、セッターから遠い方のMBに川口入れて、オーソドックスな(セオリー通りの)スタイル。これでチームが安定して、両高橋の攻撃が生きた。ただ、第4セットになると、高橋藍の攻撃も序盤ほどには通らなくなって、体力的な問題なのか筑波大が対策したのか、わからんけど。
筑波の西川のサーブのローテーションが日体大の鬼門になっていて、とくに第1セットは、藤巻が前衛に出るコースとまんなかの藤原に取らせるサーブのコースがクロスするS5って難しいのねーと。
らんらんも入ったし、良くんもレベルupしてる、でも、なんつーかチーム全体として、火力がもうすこしほしかった。筑波との差はそのへんだったかなー、とか。
なんで初日から日体-筑波やねんとおもったら、筑波昨季7位だった。昨秋の中位、だんごすぎて。

B東海大3-1東京学芸(23-25 25-18 25-18 25-20)

東京学芸:13荒木田 3吉田 22長谷川 4村岡 12小野 25森(10森本) L1濱田
東海大:20樋内 9安部(19池田) 30飯田 1新井 18佐藤駿 21山本 L35高木
学芸のスタメンセッターは星城の森。名前、聞いたことがある気がする。OPの長谷川も1年生。愛工大名電、右打。
……愛知多いな。真子くん*1も出てたし。
第2セットの後半からぼさーっと見たので、そして、例によって通信状態が悪く、がたがただったので、いろいろ不明。第3・第4セットはいつのまにかじわっと東海大がリードを広げていた。

B明治大2-3中央大(22-25 23-25 26-24 25-19 11-15)

明治大:4島 16安井 1池田 24工藤 8三輪 2上林 L30武田
中央大:8鍬田 2平井 15佐藤 3都築 4梅本 10山岸 L1土岐
こちらは配信なし。結果の頭につけているA、Bはコートじゃなくてグループ。
学連Twitterに上がっている写真を見たら以前の住まいからなら自転車走らせて行けた体育館だったので、きぃぃぃってなりましたけれど、もちろん行ったりはしません。今は引っ越しましたし自転車もありませんし。
中大、さすが年季の入ったフルセットボーイズ。佐藤くんが背番号15なのが、個人的に、すっごく、熱いです。そう来なくっちゃ。


4枚目ちょうかっこいい。
スタメンは、双方のTwitterアカウントと中スポ記事から。ありがたやありがたや。工藤くん、明治だったのか。高校選手権で見たときの清風のイメージと明治のイメージがあんまり結びつかないのですが、どんな感じなんだろう。
大学バレー遂に開幕!初戦で宿敵・明大を打ち倒す!-秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦代替大会 | 中大スポーツweb

A日本大3-0駒澤大(25-15 25-18 25-15)

これも配信なし。チームのTwitterアカウントが経過やメンバーをおしえてくれるチームは助かるるけれど、このカードだと様子がさっぱりわからん。日大は今のチーム(という言い方はざっくりしてるけれど、高橋とか水島とか関根とか下田とか西岡とか)3年目で年々進化が見られて楽しいので。配信にかかることもあるかなー。あるといいなー。

*1:Let's go TORAY!

2020年度秋季関東大学リーグ戦の代替大会が始まるまで。

前回このブログを書いたのが4月18日。ちょうどFitBoxingを始めた日のような気がします。4月から在宅勤務になり*1、愛機MacBookAirはテーブル(がわりにしている抽斗棚)の端に追いやられ、椅子の正面には仕事用のノートパソコンとディスプレイが鎮座することになりました。こういう時こそブログだろ、と思ってはみるも、パソコンを取り出して蓋を開ける行動のハードルがさらに上がってしまったのです。おととい、中秋の名月を撮影したときにカメラも3月に気球に乗ったのを最後に使っていないことに気づいて、驚くと同時に、半年分のAdobeCCの支払額を思って遠い目になったものです。
春リーグは東日本大震災のあった2011年以来の中止。黒鷲旗も中止。春リーグ中止決定当初は東日本インカレに期待していたけれど東日本インカレも中止。国体も予選しないとかなんとか言ってるうちに、本国体も延期。天皇杯都道府県ラウンドもブロックラウンドも中止。
それにしても行きそびれた6月の仙台。牛タン、すし、萩の月。緊急事態宣言は解除されたわけだからと6月下旬あたりにプライベートで旅行しようと考えてもいたのですが、いろんなことへの気力が削がれてなんの手配もしないまま、いちおうここと決めていた休みの日の朝に「やっぱやめた」となって、7月中旬からは再び感染者数が増えはじめGoToトラベルはともかく現実には旅行はおろか、秋リーグさえもどうなるんじゃろうというかんじで、学連のサイトには開催の場合の日程・会場案とともに、8月31日時点で判断する旨の記載がなされていました、と。
しかし、8月31日を経ても、どうしたらいいのかわかんない状況はかわらなかった。後期授業の対応も大学によってまちまち。リーグ直轄1部2部だけでも男女あわせて48チーム、ええと何試合だ? のリーグ戦開催は、いろんな意味で、難しいだろうなあ、という気配は濃厚に漂っており。結局、通常のリーグ戦は断念、という話になったのが、いつだったっけ。9月の初旬か。
わたし自身は、もう、バレーボールの様子を追ったり情報を入手したりすることにまったく熱心でなくなっているので、そのあたりの動きもよくわからないまま、リーグ戦がないならちょうどいいとばかりに、数年越しで寝かせていたプライベートの懸案事項に着手せんと重い腰を上げ、その流れと勢いで10月の休日にさくさくと予定を入れたのが27日の日曜日。
で、それこそおとといぐらいに、Twitterのタイムラインを眺めていたら、たまたま1人のフォロイーさんの引用リツイートで某チームのアカウント(3月ぐらいから止まっていて再開していたのも知らなかった)が「代替大会まであと3日」と言っている。
代替大会? って、なんじゃ?
そのときの学連サイトには、要項とガイドラインや企業関係者・報道関係者への通達がのっていて、日程と組合せはちょうどいったん削除されていた(今は復活している)のだけれども、なんか、あるらしい、ということがなんとなくわかった。
たまたま早起きした今朝、たまたま学連のTwitterアカウントが、今日からやるよ、男子1部は配信もするよ、と書いていて、それも例によってしばらくうまくたどりつけなかったりしたのだけれど、11時を10分過ぎたころに観られるようになり、昨年の全日本インカレから実に10か月ぶりに、大学バレーの試合を、観た。
大学バレーに限らず、Vリーグにしてもほかのカテゴリにしても、休日の多くを終日どこかの体育館への移動と館内での観戦に費やしている生活から抜け出す、今年は、またとないチャンスだと思っている。楽しくてやってることだからいいんだけど、こういうのはエスカレートしすぎるとよくない。バレーボール観戦のない生活も、慣れてみれば悪くない。この10年ぐらいよりも前の休日の過ごし方に戻って。
なのに、まあ、かぶりつきで、正座して、目を血走らせて、ときに大声をあげて、観てしまったわけですよね。
どうしたものかね。

*1:当初は原則在宅勤務で、緊急事態宣言解除後は半々ぐらいです。

2020年度秋季関東大学男子代替大会・1日目

日程と試合結果

【2020年度:秋季リーグ代替大会】開催要項・ガイドライン・組み合わせ | 一般財団法人 関東大学バレーボール連盟(公式サイト)
【2020年度:秋季代替試合】試合結果 | 一般財団法人 関東大学バレーボール連盟(公式サイト)
男子は前季成績をもとにA・Bの2グループに分けて1回戦総当たり、同順位同士での順位決定戦。
しかし、単純に奇数順位と偶数順位というわけではなさそう。
試合結果は、今大会はJVIMS判定がないので、対戦成績と星取表の掲載のみの様子。

ライブ配信

全日本大学バレーボール連盟 | FRESH LIVE(フレッシュライブ) - ライブ配信サービス
ライブ配信の閲覧はフリー、アーカイブは会員登録(月960円)が必要の由。
ただ、チャンネルが1つしかないからなのか、2日目のBコートの配信はなかった。今後の配信予定は不明*1
期間中の土日別件の予定が頻繁に入っているので、会員登録しようと思います。2019年度の試合もあるし。

A早稲田大3-0駒澤大(25-11 30-28 25-11)

駒澤大:15江藤 20高橋 29菅沼 1山田 3森田 5谷崎 L4山根
早稲田:4中村 12大塚 6上條 1宮浦 22水町 2村山 L23荒尾
早稲田は、注目の1年生、水町と荒尾がスタメン。といってももう10月ということもあって、予想通りのスタメンでした。ちょうど今の4年生が1年生のときも、秋にスタメンをかえて1年生がスタメンになった(そして、以降全ての学生カテゴリのタイトルを取っている)。水町、パワフルでじょうず。今季新人賞はあるのかしら*2。大塚水町対角は胸熱。
駒澤は山田大悟OPに驚いた。去年の4年レギュラーで抜けたのがざっくり言えばOPとレフト。MBは背が高い1年生もいるし、ということかしら。たまにサーブレシーブしていて、新鮮だった。バックアタックがたのしい。
早稲田は一強の地位を築きあげているので、もはや別格視してしまう。そのうえで、駒澤は、とくに第2セット、攻撃力で劣る感は否めないなかで、早稲田の攻撃に対して、よく繋いでいた。昨季の駒澤は全体的にアレだったけど、とくに、守備や繋ぎがあまり良いイメージが亡く、粘れなてなかった気がしていたので、その点では明るい兆しが見えた。
とはいえ、リードしていても、先に24点に乗っても、セットを取れないのは口惜しかったし、第1セットと第3セットは大差がついた。とくに、早稲田宮浦のサーブのところ。宮浦はサーブポイント本数こそ3セット合計5本*3だが、4連続ブレイク(1s)、8連続ブレイク(3s)、と、サーブミスが少ない。次の水町もいいところでサービスエースを取っていたので、この2人のサーブが続くローテーションは強いなーと。ぜんぶつよいけど。中村にワンポイントブロッカー出すようなチームだけど。例によって第3セットの終盤、上條以外全員交代しちゃったけど。

B東海大3-0専修大(25-22 25-20 25-22)

東海大:20樋内 9安部 30飯田 1新井 18佐藤 21山本 35高木
専修大:7久保下 9中村啓 24バーナード 27甲斐 1東 20増田 L12藤中
専修大は、しばしば、出場予想していた選手が出場しないことがあり、今日もまた、いそうな人がいなくて、春のパンフレットには名前があるんだがどうした、とはいえ今までもたまにいなかったし、このご時世(?)なおさら在不在は深く気にしてもしかたない。
ということで、藤中がリベロ。そして1年が二人、かな。OPの甲斐が左打ちで、かわって入った中川原も左打ち、左打ちOP大量。セッターの久保下がえげつないジャンプサーブを打っていた。あんなサーブ打ってたっけ。もう少し地球にやさしめじゃなかったっけ。かわいい。
東海大リベロが1年の高木(崇徳高)。崇徳のリベロ(ex井上航)。そして、OPが1年生の左打の飯田。飯田は身長184cm(325)で線もまだ細いのだけれど、線が細めで身長あんまり大きくないOPのジャンプサーブやバックアタックが大好物なので、1本目のサーブから、なんか素敵な選手キター、と思った。
キャプテンマークの新井はポジション5のレフト。(サーブレシーブに参加しないという意味での)レフトエースの場合ポジション2に置きそうなイメージがあるんだけど*4、レセプション3枚のときは基本的にOPの飯田が入っていて(セット中盤バック3ローテで寸田と交代)、1ローテだけ新井だったのかな、よくわからん。あと、二人とも前衛のときに、あえて新井がライトで飯田がレフトに回ってるところがあって、これは攻撃よりもブロックなのかな、と思ったりしつつ。
専修の意図はわからんけど、対新井へのマーク(ブロック)が薄かった。東海大は、試合終盤ほかの選手の攻撃が通りづらくて、ほぼ新井で得点していたんだけど、なぜその新井をフリーにしたか。結果的にはあんまりうまくいかなかったけど、作戦としてはそれもありかもしれん。

*1:見つけられない

*2:見ずに書くけど、筑波の柳田やら日体大の高橋やら、先の高校選手権で活躍した選手がもりもり出ていて、難航しそう。

*3:友人調べ

*4:往年の郡のイメージが強いだけで調べたことはないしあのときの日大はもしかしてフロントオーダーだったかもしれない。

SONG LANG 思い出話

さいきん観てとても好きになったベトナム映画の話をします。緊急事態宣言が出るような状況で東京も横浜も上映していた映画館が臨時休館,それに伴い上映終了。少なくともこの騒ぎが収まるまでは,観られなくなってしまいました。いつ収まるともしれないのに。
あまりに辛いので,思い出話を書きます。
レビューじゃないです。思い出話です。
5月以降公開予定の映画館もあるので,まだまったく終わりではない。次にスクリーンにかかったとき,機会を得た人には劇場で観てほしい。
それにはこんな,未見の人に不親切なうえに物語の核心に触れるような具体的なネタバレもある思い出話は相応しくないんだけど,現時点での今後の公開予定のなかで自分が観るのは難しそうなので,そろそろ吐き出しておしまいにしたいのです。お付き合いくださいと言いたいような言いたくないような,難しい気持ちです。

さて,そもそもの始まりは3月1日のこと。美容室で待ち時間に読んでいた女性誌に,宮沢氷魚さんのインタビューが掲載されていた。彼が主演した「his」という映画の。興味を持って,その日の夜に観に行った。今年の早い桜が咲き初めていた記憶がある。すでに世の中はあまり愉快ではなくなっていた。
岐阜県の白川町を舞台にしたその映画は素晴らしかった。白川の自然の美しさ,宮沢氷魚演じる迅の透明感ある佇まい,6歳の空ちゃんの強さとかわいらしさ。大切な人を大切だと言い切ることや大切にすることの難しさと尊さ。人のあたたかさ,痛み,弱さと強さ。マイノリティの生きづらさを描き,現実より少し優しい世界を描き,エンディングに希望と未来が見える。何度も映画館に足を運びたくなる作品で,結局3回観た。(4度目も目論んでいたが叶わなかった。)

とかなんとか,それはまた別のお話。で,鑑賞後に感想やらを読み漁ってる中で,ゲイを描いた映画という括りでたまたま目に留まったのが,この「ソン・ランの響き」(原題「SONG LANG」)だった。2月下旬のホーチミン旅行から帰京して以来毎日のように「ホーチミン楽しかったね,ごはん美味しかったね」と思い出話に花を咲かせていた折のベトナム映画。気にはなりつつも諸々あり,折り合いをつけて観に行ったのが,新宿での上映最終日だった3月20日。世の中はすこし緩んでいた。このときまでは。

良きゲイ映画らしいという心づもりだけで,配給会社の紹介ページも斜め読みで予告編も見ぬまま鑑賞。たっぷり尺を取ったカイルオン*1や主人公ふたり*2の長い一夜を過ごしながら,102分の作品でこんなスローペースでいいのかしら,と引っかかりを覚えていた。
ほかの感想を読むと,途中で結末を予見できたというのをけっこう見かけるんですが。わたしは「聞いてねえよ!!!」だった。やりきれなかった。
予見できようができまいが,その「観ながら感じる予感」含めて映画の味わい方だと思うので,観る人には先入観なしで観てほしい,一方で,観終えた自分の感想や解釈や好きなところは力説したいジレンマ。

力説することにしました。
言うまでもなく,不確かな記憶に基づく個人の感想及び解釈なので,記憶違い認識違い誤解,多々あると思います。イントロダクションは省略,参考URLは最後にまとめて。前述の通り,ネタバレあります。

本作はとにかく絵が綺麗だ。舞台となっている80年代のサイゴンの湿度と埃っぽさが匂い立つ少しざらついた映像に,郷愁を呼び起こすカラフルだけれどマットな色調。4:3の画角に描き出される1カット1カットの構図がどれも美しい。

とくに好きなのは,ユン*3が教会で祈る場面。画面左端に人物バストアップ,視線はその正面,つまり,こちらを見ていない。すっとカメラが引いて天井からの俯瞰になる。木造の美しい教会の白い壁と床。数人がそれぞれに自分の祈りを捧げる静謐な場面。
それから,公式サイトにも載っている,ダングエット*4を抱えて物想うユンが画面の右端で右を向いている場面も,壁の白さに観葉植物の緑が映えてとてつもなく美しい。
二日酔いのリンフンがベッドで少しけだるげに壁にもたれ,脇の姿見に奥でファミコンに興じるユンが映っていて鏡越しにぽつぽつ会話をしているところ*5は,ふたりの心の距離が見えて風情がある。同じ姿見でも,翌朝,ユンを待つリンフンを姿見だけで映しているところは,リンフンのプライベートを覗き見をしているような気まずさがある。
ユンのアパートの階段を真上から見下ろすショットも綺麗だ。壁の青緑色に花のような造形の鉄柵も洒落ている。満月の夜の屋上,朝の廊下,夕陽が射し込む室内,終演後の深夜の劇場。光と影の織りなす陰影も風情がある。
暴力シーンもあるし朝には町内放送で歌謡曲が流れるような賑やかな街でもあるけれど,静かな場面が多い。そこに,弦の切なく美しい調べが乗る。

80年代サイゴン

知らない街の知らない風景なのに,どこか懐かしさを覚える。
ドイモイ前夜のサイゴンの街並みは,もちろん経済発展著しい今のホーチミン市街とはまったく異なる雰囲気だが,空港との往復で通った郊外には面影が残っていた。通ったのが早朝と夜だったから特に,映画で描かれる深夜の通りを見て光景がよみがえった。ユンの住むアパートも,細かいところはぜんぜん違うけれど,レストランのあった配線剥き出しの古アパートを思い出すし,アパートの屋上を映す霞んだ夕焼け空は,サイゴンスカイデッキやホテルの窓から観たホーチミンの空を思い出した。
カイルオンの劇場の公演看板絵は自分が子どものころの映画の看板みたい。一列でステージを向く方式の指揮者のないオーケストラピットが独特。打ち出し後の劇場玄関には迎えの人力車が多い。

カイルオン(cải lương)

20世紀のベトナム南部で発展し人気を博したカイルオンは,ユンの為人をつくった重要な鍵でもあり,ユンとリンフンを出会わせ引き合わせもした。
リンフンの所属する劇団がかけている「ミー・チャウとチョン・トゥイー」は,ベトナムではポピュラーな昔話が題材らしい。隣国同士の身分の高い若い男女が婚約し愛を誓う。しかし政情が変わり両国は戦を始める。涙ながらに別れ別れになる二人は再会を約すが,まわりの大人は二人の仲を許さない。恋人の国を攻めねばならぬことに苦しむチョントゥイー。傷物にされ裏切られたと哀しむミーチャウ。婚約者恋しさのあまりに取ったミーチャウの行動がミーチャウの国に打撃を与え,ミーチャウは父の怒りを買い,そして……という悲恋だ。
京劇のような派手な舞台化粧は,差し色の紅が色っぽい。エキゾチックな衣装にきらびやかな髪飾り。アジアっぽい短調ベースの音階に独特の節回しで,抑揚豊かに歌い上げる。
おもしろいのは,音楽にダングエットやソンランといった伝統的な民族楽器だけでなくギターやサックスなどの西洋の楽器も一緒に使われているところで,時に伝統的に情緒的に哀切を帯びて,また時には現代的でポップで俗なわかりやすさをもって,お芝居が進む。終演後の追い出しに「蛍の光」が演奏されるのを当然と受け入れている自分がいたが,よくよく考えたらここは80年代のサイゴンだった。
楽屋のわちゃわちゃした感じや一座の仲の良さも楽しい。そして,リンフンは師匠(団長さんかしら)に言われる。おまえはテクニックはあるが心がない。恋をして失恋しろと。

人物造形

映画は,仏教寺院*6でソンラン*7を手にするユンのモノローグから始まる。“父が言っていた。ソンランはただの楽器ではなく,……”云々。
初見ではわかりづらかったが,この場面から少し時間が巻き戻って物語が始まり,再び冒頭の場面に追いついたときにこの場面の意味がわかる。そのときの「こういうことだったのか」がすごい。そして胸が痛い。
全体を通して絵的で静的で芸術的な描写は,観る者にとってあまり親切ではない。台詞は少ないし,多くを説明しない。表情で語るが,それも曖昧で,解釈は見る人に委ねられている。それが,深く余韻を残すところでもあり,一方で,素っ気なく不親切なところでもある。

筋立ても人物設定もありふれてはいる。性根に優しさがある裏稼業の若者(ユン)と,美形の役者(リンフン)。それぞれの社会で周囲の人たちに認められながらも,心に孤独を抱えている。ふたりの出会いは最悪で,最初は反目するが,少しずつ打ち解けて心を開いていき,相手の存在が自分に変化をもたらす。お互い相手を自分にとって特別な人だと思うように,な,った,の,か,な。ぐらいまでが描かれている。

ベタ。でも,絶対好きなやつ。恋愛物も大好きだけど,恋愛じゃない強い結びつきも大好き,まして友情と恋の境界線要素。
名前のつけられない分類できない感情,まだ名前のない特別な関係の始まり。自分の恋心を自覚したであろうリンフン。一方ユンのリンフンに対する感情はおそらくもっと曖昧なもので,でもリンフンとの交流をきっかけに自身の生き方を大きく変えようとしたユンの決断には,ユンにとってのリンフンの存在の大きさがあらわれている。

細かい好きなところは沢山あるけれど,これに尽きる。あとの感想はぜんぶこの繰り返しと蛇足だ。

ユン(Dũng)

この物語はユンの内面を主軸に描く。
高利貸しの取り立て屋としての冷酷で凶暴な面と,古いけれど味のあるアパートでの手をかけたていねいな暮らしぶりとが対照的だ。本来は両親に愛情深く育てられた優しい人物なのだろう。取り立ての場面でも,端々に人柄の良さが見え隠れしている。どうやら種が嫌いらしい,そういう細かいところもかわいい。ヤクザ稼業は子どものころに母親が去り,父親も早くに亡くしたためであることが後に描かれる。
ユンを演じたリエン・ビエン・ファット(Liên Bỉnh Phát)はこれが俳優としての初仕事だったそうだが,演出も相まって,とても魅力的な人物になっている。
ユンとリンフンの関係は,ユンがリンフンの劇団に取り立てに行くところから始まる。ユンは,劇場に行く前に、少し,いやだな,という表情をする。それはユンにとってカイルオンの劇場と劇団が,懐かしい記憶であると同時に母親にまつわる辛い記憶を呼び覚ますものでもあるからだろう。ユンの子供時代の回想が差し挟まれる。(余談になるが,楽屋を訪れたユン少年にまわりの大人が「ご飯食べた?」と声をかけるところは,おお,ベトナムの挨拶! と感動した。)
ユンは身も蓋もない言い方をすればマザコンをこじらせていて,母恋しさと母に捨てられた(と思っている)寂しさうらめしさとを大人になった今もずっと引きずっている。たまに寝る関係らしい女友達のラン(Lan*8)がいるが,彼女との間柄はよくわからない。メタ的には,本作は指一本も触れ合わないしゲイ映画という枠組みで捉えないでほしいと監督が語る*9程度に同性愛を描いた作品なので彼女のことを「時折セックスする関係のただの女友達」と判断しがちだし,さらにメタな話をすると,ランの中の人はユンの母親の中の人の実の娘でつまりユンは母親の面影を求めているということのようなのだけれど*10,そういう前提を抜きにして見ればふつうに付き合っている彼女のように見える。ランは自分の弟のことで困って深夜にユンを尋ねユンもそれに協力するし,ユンもリンフンといろいろあった翌日に彼女に会って自分の決意を語っている。たぶん。
だから,二人の仲は親密で信頼関係があることは確かだろう。ただ,彼女に自分の決意を語ったとみられる場面は,そうはっきりと描かれてはいないけれど,ユンから別れ話をしたんじゃないかと思う。店内に流れる「ケセラセラ」。ランは「どうするつもり?」としか言わない。責めないし恨み言も言わない。ユンも何も言わない。でも,別れ話だったと思う。なんとなく。

YouTubeのオフィシャルチャンネルに,公開前にカットされたシーンが上がっている。回想シーンにのみ出てくる母親が,カットされたシーンでは現代に登場している*11ベトナム語なので(一部英語字幕もあるがそれも)内容はわからないのだが,これらのシーンがあればもしかしたらユンの母親への葛藤は幾分解消していたのかもしれない。しかし,本編を見る限りでは,ユンは,リンフンとの出会いによってようやくマザコンから抜けだしはじめたばかりだ。
リンフンとの出会いや分け合った時間,交わした言葉と育んだ友情のようなものがユンにもたらしたのは,母の面影の呪縛からの解放だ。まだ自身の内面と向き合っている段階で,リンフン自身に対して感情が向くのはもう少し後のことと感じた。

とはいえユンは,リンフンを大切に扱っている。ぶっきらぼうで口は悪いけど。ランと(おそらく昼下がりに)情事に耽った際,彼女は,どうしてベッドがあるのにいつも床でするの背中が痛い,と苦情を言う。それは「ていねいな暮らし」をしているユンにとってベッドが壊れそうでイヤだとかの些細な理由かもしれないが,自分の家にまでは入れてもよりプライベートな領域にまでは立ち入らせないということなのかな,とも思えた。だけど,その後(翌日か)酔って暴れてぶっ倒れたリンフンを連れ帰ったときはベッドに寝かせている。客人として遇したと考えることもできるが,長い夜を共有してそこそこ気の置けない関係になったあとも彼にベッドを譲って自分が床で寝る。
ベッドで横になって目を閉じるリンフンの顔をちらと見て(カメラはユンの目線だと思う),ユンは背を向けて床に横になる。距離を取って寝る素振りはごく自然だけれど,リンフンに向けるユンの視線はあたたかく,観る側が少しどきっとする愛おしさも含んでいる。翌朝,ユンが先に目覚め,まだ寝ているリンフンの寝顔を見て(これもユンの目線だと思う),ふたりぶんのコーヒーを買いに外に出る。リンフンと窓辺でコーヒーを飲みながら短い会話を交わし*12,リンフンが帰ったあと,ユンは大きな決断をする。ランが言うまでもなく「どうするの?」という状況なのに,ユンの瞳から暗い陰は消えていて,さっぱりと明るく,前を向いている。

リンフン(Linh Phụng)

ユンが,まずはマザコンの克服と裏社会からの脱却だね恋愛はきっとそれからだね,と思わせるのに対して,リンフンは,短い間にユンに恋をした。そしてリンフン自身,どこかで自分の気持ちに気づいたようだ。
いつごろ気づいたのかはよくわからない。
朝目が覚めて,ユンを待っているときかもしれない。ユンの部屋を出てから,壁にもたれて大きくため息をつくときかもしれない。このシーンは,ベトナム版のオフィシャルトレーラーに入っているけれど*13,映画のストーリーの文脈で見てほしい。こちらの胸がざわざわしてどきどきするから。(まあまあネタバレですが)彼はユンを自分の劇団に誘う。それに対してユンは明確な返事をしない。自分たちの最悪の出会い方を覚えていないのかとユンに言われ,リンフンは(日本語字幕では)今思い出した,と言って部屋を出る。台詞は一音節程度で,とても「今思い出した」には足りそうにない点は気になるんですが,わからんので仕方ない。
そして朝日の射し込む壁にもたれ,ふ,と息を吐く。ユンのアパートを立ち去るのが名残惜しくて後ろ髪を引かれているのか,いまさら自分の発言の意味に気づいたのか,振り絞った勇気に対しての気恥ずかしさなのか。約束にならなかった提案は,ユンにヤクザ稼業から足を洗ってほしい気持ちに,また会いたいというメッセージが乗ってしまう。
あるいは,それよりあと,うっかりプレゼントを買ったときかもしれないし,くじに外れると愛に当たるって言うよと言われたとき*14かもしれない。そう言われてあいまいに笑ったときにはたぶんもう好きな気持ちに気づいている。誰かの顔が思い浮かんでしまった戸惑い含みの微笑みに,こっちが照れてめろめろになってしまう。めちゃくちゃかわいい。
その日の楽屋では,支度しながら自分が買ったプレゼントの包装をちら見してはうきうきし,同僚で恋人役のヴァンに今日は別人みたい,と言われる。人を恋しいと思う気持ちを知ったリンフンの芝居に心が宿る。

監督はリンフンの配役については思うところがあったようで,韓国のポップスターのような容貌のアイザック(Isaac)は監督のイメージとは違ったのでいろいろな俳優に会ったが,結局いちばんバランスが良かったのはアイザックだった,と。*15
アイザックカントー省出身のVポップスターだそうだが,たしかに韓国のポップスターのような顔立ちをしている。おそろしく整った顔面とバランスの良いがっしりした体躯には性を超越した美しさと存在感がある。そして,とんでもなく舞台化粧映えする。オタク語彙で言うところの「顔がいい」「作画がいい」。こんな看板役者がいたら,公演全日程通い詰める。初日に盛装して特注ケーキを持って最前列で観劇し,ふだんから時計から金鎖からプレゼントしてるっぽい太ファンのマダムの気持ちが超わかる。劇中のカイルオンも吹き替えなしで歌っていて,声も歌もほんとうに素敵だ。

田舎の出身でカイルオンに憧れ両親を説得して役者になったというリンフンは,けして弱々しい人物ではない。むしろ強く美しい。ユンとの出会いからしてわりとファイティングポーズだし,売られた喧嘩は買うし,ファミコンストリートファイター?)はユンより上手。軽口も叩く。自分を持って自分の夢に向かい,真摯にきちんと生きている。そこがいい。
それでも,自ら望んでのこととはいえ,孤独をかかえている。どうやら役者稼業は少しだらしないくらいがふつうと見なされている世界で,色事にも無縁,酒もそんなに飲まない,賭け事もしない。劇団の人たちとの仲は悪くないけれど大勢で騒ぐのは好きじゃない。技術は高いけれど心がないと評される。生真面目で役者一筋だから,良い役者になるには悲しみだって経験しなくてはならないと言う。痛々しく,さびしい。そんなリンフンが,最初は敵として現れたユンの意外な優しさと意外な不器用さに触れて少しずつ心を許していく。自分の来歴や家族のことや仕事観を語り,不安や心細さを受け止めてもらえたことで,どれだけ心が軽くなったか。

リンフンの表情がいちいち愛おしい。
時間軸は前後するが,ふたりが打ち解け合ってユンの部屋に戻ってきたときドアの前にランがいたのを見てからのリンフンの態度が,もう,めちゃめちゃかわいい。顔が良い人間が無自覚に嫉妬して無自覚に拗ねて無自覚にむくれているのがたまらなくかわいい。リンフンはぜんぜんわかっていない。デートの約束を忘れていたのかと言いつらね,自分には急用ができたがリンフンは家に居ていいと言うユンに,デートの邪魔をする気はないと言う。口では。顔には,女がいるなんて聞いてない,面白くない,一人で待っているのはいやだつまらない,とそのたぐいのことが山のように書いてある。
そして,ユンはリンフンを連れていく。ランとユンの関係を見て安心できる材料を得られたとも思えないのだけれど,そこでユンの新たな一面を知り,さらに惹かれている様子が伝わってくる。月夜,ユンの運転するバイクの後ろで。
ところで,日本語予告編に「バイクに乗っていると君を思い出すね」という台詞がある*16。ここに至る伏線*17をおもうとほんとうに素敵な発言なのに,本編には出てこない。とても残念だ。

長い夜だ。家に帰ったあとで,さらにユンの哀しさと寂しさを知り,より深く心を通わせることになる。寝るころには,好きになってるに決まってる。彼ら自身が気づいていたかどうかは誰にも分からないけれど,ほんの少し歯車がずれて噛み合ったらもっと違う夜になったのだろう。後戻りできないような。いや,すでに,後戻りのできないところに足を踏み入れていただろうけれど,もっと,どうしようもないような。
だけど,そんな決定的な衝突は起きないまま,お互いにあいまいな気持ちをあいまいに,持て余すまでもないくらいの,気づかないくらいの。楽しかったな,とか,友達になれそうだな,とか。それぐらいのちょっと楽しい気分を抱えて床につく。

終わりに。プロモーションとか

本作は世界各地の映画祭等で多くの賞を得ているが,ベトナム語版のウィキペディアによると,興行的には大きな成功は得られなかったという。日本でも,わたしが観に行ったのは公開約1か月後だとか外出そのものを控える機運が高まりつつあったことを差し引いても,ミニシアターでこぢんまり上映されるスタイルにかわりない。
もったいないことだと思う。
「ボーイ・ミーツ・ボーイの物語」と打つ日本版のキャッチは,見終えて,そうだけどそうじゃない,と感じた。そうであってそうじゃないところにこそ,この映画の魅力が詰まっている。
けれど,じゃあ例えば,ベトナムの伝統的大衆芸能を舞台に若者の喪失と再生を描いた物語などと謳われたとして,観に行くか? わたしだって,男性同士のラブストーリーという部分に興味を持ったのは否定できない。
例えばベトナム本国版のポスターはとても美しく素晴らしいものだけれど,前提となる知名度のない日本であの絵で観客が大挙するかは甚だ疑わしい。
プロモーションって難しいな,と思う。
映画をふだん観ないので,ほかと比べての良し悪しはわからないし,映画界の文脈で語れることもない。
でも,わたしは好きです。短い間だったけれど,出会えて良かった。
映画を作ってくれて世に出してくれて,日本で公開してくれて,ありがとうございました。
機会があればぜひ観てほしいです。

参考

公式サイト
www.pan-dora.co.jp
日本語版予告編|冒頭からリンフン(チョン・トゥイー)の歌
www.youtube.com
SONG LANG (2018) | Official Vietnam trailer(英語字幕)
www.youtube.com
ベトナム版ポスタービジュアル


記事各種
世界が絶賛したボーイ・ミーツ・ボーイの物語『ソン・ランの響き』-レオン・レ監督、主演リエン・ビン・ファットがお揃いの衣装で登壇!初日舞台挨拶 - シネフィル - 映画とカルチャーWebマガジン
「ゲイ映画」と呼ばないで ベトナム映画「ソン・ランの響き」の挑戦:朝日新聞GLOBE+
【動画インタビュー】ベトナム産BL映画『ソン・ランの響き』主演のリエン・ビン・ファット「同性愛は重視する事ではなく、主人公の心の方がより大切だと考えた」 | マガジンサミット
INTRO | レオン・レ監督&リエン・ビン・ファット(俳優)インタビュー:映画『ソン・ランの響き』について【1/3】/新宿ケイズシネマ他にて公開中
Wikipedia
Song lang (phim) – Wikipedia tiếng Việt
ソン・ロアン - Wikipedia
「ミー・チャウとチョン・トゥイー」
ミー・チャウとチョン・トゥイー - ベトナムぶんぶん

*1:cải lương:ベトナム南部の伝統的なローカル大衆歌劇

*2:高利貸し取り立て屋のDũng(ユン)とカイルオン役者のLinh Phụng(リン・フン)

*3:南部発音で「ユン」とのこと。現代ベトナム語は漢字は使わないが「ベトナム人の人名」等で検索したところ「勇」っぽい。すてき。

*4:Đàn nguyệt/彈月:ベトナムの民族楽器でリュートの類の撥弦楽器

*5:ベトナムオフィシャルトレーラー1’30”

*6:チョロンにあるBà Thiên Hậu Pagoda/天后宮らしい。

*7:映画のタイトルでもあるベトナムの民族楽器で,カスタネットみたいな打楽器。

*8:日本語字幕に出てこないのでカナは適当。

*9:朝日新聞Globe+の記事参照。

*10:ソースは行方不明。

*11:どこかの監督インタビューで,ユンの母親が家族を捨てたのには当時の政治的な事情が大きく関係しており,政治的な事情を描いた部分は入れられなかったとかなんとか読んだ気がするがソースは行方不明。

*12:日本版のポスタービジュアルにもなっている,とても素敵なシーン。

*13:1’19”

*14:日本版予告編0’40”

*15:日本公開時の舞台挨拶各種参照

*16:1’10”

*17:たとえば「ガソリンのにおい」

ホーチミンへ行ってきたよ(2020年乾季)

タイトルの通りです。

はじめに


当社で今年度から導入された勤続休暇,たまたま自分が初年度の対象者に含まれていたので,超絶繁忙期のさなかでしたが,周りに無理を強いつつ,1週間取らせてもらいました。ありがたやありがたや。


1週間休めるなら海外旅行というベタな発想。しかし,生憎,海外旅行に同行してほしい人はわたしと同じだけ長くは休めない。そもそも休める時期のすりあわせからしてままならず,ようやく合わせられたのが2月の下旬。あちらの休みは3営業日。振替休日のある3連休を挟んで21(金)から26(水)までの6日間,国内移動も含んだこの期間で「無茶はしない」ことを条件にすると,可能な渡航先は絞られる。ヨーロッパも中央アジアも無理。韓国や台湾・香港は,行ったこともあるしもっと短期でも行けるからもったいない。


とうことで,ベトナムになりました。ハノイホーチミンかはたまたダナンか迷ったけれど,周囲へのリサーチもあわせて最終的には「えいや」で適当に,ホーチミンに決定。ダナンでビーチリゾートも惹かれた。ものすごく惹かれた。往きは夕方成田発(あちらに夜着),帰りは早朝発(日本に夕方着)という,5泊4日な旅程。

旅支度


目的:特になし


やりたいこと:おいしいごはんを食べたい。できそうだったら,洋服を作りたい。売ってないと思うけど売ってたら焼き物(食器)を買いたい。


このすさまじくざっくりした状態で,ゆるゆるとガイドブックを買い集めてぱらぱらめくるも,ざっくりから進まない。行き先はコンパスで円描いてダーツ投げて決めたようなものですし。


そこで,飛行機も宿泊も,現地の移動も,プランニングからコーディネイト諸々一切合切,まるごと配偶者に投げる。毎度のことですが,自分が行きたいと言い出して休みを捻出してもらっている旅行です。よく呆れて放り出されないな,と自分でも思います。フライトは選択肢がなかったけれど,ホテルは2案出して「どちらがいい?」と希望をきいてくれた。すごいなー。


持ち物はあれこれ参考にしつつ,GoogleKeepでチェックボックス式のリストを作り,共同編集にして管理。かばんは,大きなスーツケース1つと機内持ち込みできるカート1つ。リュックサック1つ。そのほか,各自小さなショルダーバッグ。(つまり,わたしはショルダーバッグ1つきり)。


食べたいものや買いたいものは,同じガイドブックを1冊ずつ買って,それを見ながら相談。keepメモに入れたり口頭でやりとりしたり。今時はYouTubeでYouTuberの案内動画やお店がつくってるプロモーション動画がたくさんあるとのことで,出発前夜にいくらか見せてもらった。時代は変わった。


わたしは,旅行となると行き先の言語が気になるタチで,今までも,旅行のたびに「1時間でハングルが読めるようになる本」だとか「トルコ語のしくみ(白水社)」だとか,台湾華語の本だとかを軽率に買ってきた。でも,読み物は読めても語学書はいつもだいたい5ページで挫折する。今回も,旅行ガイド本よりも熱心にベトナム語の本の棚を眺めたものの,5ページで挫折しそうな予感しかなかったので,本のかわりに,ベトナム語独習コンテンツ系のWebサイトをいくつか開いて眺めた。


だがしかし。無理。これは,無理。いやもう絶対無理。ラテン文字だから少しは取っつきやすいかな,少しでも読めたら楽しいかな,なんて甘い考えはあっさり打ち砕かれましたね。諦め悪く「ことりっぷ会話帖」を買ってアプリで単語聞いたりしけど,箸にも棒にも。いやはや。


実際,滞在中会話でチャレンジしたのは「ありがとう」3回「こんにちは」1回だけ。あとはすべて,潔く英語。ごはんも英語メニューのある店にしか行かなかったし,英語表示しか見なかった。現地で唯一覚えたのは,工事現場の看板の「chú ý」。たぶん漢越語で「注意」。

空港と交通


成田空港に行ったのは,2015年秋(イスタンブール旅行)以来約5年ぶり。COVID-19騒ぎの影響か,成田エクスプレスも成田空港も,とても空いていた。中国本土行きはすべて欠航。手荷物検査の機械が新しくなっていたし,出国審査も自分でパスポートのIDページをかざす無人方式にかわっていて,ほんとにびっくりした。パスポートに出入国スタンプがないのは淋しいからわざわざ押してもらった。係官の仕事が減らなくてごめんよ。


ホーチミンシティの空港(タンソンニャット国際空港)の空港コードはSGN。荷物が出てくるのを待ちながらターンテーブル前で「なんの略? たんソ(s)ンニ(gn)ゃっと? そんなややこしい」などと学のない会話をする中年夫婦を目撃していたら,それは我々です。


後にWikipedia先生に聞いたところによると,サイゴン時代から空港コードが変わっていないからSGNの由。困ったときのWikipedia。今回滞在中いちばん見たのは,ことりっぷ会話帖でもGoogle翻訳でもなく,Wikipediaだったかもしれない。夫はたぶんGoogleマップをいちばん見ていた。


タンソンニャット国際空港から市街地までは車で20分程度。到着が夜遅いこともあり,事前に車を手配していた(ホテルの有料迎車サービスかな)。到着ロビーに出てから両替をし(余談だが,その日に限って急に円安になり,よりによって,と嘆いたものだった。10000円=2020000VEDくらい。3万円両替。),携帯電話用のSIMを買って(夫がなにかに挿していたがわたしはよくわからない。日本でグローバルWi-Fiも借りて行った),待っていた車に乗ってホテルへ。


ホーチミン市内は,公共交通機関がバスしかない。そのバスにも,あまり人が乗っていない。とにかくバイク。バイク。バイク。自動車,バイク,バイク,自動車,バイク。ぐらいのバイクの多さ。自転車もなくて,自動二輪ばかり。バイクは2人乗りも多い。子ども連れの家族が大人×2,子ども×2で4人乗っているのも見かけたが,あれはさすがにアレなんじゃ。


我々の市内移動は専らGrab。Uberの類のシェアリングエコノミー配車サービスで,アプリで現在地と目的地を入れて検索したら,来てくれる車が表示される。市内のメジャー観光スポットしか行かなかったからか,たいていはすぐにどこからともなく現れた。待って最大5分。リアルタイムの接近表示があるので安心。ドライバーは専ら若い男性。行き先は事前にわかっているし,道中の経路も見られるのかな。支払いも現地-目的地の距離換算でクレジットカードで自動決済なので,喋る必要も現金のやりとりもぼったくられる心配もない。外国人観光客にはタクシーよりも便利。ということで,タクシーがかなり暇そうにしていたのが,気の毒なくらいだった。


我々は車だったけど,バイクのGrabも多数見かけた。車は自家用車なので一見してわからないけれど,バイクはドライバーがGrabロゴのヘルメットをしてるからわかりやすい。あとで在住日本人向けミニコミペーパーで見たところによると今年の1月から新しい道交法が施行されて飲酒運転の厳罰化が進み,配車サービスの利用がさらに増えているそう。


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Tôn Đức Thắng St.

観光と町歩き


今回の旅行は観光はあまり目的にしていなかったので,少しだけ。ホーチミンは国内随一の経済都市で,発展と開発のまっただ中。観光を売りにしているわけでもないようす。いくつかある仏領時代のコロニアル建築が見所だけど,入れないところも多い。


それに,連日予想最高気温36℃だから,外を歩くのはしんどい。乾季なので湿度は低く,直射日光さえさければさほど暑く感じず不快でもなかったけれど,それでも,暑いものは暑い。


建物の冷房は弱め。冷房効きすぎで寒いのを想定していたのでこれは良い方に拍子抜け。


ノートルダム大聖堂。ちょうど日曜ミサの時間に行ってしまったので中には入れなかった。すごく綺麗。


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Nhà thờ Đức Bà Sài Gòn


中央郵便局。駅舎か銀行か,というつくり。こちらは中に入った。中は通常業務とおみやげの販売と。ちょっと丸の内のKITTEっぽい(雰囲気はぜんぜん違う)。


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Bưu Điện Trung Tâm Thành Phố


オペラハウスとか裁判所とか人民なんちゃらとか:外観のみ。人民委員会庁舎は撮影禁止らしいのだけれど,遠くからならとのこと。とはいえ,気にせずぱしゃぱしゃ撮っていた。


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UBND Thành phố Hồ Chí Minh


グエン・フエ通りの中央部分が公園(歩行者天国?)になっていて,正面の人民委員会庁舎とホーチミン像に蓮のある噴水が,それらしい光景。とくに夜はライトアップされて綺麗だった。陽射しを遮るものがない昼間は人気がないのに,夜になるとどこからともなく人が集まる。


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タンディン教会。インスタ映えするピンク色の教会。少し離れた場所にあるので,フォーを食べに行くついでに寄ってみた。ガイドブックには運が良ければミサの時に入れるかも,と書かれていたが,そもそも門が閉まっていて工事中と書いてあった。なんのことかよくわからない。


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Giáo xứ Tân Định


統一会堂。ゆいいつ中に入った。わりと隅々まで見られる。日本語オーディオガイドを借りたら,これが,とんでもなく長かった。建物や内装の美術的なことにも少しは触れているのだけれど,大筋が「ベトナム共和国最後の一日」ドラマ。南ベトナムの最後に詳しくなれたような気がしないでもないが,世界史をほとんど忘れてしまっている日本人ツーリストにとっては,前提知識が足りなかった。お勉強,だいじです。


サイゴン陥落が1975年で今から40年以上も前のこと,ではあるのだけれど,自分が生まれるほんの少し前で,たしかに幼いころはまだベトナム戦争の爪痕が大きくて,ということを考えずにはいられない。


モスクとヒンドゥー寺院。モスクは,中には入らなかった,のかな。緑色で綺麗。ヒンドゥー寺院は,マスク必須ということで出直した。モザイクタイルが綺麗。仏教とはまた違う,ふしぎな感じだった。中はLED照明で派手派手。


サイゴンスカイデッキ。なんとかとなんとかは高いところを好む。地上49階の展望デッキ。上りましたよ。エレベーターでぎゅーん,と。360度の展望フロアになっていて,ホーチミン市街を一望できる。サイゴン川対岸の未開発地区は数年後に大きく景観が変わっているんだろうなあと思うと,どきどきする。中にはビル建設の経過や,世界のおもな高層建築物の写真展示,アオザイの展示も。


眺めが良いといえば良いのだけれども,天気のせいだったのかそれともいつものことなのか,見晴らしは良くない。けぶっているかんじ。


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Saigon Skydeck


ホーチミンでいちばん高い建物はランドマーク81という少し外れたところにある2018年に開業したタワーなんだけど,そこまでは足をのばさず。ランドマーク81はちょうどホテルの窓から見えて,綺麗でした。


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Saigon River


ホーチミン市街,とにかくあちこちで工事をしている。ちょうど地下鉄工事中で広い通りをまるまる塞いで工事をしているので,少し歩くとすぐに工事中のバーケードに行き当たる。地下鉄ができたら,アクセスがぜんぜん違うんだろうな。


それから,建設中のビルも多かった。泊まっていたホテルのすぐ近くでもヒルトン新築中。日本と違って,建物や建設エリア自体には覆いがなく,コンクリート剥き出しのスケルトン剥き出し状態で工事をしているので,ぱっと見古い建物の解体でもしてるかのような廃墟感がある。逆です。


オペラハウス近くのヴィンコムセンターのような超新しくて超綺麗な建物と,いかにもな「東南アジアの都市」の猥雑感が混在しているあたりが,15年前のバンコクに似ていた。15年前のバンコクよりはキレイめ,か。道ばたでおばちゃんたちがジュースを売っていたり,ローカル食堂のガレージっぽい雰囲気や看板のフォントや色使いが,東南アジア。


道路は舗装されていて,電柱電線も地下に埋められているので,そういう意味では歩きやすい。が,街路樹が多いので木に邪魔される。そういえば,たまたま電気工事(メンテ)に行き当たったところは,道路の舗装をめくって電線剥き出しだった。成長著しい都市の活気を感じた。


それから,広い公園がところどころにあるのも良かった。木や草は少し涼しく感じられるし,リスや雀もかわいかった。風通しの良い日陰では人がだらだらしていた。わかる。

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リス


そういえば。ベンタイン市場にも行ってみましたが。アジアのマーケット。ようやく通り抜ける程度のエネルギーしかわたしにはなかった。

食事と喫茶


旅の大きな楽しみが食事。旅行先を決めるときに「ごはんがおいしそうなところ」は重要な判断材料になっている。2011年のイタリア(ヴィエネツィア,フィレンツェ)然り,2015年のトルコ(イスタンブール)然り,2016年の台北然り。今回も,旅行ガイドブックとは別に「ベトナム行ったらこれ食べよう!(誠文堂新光社)」*1など読みつつ,楽しみにしていた。


とはいえ,食事の回数は限られている。朝食は宿泊につけていたのでよけいに。言語も全くできない。もともと冒険できる性格ではないので,ツーリスト向けのレストランかつ京都でよく行くベトナム料理屋さんで食べたことのある料理が主にはなった。


それでもじゅうぶんおいしく堪能したのだけれど,食べられなかったものが多く心残りは大きい。


余談だが,行きの機内食有料オプション機内食にした。+2500円ぐらいなのでかなり奮発することになるけれど,食器やカトラリーもちゃんとしてるので良い感じ。


朝ごはん。ごはんの評判の良さが決め手になったらしいホテルルネッサンスリバーサイドの朝食ビュッフェ,すごく充実していた。冷蔵ケース3段にびっしりのサラダ,種類充実のパン,バインミは自分でも作れた。うどん,おかゆ,中華系の蒸しパン,焼きそば,頼んでつくってもらうフォーや卵料理(ホテル特製のサイゴンエッグベネディクトも美味しかった)。温野菜,肉料理,豊富なチーズ(エメンタール大好き)に冷製肉,調味料。アイスクリームにベトナムコーヒー。日替わりの絞りたてフレッシュジュース,フレッシュフルーツは乾季だからかあっさりめ。冷蔵ケースのヨーグルトも市販品とホテルメイド。毎朝食べても食べ飽きないし5泊しても食べ尽くせなかった。


朝食レストランは1階,内装は洒落ていてスタッフもあたたかい。リバーサイドを通勤する大量のバイクを眺めながらのんびりコーヒーをすする。


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あさごはん


カフェ。ベトナムといえばコーヒーの国。チュングエンレジェンド,ハイランズコーヒー,フックロン,が3大チェーンで,街の至る所にある。暑くて長時間外を歩いてらんないので,休憩にちょうどいい。どこもカウンターで注文して前払い方式なので,利用もしやすい。(時間のかかるメニューは番号札を渡されて席で待ってたら持ってきてくれる)


チュングエンレジェンドがいちばん高級路線。オリジナルのブレンドの種類が多い。ベトナムアイスコーヒーを飲んだけれど,チョコレートみたいなこくがあって,とても美味しかった。


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Trung Nguyên Legend Café


ハイランズはスタバっぽい雰囲気で洒落たアレンジドリンクも多い。統一会堂横のハイランズで,公園や人を眺めながらぼんやりしている時間が良かった。ちょうど蓮の実の入ったアレンジティーが(期間限定商品だったのかな)プッシュされていたので飲んでみた。底に蓮の実がごろごろ(おいしい)。上に,柘榴に見立てたゼリーがのっている。柘榴風ゼリーは,チェーの具で人気らしい(とこれはガイドブック情報)。芯の部分が慈姑でつくってあって,しゃくしゃくした歯ごたえが楽しい。ベースの紅茶もとても美味しかった。コーヒーの国だと思っていたけれど,お茶もおいしい。


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蓮の実入りお茶(TRÀ SEN VÀNG)


そして,フックロンがドトールくらいのカジュアルさ。イートインでも紙カップで提供される。フックロンの100円ぐらいのプリン,シンプルで美味しかった。


スタバにも行った。高島屋の中の店舗。ロゴ入りのベトナムコーヒーフィルタを売っていて,まちなかのフィルタに比べればずいぶん高いのだけれど(500円ぐらい),面白がって買ってしまうという。


フランチャイズ以外にも洒落たカフェがある。タンディン教会の帰りにたまたま見つけた路地の奥の「サイゴンコーヒー」,高級ショコラティエ「マルウ」のカフェ*2


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Sài Gòn Coffee


全体的に,プラスティックストローは駆逐されつつあり,紙ストローが主流。たまに,植物の茎(麦ではない)のストローがあった。紙はそのうちへにゃへにゃになるしちょっと味に影響している感じもしたので,植物の茎ストローがいちばん良かった,かな。日本もそろそろ紙ストローでしょうか。


昼ごはん。1日目*3はバインセオ。ハノイホーチミンと迷って最終的にホーチミンに決めたのはバインセオが南の食べ物だったから,というくらいにはバインセオが好き。


半端な時間だったのでアイドルタイムのお店が多く,営業しているお店優先で。中国風の内装に窓際にクリスマスディスプレイが残っている謎のテイストだった。屋外の通路を挟んで厨房が見える。ぴかぴかのバインセオ用の鍋(フライパン?)がずらり。ハーフサイズを頼んだら,生地の大きさは変わらず(鍋の大きさは同じなので),具が少ないスタイルだった。直径40cmはあろうかという大きなバインセオに巻物のレタスや紫蘇や謎の葉っぱがどっっさり出てきて,ベトナムの洗礼を受ける。結局ハーフでは物足りず2つめを頼んだので,最初からフルサイズにすればよかった。ミックスきのこが美味しかった。結局バインセオを食べたのはこのときだけで,食べるには根性が必要なので仕方ないんだけど心残りではある。


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Nhà Hàng Bánh Xèo Ăn là ghiền


1日目の晩ごはんは,ホテル近くのHoang Yen。市内に何店舗かある。かしこまるほどではないけどそこそこ高級路線。同じホテルに泊まっている外国人(平たく言えば日本人)客が多かった。


ベトナム料理屋さんの良いところは「飲み」じゃなくて「ごはん」なこと。どの店のドリンクメニューも,お酒だけでなくソフトドリンクもわりと豊富だった。自家用車(四輪・二輪)ユーズが多いからかもしれないし単なる食習慣かもしれない。わたしは専らお茶(桁違いに安く,たいていミネラルウォーターよりも安い。店によってはサービスで出るから注文しなくていいよ,と言ってくれた)を頼み,夫は専らライムソーダを頼んでいた。


ライムソーダは,氷の入ったグラスと,生のライムとシロップと,缶のソーダ(シュエップスとか)が出てきて,自分で調合するスタイル。ほかのソーダ類はできあがったものが出てくるっぽいし,シントー(スムージー)は甘すぎる。食事どきの飲み物に,ライムソーダがちょうど良かった。


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Soda Chanh


ホアンイエンには結局2度行ったが,一度目はごはん物を頼まなかったら勝手に白いごはんが出てきた。頼んだのは,生春巻,空心菜と思って頼んだらほうれん草だった炒め物,それからカインチュア(魚と野菜の甘酸っぱいスープ)。そしたら,ジャスミンライスっぽいほかほかごはんが陶器のおひつに入って出てきた。取り皿と取り鉢(?茶碗というか汁椀というか)は1枚ずつなので,やや扱いに困る。ごはんをよそってスープをかけて食べるとおいしいらしい,という耳より情報をもとに,カインチュアかけごはんに。したら,これがめちゃくちゃおいしかった。全人類1度は食べてみてほしい。ほんとうにおいしかった。タマリンド味のカインチュアはパイナップルの入った酢豚が駄目な人は駄目な味だと思うのだけれど,インディカ米のさらさらスープごはんは暑くて食欲がへばり気味でもするする食べられて,甘酸っぱさが魚の脂っぽさをさっぱりさせて,無限ごはん装置。カインチュア自体は好きでよく食べていたのだけれど,ごはんにかけるのは目から鱗だった。


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Canh chua


2日目の昼ごはんは,サイゴンスカイデッキ近くのNgoc Chau Garden。中心観光地観光客向け価格でお高いという評価はみたけれど,個人的にはいちばんよかった。中華っぽいピンクと赤のおめでたい内装,ソンベー焼っぽい(すごくベトナムらしい)食器。ひょうたんと海老のスープがあっさり滋味でとてもおいしかった。牛肉の炒飯も絶妙の味。そしてこんどこそ空心菜。このとき隣のテーブルの人たちがなにやらわしわし巻いていたのが気になった。


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Ngoc Chau Garden


夜は,Nhà hàng Ngon。THE外国人ツーリストレストランが続く。ここは大型店舗で,ベトナム料理に限らず,韓国料理屋タイ料理などメニュー数が多い。オープンエアのエリアから続く店内もセミオープンエア。コロニアルっぽい内装で雰囲気も良い。例によってツーリスト向けだけど,ロケーションの楽しさと味のバランスが取れていて,おすすめできる。隣席は地元民っぽい若いカップルだった。デートにもおすすめ,なのかしら。6〜8人ぐらいの団体が多くて賑やかだったけども。


昼に隣のおねーさんたちが巻き巻きしていたのが気になって,巻きそうな料理を頼んでみた。挽肉の焼いたのと,米粉を揚げたっぽいものとブン(米粉麺)と野菜と葉っぱを,ライスペーパーで巻いて食べる。葉っぱ(ハーブ類)は季節や場所によっておそらくまちまちで,冬だったのでそれほど種類豊富だったわけではない。コリアンダーと,少し苦みのあるノコギリコリアンダーと,赤紫のミントっぽい風味のものがメイン。あとは店や料理によって,赤紫蘇とか,巻き野菜のサニーレタスとか。いろいろなハーブを巻いてお肉と一緒に食べると,食感も良いし,口のなかでいろんな風味が混じり合って,さっぱりして,とても幸せ。巻いてたれにつける作業も楽しい。


それと,蛤のレモングラス蒸し。蛤は小ぶりだったけれど,29個かな,ごろごろ入っていた。想像できる味で想像通りおいしかった。


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Nhà hàng Ngon


3日目の昼は,フォー。Phở Hoà Pasteur。フォーは北部が本場らしいのだけれど,せっかくベトナムに行くし1度は食べたい,と。(わたしはさほど好物ではないが1度は食べたい)。歩いて行くには距離があるので車で。ここもガイドブックに載ってるしメニューに写真と英語が書かれていてわかりやすく外国人観光客が多かったけれど,店構えや壁に貼ってあるメニューのテイスト,テーブルに置きっぱなしのバナナや油条(?)で一気にローカルな雰囲気に。


牛肉のフォー全部のせを頼み,ついでに苺のシントーと揚げ春巻きも頼む。シントーはその場でミキサーがーってしてフレッシュで美味しくて,これで150円くらいだぜベトナム最高。揚げ春巻きはブンと一緒に葉っぱに巻いて,スイートチリかなにかをつけて食べる。うまい。


フォーにはテーブルにある葉っぱを適宜ちぎってのせて食べる。葉っぱをむしったあとの茎は足もとのバケツへ。スープはあっさりめ,牛の内臓っぽいものとロースっぽい赤身の肉と薄切りの半生の肉との歯ごたえまちまち,そこにちょっと苦みのあるハーブ。


今のホーチミンの物価がどんなものかわからないけれど,東南アジアだからと安さを期待しすぎると期待外れになるだろう程度には安くない,という感じだった。全部のせのフォーが90,000VNDだったので450円ぐらい。全部のせでなければ,350円とか400円とか。日本がデフレすぎるねん……(それは台北に行ったときにすごく感じた)。


食後の会計のときに,店員さんが肝心のフォーをつけ忘れていて異常に安い金額を請求されて,いやいや,おかしいでしょう,というやりとりをするなど。こっちが「払ってない」と言うのが通じないというよくわからない状況だった。


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Phở Hoà Pasteur


その日の夜は,Secret Garden。人民委員会庁舎の裏手,古いアパートの屋上にあるレストラン。ここはもう,ロケーション全振り,という感じ。味は,まあ,ふつう*4。古き良きサイゴンらしさ満点の路地アパートの,電気配線剥き出しの階段を上がった屋上にあるレストラン,オールドソンベーっぽい(知らんよ)食器やらランタン(?)やら蔓性植物の葉のカーテンやら,籠の中の鶏やらの向こうに見える夜景にちょうどヴィンコムセンターのH&Mのネオン。というカオスな街のカオスな雰囲気が楽しい。屋上のレストランで酒を飲む(飲んでない)のが楽しい。という感じ。食べたのは,なにかの花のつぼみの炒めもの,豚の角煮,青パパイヤのサラダ。と,ごはん。なんかの花のつぼみはポピュラーな食材のようで,ちょっと甘めのニョクマム+醤油炒め,というシンプルな味で,しゃきしゃきした歯ごたえでおいしかった。ごはんの進むラインナップでごはんをもりもり食べた。隣のテーブルは,ドイツかフランスっぽい(偏見)ファミリーだった。


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bông thiên ly xào tỏi @ Seacret Garden


4日目の昼,は,サイゴンスカイデッキ付近に舞い戻って,NHU'LANでバインミと汁ありフーティウと(また)苺のシントー。ここがいちばんローカルでいちばん注文難度が高かった。お店は巨大でテイクアウト客も多く,メニューの種類も多い。同一カテゴリの同一価格のものがまとめて書かれていて写真もほとんどないので,自分が食べようと思っているものがどれなのかを見極めるのが難しく,すまほの検索と首っ引きだった。


イートインで誰にどうやって頼んでどこで支払いをすればよいかよくわからん。支払い済みのシントーを払った払ってないのすったもんだもあり(英語は通じないので眼力と英語と気合いで通す),その場で見ていた別のおっちゃんが助け舟を出してくれたりなんだり。


フーティウ,おいしかった。フォーやブンはつるつるだけどふにゃふにゃで歯ごたえがないけど,フーティウは同じ米麺だけれど,しこしこしていて,良いです。


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NHU'LANのメニュー。15と16のどちらかがわからん。


夜は,翌朝も早い(5時台チェックアウト)ので,ふたたび,ホアンイエン。巻きたい気持ちに忠実に,旅行最後のまきまきをして,カインチュアのおかわりをして,それから,まだ食べていなかった蓮の実の炊き込みご飯を食べた。蓮の実のごはんは蓮の葉にくるんで蒸しあげてあって,ほどくと蓮の花みたいで,見た目も素敵だった。


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めしうま

買い物


お洋服を作りました。ワンピースとロングスカートと長袖シャツ,各1枚。全部で13500円だったかな(日本円)。内訳はもう忘れたけど,ワンピースが6000円でスカートが4000円でシャツが3500円ぐらいだった。


食事と同じで,めちゃめちゃ安いというわけではない。お高いお洋服のお高さはデザイン料とブランド料だけど,お素敵なおデザインやお素材でのオーダーはすごく難しい(事前の準備とその場での根気が必要。客側にも洋裁の知識があったほうがいい)。逆に値段だけなら日本でファストファッションブランドの服を買うほうが安い。


デザインは,お店には日本のファッション誌もある(ちょっと古い)けど,現実的には,店に置いてあるサンプルから選ぶか,つくってほしいデザインの現物を持ち込むことになる。現物をベースに変更してもらいたいところを伝えればいいんだけど,ディテールの説明はだんだんめんどくさくなってくる。日本語のできるスタッフのいる店に行ったわけですが,それでもまあまあアレだった。言語の問題というよりは,感覚の問題。まいぺんらいマインドが大事。まして,現物なしで資料写真ベースに頼むのは,そうとうたいへんだとおもう。


素材は,お店に置いてある布は選択肢は限られる。日本で買って持っていくか布市場で戦って勝利する根性があればいいけれど,なかなかね。裏地や留め具は(持ち込まなかったし)相談もなくおまかせ。


そんなこんなで,いろいろ思うところがありすぎてまとまらなかったワンピースは最終的には当初のイメージとは違うものになったし,スカートも野望とはずいぶんかけ離れたものになった。けれど,両方とも,想定の用途には合ったものが買えた,かな。


シャツは,ワンピースとスカートを受け取るときに追加でオーダーした。いちばん気に入っているデザインのものは現物を持ってきてないと思い込んで別ので作ってもらった。リネンがよかったけど店の在庫にちょうどいい色がなかったのでコットンで。


困難もあったし不満もあるけど概ね作って良かったと思っていて,なんでかってーと,自分のサイズで作ってもらえるからです。そういう意味で,シャツが一番仕立甲斐がある。ご存じの方はご存じの通り腕が短くて胴が長いので,市販の長袖シャツは袖が余ってカフスを折り返さないと着られないし,背中や脇腹がすぐに出る。メンズの仕立てもしてる店だったので,シャツ生地はまあまあ豊富だったし,枚数があって困るものでもないし。スカートも,結果的には違うものになったけど,もともとはマキシスカートを作るつもりでした。ワンピースはわずかな増量も許されないぐらいぴったぴたになりました(ボディコンシャスなデザインではないのに)。


所要日数は1日半。午前中に頼んで翌日夕方仕上がり。居合わせたスーツを作っていた男性は,注文の翌日に仮縫いの確認,仕上がりはさらに翌日だったようす。


当たり前ですが洗濯表示タグがついてきません。どうすりゃいいのさ。


それから,バッチャン焼を買いました。Authenticというモダンなオリジナル柄のバッチャン焼を扱っている店で,角皿大小と鍋の取り鉢になりそうな小鉢と,小ぶりの花瓶を。日本人好みのシンプルでおされなデザイン。角皿は何を盛り付けても良い感じになって,捗ってる。


良い買い物だったけれど,いわゆるバッチャン焼で想起される柄とは違うので,赤絵の菊とかトンボとかの,典型的バッチャン焼も欲しい……が,ホーチミンでは場所が離れすぎているからか,扱っているお店もわからなかったし,ほとんど見かけなかった。


大きな買い物はあとひとつ,シルクの織物のストール。Mystère という少数民族の手仕事雑貨を扱っているショップで,最初はウールの刺繍ストールなどを肩にかけつつきゃっきゃしてたんですが,うっかり見つけてしまったシルクストールのしなやかさにめろめろになり,15000円ぐらいで,そらまあいいお値段でしたが,これがたとえば日本の百貨店の催事(期間限定限定ショップ?)で売られていたら6万円ぐらいかな,とかいやらしいことを考えてしまって,クレジットカードを切ってしまいました。すんごい奮発した。奮発しすぎて,身につけるシーンがない。(ストールにあう服もない)


スーパーマーケットの食材の類いは,買って帰ってもあまり使わないのがわかってきたので,チュングエンレジェンドのコーヒー(粉)ぐらい。あとは,メゾン・ド・マルウでチョコレート。


チョコレートはおみやげのつもりだったのに,帰国直後に友人に会ったときは(1度ならず)持参しそびれ,そうこうしているうちに,当面会えそうになく,食料品を渡せるタイミングは過ぎてしまいそうなのが,つらい。

*1:ハノイホーチミンの食べ物を交互に比較しつつ対照しつつ紹介していて楽しい。

*2:コーヒーの味はふつう。

*3:滞在2日目だけど初日は深夜着なのでノーカウント

*4:悪くはない。まずくはない。が,すごくおいしい,という感動もない。ベトナムごはんは平均値が高いので期待値も高く,ふつうだとちょっとざんねん。

松の内も過ぎた今更,2019年を振り返る(1)

トピック2019


今年の旅行2019


宿泊を伴うもののみ。


  • 01/01-05 岡山→京都(年始帰省)
  • 01/26-27 岡山(四十九日法要)
  • 03/16-17 下呂温泉
  • 04/29-05/06 大阪(宿泊は京都)(バレー観戦/黒鷲旗
  • 05/11-12 広島(バレー観戦/中国リーグ)
  • 06/27-30 札幌(バレー観戦/東日本大学選手権)
  • 08/14-16 岡山→京都(初盆帰省*4
  • 09/21-23 諏訪・松本
  • 11/23-24 岡山→京都(一周忌法要帰省。宿泊は京都)


このほか,日帰り出張数度。


スキー行かず国外行かず観戦遠征も最低限。喪中でしたし。

今年買ったもの2019


時期はうろ覚え。もちろん網羅はしていない。


  • 1月 九谷焼の小皿(バボちゃん),備前焼コーヒー豆ブローチ
  • 2月 プレートウォーマー
  • 3月 踏み台,エアプランツ
  • 4月 広島でストールとTシャツ
  • 6月 HARIOのフィルターインボトル,電話機
  • 7月 夏のブラウスとスカート
  • 7月 九谷焼の小皿と蕎麦猪口(うさこちゃん),デスクライト,ヘアクリップ
  • 8月 麦わら帽子
  • 9月 増税前の駆け込みヘアピン
  • 9月 塗りのお盆 匙 ピック
  • 11月 テレビ、枕
  • 12月 全自動コーヒーメーカー
  • その他の衣料品:春にネイビーのブラウス,夏頃ローファーとパンプス,増税前に駆け込みブラジャー。秋にストール。


あれこれはあとで書く。

*1:自身もやや異動

*2:沼の住人ではない

*3:忘れもしない11月10日,全早慶明定期戦からVリーグにハシゴする最中,東京メトロ東西線改札内で定期入れから落ちたのか定期券本体だけを紛失した。

*4:但し,台風接近で急遽日帰り,お参りはできず。

今年観た物2019

ここ数年,年明けに「今年はもう少しきちんと書く」主旨のことを書いては約束破りを続けている。つまり時代はもうとっくにブログじゃないのだ。自分にとっても。

バレーボール


てれびや配信の観戦を除いた現地観戦。練習試合は原則除外。


記録がおろそかなので,ちょいと不確か。


★は初めて行った体育館。



70日。先日仮締めしたZaim(家計簿ソフト)のあらあら集計でチケット購入試合が49,今年は無料大会の観戦が少なかったので60未満と推計していたのですが,そうでもなかった。


ビーチに一度行ったほかは6人制インドアのいつもの試合ばかり。こうしてみると,18/19年度のV2観戦数と19/20年度のV1観戦数が多いのが増加の原因か。19/20年度のV1観戦数の多さは,秋のワールドカップの影響を多分に受けている。


10月3連休に台風が直撃して天皇杯関東ブロックと9人制チャンプリーグがすべて中止になってしまったのは残念だった。しかし,そのまえの9月の台風被害が甚大だったし,移動のリスクを考えると回避で正解だったと思う。結果的に自宅周辺には大きな影響はなかったものの,災害危険情報が30分置きに届く夜ではあった。

観劇



すっかり坂東亀三郎目当てになりつつある。少年の成長はすぐなので,舞台写真をせっせと買う。といっても今年後半は本業が立て込んでいて休日のスケジューリングをする余裕がなく,全公演コンプリートはできないのですが。ナウシカ歌舞伎も観たかったけど無理だった。


来年は宝塚歌劇を観に行きたい。

野球



2回。成績が悪かった,というよりも,3時間も外にいるのが苦痛に感じたり,全席指定の試合は席確保の心配がないかわりに前売りの購入が億劫だったり。前もって人を誘うのが得意ではないし。


ファンクラブの外野自由席招待券は使わないまま終わったし,今年で期限が切れる3000ポイント少々も無駄にした。さて,来季どうしたものか。でも,監督が高津。怖いもの見たさ……。

ライブ



ポルノが楽しくて,その後勢いでセトリ再現ポルノ縛りカラオケに行く。ひとりリハーサルと称して2日続けてカラオケに行った。つまり,三日連続カラオケで歌い続けた。


BUCK-TICKは今年は制作期間。なので,幕張メッセと年末のDIQだけでした。ポルノを挟むB-T。観ている回数が圧倒的に多いのでホーム感がある。とはいえ,代々木はB-Tでは初めてで,アリーナ席でもあったので,なんだか新鮮で,かつ落ち着かない気持ちになりまりました。来年はまた武道館。

その他



来年のパラリンピック東京大会に向けてパラ競技に光があたり気味。車椅子ラグビーは2度目,車椅子バスケは初めての観戦。バスケは椅子なしバスケとルールもほとんど同じだからパラスポーツの1競技というよりもバスケの一種目,という感じが強かった。おもしろかった。


テレビをよく観た1年でした。恒例の「孤独のグルメ」のほか,4月-6月期のテレ東金曜ドラマ24「きのう何食べた」,そしてNHK朝ドラ下半期の「スカーレット」は多い日は日に三度観る勢い。

*1:ホームゲームの名称が「特殊詐欺撲滅デー」

*2:会場が狭すぎて,第1試合札止め喰らってその辺を散歩していた思い出。

*3:から,富士通,仙台大,警視庁の練習試合@富士通川崎体育館

2019-20 V.LEAGUE Div1 東京大会@駒沢屋内球技場

ワールドカップ効果でV1観戦3週目。2年ぶりかな、コマオク。前回は当日券でふらっと入った。今回は人伝でかなりはやめに前売券を確保。その節もあの節もどの節も、いつもお世話になりっぱなしで心苦しい。箱が小さいので立見も多い上々の入り。FC東京がカイシャの参観日(?)だったようで、応援団席も多かったし、なんていうか、ほかの企業チームみたいな雰囲気でそれはそれで新鮮。日曜は隣の陸上競技場でJ3U23FC東京ガンバ大阪)の試合もあり、ハシゴサポさんも多くいた様子。東京ドロンパさんもハシゴ。キレのあるダンスを披露。

今回は駒沢大学駅から歩いた。15分強というところ。まあまあ距離がある。建物は新しく明るく綺麗だけれどあまりゆとりがないので、試合間や帰りの導線が悪いのが難。
アリーナ飲食可と言われましても心情的に(ボール飛んでくるとか対面のスタンドから丸見えとか)なかなか。

今季はFC東京の試合観戦数が多い。このところV1の観戦数が少なかったのは正直なところあまりFC東京(の試合)に引きを感じられない部分もあったけれど、向き合ってみると楽しい。迫田の加入も大きい。

V1の試合をサイドから観ていると、いつもの見方とは違うものが見えてくる。
純粋に、スポーツ男子魅力的だな、とか。ただただスパイク高いな、とか。
V2やV3の楽しさ(1年経つと忘れている)の「近さ」もそういうのが大きい。

楽しかったけど、2日連続の観戦は近場でも体力的にしんどい。土曜は着替えもせぬままだらだらしているうちに寝落ちし、日曜はうとうとしかけたのを押して風呂洗濯諸々。
夜ふかし癖が良くない。疲れて眠いなら早めに寝支度をしてさっさと寝るか仮眠を取るべきである。わかっているのに節制できない。