休み中の京都での出来事などを少し。

日曜日は比叡山延暦寺へ。天気が今ひとつで,山の上は寒かった。左を見れば京都市街,右を見れば琵琶湖。山に阻まれているふたつの都市をほぼ同時に見られるのがとても不思議だった。その阻んでいる山のてっぺんにいるのだから,当たり前といえば当たり前だけど。

比叡山ドライブウェイ,普通車2320円。道は整備されているとはいえ,延暦寺しかないのにこの値段。高いんじゃないの? というのが影響しているのか,駐車場に停まっている車は,なんだか高級車率高し。

昼には比叡山に着いていたのに,結局すべてを開館時間中にみることは叶わず。一日がかりだった。なかなか。仏教には詳しくないのだけれど,どうやら平安後期から鎌倉期にかけて“日本仏教の東大”的存在だったらしく,その後の(鎌倉仏教と日本史的に称される)開祖たちがみんな比叡山に登って修行をしていた模様。それらの人々の伝記が紙芝居の如くあちこちに点在していて,それをわいわいいいながら見て歩いていた。おもしろい。

紅葉は,曇りだったこともあって今ひとつ。もとより期待はしていたかったので“がっかり”ではなかったけれど。土曜日にみなさまから「今年は紅葉はだめ」といわれていたからね。

日曜の晩ご飯は北山(下鴨本通り北山上ル)の“Taam Sabaai”という名のタイ料理屋さん。あまりに知人がタイに集結しているので,食べたくなって。東北的挽肉サラダ,ココナツ入りグリーンカレー(鶏),トムヤムクン,焼きめし(くん),ぷーぱっぽんかりーといったあたりを。これも韓麺館と同じで,あと2〜3人欲しい。カレーをもう一種類とパッタイぐらいは食べたいもの。シンハゴールドの小瓶を頼んでも半分ぐらいしか飲めないし。勿体ない。

月曜日の昼ご飯は,八起庵横の「京のつくね屋」という名前のお店で親子丼。寮から徒歩5分。親子丼1300円(赤だしとひじきの煮物とおつけもの付き)。八起庵には到底行けないので。親子丼(「つくね屋」だけどつくねではない)は葱とタマネギの煮え具合が絶妙,上に乗っている生卵の黄身がたいへん濃厚。

昼食後寺町通りを適当に冷やかしながら南下。一保堂に寄ってお茶を買う。新宿の京王百貨店にも入っているので何も京都の(それも本店で)買う必要ないのだけれど,通りがかりなので(言い訳)。いつ行ってもお釣りをすべて新札で出してくれるのが,とても気持ちよい。

二条の北東角の履物屋さんの下駄の値段をチェックし(買うのはまたの機会に),ずずっと下って六角富小路の宮脇賣扇庵で扇子を購入。母親に以前「もう2・3本買ってきて」と頼まれていた夏の実用扇子(悩んだ末1つだけ買った)と,こんど訪問着を着るので,そのための扇子を自分用にひとつ。末広については,土曜日に行ったときと今日とで店員さんの言うことが違っていて,(端的に言えば,薦められるものの価格帯が1桁というか5倍ぐらいというか,違っていたのです),どっちを信じて良いのかかなり迷った。こういうのって,好みや懐具合だけで決めていいものでもなさそうなイメージがあるから相談したんですが。その上で,おおやまも言っていたように,わかりやすく値段と質が正比例しているために見れば見るほど良いものが欲しくなってしまう。価格の違いがどこに反映されているのかさっぱりわからない物達よりは遙かに健康的な値段の付き方ではある。が,「こうもあからさまに違うとなぁ。やっぱりいいのがいいよなぁ。でも高いよなぁ」という迷いは,深まるばかりだったりして。

結局,自分にとって都合の良い土曜日の店員さんの言葉の方を信じてなおかつお財布にやさしい方向で選んでみましたが。自分で意識するほどには扇子なんて目立つまい。よほどちぐはぐだったり失礼になったりしない限りは,分に合った物の方がよろしいでしょう。ほんとは良いものを持っていたい気持ちもあるのですが,なかなかね。

その後は,時間もあまりなかったので,大丸の地下でお紅茶とお土産を買って,祝日の夕方とは思えない混みっぷりの地下鉄で京都駅まで。観光客が使わない道を選び選びで,最後にさんまの姿寿司をホームで買ってのぞみでアンビシャス。

名古屋で隣に乗ってきた女性いわく,さんまの姿寿司は紀州の名産(?)なのだそうだ。紀伊半島まで下ってきたさんまは程良く脂が抜けていて,姿寿司にするには適しているとか。帰宅後に食べてみたけれど,たしかに脂があんまりなくて,おいしい。この種のお寿司がわたしは好物で,しかし魚の種類の違いは,こうなってしまうとあまりわからない。わたしの舌が大雑把だからというのが一番の原因ではありますが。