会社を出る。

会社最寄りの本屋で閉店(22:30)まで粘る。何をしていたかよく覚えていないけど,大河関連企画文庫平積台の付近にも数分は居た。その後電車移動してモス。ここでスパイシーモスバーガーのオニポテセット(ドリンクはミネストローネ)を食べつつ例の岩波新書を読了。店を出たのが0時頃。帰宅後ココアをつくって飲みながらディスプレイの前に。現在に至る。


もとはといえば,タイ語以外に予定のないこの週末にレジャーにでも出かけようかとわたしらしくもないことを考えて,ネットで調べようとしたのが始まり。職場で小耳に挟んだ(ので詳細は不明)会話をきっかけに,お芝居もいいかもしれないと思ったんだけど,どこで何時からどんなお芝居を幾らでやっているのかという情報を得るのは,意外と難しかった。Yahooなどで「エンターテイメント」等のカテゴリでうろうろしているうちに,エンタテイメントというともっぱら音楽やTV番組のことらしく,Yahoo掲示板(初めて見ました。所謂掲示板サイトって普段全く接触しないので)に大河ドラマキャスティングスレッドに行き当たってしまう。最初の書き込みが去年の2月の終わり(キャストが決まったときらしい)で,それから今日に至る書き込みの99%ぐらいを読んだ。ら,こんな時間になってしまった。目がぼってり。


これじゃ,結局明日外出する気力なんてないだろう。明日は荷物も届くけど,きっと受け取るだけであとは寝てて何もしないだろう。洗濯・片づけで日曜日が過ぎ,月曜日はタイ語で終わるんだろう。なんてあたしらしいといえばあたしらしい。


お芝居の方は,当て所もなくうろうろしている内にようやくTVCMでみたのかもしれない名前を知っているブロードウェイなミュージカルが来月東京に来るんだとか(でもたった1週間だ)を見つけて,ネットから買えるチケットサイトで日曜の夜の公演のチケットはまだ売り切れになっていなかった。が。S席10600円。マジっすか。噂には聞いていたけどミュージカルって高いんだねぇ……しみじみ。興味はあるんだけどなぁ。(ちなみに「RENT」)。10分の1ぐらいで楽しめる「ラスト・サムライ」でも観に行こうかなと方針転換をしたところで大河スレに潜り込んでしまったのでなんともはや。


お芝居といえば,ほりぃの宝塚歌劇ではないが,ぷちお芝居観に行きたい気分が最近ひっそりと湧いていて,宝塚も一度は観てみたい(が,すでに名前を知っている人がほとんど居なくなってしまった。月組のトップスターが涼風真世で2番手が天海さんな時代ですから。せめて真矢みきさんが現役の間に観に行きたかったなぁ)し,歌舞伎も観てみたい(←どうせわからないくせに)。でも,なんつぅか,(切符の値段の)桁が違うので庶民としては非常に気が萎えるものでありましたことよ(宝塚にしろ歌舞伎にしろもとはといえば庶民の娯楽だったわけですが)。尤も,時間対費用という点では新幹線よりも安いし,1万円というのが対価として不当だという感じはしない。単純に,自分がそれに慣れることができるかどうかではないかと。振り返って考えてみれば,去年はナマモノ接触が少なかった。自覚的に強く希求するものではないけど,たまには生空間というのを味わいたくなるものなのかもしれませぬ。毎年冬になると日参状態の体育館に今シーズンは一度も行っていませんし(これ重要)。


ドラマのキャスティングスレッドは,眺めていておなかいっぱいうんざり。どんな内容でもそれだけの量を読んだらげっぷが出るだろうとは思うが。数ある発言も,結局は「賛成派」「期待派」「観る前にあれこれ言うのはやめようよ派」「反対派」「反対激派」ぐらいに集約されてしまう。さらに,その発言内容も賛成・期待派,反対・反対激派ともに,「脚本家(脚本)」または「主役」のいずれかにほぼ集約される。あ,一時脇役も盛り上がってたけど。


キャスティングに関するわたしの個人的な感想は以前に書いたのでここで改めては書かないけれど,色んな人のいろんな意見を読んでいると,「なんかもうどうでもいいじゃん,そんなの,どうせ代わるわけでもないんだしそんなに厭なら観なきゃいいでしょ」となんだかだんだん疲れてきて,自分では楽しみにしていたキャスティングさえ(それが掲示板でも賛成意見が多くても),なんだかや〜な気分になってくる,しまいには,ドラマ自体を観る気も失せてくる。あぁ,それなりに期待していたのに。


最も過激だったのは第一次キャスト発表直後で,そりゃぁもう反対激派の独壇場だ。わたしは新しい発言から読んだためにそこに辿り着くまでに,或る程度穏当な意見で馴らすことはできた。よかったよ。最初,穏当だろうが穏便だろうが過激だろうが,一体全体たかがフィクションのドラマでどうしてそこまで拒絶反応を示せるのかさっぱり理解できなかったんだけど,キャスト発表直後のタイムリーで過激な意見を読むころには,なんとなくわかってしまった。


つまり,わたしはキャストと共にテーマ(タイトル)を知ったといっても過言でないぐらい,テーマの認知とキャストの認知に時間的・精神的隔たりが無いので「まぁ若いのね」程度の一般的な感想しか持たないけれども,彼ら(反対激派の人達)は,キャストが発表される何か月も前にテーマが発表されたときから,それはそれはもう楽しみで楽しみで仕方なかったんだと推測される。ついに大河に登場だ,どうしよううれしすぎて鼻血が出そう,なんて思っちゃったりして,誰が脚本を書いて誰が誰の役をやって……夢も希望も膨らむ一方。もしかしたらそのためにディジタルハイビジョンテレビでもDVDレコーダでも買ってやろうじゃないのってぐらいの勢いの人だっていっぱいいたのかもしれない。そういう人達にとってあの配役(と脚本もね)は,そりゃぁ,裏切られたというか騙されたというか,しかもここで扱ってしまったらもうこの先当分同じテーマが大河に登場することはないだろうから,あ〜,そりゃ辛いわ。


反対派の人達は「史実に忠実にしてほしい」云々と言うが(大河はフィクションだよ,当たり前じゃんね。下手に史料が残っている近い時代を扱うとうっかりノンフィクションと勘違いしがちだけど。),反対激派の人達の書いていることから読みとれることは,実在云々ではなく,イメージが固定されて(手垢が付いて)しまっている事象を取り扱うことが難しいということでしかない。思い入れは人それぞれあって結構だが,自分のイメージも虚構であるにも関わらず,事象名が実在したがために自分のイメージが事実であったかのように思い込み,それ以外のフィクションに対して「それはニセモノだ」という反応を示してしまうのは,大変危険な認識と言わざるを得まいて。これは反対激派に限ったことではなく一部賛成派にも見られる現象で,たとえば「○○さんは××だから,△△さんはぴったりだと思います!」……あんた,○○さんにおうたことあるんかい,そりゃえらい長命で。で,当然他の人から「見てきたんですか」とツッコミが入るんだが。おもしろかったのは「前髪垂れたポニーテールなんでしょうか,わたしは月代に髷のイメージなんですけど。少なくとも無精髭はやめて欲しい」。これが時代考証を踏まえた発言であればまた違った重みを持つわけですが(どうも違う臭い)。


ま,そういう「自分のイメージとキャスティングが合わない」ってのは,オリジナル書き下ろしで作品でない限りいつでもどこでも発生していることだし,わたし自身そういう反応・論法を何かの度に持ち出しているので,人のことは言えない。そもそもわたしがTVアニメが苦手なのはこれが大きな理由であるくらいだから,他人様のことを咎める権利はないのであるよ。コナンくんのように先にアニメで入ってあとで原作を読むのは大丈夫なんだけど,逆が駄目なんですわ。


話は飛ぶけど,ドラマの予告CMでも使われている(第一回放映内容と思しき)カットで黒船がやってきたのを観に行った近藤と土方がなぜか褌姿で抱き合っているという映像が(違うかも)あり,それに対してかなまるが(自主規制)な発言をしていたところへ持ってきて,読んでいた本には板橋の駅前にある二人の墓の写真が載っていてそこへ二人の名前が並べて書かれているので,わたしゃてっきり(以下自主規制)かと思ってしまったんだけど,前者はそれこそ史実に基づいている可能性は低いし,お墓の方は本の写真のキャプションには「墓」と書かれていたけど実際には碑ですね。そうじゃなくても(自主規制)ではない反証がいくらでもある。しかし,講談社現代新書「武士道とエロス」(実家に置いてきてあるので著者名等不明)などを読んだあとだと,(自主規制)ではなかろうが(自主規制)ぐらいはあれなんじゃないかとかとかとかとかとかとかとか(ごめんなさいもう二度と書きません)。……うーん,こんな事書いたら怖い人達に粛清されそう(笑)。ま,言いだしたかなまるが悪いってことで(違)。


「この団体って結局なんなん?」っていう当初の素朴な疑問については,あたしゃ取り敢えず1冊読んでもよくわからんかったよ。歴史的な位置づけというのは時代が時代だけにかなり難しいし,何を考えていたかについては,結局本人にしかわからない(本人にも或いはわかっていなかったのかもわからない)。ただわかったのは,どうやら彼らをこよなく好む人達は必ずしもその「何者であるか」に重きを置いているわけではなさそう。今の時点での乱暴な印象に過ぎないけど,ポピュラーである理由というか,そういう視点から見た「この団体ってなんなん?」は,随分と少年漫画的な素材であるな,ということかな。「男の子が好きそう」などと書くとジェンダー認識の浅さを露呈するだけなのであれですが,「少年マンガ」と書くには差し支えあるまい。一部女子にも(或いは一部女子の方がより)人気があるあたりは少年ジャ○プ的。(05:40)