「LOVE PSYCHEDELICO III」に,

明日3月6日公開の全編韓国語(日本語字幕付き)日本映画「ホテルビーナス」の主題歌が入っているのだそうだ。件の映画については,モスあたりでぺらっとめくった雑誌に載っていた。雑誌には日本語字幕付き(つまり科白は日本語ではない)ことまでは載っていなかったような気がするが。原則として日本映画を劇場で見ることに積極的ではない。あらすじだけ見るとおもしろそうだけど,どんなもんか。主演の役者(?)は実は嫌いではない(どちらかというと好きな部類に入る)けれど,パフォーマンスについてはどうも趣味に合わないところがあるし。そう言いつつここんとこ毎週火曜日の夜10時から某局の民放ドラマ見てますけど(これについては,いずれ機会があれば)。


映画はともかく,アルバムは,買ってから今まで適当に流していただけできちんと聴いていなかったのですが。アマゾン等のレビュウではかなり好評。その中に,一人だけ,1st,2ndのほうが良かったという意見(5点満点で2点)を見かけて,その人の


“この人達の一番いい所は心にグッとくる切なさややるせないギリギリ観だと僕は思うのですが、”


に,あ,なるほどねー,と思った。


“一枚目、二枚目にはそれがはっきり聞いていて判ったのですがこのアルバムでは感じられなかった。”とのこと。わたしが最初に聴いたときの,<悪くはないんだが,何かがちょっと物足りないかも>が,言われてみればそれだったのではないかと。わたくしは「感じられなかった」までは思わないですけども。そこまで熱心じゃないし自覚的でもないので。


いろんな側面があるので,どの側面を主に見るかというのは,人によって様々でしょう。わたしはこの人と比較的近い側面を見ているのだと思う。自分でことばにしているのではないので,これが核心でもないのだけれど,それなりに的確に言い表された感が無くもない。


尤も,こいつは少数意見だし,今回のアルバムを今までで素敵! って言っている人たちがどういう風にとらえているかはまた別。わたしだってそれだけじゃないだろうし。それにしても,60年代から70年代のイギリスのロックっぽいとか言われて,わたしはそのころ産まれてもいないのに何故それでどことなしに懐かしさ(回帰感というか)を覚えるんだろうね。


ところで,映画で使われているらしい#11はかなり素敵。曲調としてはエンドロール(知らないよ)。


曲を作るにしても物語を作るにしても絵を描くにしても,同じ人が作ればその人なりのパターンなりカラーなりが自然と滲み出てしまう。という考え方もある。ワンパターンというのがけしてほめ言葉ではない場合もある。が,一方で,○○作だから買う,という名前買いは行われていて,その中には,その人の既存の作品群のパターンやカラーを好む故に未知の次作にも同じパターンやカラーが出ていることを期待して(或 いは,当然として,思い込んで,当て込んで),名前だけでお金を払おうと決めるケースも少なくないだろう。その場合,売る側はそれを承知で,敢えて冒険を避け,ある程度の枠の中でのみの変化に止めることを意図的にすることもあるだろう。どこかでワンパターンと言われようとも,それである程度の売り上げが見込めるのであれば。もちろん,そればかりでなめてかかっているといつかしっぺ返しを食うでしょうが。しかし,展開は大切だし良い方に転がれば良い結果もついてくるけれど,元のが無くなることも悲しいといえば悲しい。つまり,川瀬智子はぶりぐりではセルフレームの眼鏡をかけてチェック柄のプリーツスカートにハイソックスなどというコスプレはしないだろうということです。


簡単に言い分けてしまえば,芸術家か職人か,みたいな話にもっていけるテーマかもしれんが。なかなか,誰しも霞を食べて生きているわけでもなし,いつまでも同じところにとどまっていたのでは気がつくと誰も振り返ってくれなくなるだろう。どちらかというと,職人を極めるのは大変だというテーマかな。(0:33)