忘れそうなのでまとまらないけど書いておく。

文化関連で。<日本○○>と<和○○>。日本家屋:和家屋,日本室:和室,日本料理:和料理,日本食:和食,日本語:和語,日本文(日文):和文,日本文化:和文化,日本式:和式,日本服:和服。


こうして並べてみるとわかりにくいな。頭の中で考えているときには割と特徴的だと思ったのだけれど。


上に挙げた例は,使われない(存在しないといってもいいかも)言葉も多く含んでいる。片方が成立するものについて無理矢理くっつけてみただだから。


でも,そこで,数少ない「どっちでも言えるな」という言葉を見てみると,日本>和という構図がそこには見えたような気がしたのね。例えば「日本食が恋しい」という言葉にはラーメンも含みそうだけれど「和食が……」となるとチキン○ーメンは入らないかな,と。


ただし,「和○○」という言い方がないものの場合,「日本○○」が「和」の意味で使われているものもある。例えば「日本家屋」。現代の建て売り住宅によく見られる形式は,れっきとした日本ユニークの家屋(日本以外の国であの間取りのああいった戸建て住宅は一般的ではないのではないだろうか:想像に過ぎないが)だろうけど,日本家屋とは呼ばない。西洋建築とも言わないけど。


「和○○」は衣食住といった生活文化でしか(ほぼ)登場しないが「日本○○」は文化面以外(制度とか組織とか)でも使われるといったことはあるのだけれど,それはおいといて。でもそれもヒントかな。


わたしが書こうとしていたのはけっこうポリティカルな話で,つまりそうやってくっつけていくと,日本人:和人,という単語に行き着いたわけ。


ところで,「和」という表現はもしかして「倭」からきているのでしょうか? 「倭」の漢字の意味があんまりね,ってことで音が同じ(似ている?)「和」をあてたの?


日本の領土内には複数の民族が住んでいる。日本で生まれて原則日本で生活する人の大部分は日本国籍を有しているわけだけど,中には日本国籍を持たない人もいる。乱暴を承知で書くけど,それってやっぱりちょっと変だと思う。


上に書いたことをつらつら考えていて気づいたのは,「日本」と「和」をイコールにしがちな思考回路が問題をややこしくしているのではないかということだ。「和○○」という文化がイコール日本文化であり日本に住む民族の文化である,と。それは違うでしょう。


和人という言い方を和人の側が使っていたのかどうかは浅学にして知らないが,日本に住む多数派の民族が日本人(日本民族)と思っている実態は和民族っちゅぅか和人っちゅぅか,そういうことでしょう。まあ言い方は何でもいいんだけど。「日本の伝統文化」という言い方をすれば,アイヌ琉球の文化も日本の伝統文化(の一つ)だと思う。でも和文化とは言えない。


「民族」というのはえらく定義づけが曖昧(ということはナンセンスということか?)なのでここで使うのもどうかと思うのだけれど敢えて曖昧なまま漠然としたまま使っているわけですが。日本に住む多数派の民族の文化を国家という政治の単位や領域と同一視して「日本の文化」とか「日本民族」とかってふうに理解していると,他の民族の人たちが住みにくくなるのは当然だ。


今の制度でどうなっているのか知らないのに例によって調べもせずに書くけれど,以前は確実に,帰化の際の条件として,日本人らしい名前(姓だったかな)にしなければならなかった。それが具体的にどんな風なのか知らないが,名前というのは単なる識別記号のようでいてそうでもなく,気にしない人もいるけれどアイデンティティに深く関わっている人だって多い(わたしもそうかな)。今現在日本国内で日本国籍を取って暮らしたいということと日本の領土内に古くから住んでいる民族のどれかになりたいということとは必ずしも合致しないと思うんだけど。


帰化」という言葉もなんかやな感じではあるけれどそれを云々しだすと「家内」や「奥様」がだめな感じになるのであまり言わないでおこう。少なくとも,日本国籍の取得を希望する条件に民族的和人(大和民族という言い方でもいいのでしょうか?)らしさを求めてしまうような制度は,制度のほうがおかしいんじゃないかなぁ。単一民族国家でありたいということなのか(現実問題として違うわけだし,今時無理じゃん?)。


ま,そんなわけで「日本人に生まれて良かった」発言を民族文化方面で発露するのは個人的にはあまりいい印象を受けないんですけどね(つい使うけどね)。日本の自然気候とか食料とか政治・経済上で暮らしやすいというのなら自然に使えると思うが。


名前にしろそのほかの文化(生活習慣)にしても,日本に住むなら日本の決まり事の範囲内に限定されざるを得ず,そこには若干の不便は生じるだろう。無法地帯ではないのでそれは当然。決まりは守らなくちゃいけないし,それが正当な理由で無理ってんなら決まりの方を変えるべき。所謂日本人だって決まりの中でみんな若干の不便を感じつつ暮らしているわけだ。


例えば戸籍を作ったり住民登録をする際文字の規制はせざるを得まい(諸々の事務処理が困難だ,という乱暴な理由です。ごめんなさい)。法人の登記だってアルファベットが使用できないし。


しかし,現時点で定められている人名に使用できる文字であればその並びや読みを問う必然性は……わたしがわからんだけで,あるのかなぁ。


名前に関する制度上の問題といえば,ミドルネームも今の制度だと無理そうだけど(パスポートに欄がないから),これはミドルネームを持つ人にとっては「日本の名前にはないから諦めてね」といって諦められない種類のものではないかと思われ,しかし「生まれたときから日本人」のうちの多数は考えたこともなく,この辺は難しい問題だと思う。


ミラージュ,かおりさんから「読んでないとこだけ」とリクエスト。何巻からになるのか確認しないと。(3:50)