人口に膾炙とか過剰な期待とか言っても,

大騒ぎしているのは放映している側だけで,そもそも自発的に(積極的に)オリンピック出場権の行方に注目している人の数なんてバレーボールファンの総数よりも少ないだろう(少なくともわたしは注目していなかった)。人口に膾炙してしまう原因は地上波の民放によるテレビ中継のみにあると言ってもいいと思う。シドニー予選の時はこんなじゃなかったからね。


こんな人気のないスポーツを,いろいろなしがらみがあるにせよ,ゴールデンタイムにカットもせずに放映していただけて,何の得にもならんだろうにお金と時間と人を注ぎ込んで,嫌味でなく頭の下がる思いだ。


その一方で,多少なりともバレーボールを見ることを好む人間があまりの不快さに音量最小限で見なければならない放映というのが,一体何を意図してのものなのか,どうしても理解できない。これに限らずスポーツ中継は何故かしばしば見るものを不快にさせるものなので,もしかすると,わたし一人の受け止め方が特殊なのかもしれないが。バレーボールを見ることを好む人間が不快な放映でも,或いはそれを好む視聴者層というのがあるのだろうか。あるとしたら彼らはその後バレーボールを見ることを好むようになるのだろうか。


それは別にアイドルが出ているからではない(錦戸様のご尊顔を拝せるならそれはそれで良い)。それ以外の全て,会場の応援の強制(なの? あの場にいたくない気持ち),カメラワーク,実況中継の絶叫,間の悪い進行,タイミングの悪い解説の依頼,試合前後の全く非現実的な説明諸々,なども含めて。


わたしは幸い1999年の第6回Vリーグ以降常にNHK-BS2を見られる環境にあるし,2000年の冬に東京に引っ越して会場に行くことも容易になった。だからテレビでバレーボールの試合を見ることを特別のことと思わないけれど,そうでない人たちにとっては全日本の国際3大大会がテレビで見られるほぼ全てに近い。ましてバレーボールというスポーツそのものの人気のなさを考えるに,オリンピックに絡まない国際大会にはあまり(両局とも)力を入れていないように見え,一般の人々が知る機会はオリンピックのみといっても過言ではない。


今回,世界最終予選の開催国の1つが日本になったことで,なんだかえらいお祭り騒ぎになってしまった。女子が(前回と違って)出場権を獲得した(できそうだった)だけに,男子も無理矢理中身のからっぽな演出のしかたを,されてしまった。テレビ局側も,男子だけを存在しないかのように切り捨てるわけにもいかないのだろう。本来男子と女子は別の競技だとわたしは思っているのに,協会は何でもセット販売してしまう。どちらも好きで見るという人もいるだろうけれど,どちらかがメインというファンの方が圧倒的に多いだろう。強さの度合いも違う。サッカーに於いて男子好きな人が女子も同じぐらい好きか? 売る方も買う方もセットの方が便利なんだろうから,それはそれでいいんですけどね……なんていうか,若干辛いです。


だって,ねぇ。こんなわたしではあるけれど,一応,好きで見ようとする人が,増えて欲しいもの。ほぼ唯一の機会である全日本の国際試合なんだから,もう少し,いろんな意味で大切にしてほしいのですよね。


オリンピックの出場云々はプレーしている人たちの責任だけれど,ああいった演出をしてしまうテレビ番組の人たちも,観る側を不快にさせている責任を取って欲しい。いやほんと,まじめに。このわたしが見るのが厭だというのだったら,誰が見るんだ。誰が見てくれるんだ。それぐらいじゃないと見なくていいということなのか?(確かに,あまりにアレな試合だからあんまり見ないで欲しいかもだけど)。あれにお金を払っているスポンサー様達も,ほんとうに,ありがとうございます。


そんなこんなで無理矢理盛り上げようとするのは不愉快極まりないが,それに応えられない人たちには,やっぱりちょっと(ちょっと?)腹が立つんだけどね……でもなあ。Vリーグなんかぬるま湯もいいとこかもな,なんて思え。


返す返すも,サッカーの成功はすごいな,と思うものです。サッカーにしても,過去のオリンピックでのメダルの栄光だけを笠に長年低迷を続けていたけれど,人気・実力共に恢復した。バレーボールはいつまで経ってもそれがない。


もちろん同じ方法が通用するとは限らない。そもそも,その競技がもともと持っている魅力といった点で,世界的に人気のスポーツであるところのサッカーと超マイナバレーボールとは最初から違うような気もする。つまり,どうあがいても無理,と。しかし,ほぼ野球(それも日本のプロ野球)オンリーだった(そして,それ以外の市場開拓は無理だろうと考えられていた)日本観戦スポーツ界は,確実にサッカーが変えた。だから,一二を争う人気スポーツというのではなく,色々ある選択肢の一つとして,観るにしてもやるにしても,もう少し地位を上げる場所は,作ればあるはずなのだ。


そこまで望んでいる人がどれぐらいいるかというのが問題でね……。でも,今回思ったのは,世の中にはバレーボールが好きだったりバレーボールに着目したりしている人がわたしが思っている以上にたくさん居たということです。“あ,けっこういるんじゃん”って。うれしいものです(涙)。それは忘れないようにしないと(わたしが)。


監督や選手が叩かれたりがっかりされたり,やっぱり男子は弱い,と言われてみたり,そうかと思えば熱心に応援する人もいる。見る人の数が増えると,立場や見方・受け止め方も様々になる。どれが正しくてどれが誤っているとは言えない。


男子の団体競技でオリンピックに出られるのは野球とサッカーだけらしい。女子はいっぱい出るようですが。


田中監督は引責辞任だそうですね。そりゃ当然か。だけど,これを繰り返してても仕方ないでしょうに。(4:00)