「高校野球には関心がございません」と言い切って憚らないくせに,

サンスポのヤクルト記事を読んでいてうっかり高校野球の地方大会の結果など見てしまうところが既にアレでして。そこでベスト8入りしていることがわかった日には,やっぱり気になるじゃん,ねぇ(笑)


今日は岡山大会準々決勝で,どうやら勝ってベスト4入りを決めた模様。準決勝はあさって(試合日程に余裕ができている。いいことだ),相手は理大付属……またか。というか,やっぱりか。というか。理大付属は今日は5回コールド勝ちだそうなのでなんだか強敵でござるなぁ。


春の選抜大会には去年・今年と二年連続出ている(理大付属がじゃなくてわたくしの母校が),ということは,今のチームは実力としてそこそこ強いのだろう。といっても去年の夏の地方大会は(例によって)準々決勝敗退だったようだが。今年の夏はどうだろう。例年に比べればチャンスなのかもしれない……と,ひっそり期待してみる。


わたしの在学中はあまり強くなくて,1・2年生の夏は地方大会の応援に行ったものだが(自発的にではない)どちらも「2回勝って3回目に負ける」パターンだった。ちなみに2回勝つとベスト8入りし,3回目は準々決勝なので「準々決勝敗退」ということになる。参加五十数チームで,たいてい1回戦はシードされる。一票の格差は大きいね(違うか)。


3年の夏はもっとあっさり負けたような記憶がある(部活を引退していたので会場に行っておらずよく覚えていない)。それで新チームになった翌春の選抜大会に出場したのだから,なんつぅか,つまり,わたしらの学年が弱かったという話で(笑)。


といっても,在学中から野球部の動向にそれほど強い関心を示していなかったので,同学年の野球部の人といっても思い浮かばないのが実状。高校時代に男子生徒との交流が皆無だったことは,わたくしの高校時代を特徴付ける一つなので,何の自慢にもならないがそういうことだ。


関東地方に来てから高校野球とはますます離れていて,去年の選抜大会も今年の選抜大会も,結果すらあまりわかっていないぐらい。そんなわたくしの最近の高校野球関連出来事というと,1999年の地方大会の決勝戦岡山県営球場で見たことだろう。そういえば,どうして倉敷マスカットスタジアムではなく岡山県営球場だったのだろう。


その日わたくしは朝っぱらから岡山で今の会社の入社試験の最終面接があった。で,前日の夜だったか当日岡山に着いてからだったか,たまたま母校が決勝戦に進出しその試合が翌日県営球場で行われるという情報を入手してしまった。面接会場から比較的近く,面接の後で向かえばちょうど試合開始に間に合うぐらいだったのかな(よく覚えていない)。そんなわけで,どういう偶然か知らないが,わたしは真っ黒いリクルートスーツに黒い革の鞄を持って真夏の屋外野球場の外野スタンドに座ることになった。


その時の対戦相手が理大付属で,スコアは忘れたけれどわりとあっさり敗れて全国大会出場はならなかった。(ふじもりの母校も同じように県大会決勝で負けたんだったっけ)。全国大会に出場した理大付属は全国大会で決勝戦まで進み,日ハムの正田が投げていた桐生第一に負けた。何年も前の話だけれど,自分が地方大会の決勝戦をたまたま見に行ったので,なんとなく印象に残っている大会だ。ちなみにわたしは,「うちを負かしたんだからその分がんばってくれ」という心境にはあまりならないほうで,全国大会で理大付属を応援する気持ちなど1ミリも持ち合わせていなかった(だから全国大会準優勝でも嬉しくも何ともない)。かといってわざわざ桐生第一を応援するほどでもないけど(別にどっちを応援するということもない)。


さて今年はどうなりますことやら。しかし卒業してから何年も経つと(もはや何年かわからなくなった),自分の後輩という感覚はないなあ。単に贔屓している学校というだけの世界になってくる。


公立高校にありがちな心理だと思うのだけど,私立には負けたくない気持ちが強い。つまり関西(かんぜい)と理大付属はなんだか目の敵。それでも,今大会のベスト8の面子を見て思うのだが,大筋ではわたしが高校に入学した頃から顔ぶれが変わっていないのは,或る意味で凄いことではある。傾向に若干の違いは見られるがベスト12ぐらいまで取れば不動に近いのではないだろうか。そんなだから,今大会ベスト8中シード校が7校。うはは。


野球部がそれほど強くない高校に進学していたら,高校野球への関心はもっと薄かっただろう。これは高校野球への関心というよりも「自分の身内を応援する気持ち」だからなあ。幸か不幸か運動部の中で野球部だけが強かったし,高校の部活動の大会の中で野球部だけがマスメディアで大々的に採り上げられるものだから,野球部以外の運動部については興味関心や応援する気持ちは出てこないんだけども(一応サッカー部やラグビー部やバスケットボール部等の主要な運動部は一通り存在はしていた)。


わたしの卒業した高校は,その成り立ちや当時の入学選抜の方法(受験資格)から考えて,在学生やOB・OGの愛校心が平均的に強い方だろうと思う。高校時代の友人達と高校の話題が出ることもなくなったし日頃意識することもないけれど,改めて考えてみるとやはり「あの学校キライ」という人はあまりいないのではないだろうか(学校生活自体が楽しかったかどうかはまた別として。勿論自分の高校時代が暗黒だった人はその主要な舞台である高校自体を嫌悪する気持ちもあるだろうけど)。


もとより高等学校は公立小学校・公立中学校と違って,自分で望んで受験し合格して入学した学校であるというところに主体的(能動的・積極的)愛校心が生まれやすいのではないだろうか。(今は公立の小学校・中学校に学校選択制を設けている自治体もあるので,昔とは状況が違ってきているが)。ましてわたしの母校は「何も考えなかったらとりあえずココを受けることになる」人が存在しない仕組みだったので,理屈の上では,受験者・入学者の全員がかなりの積極性を持って,また,他の高校と比較した上で,入学を希望したということになる。だから愛校心平均値が高いのではないかと考えられるのだ。


私立だと必ずそうなんだけどさ。私立高校の数が多くないので,「自分の行きたい学校を考えて選んで受ける」ということ自体がちょっと一仕事っぽかった。


積極的といっても,家から一番近い(本来の学区の高校よりも通学が容易)という人にとっては,もう少し「当たり前」の選択だったのかもしれない。事実最寄り中学からの進学者が多かった。わたしも距離は近くなかったが上の( )の中に入っているような気がする。


そんなわけで,わたしも自分から選んだ感の強い高校と大学については誇りと愛着を持っている。だから,あれだけぶつぶつ言う高校野球についても,母校を応援する気持ちだけは持っている。これで野球部のユニフォームがもっとかっこよければ言うことないのに,とは在学中から(今も変わらず)思っている。ユニフォームがかっこいいかどうかなんて,まったくもってどうでもいいことだと思うのだが,こればかりはミーハー女子の反射的な感想なので致し方ない。


昨日プレイヤーと観客の溝についてちらっと書いたが,プレイヤーと観客の境界線は確固たるものではない。野球少年なんぞはその時々でどちら側にもなっているだろうし,彼らが観客として見ているものはわたしのような100%観客の人間と同じではない気がする(なんとなく)。


そんな風に実際にはきっといろんな場面で曖昧な存在が多いのだろう。人の数だけ立ち位置があってすっぱりと割り切れないのは,そういうことから考えて仕方のないことだろう。たとえばプロ野球の試合を見るわたしは100%観客だけれど,高校野球で母校を応援するわたしはもう少し曖昧な存在のように思う。強いて言えば「応援する人」で,これをプレイヤー・観客とは別に3つめの位置として立てられるものなのだろうか。そしてどうやらわたしはこの「応援する人」が,あまり好きではないようだ。


自分が「応援する人」の中に入ったとき,特に応援する人(団体)が勝っているときの盛り上がりは他に代え難い興奮で,あの高揚感というのはなかなかに捨て去りがたいものである。普通に楽しいよ。そして「観てるだけの人」に徹するというのも難しいものがある。しかし「応援する人」真っ最中で高揚している人というのは或る意味いっちゃっているので,一歩引いてみると文字通り引いてしまう。別に他の人が引いたって本人がよけりゃ構わないのだが,スポーツの国際大会の時のマスメディアの立ち位置がこの「応援する人」なのが,わたしが気持ち悪さを感じてしまう一つの要因ではないか,などと思う。


高校野球の地方大会といえば,ヤクルトの川島の母校千葉経済大付属が千葉大会優勝したらしい。初出場だそうで。ヤクルトって千葉の高校出身の選手が多いな(単に千葉県の高校生人口が多いのか?)。(17:24)