「はてな」じゃない吹奏楽クラブ
最後にフルートを取り出して息を吹き込んだ時の後始末のしなさ加減を思い起こすにつけ,実家のどこかにあるはずの楽器は今頃緑青ふきまくりか黴まみれのどちらかになっているだろうと。この先再び手にすることがあるかどうかはともかく,そう簡単に買えるものではないことを思うと勿体ないし罰当たりだ。横着してはいかんよなあ。吹いたはいいが中の水滴を拭う為の布きれが手元になかったのだ。
酸化銀を還元させることもできないだろうし,音程も狂ってしまっていることだろう。
▽あきひろさん「堕落の記録」(7月29日)
Euph(ユーフォニウム)って,中学入って初めて見た楽器だった。びっくりした。いい音を出す楽器だけれども,吹奏楽以外ではあまり見かけないように思う。
“ドイツ音名使ってました。楽器によってドの音がちがうから、あれがないと不便。ピアノの音階で言われても変換しないといけないから。”とのことですが,わたしの認識だとドイツ音名は絶対音(=ピアノの音)を示すものなんですが,それで合っている? ということは,たとえばB管の楽器の人は,楽譜上ピアノで言うところの「ド」の位置に書かれている音を「B♭」って読んでいたってことか? 頭ぐちゃぐちゃになりそうだな。B管はまだしもEs管はわけわからん。
最初からそれで(ド=Bみたく)覚えてしまえば混乱しないのかもしれないが,ピアノビトにとってはちょっとしたパラダイム変換(大げさ)が起きるからなあ。
わたしの短い音楽人生において知らなくても全く支障なかったからこれは間違っているかもしれないけれど,イタリア音名(ドレミファソラシド)は“移動ド”で使われる読み方であるらしい。それに対してドイツ音名(つぇーでーえーえふげーあーはー)は音に貼り付いた読み方で動かない。
“移動ド”という言い方が一般的かどうか知らないが,ハ調はCがドだけれど,ト調だったらFがドになるということ,つまり,調によって「ド」と読む音が異なり,その代わり長調ならば全てドから始まる「ドレミファソラシド」になるということだ。一見ややこしいのだが,こうすると全音・半音の関係が正しくキープされる。(ふつうに「ドレミファソラシド」といった場合,ミ→ファとシ→ドが半音階でほかが全音階。音の上がり幅が違うのです)。
わたしは長い間「ドが動く」ことを知らなかったが,中学生ぐらいのときにピアノの先生から「ピアノは固定ドだけど歌は移動ド」だと習った。ピアノを弾く上では,調が違ってもドの位置を変えることはなく,絶対音として(ドイツ音名ではなく)イタリア音名を使っていたわけで,コールユーブンゲンを前にしっちゃかめっちゃかになってしまった。
確かに,歌を歌うときには,最初のドの音さえ正しくとれれば,移動ドで歌う方が音を取りやすいだろうとは思うんだけどね。先天性音痴も災いしてかなりしんどかった。
話を吹奏楽に戻すと,あきひろ氏が書いている通り,楽器によってドの音が違う。多くの金管楽器はB,サックスだとアルトがEsでテナーがB,バリトンもB? クラリネットはBクラ(一般的なやつだ)がBでEsクラはEs……まんまやん。で,フルートはCだったので,わたしは何の混乱もなく普通にドレミファソラシド使いで生きてきたわけですが。
楽譜はその楽器の調に合わせて書いてあるので,たとえばトランペット譜だとハ長調でもフルート譜は♭が2つついたロ長調で書かれている。吹奏楽用に作曲や編曲されている曲は金管楽器が主になるので,フルート譜ではロ長調になる曲がほんとに多かった。
アルメニアンダンス・2はいい曲だ。
▽道楽娘さん「道楽日記」(7月29日)
わたくし,幼い頃(小学生ぐらいですかね)には,「大人になったらバイオリンを習う」という夢を持っていた。実現の予定は今のところ全く無い。
音ね。バイオリンで謎なのはどうして顎と肩だけで楽器を支えられるんだということで,だもんでつい左手でがしっとネックのとこを握り込んでしまって,音程を取る動きをすべき左手の指を動かせないんだよな。あとボウの上げ下げと音の出し方の関係(と左手での音程の取り方との関係)が今ひとつ謎。なので,「ぎぃ〜〜〜〜」と一つの音を出すだけなら出せる,感じ(弱)。高校時代に管弦学部にいる同級生にちょろっと触らせてもらっただけだから,それ以上でもそれ以下でもないのだが。
どうでもいいけど,未だにオーケストラの映像を見てバイオリンとビオラの区別が付きません。楽器単体で見ても区別が付かないかもしれない。いやまじで。あんたは何をしていたんだという話だが。間近で見てさえそうなのだからよほど空間図形に弱いに違いない。
バイオリンの大きさ,なんつぅのは一つではないので(ex.幼児用),わからなくても不思議はないのだ。苦しい言い訳。
管楽器の音って,ほんとに出ないよね。わたしはフルートの音を最初出せなくて,でも中学1年入部直後のパート分けの際には希望楽器の音を出せるか否かがチェックされたので,わたしはその時ちょっぴりずるして音を出した(唇に当てる角度をこっそり変えたのだよ)。後になって他の楽器の方がよほど出ないことがわかったので,ずるしてでもフルートで正解だったんだろう。
子どもの頃は飲料のガラス瓶の口のところで笛を吹くことができなかったけれど,あれがフルートの要領なので,フルートを吹けるようになったら鳴らせるようになった。フルートのような吹き口のない,おもちゃやおみやげの横笛はもっと音を出すのが難しい。わたしの家にも何故かおもちゃの横笛が一つあったけれど,フルートを吹けるようになってからもその笛の音は出せなかった。
フルートを吹き始めて1〜2週間したころ,気分が悪くなったものだ。初学者用の入門編教則本を見ると「気持ち悪くなることもある」と書かれていたので,どうやらよくあることらしい。湯治の湯当たりみたいなものか?
練習不足と言われればそれまでだが,フルートの演奏に関しては終始劣等生だった。音色が全然違って小学生が吹くリコーダみたいなぺらぺらした音しか出せなかったし,ビブラートやフラッタータンギングといった技術的な方面もクリアできなかった。
音痴のくせに和音が好きなので,1人で和音が出せない管楽器は,他の楽器に比べて(1人で練習するのを)つまらなく感じたんだろうか。