ふぃ〜。


あー,つかれた,どっこいしょ,という気分です。ふぃ〜。


2度ばかり泣かせていただきましたが敢えて文句を書いてみるよ(ネタばれしてたらごめんなさいね)。


1つ。明里さんのこと。


山南さんはやはり,富士山旅行に出かける前に明里さんを身請けしていた。しかしそれは男の身勝手というやつではなかろうか。松の皮を食べるしかないところまで食い詰めて長女の明里さんが売られたのだ。身請けには金がかかるが,身請けさえすればあとは本人の飯の面倒をみればいいというものではない。町方の人間がひょんなことで借金を背負い込んで娘を売りに出したのとは違う。彼女は口減らしと出稼ぎの2つの目的で売りに出されているのではないか。その後ずっと実家への送金分までお手当をもらえるようないい身分になるのでなければ,簡単に身請けしないでいただきたい。


そりゃ,好きで女郎やってるわけでもないし,親だって好きで女郎屋に売ったわけではないのだが,彼女はどの面下げて村に帰ればいいんだ。或る意味,男にいいようにあしらわれて騙されて捨てられた女とかわりゃしねぇ。


ということは,明里さんと明里さんの郷の人たちの面倒は,既に傾きかけた旧政府に雇われている対テロ特殊部隊の人たちが見なければならないということだ。そんな大きな置きみやげを残された人々は,……えぇと,いい迷惑とまでは言いませんが……今はまだ羽振りも悪くはないだろうけど……えぇと。でもこれは明里に限った話ではないからなぁ。女は辛いね,と,月並みだな。


何にしても,そこまで分かってやっているなら山南さんもたいがい肝の据わったというか図々しいというか残していく人たちのことを信じちゃっているお人好しというか,であるし,そこまで考えずに身請けしたのだとしたら……うん。「なんて勝手な奴なんだー。明里さんのことなんも考えてないじゃないかー」と怒りたいけれど,そうではなくて,一応本気で逃げるつもりではあったということなんだよね。一緒に行くなら身請けしてからでないといけないもんね。いきなり「あなたは自由の身です」呼ばわりされても困ったものだけど。


2つ。最後のシーンの二人のこと。


「あなたに何がわかる」と怒ったけれど,それをきっかけに泣き出した人たち。それってのは結局はあの“感じ悪い人”の歌(なり振る舞いなり)が秀逸だったということなのでは。それ,なんか悔しくない? 腹に溜めこむよりは泣いた方がいいよ,と考えれば,彼のお陰になってしまいますからね。


ああ,でも,あの方の泣き顔は良かった。


一方で,泣くことすら考えることすらできなかった茫然自失状態のところにあんな俗っぽい振る舞いでしんどかった一日ごとまるごと全部あっさりと片づけられてしまって,「結局そんな程度のことにされてしまうんだ」或いは「結局はそんな程度のことなんだ」と。そのばかばかしさにやるせなくなって,泣いてしまったとか。って,これは深読みのしすぎかな。


3つ。大したことではありませんが。


切腹を見守る幹部達,新参の人たちと古参の人たちで顔つきが違っていたように見えたのはわたしの(ドラマや役者さんたちに対する)贔屓目若しくは過大評価でしょうか。どちらかというと「興味津々」に見えるカンリューサイと目を背けるかっしー。表情少なめで目に力を込めている源さん,永倉さん,サノスケ。


いちばん分からないのは,微妙に辛そうな顔をしている斎藤一さん。変なところでヒューマニストなのか,単に中の人の芝居力の問題なのか。


4つ。それにしても。


毎回録画しているわけでもがっつり見ているわけでもないからかもしれないけれど,ここまでの流れはやっぱり少し唐突だったな。池田屋(#27)までは仲良しで,その後急にぎくしゃく(というか副長が一方的にムラハチに)しだして,「なんでまたいきなり」と不可解なままここまで来てしまった。実際,現在発見されている記録の限りでは何であんなことになったのか今ひとつ明確ではないようだから,敢えて「なんか釈然としない」まま,明確な「何か」を用意しないままにしたのではないかとも思ったり。これもまた贔屓目というやつでしょうか。


5つ。


副長の独裁には色々背景もあろう。意見の対立もそりゃぁあろう。山南さんも(前に書いたとおり)ダメな部分もある。しかし表向きのことはそれでもいいが,あの酒盛りをしようとしたシーンで「今日は試衛館生え抜きで」と敢えて山南さんをハブにしてるあたり,あんたこそ「いつまでも仲間内でごっこ遊び」だ。そんなあんたが何を今更辛そうぶって泣いているんだお前は頭に平和な鳩でも飼っているのかと腹立たしくもある。そもそも「友の死」というタイトルが気にくわない。予告を見たときから気にくわなかった。誰か一人でも友達がいたのか。誰か一人でも彼と友達だと思っていたのか。死んでからならなんとでも言える。彼らは,追いつめた後になってからさも自分達が友達だったかのようなツラをして,「友の死」とやらに涙するか。


甘い。甘いよ。きっと同じようなことがほうぼうの感想で書かれていたのだろうがわたしはまだ読んでいないので書いてしまうぞ。


6つめ。


かっしーの歌ではないが,散るからこそ,散ったからこそ彼らの心に深い跡を残してしまう。逃げた方が周りの人々は楽だった。だから,「小次郎つばめ返し」で小次郎さん(id:usagitokameさん)が「これは罰だ!」と書いていらしたのには,「確かにそうだよな」と。


最後までいろんな意味で身勝手な人でありました。流石だ。登場してすぐの浮きっぷりのまま去って行かれたよ。(23:29)