11時回ったけれどあと少しだけ,「新選組!」関連(というか斎藤さん関連)覚え書き


昨日はクソミソにけなした#47の斎藤咆吼事件,再放送も見て感想文も読んで回って,少し整理がついたのでメモ。初見の勢いで書くものじゃないね。何を急く必要があるのか。


1:斎藤一咆吼に受けた唐突さの根拠


「TVnavi」等であそこで斎藤がああいうこと(甲州勝沼での敗戦後永倉・原田の離脱を受けて「この旗がある限り新選組は終わらない!」)を言うのを知っていた為に良い意味での驚きを得られなかったのは昨日書いたとおり。しかし,それだけが理由ではないようだ。初見時の脊髄反射的突っ込みを思い出すと,


・旗を守るのは尾関の役目だろう(←「この旗は俺が守る」by斎藤 ……尾関さんの仕事とりあげないでやって)


・この場面でこういうこと言いそうなのは,斎藤より島田だよなぁ(先週の島田発言などからの印象)


・そんなこと言って,あんた途中で自ら離隊するじゃないよ(そうなんですよ)


ネタばれ以上にこの3つが大きな引っかかりポイントだったように思われる。


だからどうということではない。この話以上。


2:わんわんがほえたわけ


この叫びで,近藤個人への忠誠から隊(組織)全体に対する帰属意識へと変わったとの解釈もあるが,そうだろうか。些か穿った見方だが,今回こそ近藤個人に対する想いから発せられてはいまいか。つまり,


・「近藤さんが弱ってる,励まさないと!」とわんこは奮起した


斎藤さん,あれでけっこう(もともと)「いい人」なのだ。「去りたい奴は去っていいぞ」と言った近藤の言葉を受けて隊士が1人ぬけ2人ぬけしていったあの場の気まずい空気が耐えがたかったんじゃないだろうか。特に悄然としている近藤勇は見ていられなかったのだろう。だから,近藤を鼓舞するためにああいったパフォーマンスに出てしまったのではないだろうか。


・「浪士組からの同志は土方と沖田だけになってしまった」云々と,斎藤を含め近藤についてきている(比較的古参の/「去っていいぞ」にも去らなかった)隊士が大勢いるのにそれを全部除外して未だに試衛館メンバのみを中心に考える近藤に対して「俺がいるよ,俺をみてよ!」と自らをアピールした


藤堂平助の例ではないが,男の子というのは上司に認められることがとても重要らしい(受け売り)。
斎藤も近藤に認めて欲しい気持ちが強かったんじゃないか。以下妄想。


みんないなくなっても俺はいるから。俺はあんたについていくから。あんたがいなくなっても俺はあんたの志を受け継ぐから。

だから哀しまないで,諦めないで,がっかりしないで。


俺だっているよ。俺だってあんたのこと考えてるよ。俺は離れていかないよ。


妄想終わり。切ない。泣けるねぇ。或る意味嫉妬だよね。どんなにがんばっても永倉・原田・山南には勝てないのか。あの3人だって試衛館の生え抜きではない点では同じなのに。局長に対する想いでは彼らに負けない自信があるのに。と,まあそんな感じだ。そこはかとなく腐女子臭が漂っているが,そういう意図はない。


……たぶん,犬は階級わかってるから,試衛館生え抜きの土方・井上・沖田に対しては「御主人様の一派」という認識があるんだと思う。だけど永倉たちとはライバルなんだろうな。わんわん,吠えるよ。


3:人間(青年)斎藤一の成長


犬が人間になったというよりも,犬は犬でも忠義を尽くす系の犬とあまりよくない意味で使う「犬」とあるので,強いて言えば後者の犬から前者の犬に成長したんじゃないかと……冗談はさておき。


わたしが「史実より大人設定なのでは」と書いた途端のこの叫びだ。二十代前半の「熱く語る大学生」みたいだった。青春だなぁ。


なんだか,斎藤一に青年期が訪れている(前から訪れてはいたが)。青年っちゅぅか,だんだん子どもに還っていないか? 幼少期から思春期やり直しか。


……冗談はさておき(2回目)。


あのシーンは本来斎藤ではないほうが似合っているところを斎藤一の成長物語にするために斎藤に語らせているくささが漂っていて(誤解だろうけど),それもちょっと引っかかったんだろうな。


このドラマ中の斎藤一は途中から成長物語を与えられたわけだけど,如何せん主役ではない為,彼だけに焦点を当ててじっくりと描かれたわけではない。編集の都合でシーンがカットされているなども理由にあるのかもしれないが,斎藤のキャラ(斎藤成長物語)を考えたとき,なんとはなしにぶつ切りになっている,ちぐはぐな感じを受ける,もう一押し足りない,首尾一貫していないのは人間らしさゆえの幅なのか単に書き切れていないだけなのかわからんぞ,などと感じられるのが,寂しいなあ,と,これは贔屓目(というよりひが目)か。


そんなことをぼんやり思っていて,しかし果たして本当にそうなのか,と気になった。ぶつ切りに思えるのはエピソードがとびとびで挿入されるからで,しかもそれを週に一度ずつ見ているからでもあって,斎藤さんのシーン(エピソード)だけをピックアップして通して見ないことには,何とも言えないんじゃないかと。


で,記憶だけを頼りにこれまでの彼の行動・言動を洗い出しはじめたのだが(何時まで起きていたのでしょう/笑),当たり前だけど半年以上前の内容なんてエピソードや事件の時系列すらわからない。手元に映像資料がないのが弱い(あったところで見直すには膨大な時間が……)。


有り難いことにインターネット上には毎回こまめに内容を(公式サイトで発表されるような予告を兼ねた途中までのあらすじではなく)テキストにしてサーバにあげている方が大勢いらっしゃるので,その辺を見れば材料は映像見直すより遥かに勘弁にしかもほぼ確実に拾えるとは思うんだけど,問題はそれすらやるほどの思い入れがわたしにはないということで。なんだかんだ言って斎藤さんの出番は多いので成長物語に関係ありそうな主要なシーンを拾うだけでも膨大な量(と所要時間)だろうし,それを元に検証するとなったら,そりゃぁ,ねぇ。


最近やけに(しつこく)覚え書きだの感想だのを書いていたことにそういった意図はなかったのだけれど,こうなってくると,カットされていることも承知の上で,一フィクションドラマたる「新選組!」に於ける斎藤一なるキャラが如何なる人物であったかを,実在の人物やその研究,及び他の創作物とは一切切り離したところで追いかけてまとめてみたい想いに駆られはするが,めんどうだ。実行するほど彼に嵌っちゃいねぇ。あ〜,だれかもっと愛のある人がやってくれへんかな。


こういうのの構造的欠陥(というと大げさだけど)は,最終回まで見終わらないと材料が揃わないにもかかわらず,最終回が終われば途端にモチベーションが急落することだな。わたしはもともとこの時代は興味が薄いしドラマにもそこまではまりこんではいないから(←自認),年が明けたらさっぱりと興味が失せるだろうと予測している。DVDも2月と4月に発売なのだが,その時期になってもまだ「欲しい」と思っているとは思えない(今でもあまり欲しいとは思っていないぐらいだし)。かといって最終回から総集編までの2週間だとか総集編が終わってから年内いっぱいとかで検証(?)しきれるとは思えない。書くのは時間さえあればいくらでも書けるけれど(と言いつつ結局は一度に書けるような時間はとれないので途中で萎える),そこまでの材料集めが根性続かない……それが嫌いじゃなかったらああまで極端な不良学生にはならんかったって,いや,真面目な話,研究者ってやつにはなれないなと思うのはこんなとき。誰かが材料集めてそれを分析した上で呈示してくれたらなぁ。……それがシゴトの9割5分だっつぅの。それに同じ時間を使ってしこしこと大河ドラマ内斎藤さん研究に身を費やすか1人上手な二次創作に興じるかどっちかっつったら後者の誘惑の方が強いでしょう。いえこれは冗談ですが。