「新選組!」#48「流山」 ああ思いっきりネタばれですとも。


さすがに軽口をたたける展開ではなくなってまいりました。諸事情により薄暗い室内で,諸事情により眼鏡姿(度が合っていなくて見づらい)でテレビ画面の前にかじりつくこと45分。極度の緊張のあまり,見終わった今もまだ心臓がばくばくいっています。息をする余裕も瞬きする余裕もございませんでした。はぁ〜。


物語冒頭の斎藤さんの「あの日の話はするなー!」(尾形文学師範を殴る)とかその後の斎藤さんによる沖田さん訪問(単刀直入「いつ死ぬんだ?」)とか,なんつっても歳がかわいいとか,あのカップコンビに今まで全く相手にしてなかったわたしですらしんみり(それも回想シーンまで使いおった)してしまったとか,そういうのもありますが,有馬藤太との一騎打ちの緊張したことといったら。心臓に悪いったらない。


そう言う意味に於いては先週抱いていた「プレ最終回はおもしろくないのでは」の危惧は全くの杞憂だった。緊迫感漂っていて見入ってしまった。おもしろかったというかだれなかった。


動かし難い事実が次週やってくることを,もはやえねっちけーも隠さない。次回予告でははっきりさせていなかったのに,そのあと(最後)の「新選組を行く」のコーナーであっさり流山が近藤と土方の今生の別れの地とばらしてしまって(知ってるけど),はぁ(溜息)。


それにつけても加納さん……(知ってるけど)。あれだけ土方さんが「死ぬ気で嘘を突き通せ」と言ったのに,近藤自身も「一世一代の嘘を付く」と言ったのに。


このドラマの加納さんなら……いや,どんな人かわからないけど,油小路や局長襲撃ごろの加納さんを思うとどう出たかわからないけれど,近藤は有馬藤太に賭けて勝ったんだから加納さんにも賭けてみればよかったのだ。あの加納さんの様子なら勝てたかもしれないのに。まだ疲れるには早すぎるだろう。有馬藤太とは戦えて加納さんとは戦えない。それは加納さんに対して何か後ろめたいことでもあったんだろうかと思ってみたり。だけどそうやって自分(含む土方)のやったことを悔いることは,自分の過去を否定することは,それこそ負けだし死者に対する冒涜だし。だからただもう疲れたのかな,と,思うのだけれど,どっちかいうと,事実として避けようがないからそうするよりほかないのよ,と,そんな感じで,阿呆,なんとかしろ! と叫んで良いでしょうか(叫んでないけど)。


有馬さんとのやりとりも,純粋に戦術で言えば分の悪い掛けに出過ぎだ。このドラマの近藤は今までこれでやってきたのだから,ここでこそ同じパターンで挑みそして勝ってほしいとは思う(個人的な感情というよりは,ドラマの盛り上がり上で)。だから有馬藤太に打ち勝ったときには「さすが近藤,天晴れ大人物」と少し気分爽快だったが,お陰で冷や冷やさせられるし,あんた余計な口叩きすぎとも思うし,もうちょっと手堅く行ってよ。


さてこれまた生き残り組であることをぷんぷん匂わせる斎藤さんエピソードは今回の沖田とのやり取りで一応完結かしら。来週も本人出番あるみたいなので(相変わらず刀振るってたなぁ。素敵だ)わからんけど。斎藤さんの甲州敗戦後の足取りがしばらく不明であることをうまくからませて沖田を訪問させておりました。流山に行くと決めたときの会議の人数の少なさ(近藤・土方・斎藤・島田・尾形だけ……だったかな)を見ると,なんで斎藤さんが別行動を取っているのか(別行動が許されるのか)疑問は大いに残りますが。


後日改めて感想書くかもしれません。主に斎藤さんについて。月曜の夜ではないでしょう(この土日結局仕事してないから)。


そうだ,オープニングロールが哀しかったことを付け加えておかねば。主要な登場人物(ピンで名前が出るような)に今回初登場の人物がやたら多かった。有馬藤太もそうだし。つまりは薩摩の偉い人達なんだけど。今まで組織の外側をあまり書いていなかったことも理由にはあるだろうけれど,これまで主要登場人物だった人の多くは場を去り(そしてその内の多くは世も去り),また,時代も彼らが置かれている状況や彼らを取り巻く人々も,すっかり変わってしまったのだなぁ,と,そんなことを思った最後は勝海舟