少し前からのことになるが


本屋の着物本コーナーが新刊振袖本で賑わっている。ほとんどは,半分カタログのようなA4フルカラー5mm厚ぐらいの仕様。3〜4種類は見たかな。


去年も同じことを書いたかもしれないが,なんだか中身がすぎょいことになっている。「すぎょい」じゃわかんないか。こないだのHanakoの鎌倉特集(2特が着物だった)のとき……ちがうな,「an・an」着物特集やったとき(やったっけ?)みたいな,刺繍や柄のたくさん入った目立つ色の半襟をたっぷり見せていることと,マフラー・手袋などの洋服小物や装飾品をたくさん身にまとっているのが特徴的。それから(これは毎年のことだけど)派手な髪型。帯結びをほとんど見せていないのは……結ぶのがめんどうだからか。生地傷むし。


ただ,着方や小物まわりは去年も似た感じだったかも。ファッションカタログなんだから毎年どこか新しいのは当然だし。それよりも去年はあんまり見かけなかったように感じたのは(並べてみているんじゃないんで雑感レベルだけど),時期的には明らかに成人式(とその後の卒業式・謝恩会←って実在するの? 周りで聞いたことがないのだが)需要を当て込んで発行しているに違いないのに,いくつかの本の内容は,成人式等の式典やその次に使用頻度が高いと思われる友人知人の結婚披露宴などは二の次三の次で,主に振袖姿で彼氏とデートしたり友達と遊びに行ったりしているシチュエーションで撮影されていること。これは,ちょっと目新しい。


でもさー。ぱっと見は素敵に見えるけどそこで振袖はないよなー。もちろんデートや女友達と遊ぶときでもちゃんとおめかしする人はいるのだろうけど,セーターにジーンズ・スニーカーが普通でいいかっこっつってせいぜいワンピース(絹でなく)というどこまでもずぼらな自分の基準でつい考えしまうものだから,「いやいやそんな,アナタ」と手を振りたい気分にもなるのだ。


未婚女性の第一礼装だそうな振袖(じつは「袖の長さだけが基準なのか」なる疑問を持っているのだが),喩えて言うなら一張羅のカクテルドレスイブニングドレスそれが言い過ぎでもパーティードレスをくだけた(少なくともその手のドレスを着る本来の場面よりはくだけた)場面で着るのはかなりのセンスを試されるんじゃないかと……一張羅遊びや一張羅デートもあるだろうし(クリスマスディナーとか)それならまったく構わないのだが……それに,どうせ買うなら活用シーンは多い方がいいしたくさん着ないと勿体ないとは思うのでお高くとめておくばかりが能でもないとも思うんだが……いや,そんなえらそうなことがいいたいのではなくて,単に,着る準備が大変,着る作業が大変,着ていても大変(しんどいし袖の扱いにも困るし雨ふりに冷や冷やだし),脱いだ後も大変,な振袖は現実にはそんなしょっちゅうは着らんねーよなー,というのが率直な感想。着ないのはもったいないんだけどねぇ。かわいいのはかわいいと思うし。