うろ覚え,不正確さと正確さ(五・七・五)


さて「タランテラ」問題。


自分で調べることのしないわたしは人様に頼りきりで,名指しこそしなかったけれど期待はたっぷりしていた道楽娘さんがありがたい情報をくださった。


wikipediaとかで調べればいいのにな,おれ。まぁいいや,ありがとうございます。感謝に堪えません。


彼女に教えて頂いたブルグミュラーmidiが載ってるページ,懐かしさのあまりコンプリートしそうになっている。うわーうわー。


思えば,あの頃が一番幸せだった。ブルグミュラー25の練習曲,って,地域・時代的にどれぐらいメジャなのかは知らないのだけれど,わたしがピアノを習ったときには,バイエルの次に弾く本だった。


赤バイエル→黄バイエル→ブルグミュラー(25)→ソナチネアルバム1→あとは忘れた。


バイエル(正式名称は「子供のバイエル」)は「どれみどれみ」の類の入門用教則本で,曲らしい曲が出てくるのは最後の方,それもそのステップで身につけるべきテクニックを盛り込んで曲の体を為しているといった感じが強く,純粋に楽しい曲とか好きな曲といった感じはあまりしなかった。


そのくせしてこれがなかなかに分厚い本なので,2冊終わるにはそれなりの忍耐と年月を必要とする。「楽しくピアノと親しみながら身につけていきましょう」という感じが一切ないだけに(たしか1色かいいとこ2色刷りでイラストなども豊富でなかった……わたしが使った版=母親が彼女の少女時代に買った版は,だけど),教室・教師によってはバイエルをやらないとかバイエルと並行してもっと楽しげな曲をやるようだけど,わたしが当時習っていた先生は(母親の先生でもあるのだが)バイエルだった。


だからこそ,2冊のバイエルの長いトンネルをようやく抜けてブルグミュラーに入ったときの喜びはひとしおだ。初めて曲らしい曲が弾ける。そしてブルグミュラーは,その段階で弾ける曲にしては,曲としての魅力のある,弾いていて楽しい曲がちりばめられている。


1ページから2ページにおさまる楽譜は,短くてもまとまりのある曲で,それより上にあがってからでも気晴らしがてらにちょこちょこと弾きやすい。ブルグミュラーの後はだんだん曲が長く・難しくなっていくので,どうにか先生から合格をもらって次の曲にうつりはしても,実際にはとても弾けているとは言いがたいままだった。飽きる音を上げる匙を投げる→仕方ないから次へ,みたいな。だから趣味で弾くつっってもね……あぁ,でも,ソナチネアルバムの中でも好きな曲はあるけど。


それとは別の理由で,なんだかんだで25曲もあるので,ここを抜けるのにもかなり時間がかかっているということも,印象が強い(思い入れの深い)大きな要因だろう。思うにわたしの小学生時代はほぼブルグミュラーに費やされているのではなかろうか。ひょっとするとピアノ人生の中でこの楽譜と付き合っていた時間の割合も最も高いかもしれない(かなり適当に書いてます)。


ってか,小次郎さん娘さんの「タランテラ」が何だったのかは既にそっちのけになっていますけど。


ブルグミュラー(25)におさめられている「タランテラ」のmidiを聴いたところ,わたしが思い描いた「タランテラ」は,その前奏部分にあたることがわかった。曲の全体像が思い出せず「短い練習曲」(つまりはバイエルレベルの段階のもの)と勘違いしていたために「弾いたことがない」等と書いたが,じつはそうではなくてちゃんと曲だった。彼女が発表会で弾いたのがブルグミュラーのそれならばわたしは「弾いたことがある」と回答せねばならんかったのだ。


ただし,今はもう弾けない。楽譜を見ながらでもたぶん弾けない。なんてこった。実家におきざりのピアノが泣くぜ。


んで,「タランテラ」は8分の6拍子でテンポの速い舞曲の一分類とのこと。ナポリ起源だそうで。アラベスク関係ないから。そういえば,実家のわたしの本棚には音楽辞典があるのだよ。ひけば載っているでしょう。いつひくんだ。


年の瀬ですねぃ。