21日のお芝居は新選組モノでしたのよ
「水曜どうでしょう」の人が出ているから誘われたのだと知ってはいたが水曜どうでしょうの人の顔を知らないので,見終わってから初めてどの人が水どうの人だったかを知ったという。
そんなやる気に欠けたわたしはむろん少数派(皆無?)で,日本青年館の大ホールは満員だし,観客はやたら女子ばかりだし,しかもなんだかみなさん席立ってるし声は黄色いし。アイドルみたいな偉いさわぎになってましたけど,なんだったんだろう。なんつぅか……まぁかっこよかったのでわかる気はする。
お芝居の感じは大学時代に何回か見た学生劇団のノリに近いものがあり,そういうのは学生時代以来だったので懐かくも楽しかった。あの手のお芝居を広いところで見るのはなんだか不思議な感じがする。
日々を適当に生きている成年男子がひょんなことから怪しい薬売りに怪しいタイムトリップできる薬を貰い,出来心で幕末に行く。そこで彼は何故か周囲の人間から山南敬助として扱われ,歴史を知らない為に応対にとまどいつつも芹沢鴨粛正の場面に立ち会う。その後現代に戻ってくるも日常のもやもやに耐え難くもう一度幕末へ飛ぶと今度はなぜか長州側に居て吉田稔麿になっている。長州側の志士達からは吉田稔麿と思われ,新選組の面々からは(同じ顔なので)山南敬助と思われ,そんな折,あの池田屋事件へと繋がるテロ計画が長州志士達の間で進められていた。相反する双方の間で苦悩する山南(吉田)な主人公は一体どうするのか。と,まあその辺が見所だが,それはこの際おいといて。
登場人物は,現代編で主人公の青年,主人公の友人のカメラテスト専門の売れない役者,ドラマの監督,ドラマの他の出演者達。謎の薬屋。幕末に移って新選組からは芹沢,近藤,土方,沖田,山南(=主人公の青年),永倉,藤堂。倒幕側は桂小五郎,吉田稔麿(これも主人公の青年),肥後の宮部鼎蔵に桝屋の主こと古高俊太郎。あとは池田屋事件の黒幕(このお芝居の設定ですけど)として坂本龍馬。ほかに大和屋の主。ぐらいかな。
さりげなく散りばめられた小ネタも面白かった。その中には新選組ネタ(キャラ)を知っていたり彼らのファンでないとわからないようなものもあったけれど,何よりおかしかったのは,古高が殺されたときの辞世の言葉が「この芝居で死ぬの3回目」だったり,藤堂平助が登場したときの「ここに来て新キャラ」だったり。つまり,知らないわたしは途中まで気づかなかったのだけれど,上の全ての役を5人で回していて,それを逆手にとってネタにしていたんだった。
新選組の誰かから倒幕側の誰かへの早変わりも見物だけれど,新選組のメンバーだけで7人出てきているのだからさすがに無理が生じる。だからこそ舞台の上で土方だったはずの人が同じ顔と髪型と服装で藤堂として出てきて「5人しかいないから大変だ」云々と言って客を笑わせることになるんだな。挙げ句,山南(吉田)みたいに役(話)の上でも同一人物の人までいるものだから,ただの一人二役なのか話の上でも一人二役なのかそのしっちゃかめっちゃか感がおもしろい。初めて見る顔ばかりのわたしは,一人二役(以上)であることに気づいた後は誰と誰と同じ人なのか頭の中に相関図を作るのにかなり忙しかった。
あとでかなまるに「『水曜どうでしょう』知ってる?」と聞いたら「かなり昔からやってない?」と。あそこは北海道部屋なので,やつは当然存在は知っているんだった。わたしも話だけは(当時)聞いたことがあったかも。
どうやら本気でファンらしい同行者を前に,「大学時代からで30代男性の5人組ってごすぺらーずみたーい」と暴言吐いたわたくし。や,ヤスケンって言うからどっかで聞き覚えのある響きだと思って思い出しただけなんだけど,そのつもりで比べてみれば,年齢と人数と沿革だけでなく,むちゃくちゃ美形ではないはずなんだけど(ファンの人ごめんなさいよ)なんだかかっこよく見えるあたりもちょっと似てる。それだけといえばそれだけだが。
ごすぺらーずといえば10周年記念ベスト盤出てるんだよな。どうしようかな。