えへへ〜,帯買っちゃったー。


それも衝動買いにしてはちょっと剛毅だ。詳細は後述。阿呆。


新宿に行きました。三丁目の伊勢丹です。お洋服売り場を見たのですが求めているものがなく,さくっと諦めてエスカレータで7階呉服売り場へ上がりました。先日古着コーナからDM(例の「着物で歌舞伎」DM)が来ていたので,覗くだけでも覗いてみようかと思って。それに,冬ボーナスの時から書いているように,我が家(実家含む)の着物には着物だけあって合わせる帯がないものが多いので。


で,古着売り場の店員さんに「これこれこういう帯を探しているのですが」と伝えたものの,件のフェアの所為なのか,ちょうどわたしが探しているような品は出てしまっていて殆ど取り扱いが無いとのこと。そこで(洋服のように)さくっと諦めて帰れば何事もなく済んだのだが,気を利かせた店員さんがわたしを新品のセール品ワゴンへ案内してくださったのが間違いの始まり。


伊勢丹の古着でも既製品でもない呉服の売り場(「特選きものサロン」)って,小売店ほどではないもののけっこうな敷居の高さなので,ふだんはとても足を踏み入れられる雰囲気ではないのだが,たまたま年度末決算大セールの為に幾分敷居の低い既製品や小物のスペースに超特価品ワゴンを出していたのでした。そこには,古着売り場の商品よりもお安い値段が付いた反物がごろごろ(税込1万500円〜ですよ,奥さん)。


とはいえ,所詮超特価。それにセールも先週半ばからやっているようだったので,めぼしい品(掘り出し物)はとっくに捌けているのでしょう。さすがに1万500円のものはかなり数が限られているし,それ以外の品物も「とっても素敵なものがざくざく」という感じではない。が。


なんせあたしは生来の面倒くさがり(出不精)。頻繁に出かけて素敵な出会いの機会を待つようなことはできない。かといってこのまま放っておけば着物は埃をかぶって黴と虫の餌食になりかねない。


うろうろ迷っていると,30代前半ぐらいのすらっとしたモデル体型且つ美人顔のおねぇさま(店員さん)が声を掛けてくださった。先程と同様に「これこれこういう帯が」と説明がてら二言三言話をしているうちに,ちょっと素敵げな反物が出てきた。やや淡いピンクのキャンパス地っぽい織地に,光沢ある白糸で柳の葉の模様が全面に刺繍されている。地色のピンクが春らしくて綺麗な色合い。


それにぐらぐらと心を引かれ,手持ちの着物と似た色(推定)の帯地や着物地にあててもらって色を見ていると,積極的に勧められているわけではないが(だからこそ)だんだんその気になってくる。しかも値札を見ると反物代が3万円。仕立て代を訊いたところミシンなら9千8百円(芯代込み)。


どうひっくり返っても安いとは言えないがべらぼうに高くもない。何が良くなかったって,その直前に洋服売り場を覗いていたことだ。絹のスカートなんて(買う気はないけど)むちゃむちゃいい値段がついていた。4万円だったら小じゃれたスカートやジャケット代に+αぐらいだ。それぐらいの価格帯の洋服を衝動買いしたことがなかったか? 年明けのバーゲンで3点一括購入した時の支払額はいくらだったよ(まさに3万円強ですとも)。着物の方が安くあるべきなどと思うからおかしいのであって洋服と変わらない値段じゃないか。云々。


青写真(予定や目的)や好みのど真ん中ではないが,これはこれでアリ。もちろんほかの方法でもっと安くてもっと相応しい(好みにあった)ものに出会える可能性は高いけれど,なにぶんわたしは出不精のめんどくさがり。高望みしすぎている間じゅう,着物は宝の持ち腐れだ。あんまり贅沢言わない方がいいのでは。云々。


しつつ,結論としては,同じシリーズの別の帯(芥子色の地に雲の模様)を買ったんですけど。いや,芥子色の方が薄ピンクより着物の色を選ばないように思えたので(着る人間の年齢もな)。


そんなわけで,年度末決算大セール品とは言え,伊勢丹の呉服売り場で帯地買って仕立てを頼んでしまいましたよ。お仕立てでびゅうですよ。領収書の明細に「お仕立て代」って書いてあるよ。なんか偉そう(苦笑)。年度末決算大セール品だけど会計には特選サロン(絨毯敷き)に足を踏み入れましたよ。いやぁ,いつものずるずるジーパン+薄汚れコンバースでなくてよかった。週末の一人外出にしては滅多に(何年に一度の頻度でしか)ないことに(靴を買うつもりがあったから)スカートで普通の靴履いてたんですよ。


最初に思っていた「5〜6月初旬ごろの帯」からは外れた色になってしまったなぁ,とか,野望だった「あわよくば普段着にも」にはちょっと向きそうにないなぁ(刺繍ぴかぴか)とか,ありますが,まぁいい。一本の帯であれもこれもと欲張りたい気持ちはわかるが,ほどほどにしておかないと。


帯は買ったが今度は,帯締め帯揚げがないとか草履はどうするとか……着物本体だけ増えてもいざ着ようとなると色々足りない物があるわけで。揃えるのにお金はかかるし揃えたところでいつ着るのかわからんけれど,いざという段になってすぐに用立てできる物ではないので少しずつ買い整えていこうかと。