おいしければなんでもいいのだが


レピシエから長3の封筒が届いていて,何かと思ってあけてみたら,先日の試飲イベントで出していたお茶に取り違えがあったとのことでその報告とお詫びの手紙だった。


何も買わなかった(=実質被害を受けていない)わたしは,ミスは誰にでもあることと鷹揚なものだが,いささかショックである。


店に対する信用がどうこうではなくて,「違う」ことに気づかなかった自分の舌はいい加減だな,と。つまり,取り違えていた片方は,わたしがかなり好きな産地のもので毎年のように買っていたものだったからだ。年によって,また,入れ方によって味が随分違うにしても,そして取り違えていたもう片方は初めてのものだった(=味を知らない)にしても,そして好きといいつつ随分長いこと飲んでいなかったのだが,しかし「なんか違うかも」とはカケラも思わなかった,それどころか「いつも通り」との判断を下したわたしの舌ってば。


でも,銘柄なんてその程度のものでしかないのだろうね。メルルーサが鯛を騙って売られているという都市伝説すらあるこの御時世,よほど舌の敏感な人でない限り気づかないものだろう。思い込んだ(思い込ませた)者勝ち,それがブランド。その上で,セイロンのディンブーラかヌワラエリヤかの違い,価格差も50g袋入りで21円(税込)なのだから,微々たるものというか,ほんとにどうでもいいじゃんって世界だ。黒鯛と鯛ほども違うまい(知らないけど)。


しかし,記憶が確かならば,取り違えられた2種は茶葉の形状が全然違っていたはずだが,それでも間違うか(客のわたし含め)。そして,今改めてイベント時に配布された銘柄紹介チラシを見て気づいたのだが,茶葉の形状の違いはちゃんと商品名(銘柄)に明記されている。この状態で取り違えるというのは,どんなパターンであれ,まずなさそうな気がするものだけど,でも,ミスが起こるときってそんなもんなのかもね。間違えそうなところはみんな気を付けるから間違えなくて,まさかってところで抜ける。


それにしても,チラシに書かれている説明文と実際に試飲した感じが合致していたと思うんだけどなぁ。それは,先に説明文を読んでそういうものだと思って味わうからそう思えるのかな(説明文と自分が飲んだ感じが違うと思うことも多いのだが)。


産地がどこだろうが茶葉の形状がどれだろうが説明文に何て書かれていようが,おいしけりゃ何だっていいのだが,片方について購入を検討したぐらいに気に入ったので,それを買いたいときに結局どっちを買えばいいのかがわからんのが困りものだ。もっかい飲ませてくれー。あいや,嗅いだだけでもわかるか。香りが気に入ったものだったので(味はかーなーり渋かったので,それもあって買わなかった)。


おもしろいのは,解説の文章との合致云々は置いておいて,わたしがとても気に入った香りのものがわたしが以前から気に入っている産地のものである可能性が高いということだ。試飲したときは「いつも気に入っていたのよりこっちの新しいのの方が良いな」と感じたわけだが,そうではなくてやっぱりいちつものやつなのかもしれんのだ。それは,逆に鋭い舌(鼻)をしている(好みははっきりしている),と,言えないこともない。と,無理に自分を慰めてみるテスト。


つぅか,BOP(粉砕)とペコ(捩り葉っぱ)で気づかないのか。あり得ないだろう。手元のチラシ見ようよ。ああ,マヌケなわたし,そしてマヌケなれぴしー。