続ペヨンス


昼休みに職場でヤフープロ野球のニュースをいくつか見ていると,気になるのが


サムスン宣銅烈監督 ぺ英洙は力んで制球があまりよくなかった。最後まであきらめずに戦った選手を褒めたい。


だから何だよそれは,と。外字(?)だろうからこういう表記になるのは仕方ないんだが,漢字が気になってネットの波に乗り込んでしまった。乗り込んだところでそう簡単に韓国人の名前の漢字表記が見つかるはずもなく(当たり前だがチームのオフィシャルサイトの選手名鑑にも漢字表記はない:会社からは見られたのにうちのsafariから見られないのはなぜ?),しばらく彷徨ったネット上での捜索を断念し,諦めきれずに新聞を見るためだけに新聞を置いていそうな食堂(具体的にはケニヤン)に夕食をとりに行ってしまった。新聞は漢字表記が期待できるからね。そうとう馬鹿だ。


しかも,結論から言えば探し方が悪かっただけで,webにupされているニュースでもこのへんの記事には漢字の説明が載っていたし,アジアシリーズオフィシャルサイトの日本語版選手紹介のページにしっかり画像で載っていた。なんかやたら遠いところまで行ってしまった自分が馬鹿だが,捜索の過程でたいへん興味深い(ためになるかどうかはしらないが)知識も得られたので,それはそれでよしとしよう。


韓国の漢字は基本的に繁体字(日本語でいうところの旧字体)なんだそうだが,日本,中国,韓国で,異体字の扱いが異なっているものがあるそうな。ペヨンスの姓については,日本と中国では「裴」を正字としているが,韓国ではこれが異体字で,衣の鍋ぶただけが一番上に移動した(衣の間に非が入る)字体が正字らしい。しかしただでさえ日本語では使用頻度の低い漢字の異体字が登録されているはずもなく,「ペ英洙」になってしまう,と。渡辺さんか渡邊さんか渡邉さんか,或いは斎藤さんか齋藤さんか,いずれもあだやおろそかにはできないので,うっかり「裴英洙」などとは書かないのが良いのだろう。少なくともわたしのような性格の人間なら,怒らないまでも一言言いたくなるのでね。


ソースはwikipediaの「韓国における漢字」。ついでに同じwikipediaの「韓国語のローマ字表記法」も興味深い。2000年に韓国文化観光部直々に表記法が告示され,現在例外を除いて基本的にそちらが使われている(地名表記がばりばり変わっている)らしいが,これが韓国語の音のルールに基づいている(英語読みすると実際の音から遠くなる代物だ)そうで,ますます興味深い。ただ,人名や既に定着している企業名・商標名は旧来の表記法なので,たとえば朴は新しい表記法に従うとBakだけれど,昨日(もう一昨日だ)見たスコアボードはとりあえずみんなPark。サムスンもSamseongではなくSamsungのまま。


ところで余談になるが,似てるかもと書いたヤクルトの川島亮とペヨンスは同い年。制止画を並べると全く似ていない。そしてシーズン成績も似ていない……川島もがんばれ。