時期が問題,それは確かにその通りだ。


しかし世の中には思いがけないことは起こる。思いがけなかったのかどうかは知らないが,いずれにしても憶測で物を言うのはいただけない。


作るな,という意見はもっともだが,そうそう思い通りにいくか。そして,孕んだ以上過去を振り返っても仕方ないのだし,少なくとも他人に堕胎云々を言う権利はない。


ということで,この件についてはそれ以上でもそれ以下でもないんだが,しみじみ思った。男は子を産まない。女は子を産める。


子を産めるのは女だけだ。そして,子を産むのはいろんな意味で大変で,一定期間は確実にほかの何かとの両立ができなくなる。そして,その短期間の離脱が重大な意味を持つ場合は少なくない(運動選手じゃなくても)。なので,相応の覚悟を持って選択を迫られることになる。


これはすごく難しい問題だと思う。一つ言えるのは,その選択を本人ができる世の中だったらいいな,と。相手もいることだから一人では決められないにしても,そのカップルに選択権があればいいな,と。これは自分がそういう年齢の女だからそう思うんだろう。


近頃は女子バレーの選手でも結婚している人がちらほらいて,一昔前のイメージ(あくまでもイメージですが)に比べて時代は変わったなあと思う。でも恋愛や結婚はしてもいいけど子は引退するまで産むな,っていうムードはありそうで(中には出産して復帰している選手もいるが),それはバレーに限らず世の中のあちこちで見られる現象だろうし,必ずしも周囲の圧力ではなく,本人がそう思うこともあるだろう。


それでもなかなか思い通りにはいかないよね。子に関しては,欲しくなればいつでもできるわけではないところがまた物事をややこしくしている。自分の人生に於ける時間設定を綿密にしてもどうせ無理なのだ。


だから,いざというときの為の覚悟は持ち,ある程度の準備(根回し)はしつつ,最終的には自然に任せて適宜周囲への配慮なりフォローなりしていくしかないだろう,と。想像だけど。めんどくさそうだけど。


なんにせよ,もしかしたら起こるかもしれない突然の妊娠を回避したいが為に男女交際そのものを厳禁にするのはいきすぎた話で,それが許される世界は本当に限られていると思う(妥当かどうかを誰がどうやって判断するかという問題はあるが絶対駄目とは言い切れない)。


男は,オリンピック目指しながら子供をつくることができる。女は同時には無理だ。そして,二者択一をするしかない上に,どちらがより優先されるべきというものでもない(人によって違うと思う)。別に世の中の男という存在全てに対して怒っているわけではなく。一緒にして考えることはできないというだけの話。


世の中には妊娠以外にも思いがけないことは起こるし(不慮の妊娠よりも高い確率の出来事はいくらでもあるだろう。たとえば天気予報が外れるとか),悪い意味じゃなく諦めるしかないんだと思う。わたしは思い通りにならないことに大きなダメージを食うので,これは自分に言い聞かせているのだけれど。たとえば天災や事故をものすごく恐れている。(でも,恐れているわりに全く対策しないのであまりよくない)。だけど,対策にも限界があって,人知の及ばない世界はある。なので気にしても仕方ない。気にするあまりほかに害が及ぶ方がよほどよくない。