初ひとりライブの思い出


ひとりライブの過去を振り返っていて,懐かしくなってL⇔Rを聴いています。すっかり過去回帰線。


「ポッキー四姉妹物語」のCMで使われていた「HELLO, IT'S ME」が好きだった。


自分の過去の記憶がかなり混線していることは既に何件か証明されているからこれも記憶違いの可能性も高いんだが,初めてのひとりライブは1996年3月(たぶん20日)の大阪城ホールのL⇔Rのはず。しかし,その事実は覚えているわりに,このときの記憶がほとんどない。アリーナでなくて1階のスタンドだったような気がするとか,大阪は初めてじゃなかったけど環状線の外回りと内回りとどっちに乗ればいいのかやっぱりよくわかんなくてちょっと困ったとか,そういう枝葉は覚えているのに,肝心の中身の記憶がない。


特に厭な思い出もないということはきっとそれなりに楽しんできたんだと思うけど,ひとりって話せる人がいないから記憶を定着させる作業が足りなかったのかもしれない。


大阪で,たぶん夜からなのによくもまあ未成年がひとりで行こうという気になったものだ。でもこのときは誰かを誘う状況ではなかった。もともとみんなときゃっきゃ言いながらではなく概ねひとりで好んで聴いていた(CDを貸したりはしたと思うけど)というのもあるし,なにより高校卒業→大学進学の狭間で周りはそれぞれ新生活への準備で忙しなく,友人との間には別れの季節が訪れていた。だいいち確実に片道(帰り)は新幹線利用の贅沢な旅,そう気軽に声はかけられない。


チケットを取ったときの心境なんて遠い昔だけれど,大学受験が全部終わっているであろう自分への労いだったような気がする。むちゃくちゃ好きだとか何がなんでも行きたいだとかではなく,記念碑的な意味合い。そんなに大仰な受験生はしていなかったけれど,センター試験が終わって出願してからはさすがに後に引けなくて,2月の夜は寒くてこたつに埋もれて夜中の1時ぐらいまで起きて問題集の前で途方にくれていた。


気温の上昇と日照時間の延長とともに「受験生」から解放され,高校を卒業してちょっと大人になった気分やら大学生活への期待やら不安やらで,宿題さえない春休みを謳歌する頭が春の18歳,たしかこのライブの前日まで中学時代の友人とハウステンボスに泊まりがけで出かけていて,このライブの数日後には甲子園球場高校野球を観に行っている。ばたばたと密度の濃い3月だった。(引越準備ちゃんとしろよって話はありつつ)。


シンプルな音の心地よいメロディと黒沢健一氏の高音を聞いていると,いかにも高校生の自分が好みそうで,なんだか面はゆい。どこかしら青春の匂いがする。


L⇔Rはその後1997年に活動休止,というのも昨日調べるまで知らなかったというか忘れていたというか。大学に入ってからはあまり自分の家にいなかったし,そのうちCDラジカセが壊れたしで,家でCDを聴くことは少なくなっていった。でもあのころはカラオケにだけはよく行っていた。(なのでL⇔Rの歌,けっこう歌ってたなあ,とか)。CDラジカセが壊れてからはとくに,もっぱらカラオケで他の人が歌う曲とTBSのCDTVとで音楽を充足させていたような気がする。ジュディマリとかスピッツとかミスチルとか,家にはたぶん1枚もCDがないのに(確認していないからもしかして持っているかもしれんけど)随分聞き込んでいる錯覚。


カラオケも滅多に行かなくなったので,最近密かにやってみたいと思っているひとりカラオケ。