小ネタと思いきやパンフへの不平不満オンパレード


ヒゲヒコさんは見間違いではなくヒゲだったようだ。オペラグラス越しに髭面を見たときから「この感じ,何かに似ている」とずっと思っていて,昨日書いた後でようやく思いだしたのだが,あれは写真週刊誌やら女性週刊誌やらの見出しに出てくる「40歳青年実業家」から想起されるイメージだ。その手の週刊誌は見ないので「40歳青年実業家」がどんなものか想像でしかないんだが,想像するところの「ちょっと胡散臭い40歳青年実業家」っぽい。或いは「エ・アロール」のトヨカワエツシ風味。似ていると思ったことはないんだけど(あの役ヒゲあった記憶ないし),顔が四角い辺りはどことなく。


豊川某氏といえば,先日たまたま書店でみかけた何かの雑誌(大人女性向けファッション誌)で某梨園出身の女優さんと対談をしていて,某梨園の女優さんはそこで初めてまともに顔を見たけれど(NHK大河ドラマ時宗」のときの時代劇衣裳姿しか知らなかったため),面差しはやっぱりどことなく弟さんと似ているなあと。


時に,「どうして3公演しかやらないのにわざわざグッズを開発するんだろう」とかなまるに聞いてみたら「収入の足しにしたいんじゃない?」との回答。この手の物は,原価がいくらか知らないが,どれも割高感がある。それでもそれなりに売れる(のか,少なくとも長蛇の列だった)んだから作る甲斐はあるんだろう。わたしはあまり物を増やしたくないのでグッズの類はそんなに買わないが,それでもパンフレットだけは買うことにしているので買った(そしてむき出しで持ち歩かなくてはならなくなったためにまっすぐホテルに帰らざるを得なかったと)。しばらく開かなかったしざっと目を通しただけだけどそれでも買うのね。かなまる曰く「ほら,日本人,おみやげ好きだから」。あー,そうね。


去年ひとりで歌舞伎座に行ったときに,イヤホンガイドは借りたけれど筋書きは買わなかった。チケットだけでいいお値段だったし(二等なので7月が1万円ぐらい8月が8千円だったかな)不要だと思って。でも,今になって買っておけば良かったと後悔している。いつぞや「伊勢音頭恋寝刃」の話になったときにいつどこで見た物かすぐにわからなかったのも筋書きを買わなかった所為だ(去年の歌舞伎座の八月納涼だった)。二千円ちょっとで昼の部+夜の部の全演目の配役・筋書き&見所解説からおまけの読み物記事から役者さんの顔写真一覧までびっちりついてくるから損はない。おなじく去年だったか今年の初めだったかに三茶の世田谷パブリックシアターに「クラウディアからの手紙」を観に行ったときもパンフレットを買った。


読み応え(中身の充実)もあるに越したことはないけれど,主目的は思い出の縁というかほとんど「足跡」に近い。チケットの半券を取っておくかわりのようなものか。だから筋書きもけちらず買っておけば良かったと。


なので中身は主眼ではないとはいえ,それらのパンフレットに比べてインタビューのひとつもない厚さ5mmのB5変型で3000円は如何な物か。そりゃまあテキストの有無が充実度の指標ではないが,タイトルと所謂奥付的情報しか載っていない,実際のステージの演出とはテイストも異なる写真集で「ツアーパンフレット」を騙るなとは言いたい。それなのに,十数年前に決めたマイルールだからと律儀に買ってしまう自分が空しい。だいたい歌舞伎のチケットも高いつっても通しで見たら4時間ぐらいかかるんだから,時間単価にしてみればそれほど高くないわけで,約2時間で6千円の方が時間単価は高い。きっとあの業界の相場だろうとは思うし嫌なら行くな気にくわないなら買うなと言われればそれまでだけどパンフの中身も確認できないわけで(もっとも,読み物が入っていることなんざ端から期待はしちゃいないし中身が何であれ形として残すために買うという無駄ルールなんだから確認できたところで一緒っちゃあ一緒)。


それを思えば,3年前のゴスペラ○ズのパンフレットはお買い得だった。写真にかぶせてインタビュー記事が満載だったし,そのインタビュー記事にはこれでもかと誤植が満載だった。あれほど笑わせてもらった印刷物は後にも先にも初めてだ。文字のない印刷写真を見たところで畑違いの自分にはミスかどうか判断できないから(ミスってどういう状態?)写真集としてのクオリティとは別の次元でちょっとつまらない。