不満だけじゃなんなので。


開演前の場内アナウンスで「ペンライト等の使用は演出の妨げとなりますので禁止しております」云々にちょっと笑った。そこのM田君「誰もサイリュームを振っていない」のは必然のようですよ。


聴衆がサイリュームを振るような人達は演出もサイリューム(なりペンライトなりの光り物)ありきで考えているだろうから,いずれにしても「そういう演出」という話になるのかしら。サイリューム云々はともかくとして,照明さんってすごいなあと思った。二十数曲のひとつひとつに対して曲にあったなんかしらの照明プログラム(って表現でいいのだろうか)をつくって,その会場のスケールに合わせて実行するんだからね。照明機材の数膨大だったから,設営もリハーサルも(撤収も)大仕事だろうし。


生演奏の会に出かけたのは久しぶりだったけど,生はいいね。なんか,しみじみと「うぉぉ,ナマだ!」と感動していた。なんだろう,こう,手の動きに合わせて音が出ていたり,足でなんか踏んでると思ったら音にエフェクトがかかったり,CD(やPV)のオリジナルとアレンジが違っていたり,そういうの。見ている物がまさに今つくりだされているものであるということ。今まで何処にも存在していない「表現」がなされているのをリアルタイムで見られるのはいい。


それこそわたしが初めてCDを買ってみたりしていた十年以上前に既に「昔の曲」扱いされていたぐらい昔の(初期の)曲もやるんだけど(前に行ったライブコンサートツアーがアレだったので生で聞いたのはおそらく今回が初めて),CDとか過去のライブビデオとかとは受ける印象がまるで違う。演奏は断然うまくなっているし声質も違うし,いろいろ変えているだろうしかっこいいし(ちっとも黴臭くはないし),聞き慣れたメロディーへの安心感もあるし,すごく嬉しくて楽しいんだけど,逆にもう二度と最初に世に出ていたころのようなパフォーマンスにはならない。記録されたもので見ることはできるけど新しくは出てこない。時間の流れは不可逆であり止まらないものであることを実感した。昔の方が若々しくていいとか或いは今の方が上手いからいいとかっていう二元論(?)ではなくてね。それもこれも含めて今も生演奏があるからこそのおもしろみであり現役であることのありがたさよ。


そして,当たり前だけど家の小さなスピーカやヘッドホンとは音も違う。今まで行った中にはスピーカー真ん前だったりとかで音が大きすぎたり割れ割れだったりの経験も少なくないんだけど,今回は距離があったからか機材なのかホールの造りなのか,声がつややかだったりギターがぎゅんぎゅんいってたりとなかなかいい音を聞けて幸せだった(絶対的に経験値が乏しいので,どの程度のレベルなのかはわからんなりに)。


さてすっかり終わった気でいるが,まだ武道館がある。セットリストが変わらないと仮定して予習しなくてはならんのではないか。amazonさんでぽちっとだろうか。はてさて。