まだその覚悟はできていない
入れ替え戦の覚悟はできてるよ。
バレーボール板にはふだん行かないので久しぶりに覗いてみたら自分と同じような気持ちの人もいるもので,当たり前なんだけど,一つの事柄から発生する人間の感想や感情ってそんなにはバリエーションないわな。もちろん均質でもないが。たとえば,昨シーズンまでとはカラーが違うように感じられることとか,つい他のチームによろめきそうになることとか。
ところで,優勝争いレベルに戻るまでに仮に何年かかかったとしてそれをファンは待てるけれど企業が待ってくれるかが心配であるという意見を目にし,それは思いつきもしなかったので背筋が寒くなった。入れ替え戦に行ったところでさすがに落ちはしないだろうとたかをくくっている場合ではなかった。どうも今季はあそこの会社の運動部はどこもあまりふるっていないみたい。集団球技3チームのリーグ成績が優勝・優勝・準優勝で,準優勝したのに味噌っかす扱い(?)だった,あれは2年前だっけ3年前だっけ。良いときもあれば悪いときもある。そんなもんだとは思うのだが。
野球とバレーボールと応援しているチームがどちらも他球団と比べても企業色が強い方であるのはたまたまで,意図した結果ではない。だから企業を前面に出すやり方に必ずしも諸手を挙げて賛成しているわけではないし,時にはその企業前面ぶりに面食らわされる出来事にもあうけれど,逆に言えばそういったあたりを理由に応援するチームを決めたわけではない分,企業名は半ば記号的扱いでありふだん意識することはない。確かに親会社の製品をみかけると反応するし,競合と比べて特に理由がなければ親会社の製品を選ぼうかという気持ちにはなるので広告宣伝の効果は多少はあると思うがその程度。いずれにしても対象はチーム本体にあるので,その資本やら周辺のなにやらの実際に関係ない部分にはあまり関心がない。
しかしほかのチームの身売り話やら廃部話やらのときには,所詮親会社の都合一つで身の上が決まるちっぽけな存在なのよねと虚しさは禁じ得ない。それも残念ながら現実はそんなものだろう。
でも,そんな企業色前面なチームを応援している(続いている)最大の理由は自分ちに近いからで,「地元だから」と言えなくもない。わたしの場合は今住んでいる場所にそれほど強い郷土愛はまだないので(好きですよ)地元密着の取り組みに熱心かどうかは重要ではなくて,ただ,家から観に行きやすいという利便性の一点に尽きる。つまり,地元であれば目に見える部分が地元感だろうが企業色だろうがどうでもいいってことか。そこ(郷土愛やら企業愛やら)に対する見返りを求めているわけじゃないもんなー。
見る側にとっては特定の企業が経営母体なり運営の主体なりになることと地域に密着することとはけして相反するものではないはずだけれど,なぜかどことなく対立概念っぽい。名前やロゴマークでどっちが主体となるかによって印象が左右されるからだろうか。
しかし観に行く人がいなければプロの興行は成り立たん。首都圏(東京文化圏)に住んでいて思うのはやはり東京は人が多いということで,たとえ目と鼻の先にもっと人気のあるチームがあっても,地方の中核未満の都市を単独で本拠にするよりは格段に人が集まっているだろう神宮球場。
「地元」が大都市でなければ,地元密着しつつかつほどほどに人が集まって興行的に成功するにはよほど地元でのシェアを上げて,みんながお金を払って応援するようにならないと厳しい。かといって「地元」が大都市に集中するのも結果的には偏りを生む。
話がかなり逸れた。少なくともバレーボール男子ぷリーグのチームで地元中心開催にすると,試合が半分近く大阪開催になってしまう罠。これだけ西のチームが強い状態が続いているんだから決勝戦の開催地はそろそろ西に移してもいいんじゃないかとはつねづね思っているけれど,そうなったら自分が見に行けないので(利己的)口だけ。ましてふだんのぷリーグなんて,在関東1チームという現実の前にそれをやられてしまうとほんとにごめんなさいとしか言いようがない。その気になれば遠征にも行けるだけの自由になるお金と時間がある身でさえそう思うんだから,実際に生で見てほしい若い子のことを考えると,全国どさまわり方式もそれはそれで意味はあるかと。ええまあ。地元の子ども達の動員っていうのは大事でね……違うか。
なんにしても,非競技者が娯楽(?)として見るものか,未来の○○を含めた競技者のためのものなのかというあたりでも,多少の方向性の違いってのは生じざるを得ず。さてどっちを向きますか。