千葉大会@東金アリーナ 豊田合成2−3NEC 大分三好0−3パナソニック


「東金」が読めない読めないとさんざん騒いでいた。国内の市町村名を知らないという無知っぷりはさておいて,濁音便(?)付き重箱読み(じゅうばこも「ば」になるのでまさしく重箱読み)を一発で読むのは難しい。


2010年(再来年)の国体が千葉であるそうで(ちなみに今年は大分),東金市がバレーボール会場となる由。そこで,運営の実験・練習として開催された節が強かった。モッパーも地元の高校生だったりと,どことなくVリーグ機構色薄め。試合の後にはマスコットキャラクターがひっそりと登場し,特にアピールして回るでなく,ただ第2試合の両チームと記念撮影をしていた(パナの選手達にはそうとういじられていたが)。赤味の強いオレンジ色の短毛がはえた犬っぽい姿をしたマスコットは横向きのイラストでないと由来がわからない。鈍重そうな体型は好みのタイプ。色がちょっとキツイ。軽く手を振ったら振り替えしてくれた。首の後ろを怪我しているようなので早く治してもらうように。


さて,家を出てから2時間半以上かかって,幸い迷うこともなく無事に会場に到着し,当日券売り場(と言う名の長机)。1Fアリーナ自由席3000円の掲示にぽかーん。全席自由で3000円。いいんですか安すぎませんか。これまた幸いなことに普段なら試合開始ぎりぎりでないと着かない人間が,バスの都合で試合開始の30分以上前に着いている。迷うことなく「アリーナください」と言ったら,切符売りのオバチャンはちょっと申し訳なさそうに「3千円ですけどよろしいですか」。ニュアンスとしては「3千円もするのよ高くてごめんねぇ」。これまでの観戦人生で立川のちゃリーグ開幕戦のアリーナ自由2000円に次ぐ安さなのに。わたしの聞き間違いではなく,その後一言二言問答した様子からもオバチャンとしては高いと言いたいらしい。


V(ぷ)リーグのチケットが高い高いとひごろ文句を言っている。そりゃ確かに3千円でも映画だの神宮外野だのと比べると安くはない。安くはないが,過去のぷ観戦史上アリーナ最安値(相模原の試合がアリーナ指定3500円ぐらいだった記憶)だ。東京体育館なんてスタンド指定席が3500円,アリーナに降りればレギュラーラウンドでも5500円ぐらいする。するくせに撮影用機材やらがたくさんで,それなりにコートからの距離はある。地方遠征すれば距離も近くてチケットも安め(たとえ価格が同じでも距離が近くて割安感)と知ってはいてもなかなか遠征できないのが現実で,いつも高いチケットにぶーぶー言いながらも黙って我慢の子をしているので,これははるばる来た甲斐があったとほくほく。


「東京の西の方から来たんですよ〜」と,わざわざ来てやったぜと恩を着せる意図ではなく,ただ世の中には酔狂な人間がそれなりにいることをアピール。どこのチームが目当てかと訊かれたからNECだと答えたら,しばし無言のあと「……山本さんとか来てるからね」。オバチャンそれ全然違いますがな。ほんのり寂しい気持ちになりつつも,わざわざ訂正するほどのことでもないので,はぁまあ……と適当にごまかした。青色の電気っぽい会社という点に於いては似たようなものだ。


代表に数多くの選手を供出している2チームを筆頭に多くの代表選手は東体に集まっていて,せっかくのぷリーグ開催なのに東金にいた有名どころは山本と宇佐美(今日は試合出てない)と松本ぐらいだったらしい(自分今の代表選手知らないんで若干思いこみ)。代表選手だけにそれだけを理由に集うミーハー根性はあまり好きではないが,どうせ生で見るならもっと凄い試合があるし,鳥さんレベルを見せてあげたいなとは思う(卑屈)。それでも,地元男子高校生が「凄い」「速い」「高い」ってうひゃうひゃ喜んでくれてたから,まあよろしい。来年も開催する可能性は高いだろうし。


そんなこんなでグラウンドレベル。席は既にけっこう埋まっていて,さすがにサイドライン側前の方はあいてなかったので端の方で見る。練習のボールがしょっちゅう頭の上を飛び交うのが心臓によくない。地元高校生が球拾いのお手伝い(後モッパー)。企業の動員と地元の動員(?)とその関係者と地元の物見遊山とで,体育館はほぼ満員御礼だった。公式記録によれば観客数1000人だそうで,箱が小さいからそんなものだったのか,有料入場者数のみなのか,そのへんは謎。アリーナならではの,偉いおじさんたちが後ろの方でいろいろ話をしていたり,選手がその辺で知り合いの偉いおじさんと話していたりするゆる〜い感じはずいぶん久しぶり。


立川でちゃリーグ見たときもそうなんだけど,やっぱり近いと迫力が格段に違う。声や小さな音もよく聞こえるし,ボールがえらい勢いで飛んでくるし,とにかくでっかいし。トイレに行ったときに,トイレから出てきたばかりの某身長2m超の日本人選手とすれ違ったときには,あまりのでかさにどうしようかと。至近距離ですれ違うとコートで見るよりもさらにでかかった。あそこまで背が高いと,さぞかし日常生活(それこそトイレとか)が不便だろう。


試合については,ふだんと見ている場所が違っていたためか,何をどうみていいのかよくわからず,現実感のないままあれよあれよという間に進行していった。わたしにとっての現実感のある風景ってスタンドから見下ろしている状態らしい。意外と得点者や得点経過が分かりづらい(客観的通時的に見づらい)のは難点だけど,下で見た方が見応えがある。三十もつれのいい歳した男の子たちがきゃっきゃやってる姿を見てなごむこともできる。質より量を優先しているのでなかなか資金が潤沢でないが,年に1回ぐらいはアリーナで見よう。