セッター:脇戸新之助


第3試合男子NEC大分三好は,最初の2セットで「これはたった一日でNの今季最低試合記録を塗り替えるか」と厭な予感でいっぱいにさせられたが,第3セットから持ち直してフルセット勝ち。第3セットは持ち直したと言っていいが,第4セット終盤以降は三好さんのスタミナ切れによる自滅感。勝ち慣れていないってそういうことなんだろうな。焦ってかえって悪い流れになった雰囲気。三好側からすると,こういう試合は流れの良いときにミスをもうちょっと少なくして取れるセットをさっさと取ってさくさく進め,勢いの切れないうちにさくっとストレート勝ちしたいところ。総合的には三好のブロックを含めたレシーブの堅さが光る試合だったと思う。(そして,前半のNECのブロックのザルっぷりが対照的であった)。


結果はなかなかついてこないけれどそこをじっと堪えて世代交代を進めているNECというのが昨季と今季のNECの状況で,若手主体の(時にはリベロを含めた7人中4人が入団2年以内+移籍2季目のセッターになる)チームは,夢と希望だけはある。昨季後半からその傾向が見られ,今季途中に三上−金子のレフト対角を組んだことで完成した今のスタメンに関しては,彼らの若さは好きだし今後の成長と数年後の強いチーム復活を楽しみにする一方で,彼らにスタメンを取られているベテラン勢に対しては思うところはずっとあった。若い子達のサーブミスの多さやここぞという場面での処理の甘さにいらいらしながらも,それでも中途半端にベテラン(?)絡めるよりも金子ー三上のレフト対角にオポジット前田の方がまだマシな結果が出たのは事実で,だからこそ「アンタ達は現状これ以下なのか」と非常に情けなくも腹立たしい思いでいっぱいだったわけだ。


でも,今日に限っては,なんだまだ行けるんじゃんと見直した。彼らはけしていらない子ではなかった。前段の冒頭に書いた「じっと堪えて世代交代」は実は今日までそうは思っていなくて,単に,他に使える選手がいないからあのメンバーにせざるをえないんだろうと思っていた。もちろん実際そういう面もあるんだろうとは思うが,それだけでもなくて,チーム作りのために敢えて若手に固定している面もあるのかもしれないと認識を改めた。おじさんたちはただぶらぶらとリザーブボックスでだべっているだけではなく,時にはチームのピンチを助けてあげることもできるんだと。もともとタイムアウト時の大村や脇戸の様子を見ていると,アップはせずにベンチに行って若手に声を掛ける姿が見られていた。隙あらば出てやろうとするでもなく,どうせ出場機会がないからとふてているのでもなく。


ここまで大幅にメンバーチェンジをしてセットが変わっても元に戻さなかったのはちょっと珍しかったが,この試合は負けるわけにはいかず,手段を選んでいる場合でもなかった。ただ,次もこのおっさんメンバーで行くかどうかはわからない。たまたま今日うまく機能しただけという気もするので(勝ったというよりか勝たせていただいた状態だ),次は元に戻した方が良さそうだが,勝ちさえすればどちらでも構わない。状況的には,疲れも貯まってるだろう人たちに少し休みをあげたい気もする。


今のチーム,嫌いじゃないけど,変わったと思う。そして,身長の低い日本人ばかりのチーム(牛がいないときね。いても所謂助っ人外国人的迫力はないが)で,しかもセッターが?橋なだけに余計に,今のNECには旭化成がだぶって見える。悪い言い方をすれば,下位低迷さもありなん的な雰囲気。がんばってると思うし応援したくなるし粘りが見られて好ましいんだけどやっぱり勝てなくてじれったい。


チームの様子が変わったのは宇佐美が抜けたからで,それだけ今までのNは宇佐美におんぶにだっこだった。斯様な判断をしがちになるけれど,今日,脇戸−菊地のコンビや脇戸−大村のコンビ(それこそセンターバックアタックとか)が成功したのを見て,脇戸がメインで上げたシーズンは少ないにもかかわらず,とてもNっぽいと思った。Nっぽさってなんだろう。低い速いトスを打つところだろうか。ブロックを利用した技巧的なスパイクだろうか。でもそれって他のチームでもうまい選手はそうだから,結果が伴って強ければNっぽく思えるんだろうか。だんだんわからなくなってくる。


昔のNっぽさの復活を目指す懐古主義的オールドファンになるつもりはなくて,個人的にはどちらかというと金子と三上と前田が恙なく育ってくれて,そんで前田には悪いけれどマトモに機能する優良助っ人外国人の獲得に成功してくれるのを一番に望んでいる。見たことはないけれど,セッター菅にも多大なる期待をよせている。まだ見ぬ菅を含め,今の新人sには期待できる。WSとセッターが解決したら,次はセンターに課題がまだ残るが,もう少しはまともなチームになるだろう(ならないとしばく)。


来季はセッター菅で行くんだろう。でも高橋慎治が好きだ。有り体に言ってしまえば,チームに入ってくれただけでほかには300%ぐらい目をつぶってでも,彼を贔屓してしまう。彼は入団した事実だけでこの上ない貢献をしたと思う。文句を言えないぐらいに。でもそれは昨季までの話で,今季もすでにリーグはあと4分の1になってしまった今となっては,さすがにもう,いてくれればいいとかあげてくれればいいとか思っていられる段階は終わった。もともと技術的なことがわからないから特に不満も覚えていなかったが,だいいちうまくいかないときに全てセッターにかぶせるのは間違ってると思うのだが,とにかく正セッターは彼だと(少なくとも現時点では)思っているので,もうちょっとせめてセンターのクイックぐらいは,へなちょこにならないように合わせてほしい。来季だって,まだほとんど合わせていないはずの内定選手の方がいいに決まっているなどという判断を自分の目で確かめもせずにしたくない。合成にいる弟は島野の故障を機にポジションを奪った感がある。戦う前から負けたら負けにしかならない。?橋慎治だから旭化成っぽい,わけじゃないと思う(でも慎治の前の旭化成のセッターを思い出せない自分)。仮にそうだとしても,旭化成っぽいのがダメでもない(「下位低迷さもありなん」はダメだけど)。懐古厨のNっぽさなんていらない。なので,よくわかんないけどがんばるように。夏の間なにしてたんだと,来季こそは言われないように。


それにしても,枠以下のブロックと信じがたいアタック決定率のセンターラインは大丈夫かね。どうにかならんものかのう。センター陣に限って言えば,菊地の確か1年下が松本で,その1年か2年下が大角で,鈴木健太がまだ3年目だからやっぱり大角の1年か2年下で,頭数だけは年もばらけて揃ってるんだいちおう。30歳を過ぎてもごりごり現役でがっつり固定スタメンで出ている選手はたくさんいるから,次の世代に譲るのを前提として計算する必要もないし。なぜか怪我人が多すぎるだけで。それに対角の1人は全日本にも入っているぐらいだから,そこまで酷いとも思えないので,戦術・構造的な問題だろうか。