大歩危改め小歩危ラフティング


ラフティングの為に吉野川に行ってきた(行ってくる),と言うと,たいてい驚かれてちょっとひかれます。1つは,そんな激しいスポーツが趣味だったのか,という驚かれ方で,しかし,あくまで素人さん旅行者さん向けのラフティング風アクティビティに参加したというレベル。もちろん初体験。もう1つはラフティングだけの為にわざわざそんな遠くに行かなくても,ということらしい。知らん。ラフティングは副次的な目的であって。


ともあれ,今回の吉野川ラフティングツアーは場所もツアープログラムも申し分なく,この上なく充実した旅行であった。全てを差配くだすったK氏には感謝の念にたえない。また,K氏と共に全行程ドライバーをつとめてくだすったFM氏にも特にこの場を借りて改めて謝意を表するものである。


そのほか各方面多謝。すぺしゃるさんくすとぅをしてるときりがないので省略。


早朝起床,新幹線に乗って瀬戸大橋線快速マリンライナーに指定席ができていた)に乗って,坂出からは車。うどん食べてうどん食べて(「柔らかいのにコシがある」と言ったのは誰であったか),道の駅などよりつつ移動。あの辺りの家屋の独特の壁のつくりにああだこうだ言い,讃岐富士の美しさを愛で,阿波池田駅付近に着いたところで買い物をして後発隊をピックアップし,温泉に浸かってご飯を食べて酒盛りをして,昨年に引き続きDSで遊び,不覚にも早々にリタイアし,朝起きて朝ご飯をおいしく食べ,川と戯れ,温泉浸かって帰ってきました。久しぶりに見る瀬戸内海はしみじみと風光明媚。?谷の川の水の青さと山の緑のコントラストがすがすがしく清冽。うどんウマー,アメゴの塩焼きウマー,温泉アルカリ性。まあそんな感じ。


「近況報告を書くことで自分の1年の振り返りになる(要約)」「(会話が下ネタに終始するのは)この歳になると下ネタぐらいしか共通の話題がない」「腐れ縁です」


激しく下ネタ方面に触れてしまう応酬を見ても,明らかに集団の会話の知的レベルが落ちていると感じる。が,単に各々の知的レベルが低下していると見るのは適切でなく,今では年に1度顔を合わせるかどうかという集団の構成員は年月を経て各方面へのスペシャリスト化が進んでしまい,知識・理解が共通する範囲が限りなく狭く(或いは,他者の知識・理解の範囲を把握しておらず),知識・理解を必要とする会話が成り立たない,と考える方が適切だろう。たとえば,かりにも高等教育を受けた(ことになっている)人間ばかりが大勢集まっていながら,その集合の中に四国四県の県名と県庁所在地名さえもまともに書けない人間を多数含んでいるのはゆゆしきことのようにも思えたが,それはたまたま自分が四国四県の県名と県庁所在地名ぐらいは知ってて当然という環境に身をおいているからであって,それ以外のこととなるとはなはだ心許ない(つい先日も中1レベルの英語を理解していないことが証明された)のも事実である。言ってみれば(H氏を除いて)教養がたりないきらいがあるのだが,しかし現代において「教養」の程度を規定するのは難しい。


逆に考えると,心地よく旅行を楽しめるのは頭も気もつかわなくていいから,とも言えるだろう。人によると思うが,少なくともわたし自身はあの集団とどこかに出かけて何かをするときに,一切気を張らないで居られる。日ごろ自分を取り巻いて頭や心を悩ませている仕事や人間や住環境などのいろいろなものから文字通り抜け出して,非日常かつ気楽なところにしばし身を寄せて温泉でざぶざぶと命の洗濯をする。うまくすれば自分が普段染まりすぎて当たり前のように思っていることが実は当たり前ではないという新たな知見も得られるがそれは本来期待されている部分ではなく(ただし,今回の参加者に関しては,集団の属性としてはかなり偏ってはいて,たとえば全員民間企業の正規雇用労働者であった),下ネタに興じているぐらいでちょうど良いのだろう。ちゅうか,遠慮無く小学生男子レベルの下ネタを応酬できる環境自体が,社会生活を送る上では常には手に入らないわけで。相手を選びますわな。