腐ってないカレシにBL世界を軽く紹介するための10本[れびゅう8]


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絶愛・BRONZE/尾崎南集英社マーガレットコミックス


漫画 難易度:★(?)


1989年連載開始。「絶愛」が全5巻,続きの「BRONZE」が既刊14巻以下続刊(!),らしい。今日の今日まで,この漫画が完結していないことを知りませんでした。自分が途中までしか読んでいなかったという意識さえなかった。どんなに遅くまで読んでいたとしても1995年が最後のはずなので,BRONZEの,何巻相当だろう。という前提で,知らないうちに以下は書きましたごめんちゃい。


ストーリーの記憶も曖昧なんだけど,不思議なことにぐぐっても結果にノイズが多くて,あらすじや登場人物がわかるようなWebページにひっかからないんですが,一般少女漫画誌掲載のおそらく超有名作品なので説明は省略。


貧乏サッカー少年(受?)と金持ち人気歌手(攻?)がどうして知り合いになるんか,よくわからないんだけど。確か貧乏サッカー少年が洟垂れ小僧だったころ,金持ち歌手が洟垂れ小僧を女の子と勘違いして見初めてたんだよね。攻(?)がとにかく受(?)のことを好きだの愛してるだのなんだの言い続けていて,それこそ,女だと思ってて実は男だったけどそんなの関係ないだってアナタだから的な何か。受(?)は攻(?)に対してそんな風な感情はもっていないのに,攻(?)一方的にまとわりついて自分の気持ちを押しつけて,とにかくただ好きでどうのこうの。どうして警察駆け込んでストーカー被害を訴えないのか,被害者が男で加害者も男だから無理なのか。


見た目が良くて金持ちだったら惚れられて嬉しいかっていうとその限りではないよなあ。正直キモイ。いや,初読当時はそんな絶対的な愛とやらに目が☆になりましたよ。男同士だからこそピュアな純愛が描ける(と読者が思いこんでいる)のがBLですんで。だからこそ少女漫画なわけで。


受(?)が落ちてからは,サッカーしたり攻(?)の実家が凄かったり,実家の抗争に巻き込まれたりと,ジェットコースター的展開だった記憶。南條さんの腕が(ryが強烈すぎて,それ以外忘れてしまった。ただただ攻(?)の気持ちの押しつけが重い。


勢い重視のストーリーに相応しく,勢い重視の線画で構成される,勢いのある誌面。キャラの絵柄は,ある種耽美な(粗いけど)縦に長くて細い方面のデフォルメ。


この作品は,今回あげた10本で唯一,自分が所持していない。続々とBLレーベルが創刊されるよりも前にメジャー出版社のメジャー漫画誌でこれが連載されていたのは,異色。もちろん歴史をひもとけば竹宮恵子萩尾望都の例もあるが,それとこれとは毛色が違う。ただ,なぜ「マーガレット」だったんだろうとは思う。その後マーガレットがその方向に行った風でもないし。しかし「マーガレット」だったからこそ,田舎の女子中学生の目に触れる超有名作品になり,田舎の女子中学生を含めた広い層にBLの苗を植え付けた作品であると思う。


個人的には,ちょうどこの漫画が,初めてのBLにあたる。長じて高校生になってから,この作者の手になる某サッカー漫画二次創作同人誌を友人から借りて,そういうことやってるひとだったんだ,と知った。それが二次創作との出会い。そういう視点を得たあとでこの作品を振り返ってみると,描いている人間関係観は同人作品と同じであることに気づいたり。