「東京」さん


NEC青ロケ存続希望署名活動も,破竹の勢いだった広報期間を経て,やや活動が落ち着いてきた。


今週末東京体育館にて男女ファイナル(と三位決定戦)をひかえている。そこでもうひとがんばり,と,まっすぐ前を向いて進めればいいのだが,どっちを向いて良いのか分からない宙ぶらりんな状態が続いていることで,やや勢いを削がれている感も否めない。かも。


カイシャは敵じゃない。それだけに,どこにどうぶつければいいのか。


さてここからが本題


この件に関連して電子署名や個人サイト等のコメント欄を見ていると,まれに,関東唯一のプレミアチームとか東京唯一のプレミアチームといった文脈で語られているものも散見された。しかし,例の報道の時点では既にFC東京のチャレンジマッチ出場は決まっていた。FC東京が昇格したらどーすんのとは思っていた。


そして実際に昇格が決まった今,もしあの企業チームがなくなっても関東から(東京から)プレミアのチームがなくなることはない。開催地がどうのという心配は無用になった。むしろ,チーム名に東京を冠して応援で「東京! 東京!」とコールし勝利の暁に東京ブギウギを歌うクラブチームのほうが,東京のチームとしてみればより適合している。クラブチームという見方をせずにもとからあったチームと考えても,インフラ系なので電気系メーカに比べ地元指向に感じられる。


バレーボールチームは江戸川方面が活動拠点のようだが,FC東京と言えば調布市拠点のサッカーが思い浮かぶ。プレミア昇格を機にバレーボールに興味を持つサポさんもいると思われるが,その場合は,FC東京だからという理由でFC東京に興味が向く人が多いだろう。NEC男子お膝元の府中方面さえも,NECが押さえていなくてもよくなる(もっと言ってしまえば青赤勢力の方が強くなる)日が来るかもしれない。


自分がそれなりにあのチームを気に掛けるようになって10シーズン経った。その間にチームは大きく変わり,今や,チームそのものに起因する明確で強固な贔屓理由は存在していない。惰性(保守的な性格)以外でこの10年を支えていたのは,ほとんどが「近いから」という地理的な要因だったように思う。


だって,気軽に行ける会場での開催には必ず出場するし,近年はそのうちの多くがホームゲームだったし。行ったことはないけど練習してる体育館と同じ沿線に住んでるし。


そう考えていくと,プレミアに東京の,それもより東京らしいチームができた今,自分の観戦活動に特化して考えれば,別になくなっても困りはしない,観戦活動そのものはこれまでと大きく変わらずにおくれることができるのではないか,というふうにも思える。


そんなことを考えてしまった自分が嫌。


先週の今頃は,もしこれで最悪の事態になったなら自分は二度とプレミアの試合を見ることはないかもしれないとまで思い詰めていた。しかし東京さんがやってきた今,もしかしたら案外平然と東京さんサポ席で楽しくブギウギ歌えたりするかもしれないと思い,そう思うと気が紛れもする一方で空しくてやりきれない気持ちになった。チャレンジマッチでのFC東京がそれだけ魅力的なゲームをしたという理由が大きくて,実際にリーグが始まれば,チャレンジの代表として出たチャレンジマッチのように行かないであろうことはわかってるんだけど,人は自分の目で見たものに引きずられてしまう。


もちろん,万一なくなりでもしたら辛く哀しく全ての物事に対してくよくよした気持ちになることは想像に難くないし,いろいろな理由から(それがどのチームであれ)チームが減るべきではないとも考えているので,存続を希望する気持ちは変わらない。


だけど,地元だから,東京に男子1チームだけだから,関東に男子1チームだけだから,が存続希望の理由にならなくなったのは確かであり。


昇格は歓迎する。歓迎するがしかし,それがなぜ,今だったんだろう。どうして今年だったんだろう。これが何かの巡り合わせにならなければよいと切に願っている。