買って読んだ本
先回のエントリの直後にこれはどうだろうとかなまるに言ってみた。ソーシャルブックマーク経由で記事を読んでも他のエントリにはいかないのが人の行動の常,まして,オートスクロール機能が補完する可能性のある過去記事ならまだしも,後の記事は読まないだろう。
という前提で,「物好きな人がトップに行ってみたら腐女子だったという」と笑われた。
商業のオリジナルBLを買って読む女性のことを「腐女子」とはいいません。
で,本題。
- 作者: 青山剛昌
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/05/18
- メディア: コミック
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O河氏の卒業時に譲っていただいた廿数巻からあと,10年以上かけて粛々とコンプリート継続中。年に1度実家に帰省するときに1年分まとめて持って帰っている。そうでなければ,家がコナンのコミックスで埋まる。
これだけ続いていると,準レギュラーの脇キャラも相当数にのぼるんだろうなあ。どこかで誰かまとめてくれてないかな。初登場回,主な登場作品,人物関係,あたり。
黒の組織関連の話が出てこない巻。わたしは,ふだんのコナンの1話もしくは前後編完結の読み切り事件簿が好きなので,このまま永遠の小学1年生で連載が続いてくれても構わないし,黒の組織の話のほうが無駄に謎や不安が広がるばかりでどうせ当面畳まれるわけもない風呂敷にちょっと苛立つぐらいなんだけど。少年誌に限らず,ドル箱作品って,話の本筋を進められないジレンマと書いて大人の事情。
- 作者: 一穂ミチ,高久尚子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2010/05/10
- メディア: 文庫
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ということで今月のBL。
これはクリーンヒット。作家さんの他の作品に興味が湧くぐらいに気に入った。
合コンで知り合ってちょっとした仕事上の繋がりもある27歳の男性が飲み友達になって,そのうちゆっくりひっそりと恋が芽生えていくお話。
情景描写と比喩表現が多い文章で,彩度が高くてちょっとこってりはしているんだけど,印象深いしすごくビジュアル。そのかわり,登場人物とストーリー立ては比較的さっぱり。
細かいところがいちいち好ましい。
登場人物が二十代後半の自立した働いている男性で基本的にはドライなところとか,話が進むにつれて少しずつ過去や心の傷が明らかになっていく展開とか,些細な日常の積み重ねのような構成とか。
すぐそこらへんに実在してそうでしてなさそうなキャラや,どこにでもありそうでなさそうな設定。それでもってまるで初恋みたいなほんわりした恋愛模様に,きりきりくる。
ある程度仲良くなってもお互い名字に<さん>付け呼びとか,いいわー。猫かわいいわー。
でした。
で,この話とは直接関係ないんだけど,こういうほんのりした恋の芽生えの作品ならばエロなしでもいいと思うんだけども,そうは問屋が卸さない(レーベル的にNG)のかなあ。ディアプラス文庫はおそらくBLレーベルの中ではエロ成分薄めで,所謂「抜く」方面のレーベルではないっぽいんだけど,それでも少なくともボーイズじゃないといけないし,ラブじゃないといけない。たいていラブにはエロがつきもの。
ひとくくりにBLと言っても,中は細かくセグメントされてるわけだ。
娯楽でエンタテイメントでセグメントでゾーニングって,読者は安心して自分が求めている者を手に取れるんだけど,一方でいろいろと縛りが多くて自由がきかないこともあるよね。
最大の矛盾は,BL界では「今まで男を好きになったことなんてなかった。お前だから(ry」が最大の殺し文句とされ,あなたの性別とは関係なくあなたという個人を好きになったんです,という心情が最大級に賛辞されるにもかかわらず,それを聞いた相手がもし「実は,今まで黙ってたんだけど,俺,ほんとは女なんだよね」とでも返そうものなら,その瞬間読者は本を放り投げる,それ以前にまずそのレーベルからは出版されないであろうことだよね。登場人物は相手が男でも女でも構わないと言ってる(言って欲しい)のに,なぜか読者は相手が男じゃなきゃダメ。