2010天皇杯関東ブロックラウンド男子@ひたちなか総合体育館


こうやって覚え書きをしたためる試合数も二桁をゆうに突破しているというのに,いまもってテンプレートを定める気がない自分。あとで読み返すときに不便。


天皇杯も今年で4回目を迎える。関東ブロック男子代表枠は昨年同様4。関東地区のV・チャレンジ4(警視庁は不出場)+大学1+実業団1+高校1+クラブ1+県予選を突破した県代表各1+ブロック推薦4(すべて関東1部リーグ所属の大学)の合計20チームが,A〜Dの4グループにわかれてトーナメント戦を行い,各ブロックの1位がそのまま地区代表となる。


結論から言うと,だ。今日の出来そのものは別として,つい先週閉幕した関東大学リーグであまり好成績を挙げられなかった大学に対しても,チャレンジチーム(上位チーム含)は全く勝てなかった。


これは時期的なものも大いに関係しているとは思う。他地区のブロックラウンドはおおむね大学秋季リーグ前に行われるが,関東ブロックは大学リーグ直後。毎週の試合の中でチームをつくりあげ12月の全日本インカレに向けて最後の加速をしている大学チームと,年明けのチャレンジリーグ開幕までにまだ2か月あり,今まさに今季のチームを作ろうとしている途上のチャレンジチーム。公式戦は黒鷲旗以来,というチームだってある。逆に5月の黒鷲旗では,リーグ閉幕間もないVチームと新チームになったばかりの大学勢とで事情が逆になり,そのあたりの違いは追ってみると面白いところかもしれないが,それはさておき。


昨年の代表は大学3チャレンジ1だったが,今年は大学4。それも,代表決定戦の4試合がすべて関東1部所属大学同士の対戦となってしまった。まるで先週のリーグ戦の続きを見ているかのような。


関東はただでさえ4枠も取っているからこれ以上は無理だけど,それでも強豪ひしめく中で4つの椅子は狭き門すぎて本当に勿体ない。この時期にやったら大学が強いに決まってるじゃん。だけどファイナルラウンドに対する各大学のスタンスは,モチベーションの持っていきかたやチームの作り方が微妙な時期であり,一方チャレンジのチームはもうちょっとあったまってるはず。ファイナルラウンドであれもそれもどれもこれも見られないなんて(涙)。


ようするに,関東1部さんが全カレでほんとに終了組と天皇杯あるよ組にわかれました,というお話です。去年は天皇杯あるよ組だったのに。JTにいいとこまでいったのに。ふじつうさんも東体に来てくれたのに。のにのにのにのに……ぐずぐず。ぐすん。

D3 順天堂大2-1富士通(25-20,27-29,25-15)


順大:29細中,4渡辺俊,30佐野,27伏見,2山田,7伊藤,L24渡辺光


富士通:14岩井,9平澤,3中川,6三芳,7勝田,15北沢,L17藤森


順大は第1セット終盤で佐野→浅野,第2セット序盤数点見てないのだが,見始めたときには浅野で途中→佐野,第3セットは佐野。また,第3セットは細中のところが阿部。


第1セット序盤から渡辺のサーブが火を噴く。後衛ライトで構える岩井に狙いを定めて岩井のバックアタックを封じ,最初のサーブで2連続,次のサーブでは5連続得点。富士通もちょいちょい連続得点を重ねるものの,このアドバンテージと伏見のネット際の大きさを使って終始試合の主導権を握った。


第2セットは競った得点推移となる。先に逆転でセットポイントを迎えたのは順大だったが,デュースに追いついた後すぐにアドバンテージを取り,岩井と渡辺で点を取り合い,富士通の最後の3点はすべて中川のライトからのスパイクで決めた。


次第に富士通が順大のスパイクコースに入ってディグをあげるようになってきた。長いラリーになれば,富士通がいいトスやいいスパイクに持っていってラリーを取れるようになる。逆に順大は,悪い癖というか,しょうもないミスやファウルがちょいちょい出始めると流れが悪くなる。


第3セットはやはり10点目あたりで渡辺のサーブのローテーションでリードを広げる。ここで富士通は前衛レフトの勝田を神山にかえて神山がサイドアウトを取るが,その後も伏見なり伊藤なり佐野なり阿部なりとトスを散らしながら少しずつブレイクポイントを重ねて点差を広げ,中盤以降は順大がいいムードで終わってみれば10点差だった。


ギャラリーは「伏見と俊介を押さえれば勝てる」と賑やかだったが,最後まで押さえきれなかった。伏見はネット上のこぼれ球(?)への対処法や確実性が増してきてる気がする。そして,サブコートで行われたこの試合,フロアレベルのサイドライン側から間近で観戦できたのだが,同じ床の高さから目の前で見る俊介の”守備”範囲の広さはほんとに凄いとしかいいようがない。気がついたらそこにいる動きの俊敏さ,レセプションからディグからスパイクからトスからディフェンスの指示出しまで1ラリー中に全部こなしてしまうプレーの幅広さ,助走から着地までの忍者並みのスピード,スパイクの腕の振りの早さ,打球の速度。めまぐるしくミラクルだった。


一方,最後は息切れ気味で惜しくも敗れたが富士通,悪くない。チャレンジリーグが楽しみだ。北沢さんは今日も素敵だった。ジャンプして一瞬ツーアタックを打つと見せかけてブロックを引きつけておいてから空中でタメをつくって時間差でレフトに長いトスを上げるトリッキーなプレーに惚れ惚れ。三芳のサーブが効果的だったし,廣本のピンサも良かった。中川は次第に調子を↑た。岩井さんは,悪くはないんだけど↑ぶりが,手をつけられないときの岩井さんに比べたらもう一声。そこも↑なら富士通が取ってたんじゃないかなと。

D4 順天堂大0-2日本体育大(19-25,16-25)


→順大:19阿部,4渡辺,30佐野,27伏見,2山田,7伊藤,L24渡辺光(2S途中−10小川)


日体:6安野,11小林,22山本,21黒木,10梅野,2袴谷


日体のリベロは,第2セット開始後に気づいたら27吉武だった。スタメンだったのか第2セット開始時に交代したのを見落としたのか。名内はいた。


順大は阿部→細中,佐野→浅野をめまぐるしく入れ替えていた。また第1セットでは終盤に山田に代えて(後衛)出した矢口だったが,第2セットでは中盤で伏見に代えて入れてしばらく1セッターで回していた。この間,サイド陣の調子が上がったように見えたのだが。


富士通に比べて,日体大はやっぱり,順大への攻め方や順大との戦い方に一日の長がある印象を受けた。順大は富士通戦と同じように最初に渡辺のサーブで流れを持っていこうとするのだが,日体大の方が1枚上手。サーブのサイド陣への攻め方が徹底してて執拗で,レセプションがくずれると攻撃が(ワンセッターのほかのチームより極端に)単調になる傾向をよく知っている。シャットこそほっとんどなかったけど,スパイクアウトを誘ったりディグをあげてカウンターに持っていったりと順大の攻撃を封じていた。


順大は2試合連続したことで体力なり集中力なりを維持するのは難しいところもあるかもしれん。でも通り抜けるためには最低2試合必要なのはみんな同じ条件だからね。


これで順大は「全カレが最後」組になってしまった。どきどきしている。ちかごろ山田のライトからのクロススパイクがツボにはまっているので,渡辺・山田の4年生2セッターは落ち着くところに落ち着いた感で好ましいんだけどなあ。


日体の名内→吉武は,おんざじょぶとれいにんぐ,だったのかしら。ひたひたと。