第66回国民体育大会関東ブロック大会バレーボール競技成年男子@ひたちなか市総合体育館


(あとでちまちまほかんしたい →と思ったけれど,vb_infoさんに詳細載ったのでまあいいか →結局してもうた。あまりされてないのはメモ取ってない試合のほうが多いから)


去年の天皇杯関東ブロックラウンド以来のひたちなか市総合体育館。


去年のブロック国体(@伊勢崎)はとにかく暑いし観覧席もなくて立ちっぱなしだしでかなりタイトな観戦だったけれど,今回は天候もまずまずのうえ体育館は空調が効いていて,椅子の数も多いし通路も広いし明るいしと快適だった。


今年の国体から9人制がなくなり,それはたいへん寂しいことではあるのだが,6人制の本大会参加都道府県数が増えた。これまで関東の成年男女の枠は8都県*1から1(? 去年は開催県の千葉が予選なかったのでよくわかりませんが)だったものが,今年は男女それぞれ3ずつと大幅増となった。


8チームを4チームずつにわけてトーナメントを行い,それぞれの勝ち抜きチームがまず本大会出場権を得る。次に各山の2回戦(決勝)で敗退したチーム同士で試合を行って勝った方が3つめの代表切符,という仕組みだった。試合免除なシードはなし。


3セットマッチで行われた各試合のセットカウントと本大会出場都県は次の通り。

[Aコートのやま]

東京2-1千葉
埼玉2-1栃木
 東京2-1埼玉 →東京

[Bコートのやま]

群馬0-2神奈川
茨城2-0山梨
 茨城2-0神奈川 →茨城

3つめ決定戦

埼玉1-2神奈川 →神奈川


ブロック国体では開催県に有利なシステムが取られるのも常のようだが,今年は開催地の茨城県の山(以下B)に本大会常連の神奈川がいたので,わりと偏ってないじゃん,とおもっていた。思っていたが,反対側の山(A)の1回戦の組合せが東京×千葉と栃木×埼玉だった。


単なるヒキの悪さだろうと思っていたけど,これはつくもとい茨城が決勝で神奈川に敗れて3決に回ったときに東京or千葉と当たるのを回避するためだったのではないかという説を聞き,なるほどなあ,と感心したものであった。


とはいえ,皮算用の通りにいかないのが勝負事。つくもとい茨城はB山2回戦でふじもとい神奈川をストレートで下して本大会出場権を一番乗りで手に入れた。ほかの2枠の決定戦はフルセットの接戦であった。


結局,成年男子の関東代表は,東京(FC東京),茨城(つくばオールスターズ),神奈川(富士通)の3都県となった。結果だけ見れば,おおかた事前の予想通りに決着したかんじ。


ちなみに他チームの構成は以下(らしい)


千葉:順天堂大学


埼玉:選抜(深谷クラブ+国士舘的ふるさと選手+アザレア風の由)


栃木:宇都宮大学(+宇都宮OB)


群馬:選抜(フェニックスっぽいひとやふるさと選手がいた。詳細不明)


山梨:謎


1回戦が東京×千葉じゃなかったら3つめの椅子は千葉だったかもしれないのにー,きぃー。みたいなことはその場では思わなかった。それだけ,東京とA山決勝を戦い,神奈川と3決を争った埼玉が楽しいチームだった。あからさまな東京・千葉>埼玉・栃木にはならなかった。ひょっとして本大会行っちゃうんじゃないの? という勢いだった。彼らのおかげでみっちり7時間楽しめたといっても過言ではない。

[A1]東京2(25-15 19-25 26-24)1千葉


→東京:28前田 14加賀 4巴 30手塚 18山本雄 13土屋 L23山本洋


千葉:11久保*2(1高橋) 12佐野 10伏見 9竹浪(5藤井) 3伊藤(2小川) 4細中 L6渡辺/7館石


※交替出場は第1セットの。あと東京は小野澤がワンブロで出てた(2S;手塚)のと第3セット最後にばとう→山内。


東京はFC東京背番号,千葉の背番号は国体仕様。東京の国体用に胸がTOKYOになっているユニは素敵だ。千葉のユニもふだんと同デザインで背ネームが千葉。竹浪はたしか去年も9だった。館石は千葉仕様ユニでも長袖だった。かわええ。


隣国から帰国直後の伊藤が出るか否かは気になっていたことのひとつだったが,スターターに名を連ねていた。じっさいにはわりと早めに小川に替わり,2セット目以降は小川スタート,伊藤は適宜交代出場だった(2S;小川,3S;佐野)。


千葉のセッターは久保・竹浪。たぶん。竹浪が藤井になったり久保が慶多になったり(1S),竹浪が慶多になったり(2S・3S),クリスが藤井になったり(3S)しててそりゃあたいへんだよなあ。ブラジルからご帰国の伏見さん細中さんはお元気そうでなにより。


黒鷲に行ってないので久しぶりに公式戦の東京さんを見たのだけれど,やっぱりプレミアチームすごいわー。音が違うわー。
かっこいいわー。


とくに前田・手塚のレフト対角がサーブやらバックアタックやら爆発してた。土屋はレセプションの中心で,いわゆるライト的なふるまい。


爆発してるのになんで1セット落として第3セットもデュースやねんとか聞かないでくださいわかりません。いずれにしても,この日いちばんの山場だろうと事前に予想していた通りの神経に堪える展開にはなった。終わったらぐったりして,第1試合なのにもう満腹だったもの。


第1セットは東京が序盤から少しずつリードを広げてあぶなげなく取ったが,第2セットは逆に千葉が少しずつリードを広げ続け,けっこうな点差で決着。日本○大「翔」に入りたがっているかもしれない佐野翔とクリスが前衛のところでのブロックやらスパイクやらもあったし,東京(主に手塚)のスパイクアウトなどのミスも多かった。


第3セットも終盤に東京にミスが連発して,先に千葉が24-22とマッチポイントをむかえたのだけれど,まえちゃんがブロック3枚抜いたり,クリスのスパイクがアウトになったりして一気にひっくりかえして26-24で東京,びみょうに薄氷。かなり薄氷。

[A2]埼玉2(20-25 25-14 29-27)1栃木


第1試合で力が抜けて,B2の茨城×山梨をぼーっと眺めているうちに第1セットが終わっていた。


第1セットは栃木がささっと取っていたらしいが,第2セット終盤で栃木にスパイクアウトなどのミスが続き,自滅気味にがたがたっといってしまいそのセットを埼玉が取る。第3セットに入ってしばらくすると隣の2回戦(茨城×神奈川)が始まったのでそっちを見ようとおもうのだけれど,たいへんな接戦のAコートからも目が離せない。デュースになってからしばらく一進一退の攻防が続き,29-27で埼玉が逆転勝ち。

[B1]群馬0(19-25 20-25)2神奈川


これはほんとに見られなかった試合。ここは地力の差もありましょう,19-25,20-25と神奈川が盤石に取っていたようす。


群馬チームのびっくりは,先シーズンまで豊田合成にいた川浦の姿があったこと。それもーたぶんーサイドー。レセプションからは外れてるけどサイドから打ってて,しかしなにぶんわたしに余裕がなかったのでどういうシステムを敷いていたのかはわからず仕舞いだった。

[B2]茨城2(25-14 25-23)0山梨


これもほとんど見てない。Bコートさくさく進行すぎ。


茨城は黄色×緑のブラジルっぽいと言うかオーストラリアっぽいと言うかの鮮やかなカラーリングのオリジナルユニフォーム。サンガイア+筑波大学混成の豪華な顔ぶれで,S矢野,OH佐々木・久原,OP出耒田,MB椿山・加藤。……ミドル? たしかにこの2人が後衛でリベロと交替していたし,全体的にはミドルよりの動きをしているのだけれど,要するに,セッター矢野,打つ人5人,で,適当に自在に打ってくるドリームチームさんだった。


個人的にはリベロ芳賀ってのも萌えぽいんと。吉野は埼玉で出てるかと思ったけどいなかった。


それから,柴田恭平も初公式戦だったのかしら。ウワサには聞いていたけれど,いやはや。


山梨は「山梨だけは知ってる選手がいない」と複数名に言わしめた謎チームで,謎チームのままだった。うむー。

[A3]東京2(25-23 24-26 25-21)1埼玉


→東京:28前田 14加賀 4巴(6山内) 30手塚 18山本雄 13土屋(24小野澤) L23山本洋


埼玉:7黒澤 3水野(9若月) 6浜田 5佐藤(4石川) 8野口 2井本 L12矢菅


埼玉は姿形で人物を特定できないため,パンフレット記載に準拠。パンフレットが正しければ,浜田,井本,矢菅は国士舘の子。


前田手塚爆発なのに以下同文。第2セットなどは中盤で東京がかなり手塚にボールを集めていたいたところを埼玉がコミットでブロックしてたっぽい。最後もデュースになったところから前田が2本続けてブロックされておしまい。この日の東京さんは攻撃面をレフト2枚に偏ってたかんじはあったので,かなりブロックにつかれていたし,ブロックを避けようとしてのスパイクアウトも出てたし。


埼玉は8野口がブロック方面で鬼だったほか,7黒澤と2井本がきっちり点を取っていた。どことなく心惹かれるセッターや心惹かれるアタッカーだと思っていたが,考えてみれば2か月前の東日本インカレで国士舘を見た際のわくわくにちょっと似ていたかもしれない。特に井本のスパイクサーブは秋のリーグ戦で再び見られる日をいまかいまかと。


東京は第2セットを落として,第3セットでライトの前後を入れ替えた。前田サーブ始まりはかえずにS3じゃなくてS6。そして第3セットのセッターは最初から山内。セッター6番対決。東京が終始リードを保って本大会切符を手に入れた。しばしば行き詰まるラリーが続き,山本洋平のディグが光った。

[B3]茨城2(25-21 25-18)0神奈川


茨城:11矢野 4椿山 9佐々木 8出耒田 6加藤 7久原 L12芳賀 


→神奈川:14岩井 9平澤 1中川(19松野) 11呉屋 6三芳(13渡辺) 15北沢 L17藤森


茨城も,できたひさはらブラジルからようこそお帰りなさいモード。


東日本インカレの筑波大学のMBのおもしろさとはまた違う。S5ローテでは前衛の出耒田と加藤がブロックチェンジして出耒田がセンターに入っていたり,そもそも攻撃自体も出耒田がセンターから攻撃したり椿山や加藤がサイドから攻撃したり。まあそうなるわな。この面々じゃ。


ふだん何の気なしに,役割に由来するポジション名ありきで目の前の現象を整理してしまうけれど,ルール上は選手は位置上のポジションをぐるぐる回っているだけで,人に役割ははりついていない(リベロを除)。セッター5人だろうがブロックチェンジだろうが移動攻撃だろうが,最初の位置さえ守っていれば本来はアリ。同じ人が2回以上連続して触らず(ブロックワンチ除く),3回以内(ブロックワンチ除く)に相手コートにマーカー内から返せばいいだけだ。


そうはいっても実態はスタンダードな属人(役割)ポジションが形成されていて,それがスタンダードになるにはなるだけの理由があるんだろうけれど,そのスタンダードをぶっとばすようなチームがあると,目から鱗でとてもおもしろい。


そういうチームはしばしば,ポジション=固有名詞としかいえないようなオールマイティな選手の存在が鍵を握っている。今回の茨城であれば,たぶん全ポジション経験している加藤がまずそうだし,大学時代からつばきはつばき呼ばわりされて椿山もそうだし,そこに加わった出耒田がまたすばらしく「できたんはできたん」な子だった。


できたんは空中で間があるというか間をつくるのがうまいというか。ただでさえ上背あるのに上からコート見下ろしてから打ってるなーって思うことしばしば。軟打でも逃げのフェイントじゃなくてコート見てボールを置きにいってるように見える。一瞬待ってから1人時間差ふうに強打もできる。北沢のど真ん前狙ってストレートに打つとかやめてください,と思った。明らかに意図としか思えない,セッターの前。


その北沢も,ふんわりジャンプトスとみせかけて両手で相手コートの床にパスしてわたしをきゃっきゃ言わせたりしましたけども。視野の広い選手が好き。それもジャンプしてからだと倍率どん。というのが最近分かってきた。きょろきょろしているセッターも好き。こっそりきょろきょろだとなおいい。


話がだいぶ逸れたけれど,今シーズンサンガイアがこの布陣で来られると,他チームにとってはかなりの脅威。

[A4]埼玉1(25-23 23-25 23-25)2神奈川


→埼玉:7黒澤 3水野 6浜田 5佐藤(4石川) 8野口 2井本 L12矢菅


神奈川:14岩井 9平澤 19松野(1中川) 11呉屋 6三芳(13渡辺) 15北沢(7勝田) L17藤森


神奈川のOPんとこは途中から中川(2S・3S)。松野は2セット目以降はワンブロ(2S・3S;北沢)。渡辺聖太は第2セットは平澤のピンサ。


埼玉の石川は第3セットは黒澤にかわってでてた。ほか交替で10田中(2S;佐藤,3S;井本),9若月(2S;水野)など。


富士通ファンの胃の状態がどれだけ悪くなったか,想像するだに胸が痛む。第1セットは拮抗してたけど流れは埼玉にあって,終盤神奈川も点差を詰めたものの,間に合わず埼玉が取った。


第2セットも終盤まで神奈川がリードしていたのに20点付近で埼玉に追いつかれて一瞬ひっくり返され,ぎょえーーとなっているところを呉屋先生フル回転で逃げ切った。


第3セットは序盤から埼玉が7連続得点でリードし,あっというまに9-2(埼玉のサーブS浜田・神奈川S5)。神奈川はその間にチャージドタイムアウトを使い切り,どうなることやらと思っていたら,こんどは11-4から神奈川が7連続得点して追いついてしまった(神奈川のS2でサーブは渡辺・埼玉S4)。試合終盤までリードを奪い合うかんじでたいへんやきもきしたところだろうけれど,どうにか。


サービスエースは飛び交うわ,お互いネットにボールをぶち込みまくるわ,審判はホールディングとドリブルをアタックライン踏み越しをそれはそれはもう厳密にとりまくるわ,双方ディガーが走りまくるわで,なんとも動きの派手な試合展開だった。点数の動きも派手だった。


中川ってどーしてあんなにライト打ち得意なんだろう。右打ちなのに。


10時に第1試合が始まって,試合終了は17時過ぎ。体育館には西日が射していた。3セットマッチでもフルセットが続くとやはり長くなる。とくに神奈川さんは,B山決定戦で負けたときにはまだA山の決定戦が始まってさえおらず,まるまる一試合+連戦になる埼玉用のお休み時間というかなり待ち時間の長い状況で,よくコンディションを保ったなあと思うのです。

*1:山梨が関東枠

*2:パンフには久保とあったけれど違うらしい。情報筋では柳田とか。見えてませんでしたすみません。