SAKANAQUARIUM2011 DocumentaLy TOUR 2011.11.06 幕張メッセ


「11月6日あいてるならサカナクションのライブ行かない?」と誘われて二つ返事で乗ったのが1か月ほど前。かなり経ってから場所が幕張(しかも日曜の夜)であることを知り,当日の出発30分前になってようやくオールスタンディングという事実に直面する。


焦りましたがな。


誘われたときにおそらく話をされていたのだろうが,全く聞いちゃいなかったという。


そんなわけで行ってきました幕張メッセ。会場の建物の大きさと行列の長さに唖然。中に入るまでは人の多さに打ちのめされて,どうなることかとかなり不安だったけれど,入ってみれば,端の方(見切れるぐらいに)の後ろの方はそれなりに周辺に余裕もあるし,夢のAブロックだったので後ろの方と言ってもけっこう近くてステージもそこそこ観られるし,大きなスクリーンも見やすいしと,めちゃ快適。


すっごく楽しかった。音源聴いていたかぎりではそんなにライブバンドぽいイメージではなかったんだけど,やっぱりライブっていい。ノーガードでライブに乗り込んで,結果,今ちょっとはまってます。笑。


メッセのイベントホール2つぶち抜いただけのだだっ広い空間。スクリーンはステージ背面と左右に1つずつあったけれど,特段凝ったふうのセットでもなく,派手な演出があるわけでもない。至ってシンプルに,本来の意味でのパフォーマンスをクオリティ高く見せる人達とそれに乗る観客。


それだけで,充分スペシャル。大きなハコで大観衆の1人1人が,生演奏を聴いて楽しんでいる様子が,すごく素敵だった。そして,ヴォーカルの山口氏が,歌を,ほんとうに大切に叮嚀に歌っているのが印象的だった。


アルバム聴いた以外にバンドの生い立ちとか目指すところとかの為人(バンドなり?)は知らなかったんだけど,ステージ観て,すごくしっくりきた。そしてライブのあと改めて曲を聴いていて,自分がリア厨なら頭から尻尾まで盲目的にド嵌りしているであろう系統だなあと感じているところ。


曲自体はポップでキャッチーなものばかりじゃなくて,癖のある曲や難解な曲も多いし,歌詞もタイトルもえっらい文学してるし,しかも妙にさびしい。万人受けするとは思えない。万人どころか2万人幕張に集結しているのだけれど,誰でも,ではない気がする。


だけど,逆にそこが魅力ではある。言い方を変えれば,彼らの音楽は換えがきかないし,右から左に消費することができない。音楽不況のこの時代に,これだけたくさんの人が便利とは言えない幕張に足を運ぶ。力があるバンドはいつだって力がある。


個人的には前日のナゴヤドームの敗戦など思い出して「音楽は裏切らないよ……えぐ……えぐ……」状態でしたが。勝ちもあれば負けもあるのがスポーツだし,面白い試合もあれば面白くない試合もある(土曜のナゴドは面白くはあったのですがー)。スポーツ観戦って先が読めないそれらをリアルタイムで体験できることに対してお金を払っているので(あとは応援の声が選手の耳に届く,かな。これは大きい)演奏会とは価値の置き所が違うのは百も承知ではあるのだけれど,それでも負けるとがっかりするし負けた上につまんないとほんとにしょんぼりになる。今までライブでがっかりしたことがない。細かい部分をつつけば,ライブはそれこそナマモノなので,パフォーマンスの微細な善し悪しや会場の一体感の差違,セットリストの好み,自分の体調,などなどあるんだけど,全部が全部「サイコー!」という保証はないけれど,それでもある程度の楽しいひとときが約束されている。


なんてすばらしい。


そして,半袖T1枚の山口氏の体のあまりの薄さにべっくらこいた自分にもびっくり。ここしばらく,人並み以上にごついお兄さん方を見すぎていて,自分の標準値が上ぶれしていたのだね。しばらくシーズンオフなので(ワールドカップはおいといて),そのうちリハビリされることでしょう。