version21.1 forth @横浜アリーナ


ライブイベント。13時開演,途中DJアクトもはさみつつ6バンド,終演21時前。


3つ以上アーティストさんが出てくるライブは,遙か昔に代々木あたり(記憶が曖昧)にFM802主催のライブに行ったとき以来かなあ。かーなーり久しぶり。長時間で自由席で,となると1人では行きづらい。


13時開演(ロビー開場10時,客席開場&物販開始11時半)というのに,朝10時に新横浜駅で待ち合わせする我々。建物の外で待ち,場内で待ち,待ち,待ち,とさんざん待って,シートエリアの中央かなり前方というすんばらしい席を確保。その時点で11時半。あとは物販に突撃した連れの荷物と席を見張り(?)ながら開演の13時まで席でひたすら待つ。


こんどこういう場に行くことがあったら,待ち時間用に本は必ず持っていこう。開演待ちも長かったけれど,セットチェンジ待ちもかなり長い。スマホでついったのTL見たりゲームしたりで時間はつぶせたけれど,電池がなくなったときのことを考えると恐怖だった。結果的に夜までどうにか持って,最後はポータブル電源で充電。


場内は2階のホワイエ部分にフードエリアも出来ていて,ちょっとしたフェス。屋内で暑さ寒さや雨の心配がないのが有り難かった。椅子席が多いのも。スタンディングは無理。


しかし,予想していたよりもスタンディングエリアが狭く,上からみているとかなりぎゅうぎゅう。そしてロビーには常にスタンディングエリア入場待ちの長蛇の列ができていた。その分シートエリアにはとくに最初のうちは空席も目立っていた。てれふぉんずを椅子席で聴いてもしゃあないし,というのはよく分かった。わたしにとっては良かったのだけれど会場のセレクトが勿体ない感はあり。

the telephones


「DISCO!」しか言ってない(笑)。人間ミラーボールさんといいモヒカンさんといい大きな蝶ネクタイさんといい,唇サングラスさんといい,いろいろ楽しい。これは下でもみくちゃになりながら踊らないとなーと思いながら,上から眺めていました。


人間ミラーボール(ノブ)さんが,おそらくかなりの長身で,長身の男性を見るとそれだけで無条件に反応する仕様のわたくしとしましては,第一印象が「細!!!」だった。細い。細いよ。ふだんマッチョ見過ぎだよ。筋金入りのガリ専だったはずなのに。


金色のきらきらしたTシャツを着てくねくねと謎の踊りをする針金のような人。キーボード担当っぽいのにほとんど持ち場にいない。そしてちらちら視界に入り込んでくるのでそこに意識が持って行かれてしまう。3曲ぐらいで袖に引っ込んで今度は銀色のきらきらにお着替えあそばされていた。しかも最後には脱いだ。あばら浮いてるし。いやあ(マッチョ見過ぎ)。


最初は「どーしたものか」と思ってましたが,よくわかんないけど面白いからいいや。MCも変(ほめてます)。初っぱなから汗かいて自分が臭い。

andymori


最終的に振り返ってみて,いちばんの収穫だったと思われるandymori。かわええ。


ギター&ヴォーカル,ベース,ドラムの男性3ピースバンド。ブルーハーツやらジュンスカやらが想起される。曲の感じは違うけれど,構成が。Tシャツにデニムという素朴な恰好で,ポップでメロディアスでストレートな曲(そして1曲1曲がすごく短い)を次々に繰り出してくる。よくもわるくも高校の学園祭のような,旧き良き青春のポップス。ヴォーカルの小山田さんのきらきらした目やほんのりえくぼができる上げ口の口元もすごくかわいい。


曲もかなり好みで,ベースが歌ってるのが好き。指弾き最高。うっとり。ベースマンとクラブナイトがとくに。


思わずパンフレットをまじまじと見てしまった。来月発売のアルバムが2500円でZeppTokyoのライブがチケット代3500円。ちょうど前夜にかなまると日本の音楽業界について話をしていて「だいいち高すぎる」って言っていたところだったけれど,ちょいちょい相場が下がってはいるのかしらん。(逆に,90年代に売れて今もドル箱を維持しているバンドのライブチケットはめちゃめちゃ高い)


率直な感想として楽曲の良さに演奏技術がもう少し追いついてほしいんで,CD買うかっていうとどうかなーと。なのでライブいいかもと思ったけれど,4/14・15なんだな,これが(=春リーグ開幕してる)。


余談だけど,演奏技術が来いっていうのはあるとしても,時代が不運だなあとは思った。これが90年代なら,今の数倍数十倍のセールスがあってもちっとも不思議じゃない。いわゆる巧さがなくてもオリジナルならそれも味のうちだし,そのうち巧くもなる。けど,今の状況では,そこまでやっていけるかどうかっていう不安が,昔よりも,強いような気がして。


それはandymoriに限らずどのバンドでも思ったけれど。ビッグになりそうでもあり,儚さもあり。今の時代に音楽で飯食ってくなんて親は心配するだろうよと(なんせ一見高校生風なので)思ったら,大学出てた。ますます親がしんぱ……すでに親の心境に近い。

THE BAWDIES


スーツにクレリックシャツにナロウなネクタイ姿の男性4ピース。ヴォーカルがベース持ってたのが,ちょっと珍しい。ヴォーカル&ベース,ツインギター,ドラム。たぶん下手がリードギター,上手がベースギター(違ったらすんません)。4人揃って見場が良い。「旧き良きロックンロール」(と自分らで言ってた)もクオリティ高くて,ロックンロールの土台を外さずに,オリジナリティ(新しさというか現代風というか)がある。わかりやすくて安心して聴けるけど洒落てる。背面の電飾の往年のロックンロール然としたところもまた良し。


外見がいい,曲はキャッチー,演奏や歌もそれなりにうまい。そりゃあ黄色い声もとぶ。それはわかる。それはわかる。が,


友人と終演後にごはんを食べたときに意見の一致をみたのが「MCがもったいない」。


MCも楽しいんだと思うよー。若いおなごが好きそうだな,と根拠無く思ったもの。アイドルなり芸人さんなりのフリートークパート的な。具体的には知らないので印象だけど。それがあるからライブが楽しいというのもあると思うし。


2人とも,ふだん見ているバンドがMC少なめなのでそれに慣れているしそういうのが好きだってことだと思います。ええ。曲間ぜんぶにMC挟まなくてもいいと思うんだよ。盛り上がったら盛り上がったまま次にたたみかけてほしいんだよ。MCの内容そのものではなく,ひとつひとつMC挟まれると流れが切れる気がしてそれがちょっともったいない。

9mm Parabellum Bullet


思わず「無駄に上手い」と唸ってしまった。無駄じゃないから。


こちらも男性4ピース。ボーカル,ギター,ベース,ドラム。頭一つ飛び抜けて,圧倒的に上手かった。そして,圧倒的に音が良かった。


ギターの人とベースの人が走り回る飛び回る。うわー,ほんとに飛び回って演奏する人っているんやー。ベースでアクションが大きいのって見たことない(そもそもライブ経験自体少ない)。長袖Tで前髪もさもさでうつむき加減ですごく寡黙そうなのに,イメージ崩壊。スタッフさんがしょっちゅうしょっちゅう袖から出てきて,コードを捌く。でもどこ吹く風で飛び回る。


それでもプラグついたギター使ってるあたりが,すげぇ,と思った。


むちゃくちゃ飛び回ってるし走り回ってるんだけど,ストイックに音にこだわっていそうだし,演奏が全くぶれないのがすごすぎる。


曲も難解。良く言えばスルメ曲,悪く言えばとっつきが悪い。リズムやら調やらテンポやら拍の強弱やらを曲の途中で敢えてずらしてるところが,基礎がしっかりしてる上でやってる感じがして(ちがうかもしれんけど),ステージパフォーマンスと同じで一見むちゃくちゃだけど,でもすげぇハイクオリティ。もともとメタルっぽいのは得意じゃないのでそれは仕方ないんだけど,ひたすら「すげぇぇ」と唸っていた。持ち時間に対してちょい早めに切り上げた感があったので,あと一曲やってくれれば良かったのにとも思った。


アップライトベースが出てきたのもうれしかった。アップライトベース大好き。指弾きうっとり(2度目)。

OGRE YOU ASSHOLE


事前に「地味」と言われていた意味がわかりました。


演奏会だった。


会場センターの天井から下がってる四面モニタも使わないし,照明も暗い。場内は非常灯含め真っ暗。濃いブルーやら紫やらの照明に沈む,動きのないステージ。


最初インストバンドかと思った。そして顔出しNGバンドかとも思った。抑揚の乏しいぽややんとした音と曲調,淡々とぽややんとしたヴォーカル。直立不動系のギターとベースとドラム(たぶん)。近くで見ていたらまた違うのかもしれないけれど,遠くの椅子席からは,客席とステージとの対話を一切シャットした「演奏会」に見えた。1曲1曲も長い。他のバンドが10曲ずつぐらいやってるところで5曲。ひたすら聴く。


シート席の客ほとんど座っていた。これがほかのバンドならこういう曲でも立っていそうなものだけれど,オウガさんは座って聴いてもよろしかろう(むしろそれが相応しかろう)と思わされる,淡々。


椅子に座ってじっと演奏を聴くというのも悪くないなあと改めて思った。しかし,5組目で9mmの後で真っ暗で夜の6時となると,寝るなっていうほうが無理だと思うよ,という状況でもあった。いい音聴きながら心地よくうつらうつら。

サカナクション


わーい。


アンコールのナイトフィッシングイズグッド以外は去年の幕張で聴いていた曲ばかり。おけおけ。アルクアラウンドの手拍子は攻略した(今回やらなかったけど,ネイティブダンサーは無理)。


パンフレット見ながら「働きすぎです」と思いました。6月のZeppTokyo行きたいなあ。でも平日なんだよなあ。つーか,今のサカナでZeppサイズって,チケット争奪戦なんじゃないの。


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よくもこれだけ毛色の違うバンドばかり6組も集めたなあと。こういうの面白い。ほとんど初見で予習もしてなかったので,観察気味に見てしまった部分も大きいけれど,そうやって見るのも楽しい。バレーボールに於いて知らないチームの試合をどう観るかという命題よりは簡単な気がする。


自分ベース好きだなっていうのが再確認できたのも良し。