バレーボールにおける大学カテゴリの魅力について考える
リクエストいただいたので,考えてみた。
ない。
うん。ないのよ。
真面目に書きます。
この種の内容はこれまでにも何度か書いたような気もするけど,そのままずばりのテーマはなかった。「ザ・インタビューズ」にあるかなーと探してみたけれど,以下同文。
ただ,去年の8月に,大学バレーの(リーグ戦の)お手軽感とお手頃感について書いたことはあった。そして,その内容を読み返すと,これから書こうとしていることとほとんど同じになりそうだ。
関連記事:2011-08-03 - 1000万人都市の片隅から
結局わたしにとっての観戦理由は「お手軽でお手頃」に集約されると思っている。それだけではないのだろうけれど,それがいちばん大きい。しかしそれは魅力と言えるだろうか。少なくとも大学バレーというコンテンツの魅力ではない。
しかし同じことを(敢えて前述記事を読まずに)書く。
観戦のしやすさ
あくまで,今のわたしの生活圏と関東大学リーグとの兼ね合いによるものだけれど,自分にとって観戦の都合が良い。
- エンドライン側から見られる:東体のスタンドにエンド席がないだけですけれども
- コートの近くから見られる:慶應日吉,東海湘南台が二大巨頭
- チケット代が安い:関東1部男子は1000円とお高めですが,先日のOQTのエンド席は9500円でしたし(笑)
- 会場が近距離:Vリーグは全国行脚なさっており,特にぷれみあはチーム数が少ないため首都圏開催が少ない。
- 集中開催していて試合数も多い:春のリーグ戦が4月半ばから5月半ば,秋のリーグ戦が9月半ばから10月半ば,ほぼ毎週末の土日に開催。これだけわかっていると,あらかじめ予定を立てておかなくても都合がついたときにふらっと見に行ける。
- 試合と試合の間の時間もコンパクト
コンテンツの魅力
- 各チーム,編成にバラエティがある
Vリーグにはない大学の特徴と魅力というと,これかなあと。Vリーグでもプレミアとチャレンジとではかなり事情が違ってくるんだけど。
たしかに,わたしが大学バレーに嵌った(と思われる)きっかけは,2009年の春リーグで観た順天堂大学のツーセッターだった。
つい先日,moto-vb氏が書かれていたコレなどがまさにソレ。
いってみれば野球で言うところの4番打者にどういうタイプの選手を据えているかという話。見事にばらけている。
Vプレミアの場合は,オポジット(セッター対角)はホームランバッターを据えているチームが圧倒的に多い。全日本(A代表)においては基本的にホームランバッター型できているが,プレミア各チームのホームランバッターがほぼ助っ人である現状から,日本人4番選手の人手不足論,ひいては日本のスタイルにホームランバッター型が相応しいのかどうかといった議論もある。
ぷれみあだけ観ているとついつい役割分担を固定して考えがちではあるが,そうじゃない。ルールの範囲内であればどんな方法でもいい。もちろん長年築き上げてきた理想型というのはある(だからぷれみあがそのスタイルを採っているの)だろう。大学で各チームが敷いているスタイルもけして珍妙なものではなく,オーソドックスな数パターンのうちに入るものと思う。
ではあるが,チーム毎の特徴を探していく楽しみ,というのはある。毎年変わるしね。
チームだけでなく,選手も,個性的というか,面白い選手に出会える気がする。試合に出る人数は限られているけれど,所属選手の絶対数が多いこともあって,4年×チーム数(部の入れ替え有り)通算でみたときのバラエティや選手の入れ替わりは(数えていないので印象論だが)Vリーグより大学の方が多そう。そして,ぷれみあに行くと洗練されるのか,○○だけ得意です××は苦手です,みたいな選手は大学の方が多いかなと。
ちょっと残念なところがあるのがかえって心に残ったりするよねー。
私的な理由
コンテンツ云々とは全く関係ないし,大学カテゴリだから,というものでもない。
- ひいき選手がいる
- 特定の「好きなチーム」がない
特定少数の選手にドはまりするって滅多にないんで,自分の気持ちの持ちようをコントロールするのに難儀していたりはしますが。
2つめのはタイミングの問題。
ぷれみあを観ている以上NECの呪縛からは逃れられなかった。他にも好感を持って観ていたチームはたくさんあったし,好きな選手もたくさんいた。それでも,凄まじく視野狭窄だった。
カテゴリが違うことで,それがリセットされて解放された。気持ちの赴くままに素直に,面白いチームを探し素敵な選手を探し,どこが勝とうが負けようが,試合を楽しむことができる。
そこそこ勝てるチームが好きなんですよ,本来。3年連続入れ替え戦に行く勝負弱さが好きだったわけじゃないからね。
チームに対して好きになれないところがいっぱいあった。選手がどんどん出て行った。それでもほかのチームに乗り換えることは考えられなかったし(その感覚は今も少し残っていて,まだ戸惑っていて,しかしそろそろ腹をくくらねばならないと思ってはいる),それなのに応援してるチームはひたすら負けてばかりで,ものすごく面白くなかった。
その「面白くなさ」を含めてスポーツ観戦を楽しんでいるので,そのこと自体は良いのだけれど,自分で作ったそんなしがらみとは全く関係ないカテゴリがあったことに,随分と救われていたと思う。
当時リアルタイムで書いていたものは読み返す気にさえもならないのだけれど,2009年の5月数か月は,わたしの生活に競技自体が存在していなかった。移籍先情報もシャットアウトしていたしファン感も当然のように行かなかったし(存在も知らなかった)。2009年の大学バレーの秋季リーグ戦あたりでようやく気分が上向きなり,結局リーグ戦そのものはインフルのために打ち切られるなどの理由で行きそびれたけれど,10月の天皇杯関東ブロックラウンドに行ったあたりでようやく現実に帰ってきた。
何かというとすぐブルロケの思い出語りに持っていくのはよくない癖だけれども,そういうことです。2009年の春(黒鷲だったか)ごひいきさんを発見したときに感じた「この子将来うちに入ってほしい」という気持ちと,思いついて0.3秒で否定せざるを得なかったときのざらざらした気持ちは忘れられない。あれから3年が経つ。ごひいきさんが来年どこでどうしているのかはわからない。少なくとも今はない「うちのチーム」に入らないことだけは確実だが,ふだん考えもしないし,思い至っても気にしない程度には時が経った。直接面識のある方にはたまに言うとりますが。そして本気でチャレンジのチームに入るのがいちばん(自分の都合が)良いのになどと暴言を吐くのですが。
3年経った今は,ブルロケ休部に伴うもやもやを大学カテゴリが埋めてくれたことは「今大学カテゴリを観ている理由」にはもうならないのだけれども,大きなきっかけの一つとして。