東日本大学選手権@札幌

なぜか札幌にきています。27日から開催されている東日本大学選手権(東日本インカレ)。遠征しないのがモットーだったんじゃないのか。
27日は開会式のみで28日(木)に1・2回戦が行われ,きょう29日(金)が3回戦と準々決勝。明日が準決勝,明後日は3位決定戦と決勝戦、閉会式という競技日程。
これまで北海道には何度か来ているけれど,札幌に来たことはなかった。人生初めての札幌にも拘らず,ガイドブックも見ない観光の予定もない。東日本インカレ非公式サイトの充実したアクセス案内とスマホのマップがあれば観戦に必要な情報は足りる。便利な世の中になったものだ。そして親切な方もいたものだ。
しかし試合そのものは1コートあたり3試合なので,朝10時から始まると15時ぐらいには終わってしまう。比較的時間に余裕があることに気付いたのは,見ていた試合が終わって,さてどうしましょうと外を見てからだった。

札幌覚え

・千歳空港から36号線経由のバスできたえーるまで(1000円)1時間。バス停で降りて歩き始めてすぐに北海道スケールの大きさを体感する。1ブロックが広い。目標物が見えているのに実際に歩くと遠い。道幅が広い,歩道が広い。
・市内(都心部)の主だった交叉点の信号機がすべて車青→歩行者青の順。自動車用を見て前のめりになることしばしば。
・ちょうど夏至直後だからか日暮れが遅い。19時にはまだ暮れかけといった十分な明るさを保った状態だった。だいたい東京の感覚と同じぐらいか。緯度と経度で相殺されている感じ。
・日中は日差しが強くかなり気温も高かったが,夕方になると風が涼しくなっていた。梅雨がないから湿度も低くて快適。札幌駅前の広場でビアガーデンをやっていたが,こういう気候で屋外でサッポロクラシックの生を飲むのはさぞ幸せだろう。
・結局サマータイムって高緯度地方でこそ意味があるよなー。
・宿はすすきのと大通りの間ぐらい。繁華街で便利。シングルユースのビジネスホテルでけして広くはないけれど,たいへん珍しいことに水周りが3点独立方式。洗面台は部屋の中にあり,トイレとお風呂は短い廊下を挟んでそれぞれに。そのかわり,クローゼットはなく服は壁にかける程度。とはいえ,湯船が広めで洗い場がちゃんとあるのは便利。ベッドはセミダブルぐらいかな。テレビは20インチぐらい。先々週の福岡に引き続き,ホテル運が良い。
・前述の通り,本日分の終了が早かったので,いったんホテルにチェックインして一呼吸いれたあと,観光客らしいことをしようと街へ出る。早めの晩御飯にスープカレーを食べ,腹ごなしに付近を散歩。大通公園を掠めてテレビ塔(遠くから),時計台(外観のみ。かわいらしかった。がっかりはしない),旧道庁本庁舎,北大キャンパス内。けっこうな距離だったと思う。さすがに獣医まで行く体力はなく,なんちゃらトンネルあたりで諦めて駅まで戻った。そのあと駅付近で一杯ひっかけつつ(お散歩をちゃらにする勢いで)つまみとトークを楽しみ,投宿先のホテルまで歩いて帰ってきた。
・今日はしみじみよう歩いた。そして朝4時に起きてから今まで,長い一日だった。
試合はメモなど取らずにのんびり楽しんでいた。感想は起きてから(書くのか?)

3回戦・観た試合の覚書

中央大学3−0東海大学札幌校舎@きたえーるサブアリーナ

試合開始時刻にようやく最寄バス停に着いたところだったので試合開始には間に合わず。てくてく歩いて到着して,取るものとりあえず地下のサブコートに向かった。札幌東海は前日関東2部の駒澤大学を破ってのベスト16入り。
2コート取っていたこともあり,立見をする場所さえもほとんどない状況であった。札幌東海側のお身内の方やお友達の方もけっこういらっしゃっているようで,なんでまたよりによってサブと。もったいないことだった。
居場所を探りつつようやく試合を見られるようになったのが10−10ごろ。中大がちょいリードしつつも札幌東海がしっかり食らいついてサイドアウトを繰り返す展開で,せった得点経過に「いいぞいいぞー」と思いながら観ていた。
しかし,17点ごろだったかに中大がリリーフサーバに尾松を投入したあたりから中大のおまつりムードに。尾松のサーブはけして強打一辺倒ではないので一見しただけでは油断しそう。札幌東海の面々に「そいつのサーブ気をつけろー」と言いたかったが,たいへん残念なことに,手前側がCだった。危惧は的中しておまつりが始まり,そのセットを中大が取る。あとはスロースターターの中大がどんどん波に乗り,第2セットはかなりの点差になった。
判官贔屓ともちょっと違うのかなと考えていたけれど,やはりこれが判官贔屓なのかもしれない。率直に,試合の勝敗は予測できていた。「試合」になれば観ているだけの立場としては満足だし,セットを取れれば上出来,ぐらいだろう。地元開催で金曜まで残ったチームの良いプレーを観たかった。
序盤から猛烈な点差が開き続けた第2セット,中大がトランジションアタックをとんでもないコースにとんでもない勢いで叩き込みまくるのにぼっこぼこに殴られていた札幌東海の面々。コートを鼓舞する選手あり,あまりの勢いに呆れて笑うしかない選手あり。笑いながら「すごいねー」って言ってた。状況を打破せんとする6人6様に思わずきゅんとした。
中大はセッター石井,オポジットに今村。サイドは早坂と渡辺,ミドルが傳田と井澤で,第3セットは傳田→手塚。
札幌東海はこのときパンフも買う前だったのでぜんぜんわからんまま。中大に比べると平均すると小さいけれど,それぞれにうまさがあったなあと。それは次に観た札幌大についても感じた。

早稲田大学3−0札幌大学東北学院大学1−3国際武道大学@きたえーるメインアリーナ

サブコートの第2試合が明治対学芸という夢の紫対決だったのだが,後ろ髪を引かれつつメインアリーナへ移動。今大会を観戦するにあたって,できるだけ関東(1部)以外の大学を見ることを心がけた(はずだったがのちにその方針を撤回した)。
メインに上がったら札幌大もユニフォームが紫だったという笑い話もありつつ。
東北学院は第1セット,立ち上がりからすごく良くて武大を圧倒。とくに3瀧澤と4三浦が良い感じだった。これはひょっとするとひょっとするかもしれないとわくわくだった。しかし敵もさるもの,第2セットは逆に武大がさきのセットはなんだったのかという勢いで引き離し,第3セットもその流れが継続した。
武大はセッターが25でリベロが35だったかな。ほかは春後半の布陣。
一方早稲田大学札大。早稲田は4梅澤にキャプテンマーク。ほかはたぶん春と同じかんじ。こちらは札大の様子を面白がりながら見ていたのだけれど,スコア上はかなり一方的な試合になっていた。各セット,札大が取った得点は15点ぐらいだった。早稲田のサーブが火を吹いていたものと思われる。サーブどーん→レセプションばーん→だって七里だもん,の繰り返し。
第3セットの後半あたりに,美香保方面から日体大専修大で専修がストレート勝ちしたという情報が流れて来て,ぐずぐず言った末に美香保に移動することに。
きたえーるの正面出口らしきところを出たところで滞留していたタクシーを捕まえて美香保までと伝える。長身の年配のドライバーさんの話を伺うに,どうやらかつては日本リーグチームでのプレー経験があるとのこと,さすがにかなり昔のことでどんな時代なのかなど全くピンとこなかったのだけれど,当時の男子バレーの人気のすごさやら練習の厳しさ,道内の高校バレーの状況など,興味深い話をたくさんうかがえた貴重な移動時間となった。

慶應義塾大学3−1専修大学@美香保体育館

秋からは1部どうしになるのでなにも2250円もかけて移動して見なくてもという頭もあったのだが,どちらか絶対この日で終わるという状況で悩んでこうなった。きたえーるサブの中央対明治もすげー気になったが。どうして準々決勝というノックアウト式トーナメントでいちばん面白いところが3箇所に分かれてしまうのかしら。仕方ないこととはいえ切ない。
専修は春一試合と入れ替え戦一試合しか見ていないのだが,高橋藤中の両一年生いが良くも悪くも鍵を握っている感じはある。今日は二人とも入れ替え戦で観たときよりは安定しておらず,ナントカに交わるとはこういうことかと思ったり(きっと誤解です)。
専修は緻密とか丁寧といった言葉があまりあてはまらないチームだけれど,勢い大事な潔さが楽しい。第3セット,スタートから慶應が一方的にゲームを進めてこりゃさすがに差があるか慶應堅いねさすがだね,などと思っていたら,10点台の後半になってから専修が猛攻を始めて,追いついてしまう不思議。
でも結局最後の大事なところでは自分たちのミス(サーブミスとかスパイクミスとか)が出て,自滅しちゃう感じ。さっきまでの神がかり的なディグはなんだったの,みたいな。むちゃくちゃなんだけどそこが面白い。これで「勢い」や「思い切りの良さ」と残したまま「雑」な部分や「考えずにツッコミがちな傾向」を緩和できたら最強だと思うんだけどなあ(それが一昨年の秋というはなしかもしれんがよくわからん)。むちゃしたところで相手も付き合ってくれはしない1部の可愛げのない面々に対してどういう仕掛けをしてくるか,秋が非常に楽しみである。
慶應は,暑い美香保の2試合目ということもあってきつかった面もあろうが,専修の雑に流されずにきちんきちんと疲れているなりにていねいな試合運びができていたのかな,と。毎回同じことを書くが,柳田はほんとにうまい。なんとなく「そこはアンダーで返しちゃうかな」とか「強打はできないかな」みたいな厳しいボールでも,コース観てコントロールしつつもちゃんと迫力もなくさないスパイクをびしばし繰り出してくるので,この人はいったいどこまで進化するんだろうと。だんだん化け物めいてきた。褒めてます。
だけど柳田ひとりのチームにはなっていないところが慶應の良いところで,なにが言いたいかというと間宮さん素敵だ。
慶應は2年連続で準優勝進出となった。柳田,野口,星谷,岡田,間宮,山本,リベロは前田と野瀬。
専修はサーブ順ひかえていないので対角の前後は逆かもしれない。山本,端場,板宮,長友,藤中,高橋,リベロ國弘。