東日本大学選手権@札幌大会最終日3位決定戦・決勝戦
男子3位決定戦 筑波大学3-1慶應義塾大学(25-19 22-25 25-19 25-21)
宿のチェックアウトガーなどと言っていたがために若干遅刻。朝10時は早い。
第2セットスタメン
→筑波:14前田 13久原 10田城 11出耒田 19篠村 5李 L2白石
慶應:23柳田 22野口 12星谷 8岡田 1間宮 17稲田 L9前田優/25野瀬
全体的に筑波の調子が上回っていた印象。どことなし慶應側に連戦の疲れが見え隠れはしていた。
男子決勝戦 中央大学3-2東海大学(25-21 25-21 20-25 26-28 16-14)
→中央:11早坂 16井澤 15江頭 1渡辺(第4セット途中から26塚本) 7傳田 28関田 L10森
東海:3星野 29栗山 7池田 13鶴田 2阿部 1深津 L15大西
春季リーグ戦最終戦と同じカード。ただし双方メンバに違いあり。中大はリベロも含めた7人中3人が春とは違うスタメン,東海大は2人。
東海大は前日出ていた鈴木頌にかえて栗山。あまりメンバーを替えてくる印象のないチームなので少し気になった。
最初の2セットを手堅く中大が取り,これはストレートで決着するかもしれん,と頭をかすめた。試合は早坂のサーブから始まった。サーブで崩しレセプションアタックを拾って切り返して5連続得点。池田のライトと鶴田のレフト。東海大も特別弱いローテーションではないはずなのだが,どうも決まらなかった。
スタートから出遅れてしまった東海大もサーブで積極果敢に攻めるなどして中盤までに追いつく。中大がややリードして迎えた終盤,中大がサーブの度に1つずつキルブロックでブレイクを取って,25-21と第1セットを取った。
第2セットも中大のブロックが目立つ。東海大は試合を通して,アタックの決定率が上がらず,サイドアウトを取るラリーでも中大がさくっと取るのに対し東海大はラリー継続になる場面もみられ1点を取るのに力が要るかんじ。結局最後まで中大がリードを保ち主導権を握り続け,最後は関田のサーブのときに池田をブロック→星野のスパイクミス(?)と2連続ブレイクで2セットを連取した。
早坂が素敵だ。サブアリーナの札幌東海戦で久しぶりにプレーを見て,やっぱり素敵だと思った。バックロウからぶわっと来てどーんと打たれると東海大のブロックは対応できない。後衛早坂は,MBで来るか江頭で来るかと思っているところのオプションなので,ブロックに関してはほぼフリーダム。
そして,春の中大は真ん中辺のどんより時期を中心にMB対角のふたりのクイックがなかなか機能しない時期があったが,この試合では積極的にMBを使えていたのも,気持ち良く決まらない場面も少なからずあったとはいえ,良かったかなと。春よりはいいスパイク増えてきたと思うし。
これはもうちょっとどうにもならんかな,と思われる中大の試合運びだった。しかしそうはいかないフルセットボーイズ継承者達。よくもわるくも。
第3セット,中大にミスが出始める。第1セットと同じメンバーで同じローテーションでスタートし,東海大が何をしているわけでもないのだけれども,中大側のレセプションアタックでのスパイクミスによるブレイクポイントを大切にあたためていたらいつのまにか大差がついちゃったんですけど,という。もちろんそれだけではないのだけれど,中大のスパイクが,アウトにはならなくても簡単に拾われたりとか。とーかいに辛いのは筆者の仕様です。
第4セットもどちらかというと東海大ペース。東海大の動きが良かったのがこのへんか。中大が連続得点で追い上げて点差を縮めたら今度は東海大が突き放す。それでも18-18で中大が追いついて東海大が2度目のタイムアウト。そこからは一進一退の攻防。20-22の場面で渡辺がスパイク着地時に足首をいためて急遽塚本が入る。厳しい状況ではあったが,23-24中大サーブの場面で池田のスパイクがアウトになり,デュース。東海大アドバンテージのまま,その池田がトランジションアタックを決めてどうにかフルセットに持ち込んだ。
負傷した渡辺は片足けんけんで自分でコートから出られていたしその後表彰式にもたまにけんけんしながら参加し胴上げもされていたので,深刻ではなかったようには見える。しかし,ベンチに下がったあとの悔しそうな様子は胸に迫るものがあった。そして,コートに残ったほかの面々の研ぎ澄まされた集中力も。
第5セット。中大は塚本がそのままスタートから入る。おそらく公式戦の出場自体この大会が初めてだったはずで,ピンサ以外で見たのは初めてだった(見ていない試合はわからないけれど)。まだ小柄な一年生という印象。この日の奏吾はもともと攻撃参加は少なく守備メインで,そこにかわって入った塚本はいきなりの出場ながら相当数のレセプションをこなすことになった。がんばってたし巧かった。
中大がサーブ権を取り,早坂のサーブから。これはさくっと鶴田が切って栗山のサーブ。ここのラリーがすごかった。双方枠外までフルに使ったラリーだったが東海は何度かのブレイクチャンスを逃して,江頭が決める。
このラリーを中大が取ったのがおそらく前半の一つの山場で,このあと中大がひた走る。上背はなさそうな塚本がブロックを連発し,江頭のサーブが走り,東海大にもミスが出る。8-2と大差をつけてのコートチェンジ。
コートチェンジ後東海大が巻き返す。阿部のクイックで3点目を取り,江頭を阿部がブロック,もひとつ江頭のスパイクのディグがそのまま中大コートの後方に落ち,8-5。9-6からもピンサの北林のサーブのところでブレイクしたり尾松のサーブを一度で切ったりと東海がにじり寄り,井澤を栗山がブロックしたところで一旦東海が11-12と逆転する。すぐに中大がブレイク仕返して再逆転,中大アドバンテージでデュースになり,最後は鶴田の前衛レフトからのクロスがサイドラインを割った。
わたしが大学バレーを見始めてから,一度入れ替え戦に回った以外はほとんど上位に君臨している中央大学だが,なぜかタイトルには縁がなく,優勝は数年ぶりということらしい。松永監督は就任1年目にして,まず一つタイトルを取った。
一度負けた相手に同じ年度で二度は負けないオーラをばりばりに出してくる東海大だが,今大会では春に続いて二度目の敗戦となった。1度も勝っていないともいう。アクシデントは時に状況を一変させるが,そのことを殊更に取り上げるつもりはない。どちらのチームも去年から今年にかけて選手が大幅に入れ替わっている。それなのに夏の初めの大会で優勝を賭けて戦っているのだからどちらもとびきり強いことには変わりないのだが,その二チーム内では明暗が分かれた。二週間後の東西インカレの詳細はまだ発表されていないようだが,さっそくの再戦の機会となるだろうか。その結果を見てみないことにはなんとも言えない部分もあるが,東海大に対して春から感じているもやっとした気持ちはなかなか晴れない。試合後の皆の様子や表彰式の様子を見ていてその理由が少しわかったような気がした(が,書かない)。結局のところあそこは一見わかりやすいようでいて,実は茫洋としてつかみ所がない。受ける印象の一種の気持ち悪さはわからなさ・つかめなさなんだろうなと思う。しかし春先から振り返ってみて個々の選手の技量の着実な進歩が感じられるのもまた事実であり,このチームでこの選手で,冬までにどういう絵を描いているのか。今はお手並み拝見という気持ちである。
個人賞(男子のみ)
本日のおまけ
決勝戦第5セット