お大尽旅行,或いは遠征その1:近畿総合1日目

遠征しないのがモットーですと常々言っているような気がしなくもないが,先日記録している映像を確認していたところ,直近5回の撮影場所が,新しいほうから遡って,浜松→大阪→東京→札幌→福岡だった。自分でもいささか驚いた。観戦だけであれば札幌と東京の間にもう一つ東京(天皇杯東京都予選)が入っているのだが,いずれにしてもこれを見ただけではどこに住んでいるのかもよくわからないというか,少なくとも,どの口が「遠征しない」と言っているのか,という話ではある。もうここまで来たら潔く諦めるしかあるまい。遠征(ここでは宿泊を伴う観戦のための遠出の意)しますよ。外国語運用能力に著しく欠けているので残念ながら国内に限られますが。
そんなわけで先の週末,大阪市中央体育館で行われた近畿総合と浜松アリーナで行われた天皇杯東海ブロックに,それぞれ一日ずつ行ってきた。試合のチケットはもちろん,交通も宿泊もなんの手配もしていないまま当日の朝を迎えた。朝,渋谷駅で新幹線の乗車券と自由席特急券を買ったときに,その金額の安くないことに初めて気づき,わしはなにをしているのだろうとくらくらしたが,渋谷まで来て引き返すのも癪である。
着くまではことごとくうらめーるな道中で,それもまた気分を落ち込ませた。ちゃんと起きたのに支度をのんびりしすぎて当初予定より50分ほど遅れて家を出,新大阪駅から御堂筋線に乗って一駅行った西中島南方で,ほかの駅の人身事故のために地下鉄が止まった。その後の自分の取った手段がことごとく後手後手になり,新大阪駅に着いてから朝潮橋の体育館まで実に70分あまりを費やしてしまった。第2試合には間に合わせたかったのに,第3試合さえも怪しいという。中途半端な鉄道網の知識と,それに油断してきちんとすぐに調べなかったことが事態を悪い方向へ導いた。
そんな具合に始まった短い旅ではあったものの,結論としては行って大正解だった。行かなければ見られない楽しいできごとをたくさん見られたし,なかなか会えない方たちにも会えた。たしかに安くない買い物ではあるが,買えるものはビザカード。そのときそこにいなければ体験できないことは,現代の情報社会においてもたくさんあるんさ。
さて,大会は一切メモを取ってないので,見たカードさえも記憶があやふや。 印象に残ったことだけ箇条書き。
サントリーユニフォームの阿部ちゃんさん。背番号9番。公式サイトやブログでそろそろ慣れていたこともあって,赤ユニフォームも存外しっくり来た。ユニフォームのフォルム自体は同じ系統だからかな。試合は2試合とも武市がメインで,阿部は途中出場。後衛3ローテーションだけの出場だなんて,なんの試練。2試合目は前衛でも出ていたような。
サントリー新監督。サントリーのベンチ入りスタッフの制服がポロシャツにハーフパンツだったので,マリンリゾートの欧州のおじさんのようだった。っていう感想でいいのか。
・監督はかわったけれど,サントリーらしい起用というか。各セット・各試合,少しずつメンバーを入れ替えて戦っていた。ベンチにいたのは,セッターが武市と阿部(岡本と橋本はスタンドにいたようす),MBが山村,二木。サイドが金子,米山,柴小屋,栗山。冨士田はどっちで出てたっけ。リベロが佐別當と高橋。リベロのふたりはレセプションメインとディグメインの交代で,試合(セット?)で役割交代していた。選手はうろ覚え。誰か足りないかも。
・ブレはベンチ入り10人。こちらはサントリーとは対照的に,メンバー固定で戦っていた。伊藤,内藤,松岡,千々木,横田,今村。リベロ井上。伊藤と千々木は入れ替わってたかな。派手に怪我をしていた坂梨も,試合前練習の球出しなどはふつうに行っていて,歩行も問題なさそうでとりあえずは安心。翌日はユニフォームを着てベンチ入りしていたようす。応援団長のなおきさんもスタッフで入っていた。不思議なかんじ。ベンチに控えをる石島,北島が交代でモッパーを務めるある意味美味しい絵。こばんたさんは交代出場。
・伊藤と千々木が赤い揃いのシューズで,でも同期の松岡は黄色だった。同じ黄色でも選手によって微妙にデザインが異なっていて,すっかりミズノの動くカタログ状態。
・ヤングなブレさんだった。1試合目が開智高校,2試合目が奈良のクラブチームの乱侍気。わきゃわきゃとかわいかった。翌日関学にセット取られそうになったそうだけど(取られなかったのはすごいと思うよ)。ワンポイントブロッカーやリリーフサーバーではなく試合に出ている伊藤さん千々木さんを見たのは昨年の大学選手権以来だった。松岡さんも黒鷲ぶり。内藤さんのサーブ炸裂したり,横田が仕事したり。見ているほうもわきゃわきゃと楽しかった。
・近大。一昨年(もう1年前かしら)の東京体育館は着いたときには試合終了だったし,去年川崎市体育館もほとんど終わりかけだった。去年は慶應と,だったっけ。近畿クラブで見かける名前も。サントリー戦では,序盤からえいえいと攻めまくって,第一セットを取ってしまった。本気モードになったサントリーの面々の大人気なさ。#4山近が楽しい。もう4年生かー,などと。わたしは大学は関東1部以外はさっぱりわからないが,Vリーグで見たい選手。
関学。キャプテンの佐川翔が,名前だけはしばらく前から耳にすることが増えていた。プレーを見たことはなかったので楽しみにしていたのだが(今回の観戦の目的の一つでもあった),セッターと聞いていたがなんとびっくりオポジット。レセプションもがっつり入っている。一本目が乱れたらセットにも入る。がすがす打つ。ツボだ。セッターは#25の,たぶん1年生。佐川がいる間に世代交代ですか。「ライトの佐川くんがセッター」ができるのか。強いなあ。
みかん。正式名称不明。国体和歌山代表の和歌山選抜と同じユニフォームをだけれど誉さんはいないよ,なかんじ。1試合目が直前に棄権したパナと予定されていたため,開会式のあと第7試合までひたすら待機。3セットマッチとはいえ,一日8試合は大変す。試合終了19時を回りましたもの。ということでみかんのころにはいささか疲れてきていて,ユニフォームのカラーリングがみかん,というところから先に進めなかった。国体ではどうにか。
市立尼崎高校にひさはら(筑波)の弟がいた。おっきかった。にーさんより上背は高いらしい。3年生とのことで,進路も気になるところではあり。
・乱侍気の2番さんのバナナサーブがすごかった。
・ほかに試合をちらっと見たのはイルカ(阪神兵庫デルフィーノ)とモリタ製作所とNBKdreamers。
・関西2部の同志社を楽しみにしていたのだけれど噂の(え)セッターさんが故障明けのようでどうやら本領発揮とはいかなかったようで,その点は残念だった。1部の関学との対戦は関学が貫禄。
・関西リーグも気になるよねー,とおもいながら,今年は(今年も)おそらく関東でいっぱいいっぱいです。
男子のサマーリーグが開催されない昨今。わたし自身はもともといわゆる「若手」に興味がなくサマーリーグも観に行ったことはないのだけれど,Vぷれみあチームの若手の実戦機会という点でサマーがないのは見ている側にとって残念なことであるというのは,まあ薄々。
しかし各チームの状況や業界のほかの大会の日程を考えると,むりやりねじ込むようなことにしかならんというアレ。
要するに,近畿総合が羨ましい。去年一昨年と行った中部総合も楽しかった。今年は中部総合のほうはVリーグチームの出場が少なかったので(どのみち旅行と日程が重なっていたのだが)わたしにはやや引力が弱かった。近畿のようにぷれみあもちゃれんじも(全部ではないにしても)多く出場して,大学が出て高校が出て地域リーグのチームが出てクラブチームが出て,という大会は,どことなく和気藹々としていて楽しい。なんせチケット(スタンド2000円とけっこうお高い)買って正面入り口から入ったら,目の前の壁にもたれて靴をはく金子とコンニチハ。場所が中央体育館なのにノリがそれだから,なんだかおかしくて楽しかった。
4面コートの向こう半分は女子で,こちらも東レアローズJTマーヴェラスが出場。去年の春高準優勝校との対戦も行われていた様子で気にはなりつつも,の4コート同時進行だった。
天皇杯の地区ブロック予選にぷれみあが出れば,似たような状況は作れるのだけれども,とは翌日の浜松でも感じた。
しかしそれを関東に持ってこられるかというと難しい面もあるのかなあ。関東のバランスはまた独特のものがあるでの。せっかくチャレンジのチーム数は多いのに。逆に言うと練習試合の相手にも事欠かず,全部集めるには規模も大きくなりすぎて,と言ったところだろうか。ふだんなかなか直接は足を運べない高校や銀行や君津さんも,ちゃや大学と一緒の大会であれば見やすいんだけれど,などと自分の都合。