国体バレーボール競技成年男子4日目(3位決定戦,決勝戦)

3位決定戦 岐阜0-3広島(20-25 20-25 16-25)


広島:7八子 1安永 10小澤 9甲斐 18石橋 17深津 L21大上
→岐阜:4袴谷 3長谷川 8小野 7濱本 5五十川 1田中 L12辻/11酒井


広島はセット途中の交代出場はありつつもスタメンは3セット上記固定。


岐阜はセット毎にメンバーやローテーションを入れ替え。第2セット7濱本 5五十川 6廣澤 4袴谷 9山下 2島野。第3セットは7濱本 5五十川 2島野 4袴谷 3長谷川 10熊崎。


チームのWebサイトによると,岐阜クラブは今国体のための強化指定チームとして発足したんだそうな。4位表彰の際,表彰状をじっと見る田中飛鳥。みんなでスタンドへ挨拶してる姿。最後に登録から外れた岐阜クラブのメンバー含め。応援団長さん。試合後建物の出口付近で知り合いの人達や制服姿の女子高生とわきゃわきゃしている面々。


一昨年の中総と去年の中総と今年の天皇杯ブロックラウンドと,それから今年の国体。見た試合は数えるほどしかないわたしが,なにかセンチメンタルを受信したところで,それはいっときのセンチメンタルに過ぎない。


楽しかったし強かった。一昨日二段トスが素敵と書いた五十川さんはクイックもふわっと柔らかく,かなりの決定率だった。攻守にわたる獅子奮迅濱本は,好みのタイプのサイドアタッカーだった。日体大時代から変わらない(凄味を増した)袴谷のサーブ。交代で出てきた面々も。体育館全体から発せられる地元チームへの温かい応援や愛情が伝わってきた。


それでも広島を応援するよとうそぶいてはみたけれど。試合全体を通してじわじわと広島が主導権を握った。岐阜は,個々のラリーでは会場を大いに沸かせるプレーも数多く,好レシーブを続けて長いラリーを制すなど力を発揮する場面も見られた。しかし,それが続かない。せっかく取ったラリーの次のサーブをミスるとか,そういうの。上手く繋げられなかったし試合全体をものにできなかった。


4連戦の疲労に対するケアだとか,試合途中での状況に応じた修正だとか。そういうのはプレミアチームの方に利があるんだろう。最後は隠し球の19井上と20筧本も出場し,筧本のスパイクで3位を決めた。


甲斐がフル出場するのは反則技じゃないのと思ったのはおいておく。

勝戦 愛知3-2新潟(25-22 25-15 25-15)


愛知:9白岩 6近 10井上 12高松 14幡司 4内山 L19古賀
→新潟:1飯塚 4上村 11沼田 7根布屋 2溝口 3澤田 L10泉田


3位決定戦以上に,力の差,あるいは持久力の差が出てしまった試合。愛知代表豊田合成はこれがチーム初の日本一だそうだ。コート内の最年長が井上という若手のみ(井上は若手に入らんにしても)の編成で4試合トーナメントを戦い抜いて優勝した意義はきっと大きい。Vリーグチームとの対戦は準決勝の広島だけだった(よね?)とはいえ,良い経験になったのではないかしら。最終日は国体登録外の選手がメロ含めておそらく全員来場しており,試合後には父兄参観のせんぱいずが若い子の成果ににこにこしながら写真を取ったりいぢったりする微笑ましい光景が見られた。


対する新潟。なにかの縁で前日新潟の応援に染まってしまったこともあって,この試合はどちらかというと新潟贔屓で観ていた。第1セットの序盤に沼田のサーブで2-7と大きく新潟がリードして,その後も根布屋のサーブや上村のサーブのところでブレイクして,かなりリードをとっていたのに,10-17から猛烈な勢いで捲られて追いつかれて追いこされて,さらに引き離されてセットを落とした。あとちょっとタイムアウトのタイミングが早かったならと思うけれどそれはたらればで。チャージモードに入った愛知の若い子たちが止まらなくなった。


新潟のほうがおにいさんで渋い感じだったのだ。そしてその渋い感じが素敵だったのだ。ヴェルディでお馴染みの飯塚と溝口。コクシの上村くんは試合に出てる中ではゆいいつ現役学生で,弟っぽさ全開笑顔全開。泉田くん無所属(涙)。という助っ人さん的メンバーが活躍できるだけの新潟教員の軸がしっかりしてる感じがした。沼田のサーブは文句なしVリーグクラスだし,澤田にも根布屋にも,面影が。チームの強さだけで見れば,チャレンジのどのあたりになるだろう。実際,初日に国体編成の東京に勝っている。5セットマッチはなかなか運だけでは勝てない。新潟教員といえば,昔,黒鷲旗が32チームだった時代にはかなり頻繁に名前をみかけたチームだった。今回は国体仕様で新潟教員じゃない人も多かったので,この先どこかで見られないかなあ。気になるなあ。


素敵だからこそ,徐々に引き離されていくのがしんどかった。第2セット以降は完全に愛知の流れ。飯塚に焼肉弁当を差し入れたかったのは,スタミナ的なそれ。飯塚だけじゃなくて。新潟のブレイクチャンスである沼田や根布屋のサーブがその後ミスになることが多かったのも,巻き返しのタイミングを逃した感はある。


合成のブロック,良かったよねえ。キルブロック大量生産。キルできなくてもワンチボールを古賀や白岩が綺麗に返して高松や井上が高さとキレのあるスパイクを打ち込んで。それでずるずる。新潟よりで見てるとしんどかったけど,愛知よりで見ているとたぶんすごく楽しい試合だったと思う。高松のキレの良さが憎たらしいぐらいだった。トスを呼ぶ時やブロックで構えているときの謎の雄叫び(言いたいことはわかるが言語として認識するのが難)が楽しい。袖は(捲りにくそうな布地だったので)つままれている程度だったけれど,高松健在だなあと。ほんとうに気持ちの良いプレーヤーだ。そして,高松よりも白岩さんのほうが年下なのは年齢詐称風味。不貞不貞しい太一郎,安定感のある白岩。お兄さん担当としていい仕事してた井上。やたら気迫が外向きになっていた近。ブロック祭りしていた幡司。うっちーが空気なぐらいのメンバーの濃さで,いいんだと思う。そしてシゲが入るときらきら☆してた。中大OBの前三枚にきゃっきゃした。


去年国体で優勝した東京はリーグも5位と大きく順位を上げた。今季の豊田合成に期待が高まる。

終結果(入賞分)


1位 愛知県(豊田合成トレフェルサ
2位 新潟県(選抜)
3位 広島県JTサンダーズ
4位 岐阜県(選抜)
5位 埼玉県(深谷クラブ),宮城県(仙台大)
7位 長崎県(選抜),兵庫県兵庫デルフィーノ