全日本インカレ・土曜日・準決勝


記事を書きはじめるときに既に日付が変わっていたのですが,日付欄を手入力で直しまして12月8日。太平洋戦争勃発の日だったことに,終わってから気づきました。戦争って寒くても暑くてもするんですね。


今日の関東平野はよく晴れて,ぽかぽか陽気でした。昨日も。東京の冬は気持ち良い。

筑波大学3-1専修大学


筑波ファンにはちょっと胃が痛かったかもしれない。翌日の決勝戦への不安もあるかも。


1・2セット目の専修はガチガチでさっぱり。よくあることではあるものの,このまま一方的な展開になるのはつまらないなと感じていた。


第3セットからは専修が息を吹き返し(或いは開き直り),楽しい感じになってきた。


第4セット,専修がリードして21-24。フルセットになりそうなところまでいったが,ここからの筑波が強かった。


もともと,試合全体を通してみていると,専修が流れを掴んでいるときであっても,筑波の方が地力には勝るようには感じられた。もちろんこれまでの成績でフィルタもかかっているけれど。だから,第4セットの終盤に専修がリードしていても筑波が逆転する可能性は充分にあると思っていた。


全体的に,専修は前日に比べてサーブミスが多かったのが痛かった。準々決勝とは会場が違ったので,ずっととどろきだった筑波に比べて会場慣れという面では少し不利だったかもしれない。ネットにかかったり僅かにエンドラインを割ったり。筑波が篠村を筆頭にサーブポイントを量産していたのと対照的だった。


地力の点では,ブロックの違いも感じた。専修はマンツーマンのコミットでえいやっとやってる感じ。サイドのトスに2枚綺麗に揃わないとか。MBふたりともスパイクはかなり面白いのだが,ブロックの面では高い選手の多い筑波との対峙は厳しい。


逆に筑波はきっちりリードブロックな感じで,時間差やXが通用しにくい。10田城は今年の春以前は出場機会が少なかったが,秋リーグ以降めきめき存在感が増してきた。サーブ良しブロック良しスパイク良し。身長190cmとMBにしては高い方ではないが,プレーの高さはじゅうぶんにある。太腿の筋肉が凄い。


専修のそれはサーカスめいていてアクロバティックで楽しいのだけれど,どっしり構えて基本的なプレーをきちんとできているのは筑波なんだよな。きっと。関東1部で男子であれだけアンダーハンドセットが多用されるチームもそうそうない。


でも,専修も良いところは出せた。3位決定戦でも楽しい試合を見せてほしい。


優勝を狙う筑波は,前日から脚がつりぎみの出来田のフィジカルコンディションが気がかり。それでも力一杯跳んで3枚ブロックの上から打つできたんはかわいい。


MIPは久原。終始安定したプレーで攻守にわたり,目立たないながら扇の要を担っていた。

慶應義塾大学3-1早稲田大学


早慶戦だよー。準決勝だよー。慶應は応援指導部さんも入っての入魂の応援。久しぶりに大人数での声の揃ったコールが聞けて楽しかった。


早稲田も応援団とチアが来ることを期待していたのだけれど。他用でもありましたかしら。ちょっと残念だった。


この試合はテレビ放送をがっつり観てしまったので印象が上書きされてしまった。テレビで水平位置から見ると改めて大きいよねえ。七里と濱松・福山のMBコンビ。高さを活かして梅澤が打ちやすい綺麗なトスを上げて。


テレビの影響でエース対決だった気がしてきている。そういう意味では,早稲田はちょっと七里に偏りすぎたか。専田が前日に比べるともう一声というところだったみたい(前日見てない)。あと,吉村がもうちょっと目立ってくると楽しいんだけど,そこももう一声だったのかなあ。


見ていてそう思ったというよりは,結果が出た今考えると,という話。


慶應は柳田と岡田と。なかなか2人揃わないと影で囁かれているが,今日は良かったんじゃないかしら。そして,セッターの野口がなんというか。去年は目に着くことも多かったけれど,良い意味で目立たなくなってきた。サーブの時は良い意味で目立つ。もともと野口のサーブは武器だったけれど,さらに幅が広がっているように思える。


解説の前田さんが,勝てばインカレ決勝ということを意識しすぎると良くないから早慶戦の気持ちで戦った方が良いと仰っていた。わたしなど完全な部外者であるが,早慶戦という響きであの界隈が燃える様子を見るのは嫌いじゃない。


早稲田は部員総勢15人(?)。みんなもっとバレー部に入ればいいんだ。


MIPは岡田。3年生レフトエース。決勝戦でもそのポテンシャルの高さを発揮したい。

明日の予定


とどろきアリーナにて。


男子3位決定戦(10:00〜):早稲田大×専修大


女子3位決定戦:東海大×京都橘


女子決勝戦日体大×嘉悦大


男子決勝戦:筑波大×慶應義塾


男子決勝戦終了後,表彰式・閉会式。


男子決勝のカードは筑波対慶應。どちらも今年度のリーグや大会で常に優勝候補の筆頭にあがり優勝争いに絡むチームだった。力はありながら,良い試合をしながら,最後に優勝を逃してきた。口を揃えて,優勝にはまだ早かったんだと足りなかったんだと言い続け,最後の大会に向けて「今度こそ」の思いは強いだろう。


どちらかは負けてしまうけれど,少なくともどちらかが優勝するところまで来た。そのことを喜ばしく思う。優勝決定戦に相応しい,今年度の両チームに相応しい,熱い試合が繰り広げられると期待している。