全日本インカレ・日曜日・3位決定戦・優勝決定戦
最終日。女子もちょいちょい見たのだけれど,今年は昨年以上にゆるゆるだったので男子だけの覚書。
3位決定戦:早稲田大学3-1専修大学
今年は土曜の男子準決勝が1・2試合目で,昨年までの1チームが準決勝第4試合→翌日3位決定戦第1試合の状態は改善されたものの,朝イチの試合は辛い。
前日の準決勝における敗者同士の対戦。前日で燃え尽きた感がありモチベーションの持っていきかたも難しい。
単なる一つの試合として見たとき。早稲田#5吉村が第2セット後半辺りから調子が落ちてきた。ふかす,ネットにかけるのどちらか。レシーブも安定しない。早稲田は7七里の高さが大きな武器ではある。事実試合序盤は全く七里が止まらなかった。それでも,やはり専田・吉村あたりが効いてこないと試合が進むにつれ七里も止められる。吉村のおつかれーしょんが第3セットに顕著になってきたセットの後半,8北地を投入。そのままそのセットを凌いで,第4セット。休憩して一息ついた吉村は息を吹き返していた。
一方の専修はエンジンがあたたまるのに少し時間がかかる。前日の準決勝と同様,第1セットはぶぉんぶぉん,第2セットでぶるるるる。このままストレートで終わるのかと思わせておいて,第3セットでアクセルが踏まれギアが上がる。
しかし,第4セットは早稲田が序盤から優位に立ち,良くも悪くもノリに左右されがちな専修はずるずると。前日サーブが全然入らなかった藤中を筆頭に,専修比としてサーブで攻めきれてない感じもしたが,何より,早稲田のブロックに捕まる捕まる。早稲田のMB対角の2人,ワンブロで出てくる小関,同じくワンブロで出てくるサイドの北地。それからOPの七里。みんな高くて手足が長いので,ネットの向こうに立たれるだけで心が折れる。セッターの梅澤や梅澤よりも低身長の専田にきっちりワンブロを出すのも早稲田の戦術で,ずらりと壁が威圧する。専修はサイドの端場も長友も藤中も,MBの高橋も板宮も,大きくはない。落ち着いてうまく処理できない子たちじゃないのにどんどん焦って雑になっていくんだがね,これがね。
近くで見ると遠くからみているとき以上にブロックの臨場感が楽しい。そして,第4セットだったかな。15福山のしびれるようなクイック。
MIPはセッターの梅澤。勝利の数点前,今にも泣きそうな顔をしていたのが印象的。歯を食いしばって堪えて,試合終了のときにはもう飄々としていたように見えた。
専修も負けが悔しくなくはないだろうが,ベスト4は大健闘。春は2部からスタートした。優勝し入れ替え戦で武大に勝って1部昇格した秋も9位。おそらく東日本インカレで日体大を破ったのが効いて5-8シードに入り,全日本インカレでは第4シード東海大を下してのベスト4だった。
1年の締めくくりとしては,悪くなかったんじゃないだろうか。来年はまたメンバーが入れ替わるが,仲良しぶりを良い方向に発揮して楽しい専修大を見たい。
決勝戦:筑波大学3-0慶應義塾大学
秋のリーグ戦では8日目に対戦して筑波が勝ち,首位を走っていた慶應の優勝に黄信号がともった。今日の慶應はそのときのリベンジに燃えていただろうけれど,それは叶わなかった。筑波の秋山監督は就任一年目での全日本インカレ制覇。
試合以外の要因はいろいろあろう。48年(?)ぶりの優勝,という,伝統校ならではの,どこから出てきたのかわからない数字とかOBの期待とか。試合前の練習のときから,チームの雰囲気は対照的だった。筑波は,みんなすごく楽しそうだった。勝てば優勝という気負いは感じられず,皆,今日ここでバレーができることをただ楽しんでいるように笑顔が溢れていた。一方の慶應は,なんていうのかな。緊張してた。ぴんとしてた。そのぴんとした背筋はそりゃあ素敵だった。素敵だったけど,結果から振り返れば,気負いすぎていたとも言えるのだろう。
慶應の8岡田の様子に,3位決定戦の吉村を思い出しはした。たらればはないけれど,どこか後ろの3ローテだけでもいいから一度ベンチに下げて落ち着かせても良かったんじゃないかしらと。
ただ,慶應が悪かったというよりは,やはり,筑波が良かった試合と言いたい。なんだろう。全部良かった。本当に。だめなところがなかった。
MIPは11出耒田。前日までの連戦の疲れもあろうに,バランスの取れたプレーをしていたと思う。
慶應は。慶應は。天皇杯じゃおりゃあああああああああ! 改めて,間宮さん爽やか間宮さん超かっこいいと言いまくった決勝戦だった。