天皇杯・皇后杯ファイナルラウンド・2日目・東京会場


本日よりVプレミア登場。東京は男女8試合すべてプレミアチームが勝利し,明日の準々決勝に駒を進めた。都城では,女子鹿屋体育大がJTマーヴェラスを破ったとのこと。一部で注目を集めていた豊田合成ジェイテクト豊田合成が3-1で勝利したとのこと。ストレートで決しはしたものの,東亜大が大分三好相手に最終セット白熱の展開だったらしい。


全体的に都城が面白そう……隣の芝生は青く見える。あちらがメイン会場ですし。


Vリーグが終わったあとのGWのお祭り的な側面もある黒鷲旗と,シーズン中の天皇杯との差を少し感じた。大学側から見ると,春季リーグ戦中の黒鷲旗と,全日本インカレで燃え尽きた後のちょっとおまけの天皇杯との差。


天皇杯はチームの仕上がりで言えば大学の方が完成している時期。それゆえ過去には大学がプレミアチームを倒すこともしばしばあるのだが,今年はプレミア全勝となった。Vプレミアの開幕が早かったので各チームこなれてきたところでもあっただろうし,大学側は全カレとの間が短すぎて,準備不足の面は否めない。

[D1]東レアローズ3-0慶應義塾大学(20-25 17-25 17-25)


東レ:16角田(3s-18鈴木) 7相澤 12ボヨビッチ 5米山(2s途中-8瀬戸口) 1富松 4近藤 L6渡辺


慶應大:23柳田 22野口 12星谷 8岡田 1間宮 5山本 L25野瀬


バボちゃんネットのコメントで,慶應キャプテンの間宮が,自分は社会人ではバレーを続けないから,テレビで観た人達との対戦がいい経験になったと語っている。


第1試合の東レに限らず,絶賛シーズン中であるぷれみあ勢は,ごく当たり前にガチメンらしいメンバー起用。途中で代えて,ということもあまりなかった。東レは変えた方だろう。MBは怪我で出遅れていた相澤がフル出場。篠田はベンチアウトだった。相澤にとってはちょうどよい機会となったような。


渡辺俊介がユニフォームを着ているところを,ほんとうに久々に見た。わたしはわかりやすくサイドアタッカー好きなので,試合中にリベロに気づくのはトスを上げるときかレセプションをミスったときぐらい。ゆえに,せっかくのインコートだったけれどほとんど見ていなかった。2年前の今頃の時期,「見える」ところで続けることを嬉しく思い,同時に,数年は見られないだろうとも思っていた。高いレベルのプレーを要求されるのがプレミアで,目の前の壁は厚く高いだろうけれど,乗り越えていくところを見たいね。


第3セットの終わりにSR対角2枚換えでセッターが梅野に(OPは14今田)。東レマッチポイントから瀬戸口が2本続けて岡田にキルブロックされた。それでも瀬戸口瀬戸口瀬戸口。拾われて切り替えされて拾われて切り替えされて。それでも瀬戸口。漸く決まった25点目,だった。あそこで決まらずに他でおしまいにしちゃうと,すっきりしないだろうなあ。点差もあったし。


慶應は,相手の強さ云々以前の自滅気味だった。ミスが多かったのも残念。目の前に立ちはだかる東レのブロッカーの壁は,それだけで威圧感になるのかな。対戦相手がプレミアというだけで変に意識していたんじゃないのという気もした。セッターの野口が頭しゅんしゅんしてたのが傍目に明らかで,ドリブルは1セットに2度するし,(見間違いかもしれないが)パッシングセンターラインはかますし。トスも,ちょいちょい低い。星谷へのトスが低すぎてネットにかけて,次に高めに上げたら高すぎて(星谷は低く来ると思ってて)からぶりして。なにしてんのよ。


せっかくセッター2人いるんだから一度代えたらどうよと思って思って思い続けて,第3セットの途中にようやく前田が出てきたのだけれど,その前田もドリってて,ドリブラー友の会の招待状印刷が間に合わない状態だった。ただし,今日は全体的にドリブルを厳しめに取っており,慶應の2人以外にもドリブルの笛がよく鳴ったのでそこは誤解のないようにお願いしたい。


そんなわりとぐだぐだな状況ではあったが,時折岡田や星谷の高さ,柳田の巧さが光る攻撃も見られた。課題も楽しみも来年に続く。

[D2]JTサンダーズ3-0大同特殊鋼レッドスター(25-8 25-23 25-16)


JT:4國近 1安永 15イゴール 7八子 2町野 17深津 L21大上/3酒井


→大同:9淡田(途中から7赤澤) 4倉田 5平野 6辰巳 18山下 1山口 L11平井/17中道


第1セットの大同は,昨日筑波を破ったのとは別人のようだった。


本日はリベロ2枚使い。大同はサーブ側(中道)とレシーブ側(平井)を基本に,途中で代わり方もかえていたような。JTリベロは,フリーチェンジではなく,スタートからずっと大上。第3セットの途中ぐらいから酒井が入っているのを見た。


力を抜いて観戦していたのだけれど,第3セットの20-12の場面で國近→10小澤,イゴール→5神田の2枚換え。おおおお,と俄に刮目。単純。そのあとのサーブが深津で,深津のサーブが終わったところで深津→6菅。あとは最後まで。

[D3]東海大学0-3堺ブレイザーズ(20-25 21-25 18-25)


東海大:3星野 2阿部 7池田 13鶴田 18鈴木頌 1深津 L15大西


堺BZ:19今村 10千々木(2s-11伊藤) 5内藤 6ペピチ 3石島 12横田 L2井上


件のバボちゃんネットニュースに深津のコメントも載っている。堺が自分達学生相手に一生懸命やってくれてよかったと。明らかに格が違う対戦をどう戦うか。それをどう見るかは,今朝の移動中のわたしの懸念事項でもあった。石島のプレー中の気合いや吼え方,あの大人げなさが嬉しかった。初めて見るペッパーは慣らし運転の様子も窺えたかな。東レと同じく,MBの1枚に若手を起用,といったところか。そして,第3セット10-12で今村→15木場田,15-21でペッパー→13松岡。


東海大は,いうても学生で,相手はプレミアで常時優勝争いに絡んでいるチームだ。もちろん,できれば1セット取るぐらいはしてもらいたかったけれど,今の代の彼らにはこれでいっぱいいっぱいだったろう。奇跡的に凄く良いところを見せて凄く熱い試合を展開するようなことにはならなかったけれど,けして悪くはなかった。相手が強かった。


内藤のサーブがなあ。


内藤もまだまだ若い認識だったけれど,今の東海大で内藤サーブに対峙した経験を持っているのは1人だけだった。内藤は87だから今の4年が1年の時の4年。もうそんなに昔になるのか。大学シーンはめまぐるしく世代が回転していく。


内藤のみならず。堺はブレイクできるポイントを持っているけれど,東海大はコレ,というものがない。特に今年の東海大はそれほどサーブの強いチームではなかった。勝負にならないのはその辺に要因があったろう。


もう一つはミス。大学バレーを見ていると,少々多少のミスは頻発するので,その一つ一つが勝敗を分けるポイントにはなりづらいし,さほど気にならない。でも,プレミアの人達はミスが少ない。ゆえに大学側のミスが少し目立つ。実力真っ向勝負で勝負にならないからこそミスでの失点は防ぐべしという気持ちで見ているから余計にそう感じるのだろう。


東海大のレシーブはずたぼろではなかった。ラリー中のディグの対応も良かったんじゃないかしらん。それよりも攻撃の方が苦しかった。決めさせてもらえない。決まるはずのところに人がいる,長いラリーが取れない。そういうところがプレミアだなあと感じた。


第3セットだったかに,横田がレフトに開いて助走して打った場面が楽しかった。MBのアウトサイドからの攻撃とかブロッカーのブロックスイッチ(でライト側にMBがついてキルブロック)とか,妙に萌ゆる。それから,千々木伊藤の赤い靴同期コンビも,セット販売はされなかったけれどそれぞれ試合に出たし,最後に髪を切ってさっぱりしている松岡も見られた。89の関東組2人に対しては内藤さんとは違って,お久しぶりです,よく対戦していましたね,の雰囲気が出ていた。ちーさまのツーブロックマッシュルームカットがふわふわしていた。風にたなびく石島に比べたらなんてこたあない。


深津自身は,プレミアでやっていける手応えを感じたようだ。この試合に出た4年生は3人とも,「今日で終わりじゃない」感が強い。もちろん,白十字に鴎がついたユニフォームで同じコートに立ってプレーするのは今日で最後になったし,そのことでいくらかは感傷的な気分にもなった。


でも,さあ年が明けたら新しいチームに合流するよ,ぐらいの晴れやかな卒業である。見ているわたしの気持ちの話をしています。やってる選手たち本人の4年間は濃く長いものだったろうし,そうあってほしいと願ってもいる。この2日間,栗山じゃなく阿部が出ていたのは,きっとそういうことだったんだと思う。二度と見られない1・2・3が並ぶ絵を感慨をもって見つめた。それができたのは楽しかったし嬉しかった。4年生だけでなく,みな実に楽しそうな表情で,先週の金曜日が最後じゃなかった点に於いて,天皇杯があって良かったと思った。

[D4]FC東京3-0日本体育大学(25-23 25-22 25-19)


→東京:10山岡 11ミロ 28前田 24西尾 30手塚 18山本雄 L3福田/2三上


日体大:28山田 17田井中(2s途中-5上西) 9渡辺 1山本 2黒木 16中村 L12吉武


リーグではセッター駿とかバトゥとかあれとかこれとかそれとか,4レグで長いからってみたいな声が聞こえてくる東京の今日のスタメンがコレ。今か? ここか? ていう。いや,いいんだけどね。


男子4試合のなかでいちばん試合になっていた感。日体大は地味だけど地味に強い。この天皇杯,案外日体大がするする行くんじゃなかろうかとちょっと思っていた。東京がきっちりおさえた。


今日は渡辺大地がすごく良かったんだよなあ。小柄だけれど躍動感に溢れている。彼も来年最終学年だ。91が揃って4年生になる来年の大学バレーシーンが楽しみすぎる。


山本将平は今日もなかなかの活躍で(サービスエース取ったんだっけ),試合終了後に東京サポから「やまもとーしょうへい!」のお迎えコール。どうしていいのかわからずちょっとおどおどしながら挨拶に向かっていたのが微笑ましかった。スタンドの下を見ると,お手伝いに来ていたらしい竹浪と,もう1人謎の見知らぬ顔。もしかして,もう1人入ります?

おとなりCコート女子(皇后杯


昨日以上に見ていないんだけども。


[C1]東レアローズ3-0KUROBEアクアフェアリーズ


第1セットが25-9で。どうしようと思っていたが,そのあとは多少は。そのあとD2で25-8というのを見て暗澹たる気持ちになったが。
[C2]NECレッドロケッツ3-0日本体育大学
[C3]デンソーエアリービーズ3-0PFUブルーキャッツ
[C4]上尾メディックス1-3パイオニアレッドウィングス


第1・第2セットいずれも,上尾リードのセット終盤パイオニアが逆転。「えー,なんでー。惜しいー。勿体ないー」という気持ち。これが実力か。第3セットはパイオニアが逆転しそこねて上尾が取ったが,第4セットはまたもパイオニア。うむ。

明日の対戦(準々決勝)


駒沢体育館で,第1試合が12時開始。今日より1時間遅い。2試合しかないのに1時間しか遅くない。

男子(天皇杯)Dコート


[D1]東レアローズ-JTサンダーズ


[D2]FC東京-堺ブレイザーズ


行くかどうかは迷い中。疲れた。投票も行かなきゃいけないし。ポエムも書きたいし。家でだらだらしていたいし。