春高バレーと私
サブジェクトは具体的な試合の内容や感想ではないよ,というアピールです。
1/14に予定されていたサッカーの高校選手権の男子決勝戦が悪天候で延期になった。再試合は大学入試センター試験の一日目。両校の選手に受験者はいないとのこと。もちろん応援の子にはいるけれどと。
当たり前のようなすごいことのような。
春高の冬開催と選手権の移動
何度か書いているけれど,わたしが初めて「春高」を見たのは,開催時期がそれまでの春休みから冬休みに移行した2010年度(2011年)の決勝戦のこと。それまでテレビでさえも観たことがなかった。つまり,冬になったのがきっかけで見るようになった。自分の周りのバレーを見ている人界隈で冬開催が話題になったから興味を持った部分もあるし,何より大きかったのは3年生が出ること。すぐに大学で見られること,進路が分かっている選手もいることが敷居を一気に低くしてくれた。
逆に,3年生は最大引っ張ってインターハイまでなわたしの母校のようなチームはもう天地がひっくり返っても全国なんて行けっこなくなっただろうけど。どの道行けっこないから大差ない。どうせ県大会までなので10月までと割り切って出てるかなあ。どうだろう。たぶん無い。
見る。
まだ観戦回数は5回に満たないけれど,ここまでの感触では「見る」大会ではないかな。どちらかというと自分の高校時分の吹奏楽コンクールを思い出すノリ。
でも,今年の大会も会場に見に来てる私服男子は多かった。ちょうど同年代の子が多い。全国大会に出場していない近郊の高校生プレイヤーなのか,中学生なのか,OBなのか。
そういえば去年のインカレの木曜日「柳田さんと写真撮ってもらった」ってめちゃ嬉しそうに報告してる男子選手の声が耳に飛び込んできた。憧れや目標って,一回り上の全日本選手ではなくて,同年代の春高のスタアなのかもしれない。
高校スポーツの技術解説
自分自身はテレビで見るのが不愉快だから現地に行く人なので,ほとんどテレビ放送は見ていないし,見ずに想像で決め付けて文句を言っているというところ。
御涙頂戴エピソードのゴリ押しが鬱陶しいことと,実況の絶叫がうるさいことと,頑張ってる自分と悔しい気持ちしか言えないくせにその2つを連呼するのが耳障りなことは確かで,だから去年の男子決勝戦は見ていない。一昨年も白川離脱の件がほとほと鬱陶しかった。
今年の決勝戦は,ちらっとテレビで観た限りではその手の煽りは少なく(ゼロではない),さほど不快でなかった。その代わり石川を抜き過ぎていることにはなんだかなあと思った。印象操作なのか実際彼だけが大活躍だったのかは現地で見ていないのでなんともいえない。
ただ,いずれにしても,それらの不快な内容をやめてほしいことと,その代わりに言ってほしいこととは分けて考えるべきであろう。
お気持ちコンテンツが鼻につくために,お気持ち以外には全く触れていない印象になりがちだが,実際のところどうだろう。
個人のスキルは今もわりと解説しているように感じられる。コース打ちが巧いとかブロックの形がいいとか,レシーブのポジショニングがいいとか。
チームの特徴や戦術を解説するのは難しいだろう。参加校の多い勝ち抜き戦方式で,事前の取材もしきれない。
つーか,戦術とか戦略とかの解説が欲しいの? わたしは。
エンタテインメントとしての消費者の立場としては,高校スポーツの面白さの中でそこはそれほど大事なことではない。
それぞれのチームの魅力を伝えてほしい。その魅力は,「楽しそう」でも「文武両道」でも「素敵なエースがいる」でもいい。精緻化厳密化しすぎると全体像が掴みづらくなるし,チームの差違も分かりづらくなる。だから,「高速立体コンビバレー」みたいな,チームのキャラクタがなんとなく分かるような(気になれる)キャッチーな伝え方は,手法としてはアリ,だと思う。よくよく考えると何のことか分からないけれど,そこは構わない。用語理解に著しく誤解を生んだり,あまりに実態とかけ離れたものでなければ。ネガティブな環境や出来事をがんばって克服した系は個人的には全く好きになれないけれど,それもまたエンタテイメントではあるだろう。プロジェクトXにだって試練はつきものだった(らしい)。
なので,実際のところ,内容について,過剰なところを削ってほしいとは強く思うけれど,不足は感じていない。連呼を控えていただければいい。言うことがなければ黙っていればいいのだ。テレビは映像があるのだから音声がない時間があってもよかろう。取材内容や予定稿を試合展開の流れの中に無理矢理にでも突っ込んでまで全部使う必要もあるまい。
ただ,それは,テレビで見ないわたしの好みの話だ。わたしはすでにバレー観戦自体テレビでするものではなくなりつつあるので,たとえ実況や解説が変わっても急にテレビ放送大好きっ子にはならないだろう。そもそもわたし一人がテレビを観ようが観まいが制作側にはメリットもデメリットもない。
春高をテレビで見ているのは誰だろう。誰に見てほしいのだろう。そして,全国のフォロワ(プレイヤー)は解説に何を望むのかしら。