答えのないことを書く
問題提起ですらない。物事の整理もできていない。
チャレンジマッチの結果は出てしまったが,つくばのチャレンジマッチ出場が決まったときから,「昇格したら,どうするんだろう」と思っていた。
今季(も)それほどチャレンジリーグを追ってはいなかったし,つくばのこともそこまでがっつり見ていたわけではないが,年明け以降,概ねコートの半分は現役の筑波大生だったように思う。
セッターの前田一誠,ウィングスパイカーの久原大輝,オポジットの出耒田敬。時にミドルブロッカーの田城貴之が加わる。彼らは大学の方でも中心選手としてチームを引っ張っている。
それは,メンバーも多少の異動はあれ,昨年度(2011/12年度)から大きくは変わらない。
しかし。最初にあげた4人は,皆,この春から4年生になる。ここでサンガイアがプレミアに昇格したら,その初年度となる2013/14リーグの序盤が,学生最後の大舞台である全日本インカレの開催時期と重なる。
それだけはない。
筑波大は昨年末の全日本インカレを制した。大学トップチームの中心選手達,欲しがる既存プレミアのチームは多いだろう。大学同士のクローズドな場だけでなくVリーグでもチャレンジリーグで実績が見えているのだから,戦力として計算もしやすい。移籍(敢えて移籍と書くが)話は当然出る,と思う。
チャレンジ残留なら移籍するけどプレミア昇格なら残るよ,というケースも考えた。それでも,彼らが全員そのままサンガイアに残っている図というのは,ちょっと想像しがたかった。
昨年度なら,まだ,現役学生プレミアリーガーという素敵なドリーム話だけにもおさまったのだけれど。今年。というか来期。
実はすごく難しいタイミングで。
だから,どうすんだろうと。
サンガイアの選手は,今はけして筑波大一色ではない。筑波大現役と筑波大OBが多いのは当然ながら,最近は,筑波大OBではない選手の加入が目立っていた。吉野(武大),五十嵐(順大),瀧澤(東北学院大)。つくばという土地柄仕事の懸念はあろうが,つくばエクスプレスができてから,それ以前よりは,チームの拠点をつくばに置きながらも各選手のオシゴトは東京千葉方面でまかなうことも容易になったのではないかとも思っている。
だから,プレミアに昇格したとして,その上で筑波新4年生sが大量に抜けたとして,サンガイアはサンガイアで,どうにかはしたんだろう。プレミアに上がるなら,と,さまざまな形で力になる人も多いだろう。その中には今プレミアでプレーしている選手も含まれる。かもしれない。逆に,もっと下級生の筑波大生もいる。夢の現役学生Vリーガーというドリームも,実力的にも年齢的にも,相応しい選手さえいればどってこたあない。男子では数は多くはないが高卒の選手もいるのだし。
でもなあ。
ものすごくぐるぐるしているのだけど。
以前,クラブ愛とかチーム愛とか郷土愛とかをテーマに,一エントリ起こした。今もってその命題に答えは出ていない。
サンガイアに限った話ではない。
大分三好が,旭化成の休部(?)で奇数になりかかったVリーグ(当時)を埋めるために昇格した当時,わたしは,V1にはカケラほどの知識もなかった。旧方式の黒鷲でちらっと見たことがあるかどうか。V1上位で大分のチームだから名前だけは知っている,といった程度だった。
昇格に伴いチーム名が変わり,ユニフォームが変わった。赤かったチームが黄色になった。リスペクト旭化成,と,昨日そんな話をしていたけれど。旭化成にいた古田や南が加入した。
巨大掲示板レベルの噂で,昇格に当たって練習時間の一層の確保等の努力を求められ云々という話も小耳に挟んだ。ソースはたぶん2ちゃんだけど。
それは三好循環器科EKG大分(チーム名の変遷は複雑なようだが)と同じチームなのだろうかと,もんやりしながら,それでも新しいチームを迎えて,新しいVプレミアリーグは始まった。
それから気づけば,7シーズンが経過していた。昇格当時の選手たちの中にはプレミアに上がるとあまり出なくなった選手もいた。あのころ,おそらく,そうとうの選手強化をしていたんだと思う。
ただ,7シーズンも経てば,そうでなくとも選手は入れ替わる。今のマークを作ったのが置本(が先に変換されたよ・涙)もとい,沖本で,みたいな話は,もう,歴史の教科書のコラムの領域だ。
FC東京が,その大分三好を破ってVプレミアに昇格したとき。FC東京はすでにFC東京だったし,ユニフォームも変わらなかった。今も当時の選手達がチームに多く在籍している。
それでも,やっぱり,スタメンに小さくはない変化はあった。と推測している。運が良かったのか悪かったのか,同じタイミングで在京チームのNECが休部し,NECから2人移籍加入した。外国人選手も入れた。
FC東京が昇格して4シーズン。プレミアへと押し上げた当時の中心選手達は,ベテランになり,中にはチームを去る選手も出つつある。手塚のような,最初からプレミアのチームとして入団している若い選手も多い。
サンガイアの挑戦は来年に持ち越された。一方で,ジェイテクトが,何度目かの挑戦で,昇格を決めた。
ジェイテクトさんには,2012/13チャレンジリーグにおかれましては,下位チーム相手に試合時間1時間4分みたいな試合を平然となされまして。1桁失点のセットもあったりしまして。
いいよもう上に上がれば,みたいな。
今季頭の補強がガチだったので,今のまんま上に持っていってもそこそこいけるんじゃないか(勝てる云々ではなく少なくとも試合にはなるだろうという意味で)とは思うけど,いざ昇格となった今,さらなる強化もはかられると思われる。会社の並々ならぬバックアップの姿勢を感じるもの。チャレンジマッチ,刈谷から大応援団来てたもの。おそらくは応援バスをしつらえて。
良くも悪くも。ジェイテクトは製造業の,それも日本で一番でかい企業のグループ会社の単独企業チームで,今季のチームなど,まさにプチプレミアという風情だった。
だから何,という話である。
話があっちこっちに飛んでいるのは,わたしの中ではいちおう繋がっている。
何をきっかけにしてそのチームを応援するようになるのか。
どこを好きでそのチームを好きと感じるのか。
チーム「らしさ」って,何なのか。
ジェイテクトは好きだしジェイテクトにいる選手も好きだけれど,このチームに本気でのめり込んだら,わたしは昔感じていた疎外感をまた味わうことになるんだと,それを目の当たりにさせられたチャレンジマッチでもあった。
そもそも,なんですかそのスーパーエース頼みのつまn(以下自粛)と。チャレンジマッチ2日目の試合では正直すまんかったとは思ったけれど,でもーでもーでもー(しつこい)。
一方で,たとえばチームの理念やあり方に感銘を受けたとして。共感したとして。支援したいと思ったとして。それと,バレーボールをやっているその人達を好きと思うこととは,必ずしも直接的に強固に結びついているわけでもない。そこをきっかけに応援するようになり応援するうちに好きになることは,充分にあり得る話だけれども。
どんなに不納得でも,文句ばかり言っても,ファンをやっていた。そんな自分はあまり好きじゃなかった。だけどチームを否定する気持ちもなかった。
思い出話をしたいわけじゃなかった。
少なくとも自分に限っては,選手が好きか,チームの雰囲気(「雰囲気」の構成要素を分析すればバレーボール競技らしい何かが浮かび上がるかもしれないが,たぶん浮かび上がらない)が好きかのどちらかが,直接的なきっかけであり好きと感じる要因という傾向を感じている。外側はそのあとの話だ。本質ではない。
しかし,選手はどうしたって入れ替わるし,チームの「雰囲気」だって,同じであり続けることは難しい。それは構成する選手の異動による場合もあるし,トップやスタッフの異動による場合もある。
チームのリーグ移動による場合も。
わたしはヤクルトスワローズのファンを自称しているが,自称ファン歴も20年を過ぎると,そのときそのときのチームにファンを自称するに足る具体的な理由はなくなってくる。
自分がファンであると決めたからファンというだけの自縄自縛状態で,去年などは自チームを含めてプロ野球の動向を全く把握していないのにファンを自称しているよくわからない有様になっていた。
今は,球場が好き(都心,行きやすい,屋外,安い,こぢんまり)というだけで保っているかもしれない。
ここまで来ると,チームカラーも監督も選手も関係ない。だから,去る者は追わないし来る者は拒まない。
プロ野球は,リーグの移動がない独特の世界だから,バレーボールの例には合わないのだけれど。
バレーボールチームはどうだろう。形を変えて姿を変えて選手が大きく入れ替わって。それでもそのチームが好きだと。そういう人はたくさんいる。それは何故だろう。どうすればそういうファンを獲得できるんだろう。
自動入れ替え(8位/1位自動入れ替え+7位/2位入れ替え戦)を推奨していたわたしは,男女ともに入れ替わりが起きたことをまず前向きに受け止めている。
移動によっておそらくは血を流すことになる男女4チームの痛みを伴うものではあり,けしてそのことを歓迎もしないし喜ばしくも思ってはいないのだけれど,入れ替わらないリーグが続き,プレミアとチャレンジが同じ「Vリーグ」を名乗るのさえ鼻で笑われかねない状況になりかけていた。世間どころか業界内でさえ「Vリーグ」の呼称にしばしばチャレンジが含まれていない。そういう現状がいやだった。中に多くの矛盾や無理を抱えてはいても,今,スタイルとしては1部2部合わせてのリーグである。その事実を受け止めることさえできていないなら,リーグをよくしていくことなんて難しいに決まっている。
となりの芝生の青さをうらやましがっても仕方ないけれど,自動入れ替えがありながらもリーグとしての体力を維持し続けているJリーグの各リーグのありようやクラブのありようファンのありようを見ていると,たしかに大変そうだし辛いこともあるしそうとうな体力が必要には見えるけれど,少なくとも国内の津々浦々にサッカーの文化が根付いたことは感じられる。
Vリーグはどうだろう。今回あいた風穴から良い風を吹かせることは,これからできる。始まる。