夏,練習試合,夕立
8月11日が誕生日の人って多いんですね。
そういう日ってあるよね。
さて,それとは関係なく本題。雷の記録です。
わたしは基本的に公式戦の試合を見るのが好きだし,長い間ぼっちを貫いていたこともあって,練習見学なるものとの縁が薄い。しかし,有り難いことに,この夏は立て続けに情報をいただき,練習試合を見学する機会に恵まれた。
練習見学は食わず嫌いのフシもあるので。それに,通常練習(がどんなのかもわからぬ)は敷居が高くても,ほかのチームとの練習試合であれば少しはお邪魔する際の気持ちも軽くなる。
8/4富士通対長野選抜(?)@中央大学多摩キャンパス第一体育館
第一体育館の板張り競技場。春のリーグをここでやっていなかったら怖くて足を踏み入れられなかった。ただ,リーグ戦はフロアに席が作ってあったので,上のギャラリーへの行き方が分からず(チキン)。ごにょごにょの後に上がってみたら,ひろーーーーいグリーンシート敷きのフロアがあってびっくりした。4面コート取って,関東の女子のサークルのリーグ戦っぽいことをしていた。さらに奥にもスペースがあって,バドミントンだかバレーボールだかをしていた。そんで,板張り部分だけ吹き抜けになっている。迷宮。
オープンで5セット。1セット終わるごとに長めに時間を取って,個別にスパイク練習したり。両チームとも国体のブロック予選を3週間後に控えている。という状況だったけれど,富士通は必ずしも国体オンリーロックオンという感じでもないんだろうな。選手順繰りに試して,一通り(全員ではないものの)出ました,という感じ。今季から監督になったかつたさんのハーパン姿が麗しかったのと,副審やったときのなかがわさんが不可思議なパフォーマンスをしていたのが印象的。
長野は,富士通長野+VC長野+ふるさと選手制度利用の学生さんという編成らしいと聞いてはいるけれど,知った顔がほとんどないのでわからぬ。学生さんはこの日いたのは(顔が分かる範囲では)1人だけだった。二人で得点係をしていたきたざわきょうだいがたいへんかわゆらしかった。
そんなかんじ。
8/10富士通対福島@富士通川崎総合体育館
ここも,いつぞやのとどろき(?)の帰り(?)に前を通っていなければ(以下同文)。蒸し風呂立ち見を覚悟していたら,椅子もあるし暑すぎることもなくて良い方向に拍子抜け。
6セット。6時過ぎに練習試合が終わったあと,さらに富士通組は居残り練習もしていた。開始時刻も遅かったんだけど,月金でふつーに仕事してて土曜日にほぼ一日中体育館で練習してるってすごいな自分にはマネできないなと本気で思った。お盆も近いのに。家族もいるのに。
はるばる遠征してきた福島の一行に対しても。マイナな競技で(メジャかマイナかは問題じゃないんだけど),お金もたくさんかかる。それでも終業後や休みの日に貴重な時間をさいて重い荷物持って移動して練習して。好きじゃなきゃできないよなあと。
見てるだけです。
福島も2週間後にブロック国体を控えている。クラブチーム単独+ふるさと選手制度,ということらしいが例によってよくわからない。そして長野の比じゃなく選手はわからない。去年の天皇杯のファイナルラウンドで見た福島大のユニフォームのパンツっぽい選手が何人かいたので,OBもいるのかもしれない。見たことがあるようなないような,きっとない。
8/11早稲田対福島@早稲田大学上井草スポーツセンター
で,夏の練習試合見学お試しプランの最後を飾る(と思われる)のが,本日。上井草まで行ってきた。上井草はほんとうに初めて。あまり馴染みのない西武線。上井草駅で降りたのも初めて。超アウェイ。駅に着いたときに暗雲垂れ込めつつあり,体育館までの数分の道行きの間にどんどん雲行きが怪しくなる。敷地に入るころにごろごろと遠くから雷鳴が聞こえだし,突如目の前の遠くの空に縦に走る稲妻。ひいいいいいい。
速やかに体育館に駆け込みギャラリーへ上がる。ベンチの椅子に座ろうという段になって「バリバリバリバリッ」。思わずひぃっと叫んでしまった。室内が安全なのは分かっているので,怖くはないんだけど。うん。でも,怖い。窓がないから外の様子は分からない。平然と練習試合を続行していられる精神的なタフさに感服するしかないほど,耳をつんざくような雷の音がしばらく鳴り響いていた。
そうこうしている内に私鉄が次々と落雷にやられる。小田急はすぐに復旧したけれど,京王は再開の目処立たず。練習を見た後で味スタにJ2のヴェルディ戦を観に行くつもりでいたのに,なにやら先行きがアヤシイ。
雷のかたまりが過ぎるか過ぎないかというところで,今度はばたばたと激しく屋根を打つ雨音。どうもスポーツセンターの天井が,波打った金属状の,スレートだっけトタンだっけ,アレで。直屋根じゃない? という仕様で雨音ダイレクト。外見えないけどどう考えても土砂降り。疑いようもない。
ずっと降り続けるものではないから,それこそ室内にいてよかったね,という話ではあったのだけれど。
雷雨に打たれながら練習試合をしている。蒸し暑い中それを見ている。初めて訪れた体育館,我々のほかに見学者もいない。耳障りな雨の音,床を鳴らすシューズの音,笛の音,ボールを打つ音,選手の声。トレーニングマシーンやらの大きめな機材が静かに並んでいる薄暗いギャラリー。なんだろうこの非日常な不思議な感じ。
熱せられていた屋根が雨で冷やされていくのがリアルタイムで実感できた。到着したときは座っているだけで汗が噴き出すサウナだったのに,雨の後は一気に過ごしやすくなった。
いつしか雷の音も雨の音もしなくなって,5セットやってちょうど5時に終わった。途中から早稲田はさっぱりわからないメンバーになり,ウェアの背番号がアテにならないということしかわからないなりに楽しげなプレーや気になるプレーヤが見られて楽しかった。来年あたりには公式戦で見られるのかな。どうだろう。見られるといいな。
福島のほうもちょいちょいメンバーの入れ替えをしつつ。こちらはブロック国体のグループ分けがかなり厳しいところに突っ込まれているので大変だろうとは思うものの,たった2日とはいえ10セットばかり見ている間に本戦で見たいなあなどと欲が出てくる。
外に出ると雨はとっくに止んでいて,雲の切れ間から夕日が射していた。京王さんは運転見合わせが続いていたのでバスに乗って荻窪に出て,荻窪駅のルミネで晩ご飯を買って,味スタは諦めてまたバスに乗って家に帰った。荻窪とのバス路線があるなんて知らなかったわ。
明日も出勤するわたしにとっていつもと同じ日曜日のはずなのに,なんだかすごく,夏の特別な一日だった。
顔立ちがどうだとかプロポーションがどうだとか,にじみ出ているキャラクタがどうだとか,発言がどうだとか,来歴がどうだとか。そういう要素ももちろんあるし小さくはないけれど,いちばんの根っこにはプレーが好みというのがあって,それがあるからこそ好きという気持ちが成り立って持続しているんだろうなあ,などということを最近つらつらと考えている。