10日目
@日体大世田谷
最大4コート取れる体育館のメインアリーナ,今回は1コート分をほかに使っていたので3コート分。したがって,開幕週とは異なり,真ん中の1コート分に背中合わせに観客席が設営された。逆立ちしても両コート同時には見られない仕様。その代わり一般客も3階のギャラリーに上がっても良いことになったようで,廊下の突き当たりに3階への案内があった。
前回開幕週はおおかたまだ夏休みだったろうから,事情が異なるのは仕方ない。思い起こせばパンフレットに会場が掲載されていないぐらいに難航していた会場確保,使えるだけでも有り難いことだ。おまけに館内は明るいし,コートの声もベンチの声も聞こえるベンチ裏至近距離。アリーナなのに大学リーグなのにひな壇。設営感謝。
隣のコートが見たいなどと未練がましくぐずぐず言うのは贅沢ですね。しかし,明日の閉会式はどうするんだろう。
しかし今日は客席の設営とは全く別の事由で,第1試合はほとんど見ていないし第2試合も最初のセットは見ていない。ものすごく楽しみにしていたけれど,出がけにハプニングがあり,到着する前に心が疲れていた。メモも取っていない。頭が煮えていたので,記憶にも刻めなかった。
そういう日もある。
慶應義塾3-0国際武道(25-18 25-19 25-20)
中央大0-3明治大(16-25 23-25 20-25)
スタメンは見てはいないので,明治は妄想,中大は公式Twitterより。
中央:25井上 11手塚 9江頭 17今村 2傳田 21関田 L5森/28伊賀
→明治:1大塚 3鎌田 2新 10杉本 5佐藤 6飯塚 L14中村/22瀧野
過去の対戦成績などあてにならぬと知った。過去の勝率がどうであれ,その試合に限っては勝つか負けるかのどちらかしかない。
中大は前週と大きくメンバー入れ替え。SRは関田-江頭。アウトサイドは今村-井上。リベロは森と伊賀のスイッチ。MBのみ比較的安定傾向の手塚-傳田。
中大のこのメンツ,おもしろいじゃんとは思ったが,結局,サーブもアタックも今村が狙われがちで,なかなか攻撃専心とはいかない。その分江頭に期待がかかるところではあろうが,1人でなんでもどうにかしちゃう系ではない,のよなあ。
関田くんはかわいい。
明治の何が強いのか,4年目だけど結局わからない。「強いから勝つのではなく勝つから強い」と開き直ってもいいのだが,解せないまま終わるのもなんとなく悔しい。今日,目の前で第3セットを見て4年生たちの「4年生力」を感じた。カウントダウンが近づいている4年生達の仲間意識というか結束力というか。下級生に対するお兄さん顔とか。そんなものはどこのチームにだってあるから,それが強さとは言わないよ。でも,見ていて楽しいよ。
第2セットだったか第3セットだったか。押されていた場面で,佐藤のキルブロックが出て,それを見て東日本インカレの決勝戦を思い出した。同じ1点でも,その1点が1点以上の効果を生むからキルブロックは侮れない。大きくないけど,他にもいいブロッカーはたくさんいるけど,数字に出ないところで貢献している(と,この秋に関しては多分に贔屓目も含まれているような)。出会い頭の闇雲の一発じゃないから。
原がベンチ入りメンバーに戻ってた。試合出場はなかったけれど。足がよくなったのならなによりである。
東京学芸1-3駒澤大(20-25 9-25 25-17 22-25)
駒澤,1部初勝利。この試合を見られなかったのは残念だ。最後だけ,ほんのちょっとだけ見た。18-23ぐらいにリードしていたのに,駒澤がふかしちゃったりなんだったり。でも点差はあったから,「ああ,初勝利だなあ」と思いながらその時を待った。追い上げられたけれど,ひっくり返りはしなかった。
日体大0-3早稲田(22-25 23-25 24-26)
スタメンは見ていないので妄想,もとい,第2セットスターター。
→日体:2中村(2s途中-16田尻) 1渡辺 9田井中 31峯村 20山田 19小宮 L5吉武/34山本*1
早稲田:9専田 7濱松 19山口 1吉村 11福山 3七里 L2本間
この頃都に流行る物。セッター前衛のスターティングオーダー。
第2セットの早稲田は見慣れたスタートローテーションとは違っていた。それが奏功したという説もきいた。
早稲田は,スタメンが安定していて,仕事ができるリリーフやセットアッパーがいて,と,Vリーグで見慣れているスタンダードに近いチームのつくりで,見ていて馴染みがいい。
その上で,ローテーションを回したとか,この得点の場面でのリリーフサーバー投入だとかの戦術面のお楽しみもある。個人個人に寄っているのではなくチームとして成り立っているっていうのかしらん。派手に目立つ感じはないけれど個人成績も良い選手が揃っている。きっと,きちんと腰を据えて見れば深く楽しめるだろうという。そんなかんじ。
日体大のレシーブ力と早稲田のスパイク力。日体大のクイックと早稲田のブロック。
一昨年だったか去年だったかはひたすら「サイドアタッカーが楽しい」と言っていたけれど,ブロックいいよね。山田をばしばし止めた場面はしびれた。そして,太田と北地の2人のリリーフサーバーが,出れば必ずといっていいほど点を取るのが,感動的。
日体は,早稲田に押されて,レシーブから立て直していこうとしているのは感じられるんだけど,押し出された。先週も書いたけれど,山田のディグ力の上がりっぷりがすごい。飛び込め。でも,飛び込ませている早稲田が1枚上手だったのかもしれない。攻撃の手数が減るから。
第3セット11-13でSR2枚替え。山田→中村が交代したところで,田尻→板東が認められなかった。1プレーだけ,コートにセッター2人。後衛にいる中村がトスを上げる。ライトにいる田尻に上げれば面白いのにと思ったけれど,あがらなかった。
日体大は,そういうミスが最後までたたった。その2枚替え失敗の場面はそれでよかったのだけれど,ラリー中にセットとアタッカーが合わない(誰もいない)場面がちまちま見られた。最後の最後。セットを取るチャンスだった24-23のトランジションアタックの場面でそれが出た。
デュースになったところで早稲田はリリーフサーバーに太田を投入。太田のサーブが日体を崩し,24-26と最後はたたみかけてストレートで,自力優勝の可能性をもって最終日にのぞむ。
筑波大2-3東海大(25-21 25-23 23-25 18-25 13-15)
筑波:1久原 7田城 8出耒田 14篠村 18兒玉 2前田 L10竹澤
→東海:31久原 22栗山 36松林(3s-池田) 1鶴田 14加口 35椿 L41井上
ポジション6のMBのスタメンに加口。たしか隣の深沢高校の出身だったのではないかしら。開幕週にも交代出場して(たしか2日目の対順大戦),地元だからかしら,なんて言っていた。それ以来,かどうかは知らない。
セカンドリベロが29番の新垣だったので,池田もいないのだろうかとリザーブをみやると,いる。
はてと首をかしげつつ,時折鶴田の孤軍奮闘ぶりを見ていた。最初2セットは筑波。筑波がいいのか悪いかはわからんが,コートを見る度に東海は鶴田が孤軍奮闘しているか誰かがスパイクアウトをしている。オポネントエラーの数を数えたいぐらい,スパイクアウトが多かった。しょっぺー試合してんなー,と思っていた。楽しみは兄弟対決ぐらいかと。
そしたら,第3セット,OPに池田。久しぶりのOP。後衛でもコート内にいることで,鶴田にのっかっていた荷物の重さがちょっと池田に預けられた。バックライトからの攻撃が気持ち良い。このセットはずっと東海のペースだった。19-23ぐらいまで,かなり差があった。最後は筑波に追い上げられて,あわや同点・デュース,そしてそのまま試合終了か,というところまでいったが,東海が振り切った。
この時点でも第4セットまでで試合が決まるだろうという気持ちがあったのは否定しない。
東海,勝っちゃったよ。
第5セットは7-7からブレイクした筑波が先に8点にのせ,8-7でコートチェンジ。そのあとも筑波がサーブの度にひとつずつブレイクして,10-8,12ー9と点差が開く。
10-9での栗山のサーブがライン踏み越し。12-10での池田のサーブがネットを超えない。13-10。ブレイクチャンスを2度つぶして,終盤での3点差。東海は詰んだ,と思った。
13-11で鶴田のサーブ。
ああ,5連続得点だったのか。
久原兄スパイク,ブロックリバウンドからの2本目がアウト。13-12で筑波タイムアウト。TOあけ,ふたたび久原兄。ぎりぎり飛び込んだ井上があげて,鶴田がの二段トスから久原弟。これが決まって13-13。筑波2度目のタイムアウト。
タイムアウト明け。鶴田のサーブが竹澤の手を弾いた。手を出して当たっただけでも凄いような,強烈なサーブだった。
集中力を乱されない。ビハインドでも,立て続けに2度タイムアウトを取られても。このサーブポイントには腰が砕けた。
逆転でマッチポイントに手をかける東海大。リードしてのサーブはもちろん筑波のレセプションを大きく乱し,返ってきたチャンスボールを最後は久原弟がきっちり決めた。
優勝がかかったチームの試合を見た後で「お腹空いた・疲れた・眠い」満載で見ていたこともあって,細かい部分でのボール処理の甘さやなにやら,こう言っては実も蓋もないが,ナンダカナーと感じられた部分も少なくはなかった。とくに,今季観戦運がなかった筑波に対しては「こんなもんじゃないでしょ」と歯がゆい気持ちもあった。
でも,接戦はそれだけで楽しめる。そして,内容がどうであれ,勝敗は勝敗である。2セットビハインドから逆転でフルセットゲームを制した東海大の面々の笑顔にきゅんとしてしまった。優勝とも入れ替え戦ともかかわらなくなった,だけど,もしかしたらインカレの8シードにかかってくるかもしれない。これもまた,等しくリーグ戦の試合の中の1つだった。
専修大1-3順天堂(25-22 27-29 25-27 20-25)
専修:18川波 1長友 13高橋 12藤中 8山本 4板宮 L23池田/22吉澤
→順大:24浅野 2細中(2s途中-3伏見) 5佐野 22堤 12廣瀬 1藤井 L31松崎
第2セットと第3セットがデュースで長引くバレー大好き試合。ほんとうは第3試合は隣を見るつもりだったのだけれど,こちらが先に始まったので見ていたら,離れがたくなってしまった。
専修は高橋がスタメン復帰でフル出場。悪くはないが,大活躍というほどではなくて,身長が高い順大に通用しないんだとしたら癪であることよ。
順大も,途中から伏見が出ていた。クリスとかわった,はず。伏見廣瀬の対角というのは,比較という意味で面白そう,と,実現する前(去年以前にあったかもしれないが忘れている)には思っていたけれど,今日のこの試合でやられても落ち着いて見られなかった。残念。
波があるし粗いけれど楽しい専修。掴みづらい順大。しかし。ミスが多い。
第1セットをいい形で取っても,だんだん「どーーん」になっていくのが,専修の専修であるゆえんか。伏見の登場がじつに効果的で,伏見がいるだけで厭がっちゃう。
順大は開幕3連敗のあと7連勝。驚くべきスロースターターぶりである。
6試合振り返って。今日「左側(=対戦カードで春上位だったほう)」で勝ったのは慶應だけだったんだなあと。
*1:出ていたかどうかうろ覚え。後半はほとんど吉武