リーグも終わったので


まだ入れ替え戦は残っていますが,ぽんやり思っていることをとりとめもなくつらつらと。ほんとにとりとめないです。最近思考も文章もまとまらない。昔からまとまっていたためしはないが。


とりあえず,気になっているお題だけ列挙。

  • リベロとたくさん受けている(レシーブのうまい)サイドアタッカー
  • 今年のインカレのテレビ放送の扱いがどうやら残念なことになりそう
  • ↑との絡みで,関東の大学シーンにおいて,近年,強豪でVリーグに進まない選手が多いんじゃないか疑惑
  • 慶應の監督さんが書いていらした。「学生主体のチーム」が上位にいること
  • 市川会長の言うところの「バレーボールを続けてください」
  • やめるひととつづけるひと
  • ↑に対する,一方的なもにょもにょ
  • シュリンクする世界と,そこでバレーボールを選んだ男の子達
  • 最終日,仙台大のアナリストさんが来ていたよ


このへんから適当に。書きたいときに書きたいだけ書いてみようかな,と。


今日書かなかったものは結局お蔵入りしそうな予感はありつつ。

進路の話


今年は,Vリーグ各チームの来年度入団内定選手発表の出足が全体的に遅い。移籍選手ではなくて,いわゆる新卒のほう。去年はぷれみあ含む3チームがリーグの最終週(10月半ば)より前の発表だった。今年はリーグ開幕がぷれ・ちゃれ共に12月第1週で去年より1か月遅いといった事情もあるだろうか。11月に入ったら出るかしらと思っていたけれども,今のところ,きんでん(近大岡本)ぐらいっぽい。警視庁も出たけれど,ここは1年遅いので,既卒新入団という感じ。


このままだと15日発売の「チームの顔」が第一報になるか,もしくはそれにあわせてチーム公式サイトやVリーグ公式サイトに出ることになるのかな,といいながらもいつ何時動きがあるかわからないので油断はできない。


いずれにしても,まだインカレもあるから,すぐに合流するわけではない。また,合流してもすぐに試合に出るわけでもないだろうから,焦ってもどうにもならん。


わたしが焦ったところで行き先が変わるわけでもなし。


Vリーグの側から見ると「(どこに)誰が来る」という視点になる。新入団選手は新戦力だ。すぐにではないにしろ未来の各チームの戦力分布図に影響を及ぼす。一方で,えげつない話をすれば,入った人数分退団選手が出るだろうと怯えることも意味する。退団でなくても,近い年次の同ポジションの選手がポジション争いではじき出されるかもしれない怯えもある。


そういう意味では,わたしは関東1部のほんの一握りのチームのレギュラークラスの選手をゆるっと見ている程度なので,正直なところ「ようわからん」としか言いようがない。ようわからんのであんまり(ほとんど)気にしていない。リーグ戦にはVリーグ各チームのスタッフのみなさまが遠方にも拘わらず頻繁に足を運んでいる。スカウト的なことをしているんだろうことは想像がつく。それはプロの仕事であって,素人目にはわからない。


大学シーンに於いても強いチームに良い選手(高校生)が集まる傾向はあるだろうけれど,現状,その「強いチーム」勢力図が掴みづらい状況にはなっている。群雄割拠と言えば聞こえがいい。全体的にレベルが低下している,或いは,戦力を充実させられているチームがない,と言えば聞こえが悪い。長年見ているわけではないからこそ余計に,自分が見始めたころの印象のほうがよりよく感じられるものだ。ただ,あくまで個人的な感触ではあるけれど,身長の大きい選手がいない(特異的に多いチームはある)だとか,抜きんでて強いチームがない,といった変化はあっても,数年前と比べてリーグのレベルが下がったという感じはしない,と,思う。だいたい,8チームと12チームじゃ,「1部」のレベルに差が出るのは仕方ない。世の中は少子化が進む一方だし,男子バレーボールの(プレーする対象としての)人気も知名度も競技人口も,少なくとも上がっている様子は窺えないのだから。


1部6チーム時代は知らないけれど,1部が8チームになり10チームになり12チームになったことで「(どうせなら)1部でやりたい」と考える高校生の選択肢も増えることになり,そういう意味でも戦力が分散しやすい状況にはある。いくつかの点に於いて,全国の有望な高校生をかっさらっててこれかい,というもったいない(各地に申し訳ない)気持ちになることもあるんだけど,それはまた別の話だ。


案の定話が逸れたけれど,要するに,足繁く関東に通って選手を見ているスタッフの人達は,自チームの編成を考え,対象の選手の将来性を考えて,スカウトをしているわけでしょう。団体競技だから,所属チームの成績や戦術だけでは判断できない。逆に,各大学チームにしても,Vリーガー養成機関として慈善事業をしているわけではないのだから,当然,それとこれとは別というシフトを敷いてくる。


個人の資質もあるし,なにより大切なのは本人の意向。関東にVリーグのチームが少ない(といういい方は正確ではなくて,Vプレミアが少ない)から関東出身の選手だと却ってびみょう(わたしが)な感じもある。逆にVプレミアのチームが多い関西や,ぷれちゃれ併せて4チーム揃っている東海は,インカレで上位に入るチームは限られているしそのチームへの偏向傾向はあるにしても,それなりに太いパイプでVリーグに安定的に選手を輩出している。


何がいいたいのかわからなくなってきたけれど(最初から何かいいたいことがあるわけでもないのだけれど),つまり,わたしは,おそらく,大学生の各選手の進路を「Vリーグチームの側」視点では見ていない。なるようにしかならないし大学生同士の試合を観ていても個々の選手の力量なんてわからないし,関東だけ見ていてもその学年全体の様子は分からない。そういうこと。


それでも進路は気になる。「この選手は進路をどうするんだろう」という視点で。


全国から有望な高校生も集まり強豪チームもひしめいている関東ゆえ,関東からVリーグ(のチーム)に進む選手は多い。けれど,それが全てではない。最近思うのは,地方から関東に来る選手は,Vリーグに行きたいからという選手ももちろんいるだろうけれど,Vリーグ云々関係なく単に「東京(近郊)だから」という指向の選手も少なくないんじゃないかなあということだ。シビアで世知辛い今の世の中で関東の有名大学のブランドは馬鹿にできないと思うし,そうでなくとも大学ぐらい都会で遊びたいわー。っていう。


全然遊べそうもない大学もいっぱいあるけれど,早慶が揃って強くなっている現状を見ていると,そういうことも思っちゃうんだよね。求めるのはバレーの強さだけじゃない,とか,必ずしもVリーグに進むことが第一目的ではない,とか。もちろん本格的に専心して取り組めて強いチームで強いリーグで戦えるという前提はあったうえで。MARCHでくくって全部同列で語ることはできないけれど,明治っこ達の,東京の学生生活もそれなりに満喫していそうな垢抜けた雰囲気と,それでいて東日本インカレ優勝&秋1部2位という好成績をおさめちゃうところも,個人的には大変好ましく思っている。


彼らが,往年の東海大や中央大のように4年生のほとんどがVリーグに進むことは,おそらくないだろう。強いチームは注目されるし選手も育つと思うから(いくら高度な団体競技とはいえ良い選手が全くいない状態でめっぽう強いってことはないでしょうよ),たとえば早慶などからもそれなりの人数のぷれみあーは出るだろう。事実,早稲田が強かったころ(黒鷲で見たということはインカレベスト4でしょう)の代はVリーガーが多い。


でも。全員じゃないよね。たぶんね。去年のインカレベスト4のチームは,みな,4年生が2部を経験していた,という話もある。それぐらい勢力図は混沌としている。逆に,ぷれみあー輩出で鳴らしている大学も,チーム自体の成績が振るわないと,どうだろう。最初に書いたようにプロの仕事だから,スカウトの人達がどう判断するかはわからないけれど,そちらもやっぱり,4年生がほとんどVリーガーとはならなそうな気がするんだ。だって,ねえ。もっとも今年は白い十字のところもたまずうのところも,3年生以下の比率が高い構成ではあったので,結果的に数少ないレギュラークラスの4年生の大部分がVリーグにおさまっちゃう可能性も否定しないけれど(全くの余談だが,自身の指向の変化と周辺の変化に伴って,たまずう界隈の動向がほっとんど見えなくなった)。


桜マークや水色のように,昔も今も強くてVリーガーも安定的にいるけれど,多くはない,というチームはもともとある。そこに早慶を合体させて考えにくいのは,桜マークの所や水色の所は教員が多いから,ちょっと事情も傾向も違うと思っている。水色(青色)になったブラジルカラーだったところは,どうだろう。今の主力4年生は既に現役Vリーガーなので,(同じチームかどうかはともかく)続ける選手が多いと期待しているけれど。そして,そういう(Vリーグ指向のある選手が集まる)チームであるといいなと思っているのだけれど。だって,すごくしっかりしてるもん。


いずれにしても,一番大切なのは,選手本人の意向であることは疑いようもない。だから,関東じゃなくても1部じゃなくてもレギュラーじゃなくても,Vリーグに進む選手はたくさんいるし,そこで活躍する選手もいる。そんなのは当たり前だ。そしてその可能性や選択肢はもっと広がればいいと思う。トライアウトしてるチームもあるよね。


逆に,関東でも1部でもレギュラーでも主力でも,Vリーグに進まない選手もいるし進めない選手もいる。それも当たり前だ。門戸は狭い。入った後の競争も厳しい。プロではないとはいっても,トップリーグはそれなりにシビアだ。引退後も薔薇色の生活が待っていると約束はできない。


1か月後にはもうインカレで(真っ最中ですよ),インカレが終われば4年生は引退する。それはたしかに予定されたスケジュールではあるけれど,その選手のキャリアを考えたとき,何をもって「引退」というのか,何をもって「終わり」というのか,わたしには分からない。以前は,自分の好きな選手にはVリーグのチームに進んでほしいと思っていた。今でもそう思っている部分はある。でも,ほかの誰でもないその選手の,今までよりも圧倒的に長いこれからの人生の選択だから。「願わくばどんな形でもいいから続けてほしい。そうしたらどこかでプレーを見る機会もあるから。」。大学バレーを見ている人達が口を揃えて語るその言葉が,ピンと来ていなかった。けれど,大学バレーを見始めて選手が一回りして,今,その言葉をしみじみと実感する日はそう遠くないのだろうな,と思い始めている。実業団でもクラブチームでも9人制でもビーチでも。1日のほとんどを練習に費やす日々ではなくなっても。続けないのと続けるのとの間には天と地ほどの開きがある。見ていたい側にとって。たとえば年に1度国体予選で見られるだけでも。元気にしてるな,って思えるだけでも。変わってないな,と思ったとしても,変わったな,と思ったとしても。


今までと同じようには見られないのは,その選択が何であっても一緒だということも,この数年で分かった。Vリーグに行ったからって,リーグ中毎週末近所で間近でたっぷり活躍を見られる日々が終わることには変わらない。


だから。どこかで続けてくれれば。