初春歌舞伎公演「三千両初春駒曳(さんぜんりょうはるのこまひき)」@国立劇場


国立劇場×菊五郎劇団の復活狂言。お正月ならこれは観なくちゃと急に思い出してチケットを買ったのが今月3日のこと。


1年に1度しかチケットを取らないので取り方を忘れていたり。どうやらWebからは会員登録が必要になったようで,国立劇場チケットセンターの会員登録もした。せっかくだから小劇場の文楽公演を見に行きたい。


今年の演目は,話は奇想天外ながらも,まあぼちぼち歌舞伎の想像の範疇。面白いか面白くないかと言われれば面白くはあるものの,却って,無難に小さくまとまった感じにはなっていた。ほぼ新作の復活狂言だけど,なんとなくありがち,っていう。


徳川家の将軍暗殺計画と松平長七郎の伝説を,太閤記の時代に持っていって名前をかえて,小田家の信長亡き後の家督相続争いの話に仕立て上げている,らしい。


高麗からやってくる王家の姫君←無理矢理感


家督相続争いのお話しのはずなのに,政治に興味がない三七郎信孝←前半で争いそのものは解決


一連の悪人ということになるらしい,信孝を推していた柴田勝重。気に入らないので家督相続することになった三法師丸の殺害を企てる。


前半のほうが面白かったかなあ。


後半は突如として世話物風。阿波座の材木仲買の田郎助やら,大工の棟梁与四郎やらの話になるんだけど,物語冒頭に出てきた,家督相続のために必要なのに行方不明になっていた蛙丸の剣の捜索は続いていて,材木仲買や大工の棟梁が実は大名と繋がりがあるという,例によって無理矢理な感じ。


そこに突然はさみこまれる馬切り。


風呂敷たたみ始めてからは「え,そこ自害しちゃう?」だっりして……しょんぼりなり。


釣天井の仕掛けは(あれが失敗でなければ)どうということもなく。馬切りの場面は面白かった。鈴ヶ森風味。


いつものような過ぎたおふざけがないのも肩すかしだったけれど,テレビネタはされてもわからないのでその点は良かったかな。


オペラグラスを忘れたのがすべての敗因のような。


役者方面では,亀三郎さんの宅間小平太がわりと大きな役どころで,とくに前半出ずっぱりったのが嬉しかった。


松緑の柴田勝重も良い感じ。そもそも声が好き。ばいちゃんかわいい。おやじさんとぼけててゆるくて良い感じ。


時蔵さん好きだ。小谷のナチュラルさ。大詰めの真柴久吉の烏帽子に浅葱色の大紋長袴姿が目に鮮やかだった。


なんとも実に予定調和な国立劇場初芝居。去年は大雪でえらいめにあったけれど,今年はいい天気だった。


さて,2月の歌舞伎座花形歌舞伎の夜の部に白浪五人男が(菊之助の弁天小僧で)通しでかかるらしく,2週目はあいている,などと算段を始めている。歌舞伎座は建て替えしてからまだ行ったことがないので,そろそろ行ってみたい。でも,歌舞伎座べらぼうに高いんだよね。そのせいで去年の歌舞伎観劇が正月国立だけ(=歌舞伎観たうちに入らない)になってしまったぐらい。